フシはマーク

2018.10.28.10:58

 木の家での生活も12年を超え木の家を通じて学んだことや気づいたこともたくさんあります。
 木の家はぬくもりがあり調湿性もあって五感に優しいと言われていますが、住まい手の視点で木の家は何がどういいのか、木の家で生活すると住まい手がどうなるのかと言ったことも伝えられるようになってきました。

 前回、覚えられないフシについて書きましたが杉床に対しての捉え方に幅が出てくれば誰かが言った傷や汚れがつきやすくて見栄えの悪いフシのある杉床でも何の不自由も不具合もない気持ちのよい生活が出来ます。

 富山には木の家を建ててくれる建築士や大工さんがいるので私たち住まい手は木の家を考えてくれる建築士に相談に行くことで丈夫で長持ちして美しく住み心地のよい木の家を手にすることができます。
 ところが最近自分が落とし穴にはまっていることに気がつきました。
 きっかけはフシです。

 フシは枝の断面ということは誰でも知っていると思っていましたが、30歳の若い社員との何気ない会話で木の板の話になったときフシのことを「板についたマークのことですか?」と聞き返してきたことに驚きました。
 フシのことを板についた意味不明の印と表現したことにハッとしてあのマークは何だろうと尋ねるとそんなこと別にいいじゃないですかと軽く流されて話が終わってしまいました。

 フシをマークと表現したことが気になって職場以外でも何人かの若い男女にフシについて尋ねてみたところ二つのパターンに分かれているように思います。

 柱など構造材が見える家で生活している若い人はマークと言わずにフシと表現できるしフシが枝の断面だと家の誰かから教えてもらっていてすぐに答えられます。

 フシがない環境で生活している若い人はそもそもフシというものに接する機会が少ないのでフシについて尋ねられても意味不明の印のことなんてどうでもよいと捉えているようです。

 杉の木には枝があるので杉の木を板や柱・梁に製材すれば枝の断面であるフシは当たり前に出てきますが、製材の段階で偶然表面にフシが出ないものが出てきます。
 偶然出てきた材料で無フシの空間を造ろうとすればそりゃ高くつきます。
 ざっくりいって5倍、木造住宅の場合おおよそ建築費用の2割程度が木材代だと言われているので無フシ材で家を造ろうとすれば材料だけで普通の家の建築費用ぐらいになってしまいます。

 一間だけとか一部分に無フシ材を使うことはあっても全室を無フシ材というのは普通のサラリーマンには無理が多い話などと、フシが枝の断面だと知っていることを前提としていることが木の家を伝えるためには障壁になっているかもしれないと思うようになりました。

 冷静になってみるとわが家は木の家ですからフシも当たり前にあるし子供たちもフシをマークとは言いません。
 ところが外へ出ると日常生活でフシを見る機会などほとんど無いことに気がつきました。知人宅も含めて建物にフシはありませんし、昔のような木の板で出来たリンゴ箱などというものもありません。
 普段の生活でフシを見ることが無ければあのマークのことですか?と聞き返してきた若い社員のことも分かるような気がします。

 木の家は汚れや傷がつくし、燃える、腐るといった話を乗り越えて、人という生き物と相性がよい木で造った家は人の生活を邪魔しないことを伝えなくてはいけません。
 しかも伝えようとする相手はフシをマークと表現するのですから大変そうです。

 知らないことは選択肢にも入らないので誰かが伝えてあげないといけません。
 そんなこともしならない人に・・・なんて言わないで、最初はフシのことをマークと表現していた人も山には家として使える木がたくさんありますし、林業家・大工さんや職人さんもいますし住まい手と作り手をつないで木の家を考えてくれる建築士もいるので普通のサラリーマンでも木の家を手にすることは出来ます。

 フシが枝の断面だと知らない人に木と枝の話をすると「木って賢いんですね」と言ってくれた人もいました。
 伝え方さえ工夫すれば木は賢いと言ってくれます。木の家は賢く生きている木を活かして造っているので私たち人と相性がよいと伝えることもできます。

覚えられないフシ

2018.09.27.15:20

 わが家の床は杉板です。
 杉は柔らかくて傷や汚れがつきやすいと言われていますが、言われるほど傷や汚れが気になることはありません。
 階段や脱衣室など同じ場所を家族が何度も行き来するところはそれなりに汚れてきますが固く絞った手ぬぐいで拭けばある程度きれいになります。

 毎年やることでもなくて12年生活していて汚れが気になるところを拭いたのは2回だけです。
 傷がつきやすいと言われていますが普段の生活で床に傷がつく場面というのは少ない物です。

 立った位置から茶碗やコップを床に落とすと角で杉床がヘコみますが、わが家ではガラスのコップや茶碗があまり割れません。知人が床にコップや茶碗を落とすと割れてしまうという何気ない会話からそういえばウチでは割れないなぁと気がついた次第です。

 杉床にテーブルと椅子を食卓としているお宅を見せてもらっても椅子ぐらいで杉床が傷だらけになることはないようです。
 杉床で生活している方々に杉床に傷がつく場面について尋ねたことがありました。

 幼い子供がおもちゃを床にたたきつける。
 重い物を引きずる。
 ズボンや布団カバーファスナーなど小さくて固い物を踏みつける。
 掃除機や角のとがった物を落としてしまう。

 汚れや傷は床につくので床は・・・となりやすいのですが、汚れや傷は住まい手の工夫で対処できることが多いように思います。
 新築当初お子さんが小さかったお宅では滑り止めのついたゴザ(畳表の敷物)を敷いていたが小学校に行く頃には使わなくなったと話してくれた方もいました。

 重い物を引きずるときは床との間に座布団を挟んだりしている方は多いと思います。
 杉床は確かに柔らかくて傷や汚れがつきやすい床材ですが、その裏返しでもある感触がサラサラして冷たくない特徴があります。

 住み始めて12年経ってもサラサラして冷たくない感触は変わりませんし、汚れが気になるところは拭けば取れます。
 子供がある程度の年齢になると床を傷つける場面は極端に減りますので床材を選ぶときは長い目で見て欲しいと思います。

 杉床と一口に言ってもわが家のようにフシだらけの床もあれば無フシの杉床もあります。
 無フシの杉床はとてもきれいで部屋がすっきりと見えますが、フシがある床材の何倍もの値段がします。
床の隙間(2月)
 合板フローリングでフシのあるものはほとんど見ないので床材としてはフシがない方がよいのかと思ってしまいます。

 確かにフシがあるとストッキングが引っかかるなどと言ったこともあるのですが、杉床を提供している林業家もそういった住まい手の声を聞いて床材には私たち住まい手が気持ちよく日常生活が送られるように一手間かけてくれています。

 機能的には問題ないとしてもフシは見た目が悪いと多くの方が言います。
 実際に無フシの杉床部屋を見るときれいですが、機能的には違いが無くてもフシが無いだけでとても高価な床材になってしまいます。
 それじゃお金がないから我慢して見た目の悪いフシがある床で生活しているのかと言えばそこはちょっと違います。

 合板フローリングには様々な模様がありますが木目がほとんどです。
 今の技術だったらアニメ・キャラクターでも幾何学模様でも何でも出来るはずですが木目が多いのは人気があるからでしょう。
 キャラクターや幾何学模様にはパターンがあって床や壁材として用いると同じ模様が連続して並ぶことになります。

 私たちは連続している模様は覚えやすいのですが短期間で飽きてしまいます。
 ところが木目にはパターンがなく木目は木目なんだけど同じ模様が連続していません。
 フシのある床も同じでフシはあるんだけど、どの床もフシがバラバラに散らばっているので規則性がありません。

 私は以前、床のフシを数えたことがあるので自室にいくつフシがあるのか数は知っていますが場所まで覚えていません。

 規則性がないと覚えにくいことが幸いして飽きにくい床材として長く違和感なく使えます。
 覚えられないフシのお陰で普通のサラリーマンでも快適な杉床の生活が出来るそんな側面があるように感じます。

木の家での体験

2018.09.16.09:55

 木の家は調湿性があり五感に優しくて住み心地がよいとよく言われます。
 しかし、世の中には木の家ばかりでは無くむしろ木の家は少数派になってしまいました。わが家を見に来られる方は木の家に興味がある方ですからイメージに近いはずなのですが、皆さん一様に驚かれます。何に驚いたのか尋ねて最も多いのが木の使ってある量です。

 木の家ですからと答えると他にも木の家を見てきたけどこんなに木が見えるように使ってある家は初めて見たと話してくれた方もいました。
 いろんな方の話を聞いていると私たちは木の家とどんどん距離が離れているように感じます。

 木の家でのくらしが減ってくるとそこで育つ子供たちは木の家での体験をしなくなります。
 木の家の特徴としてよく言われる調湿に関しても生活の中で体験している方と人に聞いたとか資料で学んだ人とでは捉え方が全く違います。

 木の家での体験が減ってくると木の家のことを知らない方が増えてきます。

 知らないと選ばないので木の家が減って木の家を体験する子供たちが減っていくことになります。

 そもそもわが国ではなぜ木の家が多かったのでしょうか。
 建物火災の研究者は日本人は燃える木で家を建て続ける不思議な民族と言うように木の家は一面だけ捉えるとどうして木の家なのという疑問が出てきます。

 家は人のくらしと一体なので材料が近くにふんだんにあることが最も重要なことです。
 材料があって手間をかけてくれる人がいてそれを使う人がいるという循環は人のくらしそのものです。
 わが国では木で家を建てることがこうした循環を支えてきたわけです。

 木の家が減り手間をかけてくれる林業、製材の方々が減ってしまうと植物の木を家の材料に出来なくなってしまいます。
 材料は輸入すればいいような物ですが、輸入先から提供を止められたら私たちは家さえ自国で建てられない民族になってしまいます。

 私はわが国の健全な発展のために木の家にしたわけではありません。
 昔から木の家は住み心地がよいと言われていたので興味があっただけですが、木の家で生活することは日々のくらしの中から次の世代に体験を引き継ぐ役割もあったことに最近気がついた次第です。

 木の家は燃えますし傷や汚れもつきますがそれでも木の家が建て続けられてきたのには訳があって、木の家に住み続ける知恵や工夫もたくさん蓄積されています。

 無垢の床は汚れやすいと言われますが、ぬらした手ぬぐい(タオルではない)で拭いてみてください。手ぬぐいは汚れを取ってくれるだけではなくて汚れが離れやすいので石けんでちょっと洗えばまたきれいになります。
 手ぬぐいで汚れが取れることが分かると余計な洗剤もいらないし、手ぬぐいの使い方も増えていきます。
 私は無蛍光のさらしを買ってきて必要に応じて切って手ぬぐいとして使っています。

 木の家で生活していれば日常の体験から木の家は何がいいのか、木の家で生活すると住まい手はどうなるのかについて知る機会があるのですが昨今はそれが難しい状況です。

 しかし、富山には丈夫で長持ちして住みやすく美しい木の家を建ててくれる建築士や大工さんがいます。
 日常のくらしから木の家を知る機会は減ってきましたが、木の家を学ぶ機会は残っています。

 誰から話を聞くかは重要です。


打水効果

2018.08.20.20:22

 暑い日に打水をすると水が蒸発する際に気化熱を奪うので地面の温度が下がると言われます。
 ところが実際に打水をしてみるとそれほど涼しいと感じないばかりかムシムシして余計に暑苦しく感じることさえあります。

 暑い時期に行われたマラソン大会で給水所付近に水を霧状に噴射する場所を設置したことがありました。
 選手に涼を提供しようと主催者が設置したそうですが、あの場所を通ったら余計に蒸し暑く感じたと選手からは不評だったそうです。

 理屈では確かに水が蒸発する際には周囲から熱を奪うので温度は下がりますが、空気中に水蒸気が増えます。
 相対湿度は同じ容積に同じ水蒸気量であっても温度によって変化します。
 水をまいていない場所を基準に考えると

 1)暑い日に水をまくことで水が蒸発し水蒸気量が増える。(相対湿度上昇)
 2)水が蒸発することで地面から気化熱を奪い温度が下がる。(相対湿度上昇)
 3)水蒸気量が増えて温度が下がるとW効果で相対湿度は上昇する。

 私たちは汗を蒸発させることで体温を超えるような気温であっても外部に放熱することが出来ます。

 水は温度によって蒸発する速度が決まっていますが、水に戻ってくる水蒸気もあるので見かけ上、相対湿度が低いほど早く水が蒸発するので暑い日でも過ごしやすく感じます。

 先ほどのマラソン大会で設置された水の噴射場所付近では若干温度は下がっているのかもしれませんが、相対湿度の上昇に伴って体から逃げる熱の速度が遅くなったために蒸し暑く感じたと考えることも出来ます。

 しかし、素人の私が思いつくことですから打水にはもっと深い意味があるんじゃないかと調べてみました。
 すると今でこそ道路は舗装されているし玄関先もコンクリートや石を敷き詰めたりして土が出ているところに水をまくことは少ないと思います。

 土が見えているところに水をまくと砂埃も立ちませんし、水がしみこみますから乾くまで時間もかかります。
 熱くなったアスファルトやコンクリート面に水をまくとあっという間に乾いてしまいますが、土の上の打水は水の蒸発も穏やかだったし、砂埃の防止にもなってそれなりに効果があったのかもしれません。

 打水のことを調べてみて気化熱など理屈だけではなく、水をまく場所の環境変化や打水をすることで人がどのように感じるかと言った視点で捉えられたのはよかったと思います。

わが家の財産

2018.08.04.09:59

 木の家は住み心地がよいと言う話はよく聞きますし実際その通りなのですが、世の中木の家ばかりではありません。
 ブログを読んでくれている方に次に家を建てるとすればどんな家を建てますか?と尋ねられたことがあります。

 子供たちも大きくなって自立しているので家の大きさは小さくてもいいと思いますが、同じ建築士と同じ大工さんにもう一度木の家を建ててもらうと思います。
 理由は単純で木の家は人の暮らしと相性がよいこと、木の使い方を理解して木を活かす設計してくれる建築士、材料を提供してくれる林業家や建築士の意図を理解して手がきれいな仕事をしてくれる大工さんを知っているからです。

 さらに私たち家族が日常を送る時間の経過と共にゆっくりと家の色艶が深まっていく天然乾燥した木の家という部分も外せません。
 文章にすると大げさに思いますが、住まい手がどんな家を選ぶにしても建築士が設計し職人さんが家を建てることになります。
 私は家について安心して託すことが出来る方々を知っているので次もお願いすると思います。

 林業家が企画している植林・伐採ツアーで木の家で育ち独立して自分たちも木の家にしようと参加している若いお施主さんに会ったことがあります。
 お話ししてみると幼いときから木の家で生活しているので余裕があるというか傷や汚れと言った個別要素の話よりも気持ちいいなどという話が多いように感じます。

 自分が育った木の家をどのように表現したらいいのか分からないけど私も木の家にするというので、私が木の家は人の暮らしと相性が良いと言うと、そう!そうなのよ~と言ってくれるのがうれしいです。

 相性というは何かと比較しないと分かりません。洗濯物が早く乾くとか家の中で静電気のバチッ!がないとか掃除が簡単、茶碗やコップを床に落としても割れにくいなど細かいことはいろいろあるのですが裸足が気持ちよい特徴はわかりやすいところですし、堅すぎない床は膝や腰の負担を軽減してくれます。

 調湿性に関してもエアコンの力業で温度を調節しなくても私たちの体は調節をする仕組みを持っています。
 家の中で人が生活すると炊事や風呂、私たちの体からも水蒸気が出ているので何もしないと湿度が高くなってしまうので換気が大切なのですが木の表面は水蒸気を吸着する速度が非常に速いので木の家では湿度が高くなりにくい傾向があります。

 湿度が高くなりにくいと洗濯物は早く乾くし、体の温度調節も邪魔しにくい環境に貢献します。
 換気は大切なのですが換気する機器が正常に機能するようにメンテナンスをしなくてはいけません。
 吸気口がホコリで根詰まりしていたりフィルターの掃除を何年にもわたってしていないという話はよく聞きます。

 換気機器をメンテナンスして機能を維持する当たり前のことが木の家では基本性能になっているので住まい手は掃除ぐらいはしますが費用がかかるメンテナンスというものがほとんどありません。
 暮らしに負担が少ないことも相性がよいことに含まれているように思っています。

 これから家を建てようとしている方の話を聞くと家本体や性能の話題が多くなりますが、わが家の住み心地がよいのは家本体の性能もさることながらそれを造ってくれた人の力の方が大きいように感じます。

 私たち家族には住み心地がよい家とそれを造ってくれた人たち両方が財産です。

夏の過ごし方

2018.07.17.20:35

 今日で3日連続猛暑日ですが、まだ冷房を使っていません。
 別に意地になっているわけではなく室温が35度ぐらいまでであれば扇風機で対応ができます。
 温度だけ見れば室温35度は無駄な我慢を家族に強いているように見えると思います。

 しかし、私たちの体は肌周囲の温熱環境を総合的に捉えて感じているので暑熱純化した体であれば湿度が低く、安定していれば室温が35度ぐらいまでは普通に生活ができます。
 できますというか普通に生活ができるような体になったという方がしっくりきます。

 木の家に住み始めると暑かった夏が急に過ごしやすくなるわけではなくて、最初の数年は建築士が木の家はエアコンいらずというのでエアコン無しで生活していましたが、やっぱり暑いのでエアコンを設置しました。
 年間を通して温熱環境を測ったり観察する中で夏は暑さを室内に取り入れない工夫が大切だと気がつき、夏は室内が35度ぐらいまでであれば扇風機で対応できることも分かりました。

 35度という温度が分かると生活の中で更なる工夫ができます。
 夏のお昼頃の日射には1平方メートルあたり3.4MJ(メガジュール)のエネルギーがあります。1,000Wの電気ストーブを1時間使うと3.6MJのエネルギーを消費するので、夏の日射が室内に入ると電気ストーブ2,3台で室内を暖めていることになります。
 カーテンやブラインドは室内にあるので暖まったカーテンやブラインドが室温を上げてしまうので日射遮蔽は窓の外というのが大切です。

 緑のカーテンやすだれ、シェードや偽装網(カモフラージュネット)などを使って日射遮蔽しても暑い室内が涼しくなるわけではありません。
 何もしなければ室温が35度を超えてしまうが、日射遮蔽することで室温35度ぐらいまでに押さえてくれる効果に期待しています。

 このくらいの室温であればあとは室内に風を入れたり、湿度が上がりにくい木の家の基本的な特徴と暑熱純化したからだで夏を過ごしていれば暑い夏は勝手に過ぎていきます。
 そんなことをやりながら少しずつエアコンの使用頻度が下がっていき今のような生活になるまでには7年間かかっています。

 夏にエアコンをあまり使わなくなるとエアコンの掃除や電気代も軽減されるし、なりよりちょっと暑い方が体調がよいのでありがたいです。
 そんなややこしい話よりも暑いときはエアコンを使えばいいんじゃないという方が多いと思います。私も必要なときはエアコンを使いますし、エアコンを敵視するわけではありません。

 ただ、誰かが適正な室温はこのくらいだと言った話を鵜呑みにしないでわが家の夏の過ごし方を見つけられたことはうれしく思っています。
 一度見つけてしまえば後はそれほど費用も手間もかからずに夏を過ごすことができます。

板の寿命

2018.05.04.09:01

 春の植林ツアーに行ってきました。
 秋の伐採ツアーと共に見所満載のツアーです。200年の板
 秋に開催される迫力のある伐採ツアーの参加者から私たちも山に感謝の気持ちを残したいと始まって20年ぐらい経つそうです。

 地面が揺れるほどの大迫力な伐採ツアーのような派手さはありませんが、植林ツアーは後になるほど効いてくると言うか実際に山に苗を植える体験が私たちの日常を考えさせてくれるきっかけになることもあります。

 リサイクル言うとペットボトルなど何かを回収して再生するというイメージが強いと思います。
 私たちが消費する資源は地球上にある物を使っているので使えば減っていきます。
 リサイクルすることで減る速度は遅くなりますが、資源は減っていきます。

 ところが木は水から水素、二酸化炭素から炭素を原料に太陽という地球外のエネルギーを使ってできています。
 木が使われなくなって燃やされたり腐ったりしても水素や炭素は消えることは無く太陽エネルギーを使って木に戻すことができるので、使うバランスと育てるバランスが崩れない限り再生可能でいくら使っても減らない資源です。

 地球上にある資源を減りにくくするサイクルを小さな循環、太陽エネルギーを使って木材という資源を消費しながら空いた場所に植林して新たに生み出すサイクルを大きな循環と言うそうです。
 植林を通じてその時には分からなくて大きな循環が大切だと言うことに気がついたとき、自らの植林体験が大きな意味を持つことになると思っています。

 さて、今回は古い住宅を見せてもらうことができました。
 大金持ちや実力者の旧家だったら富山にもあるのですが、見せてもらったのは林業家のご近所の家です。
 普通の家ですが、築200年です。

 伐採ツアーでは80年から100年ぐらいの大きな木を切るのですが、アヘン戦争が1840年とされていますからそれ以前に建てられた家です。
 今でも使われている大工技術や木の使い方など林業家の解説付きという垂涎の見学でした。

 その中で「これ源平だろうね」林業家が一枚の外壁板を指しました。
 パッと見るとシロアリの食害を受けた板のように見えますが、風化によって柔らかい早材(春目)が失われてしまった板です。
 以前に木の板の表面では風化によって劣化して剥がれているんだけど厚みがあるので外壁としての機能が維持できると書いたことがあります。

 見ただけでは源平なのか赤身なのかは分かりませんが、他の板には痛みなどもなく十分外壁の機能を維持していましたので赤身の板は私が思っている以上に長持ちするようです。
 同時に板の寿命というと板自体の性能の話になってしまいますが、軒先を工夫することで外壁に雨が当たりにくくするなど外壁としての適材をどのように使うかと言った使い方によっても寿命が大きく変わることも学びました。

調湿剤

2018.04.26.07:33

 以前、洗濯物の室内干しについて観察したことがありました。
 木の家では洗濯物がよく乾くというと木が洗濯物の乾燥に関して一手に担っていると思われてしまいますが、洗濯物の乾燥は容積や温度も重要な要素なので木の家では必ず洗濯物がよく乾くという話ではありません。

 しかし、同じ部屋の大きさ(容積)、室温下で一般的な家と比べると木の家の方が早く洗濯物が乾くことは確かなようです。
 木には高い調湿性能があることはよく知られていますが、木の他にもシリカゲル(乾燥剤)や木炭、多孔質セラミックスなど調湿するものはたくさんあります。

 ところがシリカゲルにはA型・B型といった種類があり調湿の特性に大きな違いがあります。
 木炭も燃料以外に調湿剤として名前がよく出てきますが、木炭はある程度吸湿すると湿潤状態を保持してしまうこともあるので調湿する容積に対応できる量が大切だと言われています。

 エコカラットは多孔質セラミックスです。
 高い調湿性能を持つ建材として人気がありますが、こうした建材に人気があるということは家本体に調湿能力が乏しい裏返しですし、結構いいお値段がします。
 木の家では柱・梁・天井・床といった家本体の構造材に調湿もする木が表に見えるように使われています。

 また、一般的に調湿剤と言われている物のほとんどは無機質系と言われるものです。
 無機質系は多孔質の構造に膨大なミクロの孔があってそこに湿気や有害物質などが吸着するというものです。

 木も似たような仕組みなのですが、無機質系は湿気が吸着しても表面積がほとんど変化しないのに対して木は吸着する面積が大きく変化します。
 カラカラに乾いていた木に湿気がくっつくとくっついた分だけ面積が広がります。そしてまた別の湿気がくっつくとまた広がるということが起きています。

 含水率が30%ぐらいになるまで湿気がくっつくと面積は広がっていきます。
 無垢の床は隙間が空くといったことも施工時よりも乾いた室内環境に置かれた床材から水が抜けて縮んだためです。

 さらに杉は水が大好きなので水との相性がよく吸湿する速度がとても早い特徴があります。
 杉床の裸足が気持ちよいのは足から出ている水蒸気を床が素早く吸着することで得られる感覚です。

 洗濯物の室内干しを観察したときには室内の湿度計にはほとんど変化が見られなかったので湿度計の測定間隔を1時間から1分に変えてみたところ洗濯物を干し始めた時には湿度は上昇するがその後元に戻ってしまうので1時間間隔では変化を捉えられていなかったと言うこともありました。

 湿度計が元に戻ると言うことは洗濯物によって室内の水蒸気が急に増えると木が素早く吸湿してしまうということなんだろうと思います。毎日の細かく頻繁な湿度変化には素早く反応していますが、季節の変化にはゆっくりですが素直な反応をします。

 吸湿する速度が早いだけではありません。
 木の家では構造材が表に見えるように使われているので厚みがあります。
 漆喰や珪藻土も調湿性があるのですが壁の仕上げ材として使われていることが多く厚みは5ミリ以下の場合が多いと思います。

 漆喰や珪藻土の調湿性を活かすためには下地が大切だと言われています。
 仕上げは漆喰でも下地がプラスターボードでは漆喰の調湿性を十分に活かせていないかもしれません。

 木の家では構造材が表に見えるので木の含水率が家の中で30%になることはありませんし、30年や50年ぐらい経ったら調湿しなくなると言うこともありません。調湿のために何かメンテナンスや費用が必要になるわけでもありません。

温度による変化

2018.04.22.20:55

 犬は季節によって毛が生え替わります。
 生え替わらない種類もいますがイヌ科の動物は本来、2種類の毛を持つ二重毛です。
 固くて太い上毛と綿毛のような下毛を使い分けることで季節による温度差が大きい地域に適応しています。

 近所の犬を見ていても夏はすっきりした姿なのに冬はモコモコですし、春から夏にかけて下毛がごっそり抜ける頃はちょっとかっこ悪い姿をしています。
 最近は家族と室内で過ごす犬が増えてきたため本来なら夏や冬の前に毛が生え替わるのに時期がずれてしまう犬が目立つようになったそうです。

 犬にしてみたら寒くないわけですから下毛が少なくても問題なさそうですが、生え替わるタイミングを計っている何かが季節の変化と合わなくなっていることが考えられます。

 桜(ソメイヨシノ)は2月1日から一日の平均気温累計が400度か一日の最高気温累計が600度に達すると開花すると言われています。
 実際の開花日を調べてみると2月1日からの平均気温累計が400度を超える年もあります。
 桜の開花は概ね400度や600度法則で予想ができますが、前年の夏にできて休眠状態にある花芽が休眠から覚めるための条件も必要です。(2度から12度の気温のもとで800時間過ごす)

 先ほどは2月1日から累積していましたが休眠状態から覚める休眠打破を2月1日と仮定しているので実際の開花が少しずれてしまうようです。
 わが家の近所にも桜並木があるので自宅の気象計データを使って調べてみると休眠打破から平均気温累計400度でぴったり開花しておりました。

 私達も冬と夏では同じ温度でも体感が大きく違います。
 夏に向かって暑熱純化することで暑い夏に体が備えようするわけですが、暑熱純化していない体では夏の暑さはきついと思います。
 また、気温が25度を超えてくると私たちは汗をかいて体温を調節します。

 汗を出している汗腺という器官は赤ちゃんと成人では数はほとんど同じですが生まれてから2度夏を過ごすと働く汗腺の数が決まってしまいます。
 幼い子供は大量の汗をかきます。体は小さいけど大人と同じ数の汗腺があるわけですから見ているとかわいそうになるくらいです。

 ところが働く汗腺の数が決まる重要な時期に汗をかくタイミングを邪魔するとその後の体温調節に影響が出てしまうかもしれません。
 私たちの体は汗で体温調節がうまくいかなくなると代謝を押さえて体温そのものを下げてしまいます。

 マウスで体温が下がることで影響を受けやすい臓器を調べたところ卵巣や精巣といった命をつなぐ臓器で影響が見られたそうです。マウスの実験で人での研究ではないのですが、昔から低体温は万病の元と言われていますから汗をかくことは私たちが思っている以上に重要なことなのかもしれません。


待つ価値

2018.04.06.10:38

 最近は家づくりを思い立ってから新居に入居するまでがとても早くなりました。
 知人は初めて住宅展示場に出向いてから112日後には新しい家に入居したと言っていたのでどうしたらそんなに早く家が出来上がるのかと不思議に思うくらいです。

 わが家の場合は設計事務所に出向いて建築士に「家づくりの相談をしたいのですがどうしたらいいのでしょうか」と最初の一言から入居までを数えると20ヶ月かかりました。
 入居までが長いとか短いといった時間だけを取り上げることにはあまり意味がないと思いますが、入居までの1年8ヶ月は今の私たち家族には貴重な時間だったと思っています。

 当初はどのような家にするのか決まったら建てるのに半年ぐらいかかるだろうから1年も見ておけばいいだろうと何の根拠もない予想をしていました。
 実際には建坪40坪ぐらいのわが家では基礎工事が始まってから95日ですから概ね3ヶ月で家が出来上がりました。
 では後の1年以上は何をしていたのでしょうか。

 間取りや設備機器の選定など決めなくてはいけないことは比較的早い段階で決まってしまいます。
 全部が一気に決まるわけではないので少しずつ決めていくわけですがそれでも施工前にかかる時間としては長い方だと思います。
 施工前にかかった時間で最も長い時間は待っている時間です。
 待つと言えば建築士や施工者が忙しくて順番を待っているのかと思いますが、それとは違うことのために時間が必要ということでした。

 一つ目はわが家は葉枯らし天然乾燥した木の家なので山に立っていた木を伐採して製材し家に使える材料にするまでには時間がかかります。
 時間をかけなくても人工乾燥すれば早く木から水が抜けて家に使えるような木材になるのですが天然乾燥は短いものでも3ヶ月、普通は半年以上屋外で木から自然に水が抜けていくまで待つ方法です。

 もう一つは木が木材として使えるまでの時間を利用して家について学ぶ、つまりほとんど何も知らない施主が建築士や林業家から木のこと、家のことについて話を聞くことで木の家についての理解が深まります。
 理解が深まると言っても言われてすぐに理解できるわけではないので分かった!と思えるようになるには時間が必要です。

 これから家を建てようとしている方に普通は半年もすれば家が出来上がるのに、木の家は倍以上の時間がかかると言えばそれだけで敬遠されるかもしれません。

 しかし、木の家に時間がかかることには施工者がサボっているとか忙しくて順番待ちといった施主から見て消極的な理由ではなくて私たち施主側の利益につながる積極的な訳があることを知ってほしいと思います。
 施主の利益には正しい知識、上手な家の使い方、これが最も大切だと思いますが家を長く使い続けようとする住まい手の意識などがあげられます。

 家づくりの最中にはこうしたことを考えたり気づいたりすることなく夢中で走り抜けた時間だったと思います。
 あれから11年経ってみると家が出来上がるまでに学んだことが私たちの家に対する思いの基本になっているように感じています。

 家が出来上がるまでの時間だけ比べれば倍以上かかったわけですが、今思えばたった1年ぐらいの違いしかありません。
 たった1年ぐらいの違いでしたが私たち家族は葉枯らし天然乾燥材の特徴でもある色艶が美しく安らぎを与えてくれる家で日常を送っています。

 天然乾燥の木の家なんて高価だろうとよく言われるのですが、林業家や建築士は「普通のサラリーマンが建てられない一部の金持ちの家では意味がない」と言いますし、普通のサラリーマンである私もそう思います。

 何かと忙しく慌ただしいご時世ですが木の家が建つまでの待ち時間には大きな価値があります。

吹抜

2018.02.28.15:02

 わが家には吹抜があります。
 吹抜についてよく聞く話として
吹き抜け
 寒い
 うるさい
 部屋数が減る
 一方、
 開放感がある
 気配が感じられる
 など人によって捉え方が違います。

 今回は、吹抜のある木の家で11年生活して感じていることを書きます。
 まず、寒いというのは天井が高くなることで部屋の容積が大きくなり暖房が効きにくくなる話です。
 これについてはわが家は全く問題が無くなぜ吹抜があると寒いと言われるのか不思議なくらいです。

 吹抜だから寒いのでは無くて暖房方法が吹抜にあっていないと寒くなるという捉え方をしています。
 エアコンやファンヒーターなどの場合、空気を暖める暖房なので暖かい空気は密度が小さくなることで冷たく密度が高く重たい空気の上に上昇してしまうので下層ほど暖まりにくくなります。
 床暖房は輻射熱によって空気よりも先に壁や天井が暖まるので高さによる温度差が小さくなる特徴があり、床の温度が室温よりも高いので足下が寒いと言うこともありません。

 下の音がうるさいと言う人もいます。
 テレビの音、電話の会話、親子・兄弟げんかなど当事者以外にはうるさい音です。
 わが家でも家族が一階で長電話していると二階から注意されることがあります。
 音がうるさいと家族の気配の話は表裏の関係なので建築士とよく相談して欲しいところです。

 部屋数が減るというのも開放感と関連があって家の大きさが決まっているわけですから吹抜を設けるとその分部屋数が減ることになります。
 逆に開放感が欲しければ部屋数を減らせば良いと言うことにもなります。

 部屋数については寝室まで削って吹抜を取り入れる人は少ないと思います。
 吹抜を設けずに作った部屋は使用頻度が少ない部屋になりがちです。
 収納は小屋裏・ロフトなどの活用も出来るので冷静に考えて欲しいところです。

 吹抜を取り入れるかについては吹抜に合わない暖房方法を選べば寒くなるし、音の問題や必要となる部屋数・大きさを考えずに取り入れるとうるさいとか部屋が狭いなどということになってしまいます。

 大工さんや建築士は住まい手の思いをできるだけ取り入れようと尽力してくれます。
 住まい手が吹抜が欲しいと言えば造ってくれるでしょう。
 その際に暖房方法の話とか音の話など吹抜導入に当たっての検討課題を一緒になって考えてくれる味方の有無が後の生活に大きく影響します。

 私はリビングで寝転んで吹抜を見上げるたびに開放感と共に葉枯らし天然乾燥材の特徴でもある色艶が良い特徴が出ていて綺麗だと思うし、日常生活を送る上でも家族の気配が感じられる安心感は心地よいものがあります。

寒い日

2018.01.25.10:38

 今朝は寒くなる予想だったので床暖房の温度設定は通常通りにして室温がどのくらい下がるのか観察してみました。
 自宅に近い富山空港では最低気温が-5.5度まで下がる寒い日となりました。

 起床して寒く感じるかな?と思いましたが、あれ! いつもと変わらないので拍子抜け。
 わが家の温度計を見ると午前7時で外気温が-3.3度だったのに室温は20.1度と思ったよりも室温が下がっていませんでした。
 厳冬期の室温は概ね21度になるようにしているのですが、外が急に寒くなっても室温に影響が出るまでには少し時間がかかることが分かりました。

 わが家では外気温が2度ぐらいであれば床暖房の温水温度を37度にすると室温が概ね21度になります。
 今朝はそれよりも5度以上下がったのに室温は1度しか下がらなかったことになります。
 しかし、気温が上がらなければ室温も下がってくるはずなのでこのまま暖房の設定温度を変えずに様子を観察してみたいと思います。計測機器群

 計測器は右から温湿度計・電力計が4台・室内外温度計です。
 湿度計を見ると35%と快適とされる40%を下回っていますが家族全員、不快感や乾燥感はありません。
 建築士のご自宅でも同じ温湿度計が使われていますがやはり35%程度では乾燥感はないそうです。

 室温が20度で湿度が35%という環境中には1立方メートルに6グラムの水蒸気が含まれています。
 室温が20度でも暖かいのは輻射熱による連続暖房の効果でもありますが、必要な部屋を必要な時間暖房する方法では25度ぐらいまで温度を上げないと暖かくは感じないと思います。

 6グラムの水蒸気の概略は大気中の水蒸気:3.6グラム 洗濯物や家族が出している水蒸気:2.4グラムで構成されています。
 室温20度で35%だった湿度は室温が25度になると26%になってしまいます。

 前にも書きましたが湿度は体から水が蒸発していく速度に関係するように思っています。
 水は温度によって蒸発する量が決まっていますが、湿度が高くなると水に戻る水蒸気も増えてくるので相対的に湿度が高くなると水は蒸発しにくくなるように見えます。

 体から水が早く出ていくと乾燥感に繋がります。
 同じ水蒸気量でも温度が低い方が湿度は高くなると言うことは、体から蒸発する水の速度も遅くなっていることが考えられます。
 快適な湿度は40%以上と言われていますがわが家では35%でも全く違和感はありません。むしろこのくらい湿度が下がっていた方が室内で洗濯物がよく乾きます。電力計

 電力計を見てみます。
 わが家では暖房・給湯に電気を使っているので午前7時頃はもっとも消費電力が大きくなる時間帯です。
 電力計には皮相電力(有効電力+無効電力)が表示されているので電気料金の対象となる有効電力はもう少し小さくなります。

 左から2番目はエコキュート(給湯器)です。
 エコキュートは仕組みこそヒートポンプですが水を90度まで温めるために二酸化炭素が加熱媒体として使われています。
 エアコンや床暖房に使われている冷媒(加熱媒体)は30気圧ぐらいまで圧縮しますが、エコキュートは100気圧ぐらいまで圧縮します。
 ヒートポンプは気体を圧縮すると熱が発生するしくみを利用した機器なので電気で熱を作っているわけでは無く、電気は圧縮機を動かすモーターが消費しています。

 気温が下がってくると熱を集めるために時間がかかります。
 その分長く圧縮機が動くことになるので消費電力も大きくなります。
 お湯の使い方に大きな違いが無くてもわが家の場合、夏は一晩に1.6KW/h、寒い冬は6KW/hの電力を消費します。寒い冬に大気中から熱を集めるのは大変そうです。

 寒い日の午前7時、わが家の消費電力の95%は給湯と暖房です。

色水

2018.01.08.12:50

 「外壁に使う木の板は赤身が適材です。」と建築士がよく言います。
 大工さんも白太が混じっている源平の板を外壁に使うと溶けてしまうと表現していました。
 林業家は白太から赤身になる過程で細胞にある蓋を閉じたり細胞内に腐りにくい成分や虫や病気に抵抗する成分を蓄積するなどおもしろい話をたくさんしてくれます。

 住み始めて11年が経つわが家ですが、木の板を使った外壁に不具合があるわけでも無く何らかのメンテナンスが必要なわけでもありません。
 夏は直射日光に当たって外壁表面温度が65度を超えるときもあるし、冬は氷点下になることもあります。
 風雨にもさらされる木の外壁ですが10年程度では何の問題も起きません。

 外壁には赤身が適材だと分かってはいますが、白太との違いをわかりやすく表現する方法が無いか探していました。白太

 試しに柱材を色水につけて小口から吸い込む様子を観察することで何か分かるかもと思ってやってみました。
 柱材は赤身と白太が表面に出ている物を使うことで赤身と白太で水の吸い込み方に違いが見られるか観察します。

 一枚目の写真は白太だけの面を撮っています。
 色水につけたのに途中で色素が漉されて水だけを吸い上げています。
 また、柔らかい早材部分ではよく水を吸い込んでいますが、堅い晩材ではあまり水を吸い込んでいません。
 水につけてから1時間ほどの状態ですが思っていたよりも早く水を吸い上げることも分かりました。

 二枚目の写真は赤身と白太が半々出ている面も撮っています。源平
 左側の面の手前は白太部分で奥が赤身部分です。
 白太部分は右側の面同様ですが、赤身の部分では早材、晩材どちらもあまり水を吸い込んでいません。

 まるで赤身部分には何かが詰まっているかのようです。
 赤身は細胞内の壁孔が閉じていると林業家から聞いてはいましたが、観察してみると同じ木なのに赤身と白太は水の吸い込み方一つとっても随分違う物だと思いました。
 今回の観察では木はストローを束ねたような構造と言われますが、水を吸い上げる仕組みは絵の具の色素を漉し取ってしまうくらい細かいものによる物だと言うことも分かりました。

 観察を通して木の板を外壁に用いる場合には塗装して板を保護する物だと言われますが、実際はちゃんと外壁に適した部分を用いれば木の本来持っている機能だけで外壁としての役割を長期間安定して果たすことができる要因の一部を感じ取られたように思います。

輻射熱暖房

2017.12.24.16:37

 薪ストーブや床暖房は輻射熱暖房と言われますが、輻射熱とはいったい何だろうと思っている方も多いと思います。
 日向ぼっこのような暖かさなどと説明されることもありますが、富山の冬は晴れる日が少ないので寒い時期に日向ぼっこのような暖かさと説明されてもイメージができません。

 また、輻射を電磁波で説明することもありますが、そもそも電磁波の説明に電場と磁場が交互にやってくる波と言われても余計にややこしくなってしまいます。

 輻射熱暖房の説明として私たちの体から出ていく熱のスピードに注目してみました。
 私たちの体温は36.5度ぐらいに保たれています。この36度という温度自体にも深い意味があって調べてみるとおもしろい話がたくさんあります。

 体温は36度ぐらいでも肌の表面温度は30~33度ぐらいですし、肌から4㎜ぐらいの層では周囲との間に緩衝層があって肌は室温に直接接しているわけでは無いそうです。
 私たちの体には場所によって違いはありますが手だけでも15,000個を超えるセンサーが働いて周囲の環境を総合的に捉えています。

 室温が20度だったら暖かくて19度だったら寒く感じるといった単純な捉え方では無くて周囲の環境を総合的に捉えて寒いとか暖かいと言った体感として感じています。
 風が吹いていると寒い、湿度が低いと寒い、窓の近くは寒いなど同じ温度でも周囲の環境によって体感が違うのは誰でも感じていることだと思います。
 こうした寒く感じる要素はいずれも私たちの体から逃げていく熱の速度に関係しているように思います。

 お湯は夏よりも冬の方が早く冷めます。
 見方を変えると気温が5度に比べて20度の環境では15度分周囲から熱をもらえることになります。
 熱をもらえるわけですから冷めにくくなるわけです。
 熱の移動は伝導・対流・放射の3つありますが体温がどのように体外に移動しているか調べた研究では6割が放射による移動だそうです。

 私たちの体は放射の形で熱をだす一方周囲からも放射によって熱を受けています。(輻射)
 同じ気温でも周囲の環境から熱を多く受ける方が体は冷めにくい、つまり寒く感じにくい環境に近づくということだろうと思っています。

 輻射熱は電磁波による熱のやり取りですから伝導や対流と違って空気などの気体よりも先に壁などが暖まります。
 暖まるまで時間がかかると言うことはありますが、暖まってしまえば私たちは壁など周囲からも放射によって熱を受けられるので相対的に体から出て行く熱の速度が遅くなります。

 エアコンやファンヒータなどによる伝導、石油・ガスストーブなどによる対流を主に使った暖房方法に比べて放射による熱のやり取り(輻射)の方が体感を得る仕組みに影響が大きいので輻射熱暖房が快適に感じる要因になっているのかもしれません。

 設備導入時に費用が必要な床暖房ですが、熱源にヒートポンプが使われるようになってからは運用費用が随分少なくなりました。こうしたことも輻射熱暖房の普及に貢献しているように感じています。

現場見学

2017.11.12.11:32

 私は今でも建築士にお願いして新築中の現場を見せてもらうことがあります。
 住み始めて11年も経つのに未だに新築現場に行くわけについては以前書きました。
 今回は私が新築現場を見せてもらうときに気をつけていることを書きたいと思います。

 まず、現場の場所を知っているからといって勝手に見に行くことはしません。
 必ず建築士に連絡して見せて欲しいとお願いをしています。
 今まで断られたことは無いのですがだからといって勝手に現場に行くことはしません。

 また、大工さんや職人さんが仕事をしているので作業中は家の中には入りません。
 建築士や棟梁が入ってもいいよと言ってくれるとき以外は外から見ています。

 これらのことは交通事故も含めていかなる理由があっても現場で怪我をしないためです。
 現場では作業手順によってはクレーンが動いていることもあるし、素人がウロウロしていると作業の邪魔になるときがあるので必ず建築士や棟梁に現場見学したい旨を伝えるようにしています。
 作業している方々は上棟祭まで執り行って神様に事故が起こらないように祈願しているのですから見学する私もいかなる理由があっても怪我をしない心構えを大切にしています。

 以前、滋賀県の大工さんが現場の安全について話をしてくれたことがありました。
 それまでは怪我をしないというのは作業している方々の安全の話かと思っていました。
 作業者の安全も大切なことですが、もっと深い意味があることを学びました。

 新築現場はやがてお施主さんの家になります。
 血の付いた柱や梁などは考えただけでもゾッとしますし、そこまでいかなくても誰かがこの家で怪我をしたなんて知ったらこんな家では住めないと思ってしまいます。
 こんな家では住めないと言われたら当然お金ももらえなくなります。
 どんなに精魂込めて家を造っても怪我をしてしまうとすべてが台無しになってしまうこともあると話してくれました。

 具体的には上棟時などを見学するときは必ずヘルメットを持って行きます。
 ホームセンターで2,000円ぐらいで買うことができます。
 家がある程度出来上がって室内を見学するときは内履きを用意します。
 いくら養生してあるとは言え外履きのまま室内に入るのは抵抗がありますし、スリッパは足を覆っていないので内履きに履き替えて見学するようにしています。
 もう一つ気をつけていることがあります。

 大工さんや職人さんの道具には絶対に触らない。

 現場には大工さんや職人さんが使っている道具がたくさんあります。
 これらの道具をよく見ると名前が書いてあります。
 誰だって他人に自分の道具を勝手に触られるのは嫌です。

 私たちには珍しい道具ばかりなのでつい触ってみたくなりますが、御法度です。
 特にかんなやノミなどの刃物に関しては職人さん同士でも他の人の道具には触らないそうです。

 そんな小難しいことなら見学には行かない方がよいと思う人もいらっしゃるでしょう。
 現場見学時の注意は怪我をしないことと道具に触らないことの二つです。
 注意することが分かっていれば無意味に怖がることは無いし、現場で大工さんや職人さんとふれ合うことは住まい手には大きな意味があります。

 作業所を見学していたときに一人の大工さんからこの柱を触ってみろと言われました。
 4寸の柱材でしたが触ってみると角が立って痛いというか触った感触がよくありません。
 触ったのは面取りする前の柱だったのですが面取りしない柱は刺々しく触り心地が良くないので角材は必ず面取りをするそうです。
 私たちは普段の生活で「そんな言い方は角が立つ」などと慣用句を使います。
 角が張っていて尖っている面取りしていない柱を触って慣用句の語源を知った一コマでした。

 大工さんの仕事には歴史があるので私たちが普段使っている慣用句やことわざになった元々の話が結構あってそれを聞くだけでも心が豊かになります。
 これから家を建てる方には現場見学時に注意することを知っていただいた上で現場に出向いて大工さんや職人さんとふれあって欲しいと思います。

 家の使い方やメンテナンスなどについても話が聞けるので是非足まめに現場に出向いて欲しいと思います。

木の家の感想

2017.10.09.23:01

 最近は普通に木の家の特徴である調湿性や五感に優しいことをアピールしている広告を目にするようになってきました。
 木造と木の家の違いについては室内から木が見えるかどうかで分けているようなのですが、梁や柱が壁の中に隠れている大壁仕様でも床や腰板など一部だけ見えているような場合でも木の家と言われることもあります。

 どんな家が木の家と言うかについてはいろいろ意見があると思いますが、わが家は誰が見ても木の家だと言ってくれます。
 木の家の特徴についてはいろいろ言われているし私もブログの中でいろいろ書いてきましたが、住まい手が木の家で生活したらどうなるのかについてはほとんど情報がありません。

 木の家で生活して10年を超えて最近になってようやく木の家で生活したら住まい手がどうなるのかについて考えられるようになってきました。

 私が木の家で生活して感じているのはわが家は住まい手に寛大であると言うことです。

 富山は夏は暑くて冬も寒くて日照時間も少ない。湿度も年間を通じて高い地域です。暖房期(一日の平均気温が15度以下)も189日と半年程度は暖房しているのでそれなりに費用もかかります。
 湿度対策には除湿器、乾燥には加湿器、暖房にはエアコンやファンヒータ、冷房はエアコンなど何かの機械に頼ることが多いと思います。

 機械に頼ること自体には問題が無いのですが快適な室内が機械が正常に働くことを前提にしているいるとしたら様子は少し変わってきます。
 正常に働くことが前提になっているとしたら住まい手は機械が正常に働くようにメンテナンスしなくてはいけません。

 5年ぐらい経ってエアコンの中を覗いてみたらファンがカビだらけだったとか24時間換気のフィルターを見たら汚れていたという話はよく聞きます。
 木の家でも換気扇の掃除やエアコンの掃除など必要なことはいろいろありますが、どうも他の人が言うほどやることは少ないように感じています。

 少ないのは私が手を抜いているからでは無くて家自体に季節の変化に合わせて自ら調節する機能があるので寛大な家によって必要なメンテナンスが軽減されているようです。
 メンテナンスが必要なのは分かっちゃいるけどそのうち・・・それを放置すればどうなるかも分かっているはずなのですがまぁそのうち・・・不具合が出なければそのままと言うことが多いと思います。

 エアコンや除湿器から出てくるカビを空気清浄機で対応ということになりにくい環境にわが家は役立っているように感じています。

 また、8月中旬の暑い時期に特に感じるのですがエアコンの使用頻度が少なくなってくると体も暑さに慣れてきて32度ぐらいの室温だったら普通に生活ができるようになります。さすがに35度を超えてくるとエアコンを使いますが室内が35度を超えるのは年に10日あるかないかですし、ちょっと暑い方が体調は良いようです。

 私たちの体は犬の毛が生え替わるように季節に応じて変化しています。
 体が夏に向かって暑熱順化することで暑さに備えようとしているのに家がそれを阻んでいるとしたら住まい手は何かを失うことになります。

 わが家ではエアコンはどうしても暑いときだけ使うけど後はほっとけば夏は勝手に過ぎていきます。
 暑い時期に涼しく感じる環境は私たちの体には寒すぎるのかもしれません。

 さらに、天然乾燥、特に葉枯らし天然乾燥材の特徴でもある色艶については住まい手が年齢を積み重ねていくのに歩調を合わせるように少しずつ色艶が深まっていくことで心地よく、安らぎを与えてくれる家に成長し、それを住まい手である私が感じられるようになったことも木の家にして良かったと思う大きな要因になっています。

 家を建てるには土地のこと、お金のこと、間取りや設備機器など決めたり準備することがたくさんあってとても大変なことですが、住まい手がその家で生活したらどうなるのかについて考える機会があってもいいと思います。

木の色艶

2017.09.17.14:22

 基礎の配筋を見に行った家では上棟式も終わって柱や梁が組み上がって家の形になってきました。
 また見に行ってきました・・・。
 自分の家じゃ無いのにどうして見に行くの?と言われることもありますが、わが家の時には舞い上がって見損ねたところもありますし、一番は新築時の初々しい木の色が見られるからです。

 わが家は住み始めて11年経ちます。新築時には色の違いがはっきりしていた赤身と白太も言われないと気がつかないくらい目立たなくなってきました。
 一枚の板それぞれはっきり分かれていた色の違いが目立たなくなってくると家全体の色の雰囲気も違って見えます。
 ある日突然ぱっと変化するわけではなく少しずつ変化してくるので住まい手には変化の過程を感じることはありません。

 建築士の作品はどの家も間取りや設備は違いますが家の基本的なところは同じなので上棟後、柱や梁が組み上がったころはどの家もほとんど同じ状態を見ることができます。

 葉枯らし天然乾燥した柱や梁が、それぞれ適材適所に割り振られているので間取り図を見なくてもリビングなど家族が集まる場所などは綺麗な木が集まっていることが多いなど大工さんの番付の妙技も感じることができます。
 上棟後ですから木は初々しい色をしています。山では100年近く立っていたので新しいという表現も変なのですが柱や梁に加工されて時間が経っていないので初々しい色と表現しています。

 さて、わが家がどのように建てられたのかを今の新築現場で見られることについては何となく見る価値についてわかりやすいかと思います。
 屋根が作られていく過程などわが家の時はボーッと眺めていただけでしたが今は当時とは違った見方ができるなどできていく過程を見る楽しみがあります。

 木の色については天然乾燥材、特に葉枯らし天然乾燥材は色艶が良い特徴があるとプロの方々が口を揃えて言います。
 ところが私にはこの色艶が良いという価値について自分の家だけ見ていてもよく分からないのです。

 これまでも15年経った家、30年経った家など天然乾燥材を使った色艶の良い綺麗な家を何度も見てきました。
 確かにわが家よりもずっと落ち着きのある綺麗な家ですし、わが家もやがてあのような雰囲気になるんだろうという期待はありましたが、今のわが家について色艶が良いと思うほどでは無かったわけです。

 時間の経った家の住まい手が新築現場に出向くことで初々しい木に再会することができます。
 10分や20分と短い時間じゃなく半日ぐらいじっくり見てから自宅に戻るとなんと綺麗な家だと感動します。
 出かける前と帰宅後では自宅は全く変わっていないのですが、それを見る住まい手には今まで感じたことの無い色艶の価値について気がつくようになります。

 その瞬間が心地よいというか俺の家ってこんなに綺麗だったんだと思えることは幸せなことだと思います。
 建築士は設計段階から色が揃った家は綺麗だと何度も言っていましたが、住まい手が最初からその価値について理解できるはずも無く、年月が経った家を見るだけでもよく分からず、ある程度住み続けて初々しい色を見ることで初めて自宅が綺麗だと思えるようになったというなんとも時間のかかるややこしい話です。

 建築士の作品はどの家もみんな天然乾燥材が使われているので今進行中の新築現場を見学することで自宅の見え方が大きく変わるかもしれません。

 さらに、新築現場でお施主さんと出会うことで住まい手の先輩としてお話しできることもあると思います。
 天然乾燥材の色艶が良い特徴は時間の経った住まい手と初々しい施主という人を引きつける側面も持っているように感じます。

基礎

2017.09.03.12:03

 先日着工した新築現場を見せてもらいました。
 まだ、コンクリートを打設する前の基礎の鉄筋がむき出しになっている状態を見に行きました。
 私はこの鉄筋が組まれた状態を見るのが好きで、建築士にお願いして何度も見せてもらっています。

 鉄筋は組み終わると建築士の検査の後すぐにコンクリートを打設してしまうので組み上がった鉄筋が見られるのは一日だけなのですが何とか日時を合わせて見に行くようにしています。
 何度見せてもらっても丈夫な基礎を構成する立派な配筋でした。

 鉄筋の話でよく話題になるのは基礎の立ち上がり部分に用いられるフックの話です。
 よく見かけるのはフックを設けずにプツンと切ってあるものですが、フックが無いとダメというわけではありません。

 丸棒鉄筋(表面がツルツルの鉄筋)の場合はフックが必要だが異形鉄筋(デコボコした鉄筋)の場合はその限りでは無いとか、フックは基礎に働くせん断力に対抗する物として用いられるが一般的な二階建て木造住宅の場合ではせん断力は無視しても良いほど小さいのでフックを設けずに鉄筋をくみ上げることもあるそうです。

 ところが建築士の現場ではどの家でもフックが付いているし、そのほかの部分も私が他で見る配筋とは随分違って見えます。
 建築士に今思えばド素人の間抜けな質問をしたことがあります。
 普通はフックをつけないことが多いし、計算してみても二階建て一般木造住宅の場合はフックが果たす役割が小さいのにどうしてフックを設けるのですか。
 今思い出しても恥ずかしくなりますが、建築士は一言

「家は木造だけど基礎は鉄筋コンクリート造ですから」

 鉄筋コンクリート造の建物ではフックは当たり前なのに上に乗るものが木造住宅になったとたん鉄筋が細くなったり量が減ったり、フックが無くなったりします。
 鉄筋コンクリートには決められた作り方があるのでその通りやっているだけで特別なことをしているわけでは無いそうです。
 もう一言

「決まっていることを勝手に決めてはいけません」

 なんだか私の日常生活を注意されたようで頭が痛い一言でした。
 基礎は地震や強風など大きな力を地面に流すための大切な構造物ですからこれが壊れると修復は大がかりな物になります。

 日常ではこのくらいにしておけばいいだろうというシーンはよくありますが、自分を選んでくれたお客さんのためにできることをしっかりやるという建築士の姿勢から学んだ出来事でした。

 似たような話に壁倍率の話があります。
 住宅メーカーのパンフレットにも壁倍率2.5とか3.0などと壁倍率のことが出てきます。
 壁倍率が大きいほど大きな力を受けることができる壁と言うことです。

 パンフレットには数字の説明はありますが、壁は宙に浮いている物では無いので何かと繋がっています。
 壁が大きな力を受けられてもそれを支える物にそれ以上の能力が無いと壁が壊れないで壁を受ける部分で壊れてしまいます。
 大きな地震の後、被災した住宅の土壁が剥がれ落ちている場面がよく出てきます。
 あんなに壊れて・・・と思ってしまいますが、実は土壁が先に壊れるように作ることで地震力を吸収し家本体へのダメージを抑える仕組みなんだそうです。

 確かに土壁が落ちた程度だったらまた塗ればいいですが、家本体の軸組が壊れると治すのは大変です。
 壁倍率が大きい壁ほどそれを受ける部分が重要になってきます。

 倍率の大きい壁を要所に配置するにしても、それほど倍率の大きくない壁をバランス良く配置するにしても最終的には基礎が家に働く力を受けるのでしっかり作っておくことが大切ですし、わずか一日で埋まってしまう見事な配筋を見て私も自分の仕事はしっかりやろうと思いました。

生活環境材料

2017.08.04.03:37

 木は五感に優しいとよく言われます。
 五感は視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚を指し人の感覚として体感を含めることもあります。
 木の家は五感に優しいとよく言われますし、木の家の住まい手としてもその通りだと感じています。

 五感についての話になると視覚や聴覚など五感を構成している要素を一つずつ話すことになるので陥りやすい落とし穴があります。
 私たちは普段の生活で五感をそれぞれ個別ごとに分割して感じているわけでは無くて環境を総合的に捉えています。
 しかし、説明するときはそれぞれの要素に分割して話をするのでどうしても個別要素の性能の話になりやすい傾向があります。

 例えば木には調湿性があるというのはよく知られていることですが、調湿性の話だけを取り上げれば木よりも優れているものはたくさんあります。
 家の住み心地は調湿性だけで決まっているわけでは無いことはみんな分かっているはずなのですが、木よりも高い調湿性があると言われると魅力的に見えてしまいます。

 私は以前、天然乾燥材は人工乾燥材よりも高い調湿性があるのにどうして評価されないのか不思議に思っていた時期がありました。
 人工乾燥材は乾燥の過程で組織の一部が変化するので調湿の性能が少し落ちます。
 だから天然乾燥材の方が優れていると思っていたわけです。
 しかし、確かに性能としては天然乾燥材の方が優れているが実際の居住空間では性能差が出ない。

 つまり、時速140㎞しか出ない車と時速250㎞出る車を比較した場合、国内で使えるのは時速120㎞ぐらいなので移動速度だけ比べれば両者に性能差は無いと言うことになります。
 自動車の性能を移動速度だけで比較するのは乱暴ですが、移動速度という個別要素だけを取り上げるとどっちも同じです。
 天然乾燥材は調湿性に優れてはいるが住宅という居住空間では人工乾燥材との性能差は感じないということのようです。

 天然乾燥材を住宅に用いることは過剰で贅沢だという人もいるのですが、自動車の性能と一緒で天然乾燥材を調湿だけで評価するのは乱暴な話です。

 木は強度や調湿など物理的な面と五感という私たちの感覚に与える影響が総合的に優れている生物資源です。
 前に、杉床は傷や汚れが付きやすいと言われていますが、杉床で生活している人から悪い話をほとんど聞きませんと書きました。
 生活してみると言われているほど杉床は傷や汚れが付きにくい面もあると思いますが、杉床の生活が気持ちよいので傷や汚れはどうでも良く思えるといった総合的な捉え方をする方が多いように思っています。

 生活環境材料として優れている木を説明するために個別要素の話が必要なわけで個別要素を比べるためでは無い視点は大切だと思います。

厚み

2017.07.15.00:32

 木の家では梅雨の時期でもジメジメせず布団やタオルもサラサラしています。
 木と調湿についてはこれまでも繰り返し何度も書いてきましたが、調湿って木の表面からどのくらいの深さまで影響しているのか興味がありました。

 試料の種類や厚みを変えて実験したレポートなど調べてみると結構たくさん調べられていて木材の場合、おおむね厚みが5ミリを超えると調湿性能に変化が小さくなるようです。
 調湿に役立っているのが表面から5ミリだとすると5ミリよりも厚い板は無駄なのでしょうか。
 大きな力を受けない化粧板は薄くても良さそうに思います。

 ところが調湿している深さが5ミリぐらいだからといって板の厚みも5ミリにすると別の問題が起きます。
 調湿は木材の含水率と室内の水蒸気のやり取りなので水(水分子)が木材から出たり入ったりしています。
 木は乾いているときには縮んでいますが水分子がくっつくと膨らんでさらに水分子がくっつき、乾くとまた縮むことを繰り返しています。

 板の厚みを薄くして板全体が伸びたり縮んだりを繰り返すとやがて板がボロボロになってきます。
 障子紙が自然に破けたり、ほったらかしになっていた布がボロボロになる様子も伸びたり縮んだりを繰り返すことによって起きるそうです。

 大切な物を木の箱の中に入れて保存するのも木の箱の中は湿度変化が小さく紙や布が伸びたり縮んだりしにくい環境が長期保存に役立つからだと言われてます。
 実験で試料の厚みが5ミリを超えると調湿性に変化が小さくなるからといって薄くすると調湿を繰り返すうちにボロボロになってしまいます。

 薄い板を合わせてある合板フローリングでも時間が経つと表面がめくれたりする物が出てきます。杉床は傷は付きますがある程度の厚みがあれば表面がめくれると言うことはありません。

 もう一つ、外壁に杉の板を使っているわが家では日差しが当たる南側の板がデコボコになってきました。
 紫外線と風雨による劣化です。

 木は紫外線を多く吸収するので目に優しいと説明されることが多いのですが、吸収した紫外線がどうなるのかまでは聞いたことがありませんでした。
 木には親水性と疎水性の両方の性質があって疎水性をもたらしている成分(リグニン)が紫外線を吸収して水に溶けやすい成分に変わっていくそうです。

 溶けやすくなった成分は雨で流れていきますが、板には堅い部分と柔らかい部分で構成する年輪があるし、板の厚み分同じ物で出来ているので痩せると言っても最初だけ早く進みますが5ミリ痩せるのに100年ぐらいかかるそうです。
 板の外壁を見てメンテナンスが大変そうだという人もいますが、実際は板が自ら少しずつ剥がれながら表面を更新しているので住まい手としては何もしておりません。

 杉の外壁は丈夫と表現されることもあります。
 丈夫という表現は劣化しにくいというよりは劣化して剥がれているんだけど板に厚みがあるので機能を維持できるということのようです。

 調湿や外壁としての性能を長期間安定して維持するために厚みは大切なことのように思います。

人との相性

2017.07.04.13:47

 大気圧の中では水は真空管の中でも10メートルぐらいの高さしか上れないのにどうして樹木は10メートルを超える高さにまで成長できるのでしょうか。
 そんなことを調べてみると生き物の巧みな仕組みが見えてきます。

 根から得られる水は葉っぱから蒸散によって発生する吸水力によって10メールトルを超える高さにまで水が運ばれます。
 吸水力と言っても葉っぱに水をくみ上げるポンプのようなものがあるわけでは無く小さな仕組みを積み重ねることによって水を運んでいます。

 仕組みの一つに親水性があります。
 水の通り道である道管の壁には親水性があるので綿のタオルに水が吸い込まれるように水を引き寄せる力が働きます。
 ところが、木に親水性があるということは水に浸ると柔らかくなってしまい自重を支えることができなくなります。

 そこで木は親水性と疎水性両方の組織で出来ています。
 私たちの体でも胃で食べ物を溶かすのに胃袋は溶けない仕組みがあります。
 親水性と疎水性は反対の性質ですがこれを仲介する仕組みを用いることで異なる性質のものを同居させています。
 私はいつも杉床は裸足の生活が気持ちいいと言っていますが裸足が気持ちいいというのはサラサラした感触が気持ちよいと言うことです。

 このサラサラした感触は裸足で杉床に触れると足から出ている水蒸気を杉床が吸ってくれることで得られています。
 吸い込む速度が早いことは分かっていたのですがどうしてそんなに早いのか不思議に思っていました。

 木が生きていくために10メートルを超える高さにまで水を運ぶ仕組みを学ぶ中で素早く水を引きつける力がとても大切だと分かりました。
 この早く水を引きつける能力を私たちは床材として取り入れることでサラサラした気持ちの良い感触を得ていたわけです。

 また、木は疎水性の性質も持ち合わせているので外壁として使うことも出来ます。
 外壁として使うには赤身材を使うなど工夫も必要ですが、風雨にさらされても50年以上使えますし、物が当たって一部が痛んでも生物資源ですからいつでも手に入る優れた外壁材です。

 木材として用いる場合には木は乾燥していないと強度が出ないと言われます。
 木の中に水が多いと細胞間の結合が弱くなるので水は抜いた方が良いと言うことで様々な方法で水を抜こうとするのですが、強引に水を抜こうとすると木が生物として当たり前に持っているシロアリなどの虫や病気、腐りに対抗する成分まで抜けてしまいます。

 さらに無垢材は傷や汚れが付きやすいので床として用いるために表面処理で保護すると言うこともよく見られますが、早く水を引き寄せる本来の能力を活かすことはできなくなります。
 杉床は傷や汚れが付きやすいと言われていますが、杉床で生活している人から悪い話をほとんど聞きません。
 木が本来持っている機能には私たち生き物と相性が良いものが多いように感じています。

塗装

2017.05.31.23:17

 わが家は写真の通り、柱や梁などに塗装はしていません。吹き抜け
 今でこそ余計なことをしなくて良かったと思っていますが、建築士との打ち合わせ中は柱を何色にしようかと真剣に考えていました。

 最近は大壁仕様の家が増えてきたので柱や梁が表に見えること自体少なくなってきましたが、真壁と決まった段階で柱や梁が表に見えるのでさて何色に・・・と考えていました。

 柱や梁に色を塗ると考えたのには背景があって以前生活していた家の柱も塗ってあったし、富山では柱や梁に塗装する家が多いように感じています。
 塗装すること自体に何か問題があるわけではないし、木の家では塗装禁止と建築士が言ったわけでも無いので余計に何色にしようと考えるわけです。

 ところが建築士の一言がきっかけになって塗装はしないことになりました。
 「どこまで塗りますか」

 わが家は吹き抜けもあるし一階に関しては建具を開けると一間になってしまいます。
 全部塗ればいいのかもしれませんが、一部を塗るとなるとどこかに境界ができます。
 境界に当たる柱には塗装してある面としていない面ができることになります。
 建築士はどこに境界を設けるのかと聞いてきたわけです。

 当時の私には天然乾燥した柱や梁は色艶が良いという特徴についての理解が足りなかったのでこれまでの生活環境の中で柱は塗るものだと思い込んでいたように思います。
 建築士からどこまで塗るのかと尋ねられてやっと思い込んでいたことに気がつくことができました。

 このことがきっかけで無塗装が当たり前の地域があることや富山で柱に塗装する家が多い理由も少し分かるようになりました。
 柱や梁に塗装するとかしないとかは施主が決めることです。

 ただ、塗装すると思い込んでいる施主に天然乾燥材は色艶が良い特徴があると言っても特徴を活かすことが難しいように思います。
 私は色艶が良い特徴を理解する前に自分の思い込みに気がつくことができたことは良かったと思っています。

 わが家は天然乾燥した柱や梁が使われています。
 天然乾燥、特に葉枯らし天然乾燥した柱や梁は色艶が良い特徴があります。
 住み始めて10年を超えて最近になって新築時の初々しさが少し落ち着いてきたように感じています。
 今でもわが家を見て何で塗らないのか尋ねる方もいます。

 「塗らなくても柱や梁自体が綺麗だから」と答えています。
 塗装することが当たり前に思っていた私ですが、今では木の家の住まい手として答えられるようになりました。

続・誤解と思い込み

2017.05.07.13:42

 無垢の柱は割れる。
 新築現場でお施主さんが割れ目が入った柱を見つけてクレームになることがあるそうです。
 お施主さんは割れが入った粗悪品が使われていると思っているので対応する方は苦労するようです。

 わが家は真壁仕様なので柱や梁が表に出ているので割れが入った柱や梁がたくさんあります。
 知人から柱が割れていると言われたこともありますが、ちゃんと説明するとみなさんそんな話聞いたこと無かったと言います。
 ハウスメーカーや工務店の方々になぜ柱が割れるのか尋ねてみても柱は割れるものだとか自然現象だからと言った曖昧な話が多かったり中には無垢の柱の欠点だから集成材が生まれたという話をする人までいました。

 そもそもなぜ柱は割れるのでしょうか。
 柱には芯を持っている芯持ち柱と大径木から取れる芯去り柱(高級材)があります。
 文字通り芯去り柱には芯がありませんから芯持ち柱のような割れ方はしませんが代わりにねじれやすい特徴があります。
 普通の住宅には芯持ち柱が多く使われています。

 柱がまだ山の木だった頃には自重以上の水を蓄えているので乾かさないと建物には使えません。
 木を乾燥させるには熱を加えて短期間で乾燥ができる人工乾燥と屋外に置いて自然に水が抜けていくのを待つ天然乾燥があります。

 人工乾燥は短い時間で計画的に進められるので場所と時間が少なく済みます。
 一方、天然乾燥は乾燥期間も長いし、広い場所も必要ですが病気になりにくい成分や腐りにくい成分など生物として当たり前に備わっているものを残して水を抜くことができるので色艶がよい特徴があります。

 人工乾燥材は乾燥機から出てきた段階でそれ以上乾燥が進むことはないので後から柱などの表面に割れが入ることはありません。
 ところが天然乾燥は屋外で乾燥させているので家ができて屋内になるとさらに乾燥が進みます。
 屋内では早く乾燥が進むので表面では乾いて縮もうとしているのにまだ乾いていない内部との間で力のバランスが崩れてしまいます。

 最初は小さな力ですが乾燥が進むといっそう表面と内部に働く力の差が大きくなってやがて大きな音を立ててバシッと割れることで力の差を解消しているそうです。
 天然乾燥材の割れは物理現象なわけで粗悪品ではありませんし、割れることで柱の強度が落ちるなどと言ったこともありません。

 また、時間や場所が必要で割れも入る天然乾燥材がなぜ使われるのかについては人という生き物と相性が良いことが挙げられます。
 天然乾燥材は値段が高いという人もいますが、値段というのはものの価値を図る要素の他にやりたくない口実にも使われます。
 天然乾燥材の特徴をうまく説明できない方が無理をして採用し後からクレームになるくらいだったら高額な値段を口実にすることもあります。

 割れる柱の話は人と相性が良い木の家を知る上で入りやすい所です。
 施主側としては割れる柱の話を通じて家づくりの相談を誰にするかを選ぶ要素にもできます。
 割れる柱は粗悪品だと思い込まずに「なぜ、割れるんですか。」と聞いてみて下さい。

誤解と思い込み

2017.04.25.21:11

 木の家での生活も10年を超え住み始めた頃は初々しかった木の色も落ち着いてきました。はじめは赤身と白太の色の違いもはっきりしていましたが今はほとんど分からなくなってしまいました。

 住み始めたときに林業家がそのうち色の差は無くなりますよと言っていましたが当時はこんなくっきり分かれている色が分からなくなるなんて本当かなって思っていました。

 振り返ってみると当時の私には木の家に対して思い込みや誤解が多かったように思います。
 誤解や思い込みも木の家で日常を送りながら少しずつ減っていきました。
 今回は木の家でよく言われる話と木の家の住まい手としての感想をいくつか紹介します。椅子と杉床

 最初は、杉床は柔らかいので傷がつきやすい。
 杉の無垢材を床に使うと床が傷だらけになると言う話です。
 写真は10年近く椅子の生活をしていらっしゃる家の杉床です。(食卓に椅子がある家で撮らせてもらいました)

 見たとおり椅子の脚にクッション材などはありませんが、引きずった跡やめり込んだ跡などは見られません。
 傷が付かないように注意しながら使っているわけでもないし、7人分の椅子の床部分はみんな綺麗な状態です。
 テーブルや椅子を移動させたらこの場所に椅子があったことが分からないくらい綺麗な状態でした。

 以前に林業家が「杉床って傷つきやすいと言われるけど結構強いんだよ。」と話してくれたことがありました。
 それを聞いていてもやっぱり杉って柔らかいしぃ~ 傷ぐらいは付くだろうと思っていましたが、椅子の脚ぐらいで傷だらけになることは無いようです。

 また、杉は柔らかいので傷は付きますが、この柔らかいことが幸いして傷が目立ちにくくなります。
 堅いものを落として傷が付いた直後は床面と床板内部の色の違いがくっきり出るので目立ちます。
 ところが時間が経つと傷の角も丸みを帯びるし無垢材ですから色は同じになるので目立たなくなってしまいます。

 最初の一カ所目はきゃあーやっちゃった!と大騒ぎになるかもしれませんが、1年も経たない間に細かい傷に紛れてしまいほとんど気にならなくなってしまいます。
 無垢の杉は傷つきやすいという話は杉床の特徴の一面だけを捉えた話です。
 杉床で生活している住まい手としては床の傷などどうでも良いと思えるほど杉床の冷たくなくサラサラしている感触は気持ちが良いです。

 もう一つ、杉床(無垢材)と床暖房は相性が悪い。
 これもよく聞く話です。
 わが家では10年以上床暖房を使い続けていますが何の問題も無いし、なぜ無垢材と床暖房が相性が悪いと言われるのか不思議なくらいです。

 床暖房と言っても電気式や温水式、温水を使うタイプでも温度、面積や使い方など様々な違いがあります。
 無垢材は急激な温度変化が頻繁に起きるような使い方には向かないと思いますが、床暖房には無垢材が使えないと言うことではありません。

 むしろほどよい堅さや高い調湿効果を持つ杉床と床暖房は住まい手からみると相性が良く富山の冬の住み心地に大きく貢献してくれるので是非建築士に相談して欲しいと思います。

職人の一言

2017.04.09.10:00

 建築士がお施主さんのご厚意で開催する見学会には大工さんも応援に来てくれることがあります。
 建築士は説明だけだったらまとめて話すこともできますが、みなさん聞きたいことがありますから建築士一人だけでは大変です。
 私もお願いして見学会に出向いたときにこんな一コマがありました。

 大工さんがお客さまに柱について説明しています。
 「この柱はたまたま見つけたのでここにしました。」
 これだけでは何のことだか分からないので少し説明するとお施主さんの家も真壁仕様なので柱が表に出ています。

 普通は柱の3面が壁などに隠れてしまいますがリビングにある1本の柱は4面とも見える場所に立っています。
 家に使われている柱は節がある芯持ち材でしたが、リビングにある1本の柱には節が見当たりませんし、薄い化粧板を張ったつき板柱でもありません。

 つまり4面無節柱(超高級品)です。
 大工さんはこの超高級柱をたまたま見つけたのでこの位置にしました。と言っていたわけです。
 この話を聞いていた私は大工さんにもう少し説明をしてほしいと思いました。
 というのは、大工さんは作業場で家に使われる柱や梁を全部並べてどれをどこに、どの向きに使うのかを一本ずつ決めていきます。

 柱が100本あるとすると柱だけで400面をみていることになりますし、梁もあります。
 よく見える場所には色が揃った柱の綺麗な面が表になるように、隠れて見えない場所にはそれほど見栄えを気にしなくても良い材料と全部見て決めていきます。

 番付は見ていると静かな作業ですが大工さんの頭の中はフル回転です。
 そんな大変な作業の結果選ばれてリビングに決まった柱なのですが、見学会では「たまたまみつけた・・・。」になってしまいます。
 これが営業担当だったら違う言い方になったと思います。

 また、林業家にも似たところがあります。t_DSC_4224.jpg
 わが家には8寸角(24㎝角)の太い柱が2本あります。
 大黒様が2人いるのはおかしいと言うことで一本は大黒柱、もう一本は恵比寿柱と呼ぶこともあるそうですが、呼び方はさておき太い柱が2本あります。

 わが家の木のふるさとを訪ねたときに林業家が天然乾燥中の太い柱について説明をしてくれました。
 一本の太い柱を指さして「この木はいい木だよ。」と言ってくれました。
 当時(平成16年頃)はへぇ~と言うくらいにしか捉えることができませんでしたが、新築後も続いている林業家や大工さん、建築士とのおつきあいの中で林業家がたくさんある材料の中でどうしてあの一本の柱だけ指したのかが分かってきました。

 一本の木からは柱や梁、板も取ることができます。
 しかし、柱に向く木もあれば梁に向くもの、板に向くものなどそれぞれ木の個性によって向き不向きがあります。
 また、柱と言っても4寸、8寸など太さや長さによっても選び方が変わってくるそうです。
 8寸角で長さ6メートルの柱となると加工分を含めてもっと長くて太い木を用意することになります。

 長くて太くてしかもまっすぐな木と書けば数文字ですが山の傾斜地で100年近く風雨に耐えてきた植物としての杉がまっすぐに育つというのは無理が多い内容です。
 現場でも大黒柱として使える木は2000本伐採して10本あるかないかという1%未満の話だそうです。

 その中でもたまたま100年間周囲の木の並びや育ち方など様々な要因が重なって偶然まっすぐに伸びる木が出てくるそうですが先ほどの1%未満のさらにもう一桁小さい数になってしまうそうです。
 林業家が言ってくれた「この木はいい木だよ。」の一言にはとても深い意味があったことをずっと後になって知りました。

 大工さんや職人さん、林業家は私たち住まい手のために目に見えない努力や苦労をしてくれています。
 営業担当者のようには話してくれませんが、建築士は住まい手と大工さんや職人さん、林業家をつないでそれぞれの仕事や役割を紹介してくれます。

 見学会は住まい手と建築士の出会いの場でもあります。
 家を見ることをきっかけに建築士に今まで聞いたことや思っていることについて尋ねてみると意外な話が聞けるかもしれません。
 木の家に住み始めて10年を超えて振り返ってみると私が当時思っていたことには随分誤解と思い込みが多かったように思います。

 建築士や林業家、大工さん、職人さんからわが家のことを学ぶ中で誤解や思い込みが減っていき住まい手としても上手に家が使えるようになっていきました。

Q値と住み心地

2017.03.17.19:35

 前回、Q値やUa値、気密性能で使われるC値といった値も参考になりますが、人が生活していてどのように感じるかといった視点は値以上に住み心地には影響がありますと書きました。

 ハウスメーカーのパンフレットには当たり前のようにQ値やUa値などが載っていますし値が小さいことをアピールする会社もあります。
 建物から逃げていく熱量を知ることは光熱費の削減など実生活に恩恵がありますから是非知っておきたい値です。

 しかし、値が小さいほど住み心地が良くなるかというとそうでもなさそうです。
 室内に温度計を置いて室温を調節している方は多いと思います。
 普通は一台か二台の温度計で室温をみているわけですが、人間の体には手のひらだけでも15,000個を超えるセンサーがあって体中のセンサーから集まる大量のデータを総合的に判断してリアルタイムに環境を把握しています。

 室内にある温度計が適温になっていても足下が寒かったり頭だけ熱いなどといったことも普通に感じることができます。
 Q値やUa値が小さいと言うことは熱が逃げにくいと言うことですが、家全体から逃げていく熱量しか分かりません。

 室内には暖房機付近の暖かい場所もあれば壁や窓付近などまだ暖まっていない場所もあります。室内に温度差があると暖かい空気は上昇し代わりに冷たい空気が降りてくるといった対流が起きます。
 家全体から逃げていく熱量が同じでも室内に大きな温度差あると住まい手は常に冷たい空気にさらされて生活することになります。カタ温度計

 また、エアコンやファンヒーターなどの温風暖房では室内に気流ができます。エアコンから出ている風などたいしたことが無いと思っていましたが、測ってみるとエアコンから5メートルぐらい離れていても0.2m/sぐらいの気流がありました。

 普段の生活で人が感じることができる気流は0.3m/sぐらいからと言われていますが、気をつけていれば0.2m/sでも感じることができます。(写真はカタ温度計による気流測定の様子)

 1秒間に20㎝程度という微弱な風というか空気の動きでも肌にまとわりついている高湿度の空気には影響があるようです。
 私たちの体からは常に水蒸気が出ています。おなかと背中に温湿度センサーを貼り付け服を着て数時間観察してみると肌の表面付近温度は30度から32度ぐらいで湿度は室内よりも常に高くなっていました。

 暖房期間中わが家の平均的な気流は0.1m/s以下なのでじっとしていても気流を感じることが無く、湿度計が30%ぐらいでも乾燥しているようには感じません。
 一般に快適と言われる湿度は40%以上と言われていますが、室内の気流によってはもっと湿度が低くても体にまとわりついている湿度の高い空気によって感じ方が違ってくるようです。ガーゼを巻いた温度計

 棒温度計を二本用意して片方だけ濡れたガーゼを巻いて弱い風を当ててみるとガーゼを巻いていない温度計は風が当たっても温度は変化しませんが、ちょっとした風でも濡れたガーゼを巻いた温度計の値は変化することからも気流が小さいと肌周辺の高湿度の空気がはぎ取られにくくなるように思います。

 熱損失といったエネルギーの話と人が室内環境をどう感じるかと言ったことは分けて考えた方が良さそうです。

冷暖房費の捉え方

2017.03.05.11:16

 光熱費で話題に出るのは夏の電気料金が多く冬の暖房費は夏ほど話題が出ないように感じています。
 わが家で夏と冬の冷暖房費を比べてみると夏は1.2万円、冬は6万円ぐらいですから暖房費の方が負担が大きいのですが世の中はなぜか冷房費の話題が多いようです。

 大都市は太平洋側に多く冬は日射も期待できる比較的温暖な地域にお住まいの方が多いこと、冷房はほとんどエアコンが使われているのでエネルギーが電力に集中します。
 暖房は灯油や電気(ヒートポンプやストーブ)、薪ストーブなど暖房に必要なエネルギーが分散しています。

 また、電力会社によって電気料金が違うことも影響しているように思います。
 わが家では毎年1月の電気料金が最も大きくなります。試しに東京電力の料金メニューの中からわが家にお得なメニューを選んで電気料金がいくらになるのか調べてみました。

 北陸電力からの1月分の請求は27,276円(消費税や各種割引、燃料再調達価格、再生可能エネルギー固定価格買取制度などを含みます)、東京電力では42,253円になりました。
 北陸電力は電気料金が安いとは聞いていましたが実際に調べてみるとずいぶん違うことに驚きました。

 同じだけ消費しても東京電力と北陸電力では無視できないほど費用に差がありますからエアコンの費用面での捉え方も地域によって違うように思います。
 先ほどの27,276円の中には消費税や諸費用、給湯・照明や家電分も含んでいますから暖房分で計算してみると15,000円ぐらいになります。

 全室連続暖房で暖房費用が15,000円と言ってもなかなか信じてくれませんが、わが家では最も暖房費用が大きくなる1月でもこのくらいです。
 灯油が暖房の熱源だったころに1月に消費した量は500リットルぐらいだったので今は当時の半分以下の費用で当時よりも暖かい室内で生活しています。

 これをやれば一気に解決!では無くて建築士と一緒に細かいことや体で感じたことをコツコツ積み重ねてここまできました。
 私たちは寒い時期には暖かさを室内に取り入れることを考えます。
 暖かさを室内に取り入れるだけじゃ無くて室内から寒さを取り除く工夫も同時に進めることが費用負担軽減には有効だと分かってきました。

 夏はエアコンなどで暑さを取り除くことに注目されますが、夏は室内に暑さを取り入れない工夫も結構有効です。
 夏の暑さを室内に取り入れないとか冬の寒さを室内から取り除く視点はこれまであまり注目されてきませんでしたがこれから家を考えられる方は取り入れていただきたいことだと思います。

 取り入れろといわれても具体的にどうしたらいいのか分かりませんし、誰に相談したらいいのかも分かりません。
 家を建てるにはまず誰に相談するか決めなくてはいけません。その時に暑さ寒さを取り除く工夫について尋ねてみるのもいいかもしれません。

 わが家でもコールド・ドラフト気流、全室床暖房、間取りといったテーマでいくつもの工夫がされています。

 それぞれの工夫がバランス良く整うことで費用を抑えながら暖かい室内で快適に過ごすことができるようになりました。
 Q値やUa値、気密性能で使われるC値といった値も参考になりますが、人が生活していてどのように感じるかといった視点は値以上に住み心地には影響があります。

 家の仕様が決まる新築や改築時には是非、地域の環境も含めて理屈を理解した建築士に相談してほしいと思います。

体感温度

2017.02.28.11:17

 室内での体感温度は室温と壁や天井、床などの表面温度を測ることで知ることができます。
 体感温度=(室温+壁の温度)÷2
 室温が25度で壁が17度の室内での体感温度は21度
 室温が21度で壁が20度の室内での体感温度は20.5度

 どっちの部屋でも体感温度はほぼ同じですが、体験してみると体感温度が21度だった前者の方が寒く感じます。
 ずっと不思議に思っていましたが、どうやら放射が関係しているようです。

 熱の伝わり方には伝導・対流・放射の3つがあります。
 熱は高いところから低いところに移動してお互いが同じ温度になろうします。
 私たちの体温は36.5度付近で体の表面温度は30~33度ぐらいと言われていますから体からは伝導・対流・放射の3つの方法が熱が出て行きます。

 伝導と対流はわかりやすいのですが放射で熱が逃げるというのは分かりにくい話です。
 物質を温めると電磁波が発生します。熱エネルギーによって電磁波が発生し熱が減るというややこしい話なので放射でも熱は逃げていくと言うことにします。

 電磁波は電場と磁場が交互にやってくる波で波長によって可視光とか電波やX線などいろいろな呼び方があります。
 人間が吸収できる電磁波の波長は3~25マイクロメートルぐらいでそのうち4~14マイクロメートルを「生育光線」と呼んでいます。このあたりの波長は遠赤外線(4~1,000マイクロメートル)と呼ばれる領域です。

 遠赤外線が私たちに当たると着衣や体を構成している分子と共鳴して運動が激しくなり熱が発生します。
 遠赤外線に熱があるわけでは無く遠赤外線が当たった物の分子が激しく振動してその結果熱ができるという仕組みです。

 床暖房や薪ストーブは輻射熱暖房と言われます。放射と輻射の使い分けは物質を温めて発する電磁波などは放射と表現し、物質は自らが電磁波を発しながら他からも受けて熱交換しています。これを輻射と表現することが多いようです。

 以前洗濯物の乾燥について書いたときに洗濯物から蒸発して出ていく水もあれば空気中の水蒸気が洗濯物に水として戻ってくる話がありました。
 水は温度によって蒸発する速度が決まっていますが、湿度が高くなってくると水に戻ってくる水蒸気も増えてくるので相対的に水の蒸発が遅くなって見えると言うことでした。

 体から放射される熱量は同じでも周囲から放射によってもらう熱量が違うことで出て行く熱の速度に違いができます。
 壁が冷たいと見かけ上、体から早く熱が逃げていくので寒く感じると言うことのようです。

 また、窓の近くにいると寒く感じることがあります。
 窓に熱が引っ張られるとか冷放射などと言われますが、これも窓という周囲よりも温度が低い部分から発せられる電磁波(遠赤外線)が少ないことで窓に向いている体の方向だけが相対的に早く冷めると考えるとしっくりくるように思います。

木の家の色艶

2017.02.19.13:42

 住み始めて10年を超え新築時に盛り上がった家づくりの情熱も冷めているはずなのですが、未だに木の家の住み心地を書き続けています。

 木の家で生活していると今まで聞いたことや言われていることが本当なのか、どうしてなのかと言ったちょっとした疑問を日常生活の中で観察や測ったりすることで探ることができます。
 理科室で生活しているようですねと言われたこともありますが、日常生活の観察ですから特別なことをしなくても続けられます。

 最近では林業家にもらった板を丸一日冷蔵庫で冷やして触ってみたところ冷たくなかったとかペットボトルの表面みたいな結露がつかなかった体験をしました。
 わが家では年中裸足の生活ですが、寒い時期や暑い時期でも冷たくなくてサラサラしている杉の特徴をわかりやすく体感できた観察でした。

 ひさしを利用して夏の日射を遮りながら冬の日射を取り入れる手法はよく聞きますし理屈にかなっていると思っていましたが、富山のわが家で観察してみると冬は晴れる日が少なくて日射に期待できないことや夏の日射はひさしで遮ることができますが窓から入ってくる熱には地面などから跳ね返ってくる照り返しもあってこれが結構大きいことも分かりました。
 夏に日射計を室内から太陽に向けると1,000W/㎡ぐらいになりますが、地面に向けると1,500W/㎡ぐらいになります。
 植木鉢などの置く場所を工夫するだけでも照り返しを大きく減らすことができます。

 わが家は杉を天然乾燥した真壁の木の家です。
 天然乾燥すると何がよいのかについてプロに尋ねたアンケートでは色艶が良いことが一位になります。
 大工さんや林業家は天然乾燥材は他の材料よりも色艶が良いと言うのですがそれを住まい手としてどのように捉えて良いのかずっとモヤモヤしていました。
 早い話が色艶が良いことで何かいいことがあるのかと思っていたわけです。

 林業家に思い切ってこのことを話したことがありました。
 色艶が良いというのは時間が経って周囲と違和感なくなじむと言うことじゃないかなと話してくれました。

 そういえば新築の前に20年経った家を見せてもらったときに私もこんなきれいな家に住みたいといったら林業家は20年待て!と言われたことを思い出しました。
 時間が経って色艶が良いと誰かが評価した材料で家を建てるよりも最初は初々しいけど住まい手と一緒に時間を過ごすことでなじんだ家の方が住まい手にとって価値があると言うことだと思います。

 最近でも建築士にお願いして新しい家を見せてもらう機会があります。
 住まい手も初々しいけど天然乾燥した柱や梁も初々しい色艶をしています。
 家に帰ってわが家をみるとこっちの方がいいなぁと思うことがあります。
 家族も家と一緒に10年過ごしてきたわけですが、住まい手と一緒に変化をすることが天然乾燥材の大きな特徴のように思います。

 私たちはだんだん年をとっていきますが家だけ新しいままでは取り残された感じがしますし経年劣化で当初の機能が損なわれてしまうのも困ります。
 調湿や触感など機能は損なわず色艶の深みを増すことで住まい手に安らぎを与えてくれます。
 私たち家族はこの家と10年過ごしてきました。10年一緒に過ごしてきた分わが家が綺麗だと思うようになりました。

 あと10年ぐらい経ったら大工さんが言っていた天然乾燥した赤身材はやがてトロトロ(色艶が深まって立体感が出てくる)になる様子が見られるかもしれないと楽しみにしています。

光熱費の見直し

2017.02.12.12:24

 新築時に熱損失について関心を持たれる方は多いと思います。
 少し前まではQ値、今はUa値が使われています。

 Q値 = 単位温度差あたりの総熱損失量 ÷ 床面積
 Ua値 = 単位温度差あたりの総熱損失量 ÷ 外皮表面積の合計

 どちらも屋内外の温度差1度当たり1時間に屋外に逃げていく熱量から求められます。

 Q値では小規模住宅や同じ床面積でも複雑な形状の住宅では床面積に対して外皮面積の割合が大きくなり不利になる場合もあるので、住宅の規模や形状による影響を受けにくいUa値が使われるようになったそうです。

 外皮とは外気等に接する屋根、壁、床、天井や窓などの開口部のことです。
 家相の中にも張りと欠けが出てきますが、なるべくデコボコしないスッキリした家の形は温熱環境から見ても有利なようです。

 さて、Q値・Ua値どちらも値が小さい方が性能は高いのですが、値だけ言われてもそれが何の役に立つのかよく分かりません。
 比較するときにはUa値が分かっていると比べやすいのですが、住まい手としては自宅の維持管理に責任があるので他の家はあまり興味がありません。

 Q値・Ua値を求めるときに総熱損失量が出てきましたが、Q値2.0で床面積150平米の家の場合総熱損失量は300Wになります。
 つまり屋内外の温度差が1度あたり1時間に300Wの熱が逃げていく家と言うことになります。
 屋外が5度で室内が20度の場合温度差は15度、生活で発生する熱を3度とすると温度差は12度となります。

 300×12=3,600

 Q値2.0床面積150平米の家では屋外が5度の時、室内を20度に保とうとすれば1時間に3,600Wの熱を供給すればよいと言うことが分かりました。

 灯油で丸一日暖房すると
 3,600W×24時間=86.4kWh
 86.4×3.6MJ=311.04MJ (1KWh=3.6MJ)
 311÷36.7MJ=8.47L (灯油1リットルあたりのエネルギー量36.7MJ)

 エアコンの場合は
 86.4÷4=21.6kWh(平均エネルギー消費効率4)
 21.6×23円=496.8円(1kWhあたりの電気料金単価23円)

 費用で比べてみます。
 灯油8.47Lは単価70円とすると593円、電気料金は497円で灯油単価58円で両者が同じぐらいになります。

 また、自宅内外の温度を測っていると富山では晴れる日が少ないとはいえ晴れれば室温も上がります。
 日中は朝よりも気温がわずかでも上昇するので暖房設定温度を2度程度下げるなどあまりエネルギー必要としない部分に注目することで寒い思いをせずに暖房費用を大きく下げることができました。

 住み始めた頃は前の家よりも暖かいのに浮かれて多くのエネルギーを使っていました。
 ピーク時には灯油消費量が年間3,588L、電力は9,074kWhでしたが、昨年は電力消費量が12,304kWhでした。
 電力消費量は3,200kWh増えていますが灯油を使わなくなったり電気料金プランの見直しなどで光熱費は年間20万円以上少なくなっています。

 光熱費は家計から継続的に出て行きます。削減額が小さいと何かしようとまでは思いませんが、光熱費として払ったつもりで積み立てると5年もすれば100万円ぐらいになります。

 自分で使える資金を増やすには収入を増やすか支出を減らすかしかありません。

 これまでは収入を増やすことが注目されてきましたが、これからは支出を抑えることで使える資金を確保することにも目を向けていくことが大切だと思っています。
 自宅の総熱損失量を知ることは光熱費の見直しに役立ちます。

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