調湿性とビール瓶

2016.08.08.00:27

 木には調湿性があって柱一本にはビール瓶○○分の水分が・・・。
 ビール瓶の話はよく出てきますが、どうしてビール瓶が例えになっているのか不思議に思っていました。
 以前、林業家がそれは何とかという本に出てくると話してくれたのですが本の題名を聞き漏らしてしまってずっとモヤモヤしていました。ビール瓶と調湿

 本に出てくるというキーワードだけで探してみたところ見つかりました。

 「木づくりの常識非常識」 上村武著

 この本の中にビール瓶の話が出てきます。
 ビール瓶の話の理屈がわかったのでちょっと計算してみました。

 まず、杉で長さ3m、三寸五分角の柱の重さを求めます。
 10.5㎝×10.5㎝×300㎝ =33,075立方㎝
 33,075立方㎝の体積と杉の気乾比重0.38から12,568グラムとなります。
 12,568グラムは杉が大気中の水蒸気を吸った状態なので含水率15%として全乾重量を求めます。

 12,568÷1.15=10,928(全乾重量)
 12,568-10,928=1,640(柱に含まれる水分量)
 1,640gをビール大瓶633mlで割ると2.5本分となります。

 4寸角だと3.3本分
 長さ6m、8寸角の大黒柱になると27本分の水分を含んでいることになります。

 よく聞く話は木には調湿性があって柱にはビール瓶2.5本分の水分が含まれていると言うものですが、実際に調湿するのはもっと少ないことが本の中でも書かれているし、柱の大きさや長さが違えば水分量も違うのに、ビール瓶2.5本分という言葉だけが一人歩きしているように感じました。

 本の中には静岡大学で行われたマウスの実験や貨物船の船員の居室はできるだけ木の内装が使われる話などおもしろい話がいろいろありました。

エアコンと湿度

2016.08.07.12:20

 暑い日にエアコンを使うと最初は温度も湿度もぐっと下がりますが、しばらくすると室温が保たれていても湿度が急上昇します。
 以前から不思議に思っていたのでエアコン使用時の消費電力と室内の温湿度を測ってみました。
エアコンと湿度変化
 使い始めは多くの電力を使って一気に温度と湿度を下げていますが、ある程度温度が下がると消費電力を抑える運転に変わります。
 さらに時間が経つと室温を維持する程度の消費電力まで落としていました。

 大昔のエアコンはスイッチのONとOFFだけで制御していましたが、今は消費電力を制御する方法が多いそうです。
 グラフを見ると室温を維持する運転に変わったあたりから湿度が上昇し始めています。
 最初は何が原因で湿度が上昇するのかわかりませんでしたが、エアコンの掃除をしていて気がつきました。

 エアコンの室内熱交換器はとても冷たくなるので結露水がたくさん出ます。
 結露水がホースを伝わって外に流れていくわけですが、これらの水は元々室内にあった水蒸気です。
 エアコンの出力が大きいときは室内の水蒸気を結露させることができますが、出力が落ちると室内機の結露水が蒸発して室内に戻っていきます。

 また、温度が下がって湿度も下がると言うことは相当量の水蒸気を排出していることになりますから屋内外に大きな水蒸気量の差ができます。水蒸気は気体なので圧力差があると高い方から低い方へ圧力が同じになるように動きます。エアコンの出力が落ちて水蒸気の排出能力が落ちると屋外からも水蒸気が室内に入ってきます。

 エアコンで減らしていた水蒸気が室内に戻ってくるわけですからそりゃ急激に湿度が上昇するわけです。
 タイマーで夜中にエアコンが止まったら寝苦しくて目が覚めたという話はよく聞きます。
 夜ですから室温が急に上昇することはありませんが、湿度は急上昇するので寝苦しく感じるのかもしれません。

 今回エアコン運転時の湿度変化ということで午後1時ぐらいから午後7時ぐらいまでエアコンを運転していました。
 日中の外気温は33度を超えていましたが、室温が30度を下回ってくると寒く感じるので普段はこんなに長くエアコンを使うことはありません。

 また、普段は扇風機を使っているので室内の湿度変化は小さいのですが、エアコンを使うと湿度変化が大きくなるので体感も変わってきます。
 体感としては少しぐらい湿度が高くても安定している方が過ごしやすいように感じました。

冷たい板

2016.08.03.12:27

 暑いこの時期に冷蔵庫から取り出したペットボトルの表面にはたくさんの結露水がつきます。冷やした板
 ちょっと置いておくと結露水が垂れてくるくらいですから冬と違って水蒸気量が多いことがわかります。

 ペットボトルが結露するのは水蒸気を含む空気が冷たい物に触れて飽和するからです。
 それじゃあ木の板も冷やすと表面に結露するのかやってみることにしました。

 木の板を一枚冷蔵庫に入れて丸一日冷やします。
 もう一枚重さを揃えた木の板を用意しておきます。
 写真のように両者を天秤にかけて重さに変化があるか、板を触ったときの感触などを観察しました。

 まず、丸一日冷蔵庫に入っていた板ですから冷たくなっているはずですが触った感触はそんなに冷たくありません。
 両者を天秤にかけてみるとわずかに冷蔵庫の板が重くなりました。

 5分ほどして両者を触ってみると冷蔵庫に入れた板の表面は湿っぽくなっていましたが、小口はさらっとしていて冷やしていない板と触った感触に違いがありませんでした。
 結露しているペットボトルの表面を指でなぞると跡が残りますが湿っぽくなっている板の表面をなぞっても跡が残るようなことはなく板の表面で結露しているようには見えませんでした。

 板は少し重たくなったので結露はしているのだと思いますが、木の繊維は水分が増えると自ら膨らんでさらに水分を取り込める特徴があるので少しぐらい結露してもペットボトルのように結露が表面に見られることは無いようです。
 また、小口はサラサラのままだったので小口は他の部分よりも多くの量を速い速度で調湿しているように思います。

 今回は木の板を冷蔵庫で冷やしてから触ってみるという簡単な観察でしたが、板が冷たくなかったり、板の表面に結露が見られなかったり、小口はサラサラだったことを通じて家族が健康で快適に生活できる木の家の特徴が感じられた観察でした。

湿気の重さ

2016.07.31.09:23

 湿気は室内の高いところに溜まると言う人もいれば湿気は低いところに溜まるという人もいます。
 水蒸気と言う気体は空気よりも分子量が小さいので水蒸気が多い空気は軽くなるから上に溜まると説明されるとなるほどと思います。

 一方、湿気とは湿り具合のことを指し、相対湿度で表現されます。
 室内に温度差があれば水蒸気量は同じでも相対湿度が変化します。
 温度が高くなると相対湿度は下がるし、温度が下がれば相対湿度は上がります。

 一般的に室内では上部が高い温度になることが多いので上層は相対湿度が低くなり温度が低い下層は相対湿度が高くなります。
 水蒸気の量は変わらなくても温度が低くなる下層では湿気が溜まりやすくなると説明されるとそれもそうだと思います。

 水蒸気の発生源は人、布団、キッチン、浴室、洗濯物など様々なところから室内に放出されるし、布団をしまっておく押し入れとリビングの容積の違いなど拡散や換気にも影響されます。
 カビが発生しやすい場所として押し入れや家具の裏側があげられますが、こうした場所は風通しが悪く温度も下がりやすいところです。

 先日一階と二階で温湿度に差が出ている日がありました。
 二階 室温30度、湿度54%
 一階 室温26度 湿度69%

 一階の湿度が高いように見えますが水蒸気の量はどっちも16.7g/㎥です。
 水蒸気の量は同じですが二階から降りてくると明らかに一階の方が湿っぽく感じます。

 こんな経験をすると湿気は下に溜まると思ってしまいますが、人が感じる湿気は重たいとか溜まるという話じゃ無くて温度によって感じ方が違うと言うことのようです。

透湿抵抗値

2016.07.01.20:36

 建材の水蒸気の通しやすさを示す値に透湿抵抗値があります。
 1平方メートルあたり1時間に1グラムの水蒸気を通すのに必要な圧力差などで表示されています。透湿性の観察

 以前、建築士のご自宅で壁の中に温湿度センサーを入れて1年間にわたって壁の中の温湿度を観察したことがありました。
 その時に建築士が室内の壁に使われているプラスターボード(石膏板)は湿気をスカスカに通すと言っていました。

 スカスカと言われてもよくわからないので透湿抵抗値を調べてみると
 プラスターボード(12㎜厚)0.63m2・h・mmHg/g
 合板(12㎜厚)23m2・h・mmHg/g
 プラスターボードは合板よりも約37倍水蒸気を通しやすい材料と言うことになります。

 ところが透湿抵抗が37倍といわれても私にはイメージができずにモヤモヤしていたので梅雨に入ったこの時期に測ってみることにしました。
 合板とプラスターボードで箱を作って隙間ができないように角やケーブルの取り出し口などをコーキングで埋めて雨のかからない屋外に置いて湿度がどのような変化をするのか観察してみました。
プラスターボードと合板の透湿性
 測ってみるとプラスターボードは12㎜の厚みがありますが、屋外の湿度変化に追随して変化していました。
 プラスターボード箱に隙間があるんじゃ無いかと疑いましたが、隙間は無く思わず”本当にスカスカなんだ!”と言ってしまいました。

 家の壁に使われているプラスターボードには塗装やクロス、漆喰や珪藻土が施工されているのでプラスターボードだけで調べた今回の観察とは少し様子は違うと思いますが、プラスターボードは水蒸気をスカスカに通すことがわかりました。

 建築士からだからそう言ったのに・・・と言われそうですが。
 今回の観察では測定間隔は30分でしたが、測定間隔を1分にしてどのくらいの時間差で追随しているのか、またプラスターボードに塗装したり壁の仕上げ材を施したらどのように変化するかなど続けて観察してみようと思っています。

 合板はプラスターボードと比べて37倍水蒸気を通しにくいわけですが、変化量は小さいながら屋外の湿度変化に合わせて変化することもわかりました。

積立預金

2016.06.14.22:43

 私たちは様々な形で金融と関わりながら生活していますが、学校で金融について学ぶ機会はほとんど無く社会に出てから自らの判断で金融商品を選んでいるように思います。

 株式、債券、外国為替、商品先物など専門性が高い金融商品もあれば、定期預金や積立預金など身近な金融商品もあります。
 金融機関が費用をかけて宣伝したり積極的に勧めてくるのはまとまった金額をある程度決まった期間預かることができる商品か取扱手数料が入ってくる金融商品が多いように思います。

 金融商品を知るには金融機関で聞くのが良さそうに思いますが、窓口やネットで調べようとすると、会社が売りたい商品やサービスは時間を割いて説明してくれますが地味な積立預金などは簡単な説明だけで、使い方などと言った話になるとそれはお客様のご判断で・・・でおしまいです。

 例えば株式投資は売却益を得ることができるので多くの方が利用しています。
 株式投資を始めるに当たって売却益が期待できる反面、売却損が出るかもしれないことぐらいはみなさんご存じですしそれがわかった上でなるべく売却損が出ないように運用しようとします。

 ところが実際に株式投資をやってみると、株式取得金額よりも株価が上昇していればもっと上がるんじゃ無いかと思いますし、株価が下がればここで売却したら損が確定してしまうのでもう少し待てば株価が戻るかもしれないと思います。
 要するに株価が上がっても下がっても売却する判断に迷うわけです。

 また、株式投資は時間をかけて少しずつ上昇してきた株価でも一日で取得金額を下回ることもありますから株価の推移に敏感になります。
 さらに、株式投資は取得銘柄ごとに決済するまでが一つの区切りですから一つの銘柄で決済が終われば次というように取引が連続するので思っている以上に忙しい取引です。

 株式投資は売却益に期待ができるというだけで株式投資を始めると株価の推移に一喜一憂する生活に耐えられなくなるか、売却するタイミングを逃して塩漬けになってしまったり必要な資金のために損を承知で売却してしまうことが意外に多いようです。
 株式投資を始めるに当たって株は買うよりも売るタイミングが難しいなんてことは取引の説明書に書いてないし、株式投資を始めるとどんな生活になるのかなんてことまで説明してくれません。

 積立預金は毎月自分で決めた金額を普通預金口座から積立預金口座に振り替えるサービスで誰でも知っている超有名金融商品ですが、その使い方になると意外に知られていないように思いますし、一般的な使い方としては旅行やほしい物の購入資金確保のために利用されています。

 普通預金口座には給与が振り込まれたり生活費が引き落とされたりお小遣いも普通預金口座から出ていくのでお金は入ってくるし出ても行く口座です。
 積立預金口座は自分で引き出さない限り出て行くことは無くほっとけば預金限度額まで増え続けます。

 この特徴を活かせば生活費の中から自分が決めた金額を切り離すことができます。
 今の生活に余裕なんて無いのに積立なんて無理!と言われそうです。

 私も新築した頃は新たな積立などできませんでしたが建築士が「メンテナンス・フリーの家など存在しない」と言うのでいずれ必要になるのであれば準備は早いほうがいいと思ってとりあえず毎月1,000円の積立預金を始めました。
 毎月1,000円の積立なんて年に12,000円ですからそんな金額であればわざわざ積み立てなくても思いますが、とりあえず積立預金口座を持つことが目的でした。

 その後、減った暖房費を積立預金に振り替えたり、電気料金が減った分も積立預金に振り向けることで積立金を少しずつ増やしていきました。
 費用削減策を実行して減った金額の取り扱いまで考えておかないと光熱費は減ったはずだけど特に生活に実感が無いと言うことになってします。

 積立口座を持っていると減った金額を振り替える先があることで生活費から削減額を切り離すことができます。
 急にまとまった資金が必要になったときに備えて時間を味方につけてコツコツ積み立てるお金は元々電力会社などに支払っていた金額ですから生活に負担感は少なく安定して長く続けられます。
 自分で使えるお金を増やすには収入を増やすか支出を減らすしかありません。
 支出を減らして使えるお金を増やす仲介役として積立預金は結構使えるサービスだと思います。

階段の板

2016.06.06.12:48

 わが家の階段は大工さんが造ってくれた手作りで、造ってくれた大工さんの名前がついています。
 踏み板、蹴込み板、ささら板も杉です。
 柱や梁、床板、野路板まで杉なので使い分ける必要が無いように思いますが、ほかの部分同様に踏み板も使い分けされています。階段材

 写真の板は厚みは同じですが年輪の間隔が違います。
 年輪は密度が高く堅い部分と密度が低く柔らかい部分が交互になっています。
 階段を何度も行き来していると踏み板の角がだんだん丸くなっていきます。
 角が丸くなると滑って危ない思いをするので、なるべく丸くならないようにしておきたいところです。

 そこで林業家は階段材として年輪が細かいものを選んで出荷し大工さんはそれを踏み板として使い分けるそうです。
 住み始めて10年になるわが家で観察すると踏み板の角はこすれて丸くなっていますがよく見ると堅い年輪のところで止まっています。

 堅い部分もやがて削れてしまうと思いますが、年輪が細かいのですぐに堅い部分が出てきます。
 年輪の目が細かい方が角が丸くなるのに時間がかかるわけです。

 また、階段は同じ場所を繰り返し踏むので角以外もだんだんこすれてきます。
 堅い部分と柔らかい部分で減り方が違うので年輪の間隔が細かいとちょうどよい滑り止めになってしっかりグリップするようになります。

 家が新しく施主も若いときはそれほど気にとめることは無いと思いますが、年をとってくると滑る階段は危なく感じます。
 階段に滑り止めをつけたり滑りにくいスリッパを履くなど対策はいろいろあると思いますが、余計なことをしなくても裸足の生活を邪魔しないわが家の階段はとても気に入っています。

 蹴込み板についてもきれいな板は部屋から見える場所に使うなど工夫されているのですが、大工さんは細かいことまで言わないので住まい手がそうしたことに気がつくまで時間がかかってしまいます。
 私も建具屋さんに「きれいな階段は最近少なくなってしまった。」と言われてはじめて気がつきました。

 設計事務所や天然乾燥、手作りの階段などと言うと高価な家のように感じるかもしれません。
 わが家を見に来られた方にこんな家は私には無理だと言われました。
 私も最初に建築士の作品を見たときはこれは俺には無理だと思ったことを正直に話すようにしています。

 建築士や林業家は「一部のお金持ちだけが建てられる木の家では意味が無い。」と言います。
 住まい手が気持ちよく健康に生活できる家として木の家には実績があり、普通のサラリーマンでも建てられますが、誰に相談するかで大きく違います。
 イメージや思い込みだけで決めないでいろいろな方に話を聞いて誰を頼るか決めてほしいと思います。

屋根の修理

2016.05.31.08:30

 台風が来てもあまり強い風が吹かない富山でも毎年4月上旬には強い風が吹きます。
 強い風と言っても風速20m/s前後ですから軽くて固定していない物が飛ぶぐらいで家に被害が出ることはありませんでした。

 今年は4月に強い風が吹かなかったのでラッキーと思っていたら5月3日に強い風が吹きました。
 わが家の風速計を見ていると風速20m/sを超えてもまだ収まる気配が無く今年の風はちょっと違うように感じていました。
 午後10時32分突然ドカンという強い風が家に当たる音と共に何かがはがれる音がしました。風速計のデータを見てみると30m/sを超えていました。

 なんだか嫌な予感が・・・強い風の時は外に出ない方がよいのですが恐るおそる外に出てみるとガルバリウム鋼板屋根の一部が落ちていました。
 あちゃー。。。

 幸いご近所に迷惑をかけたり周囲に飛び散ることが無かったのですが、屋根のどこがどのようにはがれたのか暗くてわからないし当日は風だけだったのですが、はがれた部分を足がかりにさらに屋根が壊れるんじゃ無いかとか雨が降ったら雨漏りがするんじゃ無いかなど不安な夜になりました。

 翌朝、建築士に連絡したところ祝日でしたがすぐに見に来てくれました。
 落ちてきた屋根の一部や家の周りなどを見て回った後、どこがどうなったのか、雨漏りも心配いらないことを説明してくれました。

 おかしなもので建築士は見ただけで壊れた部分を直したわけでは無いのですが、わが家を知っている建築士に見てもらった後は昨晩のような不安は消えてしまいました。
 5月4日の新聞にはわが家の周囲でちょうど屋根が壊れた同時刻に観測史上最高の最大瞬間風速が観測されたことが書かれていました。

 富山ではあまり強い風が吹かないので風に大きな力があることは認識しにくいのですが建物の構造計算をする際に地震の力にはOKでも風の力でNGとなることがあって風には強い力があることを教えてもらいました。

 修理の際にも建築士が来てくれて職人さんと相談しながら屋根を直してくれました。
 修理ですから元に戻ればいいわけですが、職人さんはどこから壊れたのか、二度と起きないようにどうするのかなどいろいろ工夫してくれて修理後の屋根はバージョンアップしました。
 壊れる前に戻すだけじゃ無くて壊れにくいように手間をかけてくれたことがうれしいです。

 今回屋根が壊れたことで最初に連絡したのは建築士でした。
 建築士から棟梁にそれから職人さんに連絡が行ったわけですが、みなさんわが家のことをよくご存じの方々ですから話の伝わり方がスムーズですし屋根が壊れたのが連休中でしたが休み明けの1日で屋根の修理が終わってしまいました。
 今回のことで建築士、棟梁や職人さんなど顔の見える家づくりをしているとこういった困ったときの対応がスムーズに進むことのありがたさがよくわかりました。

住まい手も山へ

2016.04.21.10:13

 建築士と一緒にわが家のふるさとの山に行ってきました。
 これまでも何度か山に行きましたが何度行っても新しい発見があります。
 案内された山に着いて何か説明してくれるのかと思ったらタケノコ採ってくるから適当に見ててと林業家がどこかに行ってしまいました。

 適当に見ろといわれてもどこをどう見たらいいのかわかりません。
 しばらく山を見ているとこれまで見てきた山と様子が少し違います。
 林業家が企画する伐採ツアーで案内される山は大きな木が並んで立っているし、大きな木を残すために間引きをした切り株もあちらこちらに見られます。母樹林の標識
 ところが案内された山は大きな木もあるけどそれ以外の木もあって間引きした様子もありません。

 途中で母樹林と書かれた標識を見つけました。
 以前に林業家が私たちが植林する苗は種から育てた実生(みしょう)の苗だと教えてくれました。
 挿し木は親木のクローンですが、種から育てた苗は母木はわかっていますが、花粉は50㎞以上も飛ぶので母木以上に優れた木ができる可能性があるそうです。
 今回林業家が案内してくれた山は種を採ることができる母木の山だったわけです。

 母樹林について調べてみると林業種苗法という法律まであって母樹林に指定されている山の木は勝手に伐採してはいけないことになっていました。
 だから今まで見せてもらった山と見た感じが違っていたわけです。

 植林後90年ぐらい経った山を観察した後、林業家が離れた場所から今見てきた場所を指しながら樹形について話してくれました。
 山の中にいるときは気がつきませんでしたが、離れて見るとほかの場所と明らかに木々の形が違います。

 私はこれまで山に立っている杉の木を一まとめに捉えてきましたが、見方がわかるとあの山の木はまだ若い、ここは結構成熟しているなどといった見方ができるようになります。そうして山を見ると今まで見ていた山が別のように見えてくるから不思議なものです。

 木を見て、森を見ずと言われます。
 小さなことに心を奪われて全体を見通せなくなる様子を表現することわざで、広い視野を持って見ると捉え方が変わる教訓としても使われています。

 建築士のところへ家づくりの相談に行って最初に話してくれるのは木の話です。
 ”建築士の第一時間目の授業”と私が勝手に名前をつけている大切な話の中に、
「家に使う木は使う場所でそれぞれ役割が違うので役割に適した材料を使い分けることが大切でこうしたことを適材適所と言います。」という節があります。

 普段何気なく使っている適材適所ですが、言葉の意味の元になった使い方を聞いたときはおぉ!と感動しましたが、今回も同じものを見て捉え方が変わる様子を自ら体験することができました。
 最初は林業家から適当に見ててといわれて困ってしまいましたが、山を後にするときには車の窓から見える山を見るのが楽しくなりました。

 本物の木の家は高い調湿性があって五感に優しく、天然乾燥すると時間と共に木の色艶が深まると言った特徴に間違いはありませんが、わが家はそれぞれの要素がバランスよく調和することで私たち家族が気持ちよく生活できることが一番の特徴だと思います。

 住み始めて10年が経ち最近家内が「この家気持ちいいよね」と一言いいました。
 ブログで木の家についていろいろ書いていますが、私があれこれ言うよりも自分自身で感じてほしいと思っているので夫婦ではほとんど家の話はしていません。

 10年経ってやっと「この家気持ちいいよね」と一言だけですからもうちょっとほかに無いのか・・・と思いましたが、林業家や建築士に家内の一言を話したところそれが何よりうれしいと言ってくれました。
 普段の生活が気持ちよくてそれが自身で実感できるまでには時間がかかるのかもしれません。

 私たち家族は日常、木の家が国土の保全に役立つなどと考えて生活しているわけではありません。
 しかし、気持ちよく生活できる木の家が増えることは国土の保全に繋がることは確かだと思います。
 また、住まい手が山を見て林業家の苦労を知ることで自然に長く使い続けようと言う意識が芽生えてきます。

 丈夫で長持ちする家を長く使い続けられるかは住まい手の気持ちが重要ですし、次の住まい手に木の家の住み心地を伝えることも大切なことです。
 「この家気持ちいいよね」の一言は10年木の家に住み続けた感想を集約しているように思います。

吸気口の掃除

2016.04.11.02:47

 家の気密は温熱環境と共に計画的な換気の必要性など最近よく耳にするようになりました。
 気密についてはすきま風の話とか息が詰まるとかいろいろ言われているみたいですが、気密は奥が深くて建物の気密について専門に研究している方もいるそうです。

 気密で言う隙間は計画されていない空気の流入箇所で換気扇や吸気口は隙間とは言いません。
 隙間は引き違い窓やコンセント、柱と床・天井が交わるところ、配電盤にも結構大きな隙間があります。
 こうした計画されていない場所から多くの空気流入があると家全体の換気計画が乱れるので隙間の少ない家(C値が小さい)がよく話題に出てきます。

 換気の方法にもいろいろありますが、換気扇で空気を排出して負圧になった室内には吸気口から空気を取り入れる方法が多いようです。
 ところが、吸気口から取り入れるよりも隙間からたくさん空気が入ってくれば排気口から離れるほど思うように換気ができなくなります。
 だから気密は大切ということになっているのですが、わが家で気密ってどうなっているのか調べてみることにしました。

 隣り合う脱衣室と浴室の換気扇を両方使うと毎分2.5立方メートルの空気が排出されます。
 両方合わせても3畳ぐらいの狭い空間なのでリビングと脱衣室の引き戸の隙間から風が入ってきます。(1m/秒)
 脱衣室に気圧計をおいて換気扇のON/OFF時で測ってみましたが、出て行った量の空気がリビングから入ってくるので気圧の変化はほとんどありません。

 今度は空気が入ってくる引き戸の隙間を四面ともテープで塞いでみましたが、やっぱり気圧に変化が見られません。
 おかしいと思ったら、あれ・・・臭いがする・・・嫌なにおいではありませんが普段と違うにおいがします。
 すぐに床下の臭いだと気がつきました。(床下には何度も入っているのですぐに気がついた)

 しばらくして脱衣室にある分電盤から空気が流れ込んでいることがわかりました。
 分電盤には家中の電線が壁の中を通っています。引き戸の隙間が無くなったので別の隙間から脱衣室内に空気が入り込んでいたわけです。
 これだけ強調すると気密が悪いように見えますが、気体の通り道を塞ぐのは結構大変だと言うことがわかりますし、施工中であれば対処できますが家ができあがってから気密をあげるのは難しいように思います。

 さて、わが家にも各部屋に空気の取り入れ口があります。
 法律で設置が義務づけられている吸気口ですが、数年前から暖かくなると吸気口内でゴソゴソ音がするようになりました。
 たぶんどこにでもいるアブラコウモリだろうと吸気口を閉じて放置していましたが、コウモリが住み着いているとすれば当然うんちもするはずです。吸気口のコウモリ

 この状態で吸気口を開けると空気が室内に入る前にコウモリのうんちフィルターを通ることになり気持ちよくありません。
 4月に入ったばかりの今だったらまだコウモリはいないだろうと吸気口を外してみたところすでに一カ所だけコウモリが3匹居座っていました。
 ほかの吸気口にはコウモリはいませんがうんちはいっぱいだったのできれいに掃除してコウモリが入らないようにしておきました。

 気圧計で室内の気圧変化は捉えられませんでしたが、計画換気には気密に加えて吸気口の点検・掃除が大切だと学ぶことができました。
(後から知りましたが気密を測るには私が使った気圧センサーの1,000倍精度がよい測定器が使われるそうです。)

平均値との差

2016.04.03.00:15

 北陸電力では4月から自宅とよく似ている家庭の平均消費電力が見られるようになりました。
 家族の人数や電力会社との契約形態、戸建などわが家と似ている家庭の消費電力がどのくらいなのか知ることができます。平均値との比較

 わが家は全室連続暖房なので暖房期間中(180日程度)暖房はつけっぱなしですが、連続暖房している家はまだ少ないように思います。
 真冬とそれ以外では外気温も違うし暖房機の設定温度も調節しますが、室温はおおむね21度を下回らないように使っています。
 感覚的には連続暖房している方が消費電力が大きいように思いますが、実際にはあまり変わりませんでした。

 必要な部屋に必要な時間だけ暖房する部分間欠暖房と全室連続暖房の消費電力の差が小さいことは朝起きて寒くないとか帰宅時も暖かい連続暖房の良いところが浮き彫りになります。
 また、連続暖房は壁の中の温度にも影響があって壁内結露しにくい環境に貢献していることが壁の中の温湿度測定から分かってきました。

 さらに、わが家では床暖房以外の補助暖房は使っていませんが、他の家で石油ファンヒータなどの補助暖房を使っているとしたら電気以外にも暖房費がかかることになります。

 暖房を止めずに連続運転すればうまく行くわけではありません。。
 全室連続暖房するには暖房方法や暖房機器の選定、家から熱が逃げにくいとか偏った逃げ方をしないなど間取りも影響します。

 ほんの少し前までは作り手側は断熱材ぐらいは入れてあげるけど冷暖房といった温熱環境については住まい手が選んで下さいと言った雰囲気でしたが、富山は暖房期間が189日間と半年ぐらいあります。
 木の家で生活して10年になりますが、住み始めた当時家の使い方など全く知らずに使っていた頃と今では暖房一つ取っても少しは上手になっていると思います。

 建築士のお仕事は図面を書くことだけではなく、住まい手の住み心地まで考えて家を設計し、引渡後も家の使い方など継続して関わりながら住まい手の成長を助けてくれます。

 北陸電力が提供してくれた消費電力の比較は全室連続暖房が部分間欠暖房と費用の差が小さいことだけでは無く、住まい手が家の使い方を学ぶことで費用を抑えながら住み心地も向上できることを示していると思います。

薪の必要量

2016.03.03.13:25

 薪ストーブには薪が必要です。
 私も薪ストーブの導入を考えましたが長期間にわたって安定して薪を調達する手段が無かったので薪ストーブはあきらめました。
 そもそも薪ストーブで暖房するにはどれだけの薪が必要なのか事前に分かる方法が少ないように思います。

 薪ストーブが補助暖房であれば薪が無くなっても大きな問題になりませんが、主暖房だったら無くなるのは大変困ります。
 しかも慌てて調達した薪が乾燥不足だったらストーブも傷めてしまいます。
 十分な薪を薪置き場に準備して冬を迎えることになるわけですから、事前に薪の必要量は知りたいところです。

 ところがストーブ屋さんで聞いても○○立米ぐらいとか何キロぐらいなどと量で言われたり重さで言われたりして分かりにくいし、針葉樹と広葉樹では比重が違いますから話しがややこしくなってしまいます。

 そこで薪から得られるエネルギー量から必要量を割り出してみました。
 全乾燥状態の薪からは1kgあたり20MJのエネルギーを得ることができます。
 樹種に関係なく薪1㎏には化学的エネルギーが20MJあります。
 実際に使う薪は含水率(WB)20%ぐらいなので薪を燃やす際に水分が蒸発するときにエネルギーが消費されることから取り出せるエネルギーは14MJぐらいになります。

 暖房期間中の平均外気温 5度
 室温 21度
 自然温度差 3度
 総損失熱量 300W
 温度差 21-5-3=13度

 1時間に温度差1度当たり300Wの熱が出て行く家で家全体を21度に保つためには
 300W×24時間×13度=93.6kW

 暖房期間180日だとすると
 93.6×180=16,848kWになります。
 1kW=3.6MJなので16,848×3.6=60,652MJ

 60,652MJが暖房に必要なエネルギーですから薪1㎏から得られるエネルギー量14MJで割れば薪の必要量が分かります。
 60,652÷14=4,332㎏
 暖房期間中の平均気温が5度の地域で総熱損失量300Wの家を21度に保つには薪が4.3トン必要なことが分かりました。
 薪の単価が1㎏当たり50円とすると216,000円が薪の調達費用になります。

 もっともこの計算は室温を24時間21度に保つ全室連続暖房を想定しています。
 薪ストーブをお使いの方は夜間は火を小さくしたり消している方が多いようですが、センサーによる温度管理ではないので室温が高くなる傾向があり実際の消費量は全室連続暖房で計算した量に近くなるようです。

 また、薪置き場の位置、強い風が吹いたときに薪置き場から飛んでいくゴミ、高齢になったときの薪の準備など薪ストーブのカタログには書いてないことがいろいろあります。
 薪ストーブを上手に使っている方は「私はこれが好きだから」とおっしゃいます。

 そうした方の話しには貫禄を感じますが、数百万円もかけて薪ストーブを設置したのに数年使ってこんなはずじゃ無かったにならないためにも家の温熱環境も考えてくれる建築士に相談してほしいと思います。

暖房用ヒートポンプの消費電力

2016.02.23.12:39

 わが家は10月下旬~翌年4月下旬までヒートポンプを熱源とした温水床暖房を連続暖房しています。
 寒い日が多い1月下旬は暖房費が大きくなりますが、毎日の気温や日射によって暖房費は上下します。
 ヒートポンプは電気を使うので暖房費は電気代と言うことになります。

 電気で暖房というと、こたつ、電気ストーブ、深夜電力を利用した蓄熱暖房機、オイルヒーターなどいろいろあります。
 こうした暖房機器に共通しているのは与えるエネルギーと取り出すエネルギーの割合が1:1と言う点にあります。
 実際には機器の効率が100%ではないので1:零点いくつになるのですが、話しをわかりやすくするために1:1としています。

 前回ヒートポンプの特徴について書きましたが、ヒートポンプは与えたエネルギーよりも大きい熱エネルギーが取り出せます。
 カタログでは1:4ぐらいになっていますが、ヒートポンプは外気温が下がると効率も下がる特徴があります。
 外気温が0度を下回るときの効率を計算してみると1:3ぐらいになっていました。

 つまり外気温が0度を下回るような寒いときに消費電力が1,000Wだったとするとヒートポンプは3,000Wぐらいを出力していることになります。
 電気ストーブは1,000Wの電力で出力も1,000Wですからヒートポンプは効率の良い設備機器だと言うことが分かっていただけると思います。

 わが家では1、2階で2台のヒートポンプを使っています。1、2階とも20坪程度の大きさです。
 それぞれ設定温度が違うので消費電力も違うのですが、一日の平均気温が0度と寒い日は1,300W×2台、平均気温が5度ぐらいになれば700W×2台ぐらいで運転しています。

 富山で一日の平均気温が0度というは真冬の数日程度ですからおおむね700W~1,200W(1台当たり)ぐらいで運転しているようです。
 屋外が5度ぐらいの時に室温を21度ぐらいに保つために使っている電力が700W×2台ぐらいなわけですが、吹き抜けがあっても上下に温度差がほとんど無くトイレや脱衣室も暖房している割には消費している電力は小さいように思います。

 発電所では石油など(1次エネルギー)から電気(2次エネルギー)を作っています。
 1次エネルギーから取り出せる電気エネルギー(2次エネルギー)の効率は1/2.71(平均値)とされています。つまり石油などから取り出せるエネルギーのうち電気として使えるのは37%ぐらいしか無いことになります。
 電気の1次エネルギー消費量には、1kWhを得るためにはその2.71倍の1次エネルギーが必要であることから9.75MJ/kWhが使われています。

 1:1の機器で1kWh(3.6MJ)を得るためには9.75MJの石油などの1次エネルギーが必要となりますが、1:3の機器の場合1kWhから10.8MJのエネルギーが取り出せるので消費する1次エネルギーよりも多くなることから効率が良いとされているわけです。
 消費電力でみるとヒートポンプでは700Wの電気ストーブ2台が消費する電力量で全室連続暖房していることになります。

 全室連続暖房というと贅沢だ、外出時や就寝時まで暖房するのは無駄だ・・・などと言われますが測ってみると必要な場所に必要な時間だけ使う部分間欠暖房で使うエネルギーとほとんど変わりません。

 寒い日でも家に帰れば暖かいという単純で素朴な安心感は住み心地に大きく影響していると思います。
 全室連続暖房は設備機器や熱損失量の他にも間取りなど様々なことを考えなければいけません。
 こんなはずじゃ無かったにならないためにも富山など寒い地域の家づくりは温熱環境まで考えてくれる建築士に相談することをお勧めします。

エコキュートの電気料金

2016.02.15.13:43

 わが家の給湯はエコキュート(470リットル)です。
 エコキュートは関西電力の登録商標で正しくは「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」と言うそうです。
 電気でお湯を作る機器には電気温水器もあります。どちらも電気料金単価の安い深夜の時間帯にお湯を作るので間違いやすいのですが、電気温水器とエコキュートはお湯の作り方が違います。

 エコキュートはヒートポンプで空気から熱をくみ取って使った電気以上の熱が取り出せると言われますが、今ひとつ分かりにくい話です。
 ヒートポンプについては”ヒートポンプ・蓄熱センター”に詳しい説明があります。

 また、エコキュートの電気代はいくらですかと尋ねると詳しい人ほどはっきり答えてくれません。
 だいたいこのくらいかな・・・はっきりしない理由はヒートポンプのしくみに由来しているので電気温水器のように一月いくら程度ですと言いにくいのです。
 ヒートポンプは同じ熱を取り出すのに必要な電力が気温によって変化します。

 先日この時期に珍しく暖かい日があったので寒い日と暖かい日でエコキュートの消費電力がどのように変わるのか調べてみました。
 エコキュートは深夜以外の時間でも湯増し運転などを行いますが、今回は深夜時間帯の通常運転時の消費電力量を比較しました。

 測定時間:1:00~7:00

 2月11日
 平均外気温:-1.0度
 消費電力:8.8kWh

 2月14日
 平均外気温:16.2度
 消費電力:4.6kWh

 暖かい日では寒い日の半分ぐらいの消費電力でお湯を沸かしているようです。
 お湯の使い方や使用量は両日で違いはありませんので、気温が下がるとエコキュートは消費電力が多くなることが分かります。

 さらにエコキュートは深夜以外の時間帯でも湯増し運転等をすることがあります。
 エコキュートを使い始めると深夜帯以外の運転が気になります。
 これについてはメーカーもよく考えていて確かに料金単価は高いかもしれないがその分出力を落とせば消費量は抑えられるのでいろいろ工夫しているそうです。

 失敗もありました。
 エコキュートの消費電力を測りはじめた頃に子どもがお風呂に入る時間帯にエコキュートが電気を使っています。
 しかもそれが入浴時間と合っていたために、エコキュートはお湯を使うと電力を消費すると勘違いしたことがありました。
 エコキュートは湯沸かしや湯増し、お湯の温度を保つ運転以外の消費電力はほとんどありませんし、お湯を出す時は水道の圧力を使っているのでポンプが動くわけでもありません。

 お湯を使うと弁が開くとか、外気温が下がると機器内配管の凍結防止にポンプが作動するといったことがありますがほとんど無視してよい程度の電力量です。

 ちなみにわが家のエコキュートの電気料金は
 11月 2,300円
 1月  4,500円
 冬だけ比べても外気温によって電気料金は結構違いますから、夏も含めた通年の電気料金となると答えにくいのが分かっていただけると思います。

 エコキュートの運転方法や使い方をいろいろ変えて試してみましたがやっぱり外気温の影響が大きいので間違った使い方さえしなければエコキュートが自分で判断してくれる運転モードが良さそうです。
 エコキュートは電気温水器よりも安い電気料金で給湯ができますが、機器の値段が高いので電気温水器よりも設備費がかかります。

 ついでに1月の給湯代4,500円を灯油換算してみると灯油1Lが50円ぐらいでエコキュートと灯油ボイラーの運転費用は同じぐらいになりました。

床下の温度

2016.02.07.20:23

 わが家では10月下旬~翌年の4月下旬までヒートポンプを使った温水床暖房を連続運転しています。
 時期によって暖房費用(電気料金)は変わりますが、おおむね室温は21度を下回らないようにしています。

 最近では日中の電気料金単価が高い時間帯の設定温度をタイマーで2度程度下げることで電気料金の軽減に取り組んでいます。
 日中の電気料金単価は深夜料金単価の4倍近くするのでわずか2度設定温度を下げるだけでも電気料金としては目に見えて減るのがありがたいです。通風口を塞ぐバックアップ材

 さて、以前から床下の温度について気になっていたことがあります。
 床下に温度ロガーを吊して継続して測ってみると時々温度がぐっと下がることがありました。
 調べてみると床下の温度が下がる時間帯には比較的強い風が吹いていることが分かりました。
 通常は安定している床下の温度ですが風が吹くと床下にも冷たい空気が入り込むことで温度が下がっていたわけです。

 また、外気温が氷点下になっても室温があまり下がらない日と下がる日がはっきりしていて床下の温度が室温にも影響しているように感じていました。
 そこで調べてみることにしました。

 屋外の気温・風速・風向、それから床下の温度と室温、床面の温度を測ることで風の影響と温度変化は捉えられますが、基礎パッキンの隙間(通風口)の塞ぎ方について課題がありました。
 これについては短時間で隙間を埋めることができて外すときも簡単な丸棒バックアップ材を使うことにしました。
 バックアップ材は目地の隙間を埋める作業に使う下地材です。
 値段も直径21ミリ、60メートル(一箱)が2,000円程度で手に入ります。

 通風口を塞いで測ってみると床下の温度が2度程度、室温は1度程度上昇しました。
 また、風が入ってきにくいので風が吹いても床下の温度変化は小さくなりました。
 通風口を塞ぐ際にエコキュートなど設備がある場所は作業がしにくいのでそのままにしておきましたが、隙間が残っている方角から比較的強い風が吹くと床下の温度も少し下がりますが以前のように急激に下がることは無くなりました。
 床下の温度変化が小さくなったことで風が吹く寒い朝でも室温低下はほとんど無くなりました。

 富山の冬は風が吹かないので体感温度が高いのが特徴です。それでも寒い日に風が吹くと室温も下がっていたわけですが、今回基礎パッキンの通風口を塞ぐことで風が吹いても室温低下を軽減させることができました。
 室温が21度から22度になったわけですが寒いか暖かいかの境界付近でのわずかの温度差は体感に結構影響があります。

 室温は20度もあれば十分ですが、だんだん贅沢になるというか年々少しずつ室温が上昇しているように思います。
 与える熱量を増やしているわけでは無く室内から寒さを取り除く工夫で室温が上昇しているので今年はこれで寒い冬を乗り切ろうと思っています。

 通風口を塞ぐのは寒い時期だけです。暖房を使わなくなったら速やかに外さないと別の問題が起きるので外しやすさは結構重要です。

電気料金メニューの比較

2016.02.02.21:43

 北陸電力から平成28年4月からはじまる電気料金メニューが発表になりました。
 これまで使っていた料金メニューは平成28年4月以降も継続して使えますが、平成28年8月以降の変更については新しい料金メニューしか選ぶことができません。

 電力自由化で電気料金は安くなると言われていますが、わが家ではどっちの料金メニューが安くなるのか興味がありました。
 現在選んでいる”エルフナイト10プラス”と新料金メニュー”くつろぎナイト12”を数年分の1時間毎の消費電力量のデータをもとに比べてみました。

 なんと、電気料金はほとんど同じになりました。
 電気料金は年間20万円を超えますが料金メニューでの年差額は300円程度でしたから同じと言っても差し支えないと思います。

 現在の割引プランが新メニューでは使えなくなります。
 エルフナイト10プラスには冬季の電気料金が2割引になるあったかプランがありますが、新メニューにはありません。
 あったかプランは電気温水器やエコキュート、クッキングヒータ、200Vエアコンや床暖房用ヒートポンプを使用し機器総容量が10kVAの場合に選ぶことができます。

 言葉で書くと難しく感じますが、給湯は電気温水器やエコキュート、200Vエアコン、クッキングヒーターは今では普通の設備機器なのですでにあったかプランが使える家は結構多いと思います。
 新築の場合は最初から設備が揃っていますが、私のように後から少しずつ設備更新した場合はあったかプランを見逃しているかもしれません。

 料金メニューでの差額はほとんどありませんが、あったかプランなどは冬に多くの電力を使う家庭では見逃したくないプランですし、電気料金が高くなる冬に2割引になるのは助かります。わが家では1月の割引額は7,300円でした。
 消費電力量だけで比べるとどっちの料金メニューでも金額に違いはほとんどありませんが料金プランで比較すると割引プランによっては電気料金に違いが出ます。

 わが家の場合は電気料金メニューを変更しない方が年間の電気料金は安くなる結果になりました。
 電力自由化で北陸電力以外も選べるようになりますが、消費電力量だけで比べずにどんな機器をどのように使っているか把握し、電力会社で使えるサービスが無いか調べてみることをお勧めします。

 普段気にしない電気料金メニューですが新しい発見があるかもしれませんし、設備更新時期であれば事前に使える料金プランを知ることで選ぶ設備が変わるかもしれません。
 平成28年8月以降は新しい料金メニューしか選ぶことができなくなります。
 また、あったかプランなどの割引プランの見直しにも締切があります。

LED照明

2016.01.28.20:08

 LED照明は消費電力が少ない照明機器です。
 10年前に住み始めた頃は30個以上の白熱電球を使っていましたが、最近使用頻度が高い部屋から少しずつLED照明に替えています。

 わが家では白熱電球からLED電球に交換していますが、調光機器付の場合はLED電球も調光対応型を選ばないとLED電球が点灯しなかったり点滅したり、明るさがふらつくことがあります。
 こうした不具合はLED電球が直流電流で点灯するために起こるそうです。

 LED電球の中には交流電流を直流電流に変換する回路が入っていますが、調光対応型には一手間かけてあるので電球の価格も少し高くなります。
 また、調光対応型のLED電球であっても一つの壁スイッチで複数のLED電球が点灯するような場合に明るさがふらついたりすることがあります。

 わが家でも調光対応型のLED電球のふらつき現象が起こりました。
 最初はあれ!?・・・明るさがふらつくと気持ち悪くなります。
 全部のLED電球では無くて一つのスイッチで3つ以上点灯するような照明でふらつきが起きていました。

 対策はふらついているLED電球群の一つを白熱電球に戻すことでふらつきが無くなりました。
 幸いLED電球と白熱電球が混在していても色合いや明るさに違いはほとんどありません。

 最近はLED照明で使われるLED電球が交換出来ない一体型が増えているそうです。
 電球が切れただけで機器まで交換するのには違和感がありますが、話しを聞いてみるとLED電球の寿命が照明機器の寿命と同じぐらいになったので照明機器メーカーとしては寿命が切れた機器を使い続けて事故や火災などが起こりにくく、照明機器の更新も期待できるとして一体型が増えているそうです。

 言われてみれば照明機器としては使えるけど、蛍光灯などを交換する際に見える部品が変色していたり、配線にひびが入っているものを見たことがあります。
 照明として使えても機器の寿命は10年だそうです。

 主張は分かりますがタマが切れただけで機器まで交換するのは抵抗があるしぃ~
 10年使わないうちに運悪くタマ切れしても交換でしょ?・・・
 何にでも最初は抵抗がありますし、人の気持ちはすぐには変わらないものです。

 いろいろ抵抗したい気持ちはありますが、白熱電球とLED電球では消費電力が大きく違います。
 富山の家庭で使うエネルギーで最も大きいのは暖房ですが次が照明・家電、給湯と続いて冷房は年間の消費量としては3%にもなりません。

 イメージとして大きなエネルギーを使っていそうな冷房ですが調べてみると冷房する期間も限られているし、終日使っているわけでもありません。
 照明は目立ちませんが年間を通して一定量を安定して使うので年間消費量が結構大きく、LED照明を増やすことで家庭で使われるエネルギーが減らせるというわけです。

 私は白熱電球からの交換組ですからLED電球も交換出来るメリット?があります。
 一方、一体化のLED照明機器はデザインもすっきりしているし、おしゃれなものが多いようです。
 新築やリフォームの際にはまだ電球交換ができる照明機器が選べるかもしれませんので建築士と相談してほしいと思います。

冬期室内の快適条件

2016.01.19.13:17

 輻射熱暖房には床暖房や薪ストーブ、温風暖房にはエアコンや石油ファンヒーターなどがよく使われています。
 床暖房についてはブログの中でも何度か書きましたが、かつての私もそうでしたが床暖房を使っていない人が輻射熱暖房をイメージすることは難しいようです。

 また、コールド・ドラフト対策として窓に衝立を置く工夫についても効果が分かりにくいと言われたこともあります。
 さらに床暖房にすると室内が乾燥するという話しもよく聞きますが、室内湿度が35%程度になるわが家や建築士のご自宅では肌がかさつくとか喉に違和感があるといったことはありません。
 最近になって室内における気流の影響が大きいことが分かってきました。

 以前、温度計の温感部に巻いたガーゼを濡らして風を当てることで温度がどのように変化するか観察したことがありました。
 観察した時期は暑い時期でしたので風を当てることで体感温度を下げられる話しでしたが、気流が小さければ体にまとわりついている湿った空気が剥がれにくいので肌の乾燥感などは違ってくるようです。

 今回はエアコンを使ったときにどの程度の気流が室内に発生しているのか観察してみました。
 エアコンから測定点までの距離は4.7mあります。

エアコンON気流0.15m/s
エアコンOFF 気流0.06m/s



 エアコンから5m近く離れているのでエアコンが動いていても温風を感じることは無いのですが測ってみると空気が動いていることが分かります。
 家族に黙ってエアコンをつけたままにしておいたところ、最初に子供たちが反応しました。

 「目が乾く。」

 人間は高性能センサーよりも微細な変化を感じ取ることができると言われますが0.15m/sというわずかな気流でも普段の環境との違いを子供たちは捉えたようです。

 ISO(国際標準化機構)で定めている冬期室内の快適条件とわが家を比べてみました。

 測定日:2016年1月19日12時
 外気温:2度
 天候:雪
 
冬期室内の快適条件わが家の測定値
体感温度22度±2度20度
頭部と足下の温度差3度以下0.3度以下
床表面温度26度以下26度(床暖房面)
平均気流速度0.15m/s以下0.06m/s(5回測った平均値)
体感温度と窓面(冷壁面)の温度差10度以下2度(カーテンや障子表面下部)
天井加熱面と体感温度差+5度以下天井暖房は行っていません。

 住み始めて10年になるわが家ですが標準値と比較しても快適と言われる範囲に収まっていることがよく分かります。
 暖房方法にはいろいろありますが今回紹介した冬期室内の快適条件範囲にバランスよく収める方法として床暖房などの輻射熱暖房は有利なんだと思います。

 住まい手として暖房を捉えるには暖房方法の他に暖房設備導入時費用、運転費用、運転時間や温度設定などいろいろ考えることがありますし、地域によっても暖房の捉え方は大きく違います。

 富山は暖房期間189日間で暖房期日射区分はH1区分と日射量が特に少ない地域です。
 暖房期に日射が期待できない地域でどのように暖房すれば費用を抑えて快適な生活ができるのか、理屈を理解している建築士に相談してほしいと思います。

暖房期日射地域区分

2016.01.13.21:35

 富山の冬は晴れる日が少なく日射エネルギーを有効に活用することが難しい地域ですが、他の地域との違いをもう少しわかりやすく表現できないかと思っていました。暖房期日射区分
 表は日射量を地域区分した資料の抜粋です。

 次世代省エネルギー基準欄は全国を8地域に分けた区分で北海道は1、沖縄は8地域と寒い地域ほど数字は小さくなっています。
 年間日射地域区分は太陽光発電導入時に使われることもあります。
 A1区分 年間日射量が特に少ない地域
 A2区分 年間日射量が少ない地域
 A3区分 年間日射量が中程度の地域
 A4区分 年間日射量が多い地域
 A5区分 年間日射量が特に多い地域

 暖房期日射地域区分は暖房期(1日の平均気温が15度を下回る期間)における日射地域区分です。
 H1区分 日射量が特に少ない地域
 H2区分 日射量が少ない地域
 H3区分 日射量が中程度の地域
 H4区分 日射量が多い地域
 H5区分 日射量が特に多い地域

 わが家では10月下旬~翌年4月いっぱいまで暖房しています。
 暖房期(1日の平均気温が15度を下回る期間)で見てみると富山は10月23日~翌年4月29日までの189日間が暖房期になっていました。
 冬の日射エネルギーは夏よりも少ないのですがそれでも1㎡あたり550Wぐらいは期待できます。引き違いの掃き出し窓1カ所当たり1.2kWぐらいの日射エネルギーが入ってくることになります。
暖房期間中の外気温推移
 タンク容量5リットルクラスの石油ファンヒーター出力は3.5kW~0.7kWぐらいですからそこそこ使える日射エネルギーがタダで室内に入ってくることになります。
 暖房期日射地域区分を見ていると寒いと思っていたところでも日射に期待できる地域があることが分かります。

 また、家に日射が当たれば屋根や外壁の一部も暖まることで室内から屋外へ逃げる熱量も減ることから暖房費用の軽減につながります。
 軒先を出すことで夏の日射を遮って冬の日射を取り入れる方法はよく聞きますが、H1地域(暖房期日射区分)では日射量が特に少ないので日射エネルギーに期待ができません。

 さらに、暖房期間にも違いがあって富山はおおむね半年ぐらいですが、長野県の諏訪地域は222日と一年の6割の期間、暖房が必要なことなど他の地域を知ることもできました。
 暖房期間や冬の日射量を調べることで今まで漠然と捉えていたことがデータとして見えるようになって他の地域と比べることもできるし、室内から寒さを取り除く工夫を考える上で参考になります。

すべる床

2015.12.22.12:06

 わが家は肌触りがよく、裸足が気持ちいい杉床です。
 無垢の床は汚れが付きやすいと言われますが、熱圧加工板(商品名:こもれび)は10年使っていても汚れが目立つことも無く、傷についても小さな子どもがおもちゃを床に繰り返し叩きつけるようなことをしなければそれほど気にすることは無いと思います。

 また、無垢の杉床をアルカリ成分を含んだ洗剤などで拭き掃除すると杉の成分と反応して濃い紫色になることがあります。
 こちらも慌てずに洗剤などアルカリ成分を拭き取ってほっとけば一月ぐらいで色は消えてしまいます。
 お酢でアルカリを中和する方法もありますが、お酢の匂いは結構強くしばらく匂いが残るので自宅であれば余計なことをしないで様子を見るのが良いと思います。

 さて、最近急にわが家の床が滑るようになりました。
 家内や子供たちが何か床に塗ったわけでは無いのに、急に裸足でも滑るし、靴下を履けば危ないほど滑ります。

 原因は母親が足がかさつくと言うことでハンドクリームを塗ってから靴下を履いて生活しだしたことにありました。
 足がかさつくからクリームでメンテナンスすること自体はごく普通のことですが、そのまま歩き回ると靴下でクリームを床にコーティングしているような物ですからそりゃすべるわけです。

 幸い固く絞ったふきんで二度拭きしたら戻りましたが、木の家で10年生活していても初めての体験はあるものです。
 試しに家にある床のサンプルにハンドクリームを薄く塗ってみたところおもしろいほどすべるようになりました。
 何ヶ月も放置していなければ固く絞ったふきんで拭けばクリームは取れますが、長時間放置していると取るのに苦労するかもしれません。

 熱圧加工板は見た目はすべりそうなのですが、裸足にグリップしてすべりにくく、汚れも付きにくい優れた床材です。
 今回のことで滑る床は危ないし、気持ちよくないし、思い通りに前に進まないいらだちを経験しました。そういったことが無いわが家の杉床を再認識する良い機会になりました。

熱損失量

2015.12.18.19:17

 富山の冬は晴れる日が少なく日中晴れている地域がうらやましく思います。日射時間比較
 住宅の自然温度差というと暖房していない室温と屋外気温の差を言いますが、自然温度差は設備機器やキッチンなどから発生する生活熱と日射取得熱が熱源になっています。
 自然温度差が大きいほど暖房に要するエネルギーが少なくなります。

 室温 = 暖房 + 自然温度差 + 外気温

 外気温が8度で自然温度差が6度の場合、20度の室温を得るためには6度暖めれば良いことになりますし、室温を保つには屋外に逃げた熱を補う必要があります。

 室温 = 暖房 + 自然温度差 + 外気温 - 逃げる温度

 自然温度差(度) = 生活熱(W) + 日射取得熱(W) ÷ 総熱損失量(W)

 生活熱が900W、総熱損失量が300Wのわが家では、自然温度差は3度になります。
 計算には日射取得熱も入れるのですが富山の冬は晴れる日が少なく日射に期待できないので日射取得熱を省いた値を使っています。

 夏は何度も屋根や外壁の温度を測りましたが、寒い冬はどうなのか測ってみました。
 曇った日は外気温と屋根の温度に差はほとんどありませんが、晴れた日に測ってみると気温が8度でも日射が当たっている屋根は35度ぐらいありました。冬の日射と熱損失量

 今まで室温20度の室内から外気温8度の屋外に熱は逃げていくと考えていましたが、日射が当たっている面は室温よりも暖かいので様子がちょっと違うように思います。
 晴れていれば窓から日射が入ることで室内が暖められる効果に加えて、屋外に逃げる熱量も少なくなっていることが考えられます。

 以前太平洋側にお住まいの方から灯油の使用量について話しを聞いた時に思ったよりも消費量が少ないことや、わが家の温度データを見直してみると外気温が同じでも晴れた日は障子を閉めていても室温が高くなっていました。

 日射が当たっている面の温度が高くなることで屋外に逃げる熱が減ることで室温も下がりにくくなっているように思います。
 明日が晴れると分かれば暖房設定温度を下げられそうです。

 わが家の暖房はヒートポンプが熱源なので電気を使います。今年から午前10時から17時までの電気料金単価が高い時間帯の設定温度を2度程度下げて運転していますが、これに加えて晴れる日にはさらに設定温度を下げることができそうです。
 一手間かかりますが、暖房は消費電力が大きいので住まい手のちょっとした工夫で快適性を犠牲にすること無く費用削減ができます。

 我慢したり節約しているわけでは無く温度や日射という環境を観察することでそれに対応すれば結構大きな費用の削減ができますし、それがだいたいいくらになるのか分かるところが大切なところです。
 自宅の熱損失量を知ることは生活費の削減に大きく貢献します。新築の際には使い方も含めて是非知りたい値です。

TS伐採ツアー2015

2015.12.11.09:12

 伐採ツアーに行ってきました。
 何回か参加している伐採ツアーですが行くたびに新しい発見や気づきがあります。
 TS伐採ツアーは伐採現場の見学の他に林業家、建築士、大工さん、住まい手や建築の道に進もうとしている学生が懇談できる場でもあります。建築士と木
 それぞれ地域や環境、立場が違う方々が集まって交流ができる貴重な場です。

 私は富山の話しをすることが多いのですが、沖縄の台風とか太平洋側の冬の乾燥、冬でも日射に期待できる環境など富山では経験できない気候風土を日々の生活体験を通じて聞くことができます。
 富山では土壁の家はほとんど見られなくなりましたが、今でも当たり前に土壁の家が建てられている地域もあるし、土壁の家は寒いとか雨漏りの心配など私が勝手に思い込んでいたことも思い過ごしだと気がついたこともありました。

 土壁に対する勝手な思い込みによる偏った見方が無くなることで土壁への理解は深まりますが、それが富山の気候風土でどうなのかはまた別の話です。
 今はやろうと思えば北海道で生まれ育った方が北海道の普通の家を沖縄で建てることも可能だと思います。
 しかし、沖縄には沖縄の気候風土があって建てる場所にあった家の方が快適だろうと想像できます。
 他の地域を知ることで自分が気がついていない富山の気候風土を発見できるので楽しみにしています。

 さて、TSウッドハウスでは伐採した後、枝をつけたまま葉枯らし乾燥するのですが今回は伐採直後に枝払いして長さを決めて丸太を切り出すところまで見せてもらいました。
 高さ30メートルぐらいある杉のてっぺんはどうなっているのか以前から興味があったので近づいて見てみました。
 枝払いをして幹だけになった杉は名前の由来通り真っ直ぐな木です。
真っ直ぐな杉
 ところが林業家は見た目は真っ直ぐに見えるけど地面に転がしてみないと分からないと話してくれました。
 わが家には8寸角の太い柱が2本あります。今まで真っ直ぐなのは杉だから当たり前だと思っていましたが、2本ほしいから2本分伐採すればいいわけでは無いし、7メートルや8メートルの長さの丸太を自分たちが歩いてきた林道を運ぶだけでも大変です。
 あの急なカーブをどうやって長い木を乗せて曲がるのだろうといままで考えもしなかったことに気がつきます。

 伐採の場面では木が倒れていくときに音がします。音は耳で聞く物ですが現場では木が倒れていくときのバキバキという振動が音と共に体に伝わってきます。
 これまでも何度か伐採シーンを写真に撮ってきましたが、写真を見るたびに現場で体験した体全体で感じた場面を思い出します。

 また、伐採では作業中何度か倒す方向を確認する場面があります。
 下から見ているとよく分かりませんが伐採した木を上から見ると切り株や岩に当たらないように狙った場所に正確に倒していることも分かります。
 あと30㎝横にずれていたら切り株に当たってせっかく育てた木が途中で折れてしまうかもしれません。

 さらに、これまで葉枯らし乾燥すると色が綺麗になると聞いていましたが、葉枯らし乾燥していない木を見せてもらいました。
 徳島県の木は赤身が綺麗でピンク色しているのが産地の特徴なのかと思っていましたが葉枯らし乾燥していない木はどこか渋みがあるというかちょっと色が違います。
 どっちも天然乾燥材なので木の揮発成分は残っているのですが、どっちか選べと言われると葉枯らし材を選ぶと思います。

 今回は富山から建築士、大工さん、今年の夏から木の家に住み始めた住まい手も参加しました。
 わが家を造ってくれたみなさんが集う前で「私は木の家で生活して10年になりますが、木の家にして良かった。」とお礼を言うことができました。
 懇談の席でどんなところが良かったのか尋ねられました。
 「木の家は人と相性が良いので季節の変化に家の方が人に合わせてくれるから住まい手がちょっと工夫するだけで暑い夏などは勝手に過ぎていく。」と話しました。

 なんだか分かりにくい話ですが、相性の良い人と付き合っていると気持ちの負担は少ないと思います。
 優れた木を使うとか大工さんの腕が良いとかよく考えられた設計などどれも大切なことですが重要なのは大切なことがバランスよくかみ合うことだと思います。

 住み心地よい家はバランスが良いなどといきなり言っても何のことか分かりません。
 木の家で生活しながら伐採ツアーに参加したり建築士や大工さんから家の使い方を教えてもらう中で少しずつ学んできました。
 家は情熱が冷める頃に価値が見えてくると言いますが、10年経って木の家にして良かったと思えるようになったことがうれしいです。

続・消費電力を測る

2015.11.14.02:48

 電力量など測っても実益が少ないと言われることがあります。
 測定器を購入して電力量が分かったところで電気料金が目に見えて安くなるわけでは無いし、単に使っている電力量が分かっただけでおしまいというわけです。
電力量計測機器
 デスクトップパソコンはモニターの電源をOFFにするだけで消費電力が半分ぐらいになることもあるし、トイレの蓋を閉めるとか、冷蔵庫の扉を開閉に注意するなど測ってみると確かに効果はあります。

 ところが、電気料金は1kWh単位なので数ワット削減したところで電気料金に換算すると多くても月額1,000円ぐらいにしかならず、わざわざ測定器を購入して削減するほどの金額では無いという意見もうなずけます。

 私も中途半端に測ると測っただけでおしまいになると思ったので測定器に少しお金を出して電力量を把握することにしました。
 家全体で使っている電力を把握する機器、エコキュート用、床暖房ヒートポンプ用2台、ワットチェッカータイプが2台の全部で6台使います。
 併せて室内外の温度も測定しているのでヒートポンプの運転と温度の関係も掴むことができます。

 グラフは床暖房用ヒートポンプの1時間毎の消費電力です。ヒートポンプ消費電力11月
 2台のヒートポンプをそれぞれ別々に測定してみると設定温度が同じでも消費電力に違いがあったのでタイマーで8時から17時までの電気料金単価が高い時間帯だけ設定温度を下げて測ったデータです。

 日中は気温が上昇するので設定温度も下げられることは何となく分かりますが、それによってどれだけ消費電力が落ちるのか測ってみないと分かりません。

 また、測ることで削減分を費用に置き換えることもできます。
 今の時期はそれほど気温が下がらないのでヒートポンプの効率も高いのですがこうした運転を一月続けると3,000円ぐらいは電気料金が違ってきます。
 室温は寒くない温度を維持しているので快適性を犠牲にすること無く費用削減できた一例です。

 設定温度が高くなる17時の消費電力が心配でしたが朝8時に設定温度が下がったときの削減分と差し引きすると心配するほどのことは無いことも分かりました。
 11月のこの時期、ヒートポンプ運転時は2台で1kWhほど電力を消費していますが、運転ランプが消えていても温水ポンプが動いているので1台当たり120W程度の電力を消費していました。

 1kWhの電力量は17個の60W白熱電球を1時間ぐらい使った量です。
 暖房機器は消費電力も大きいのでちょっと工夫するだけで冷蔵庫の扉の開閉や便座の蓋、パソコンやテレビといった家電製品で節電するよりも大きな効果が期待できます。
 測ることでそれがいくらなのかはっきり分かりますから削減分は家計から切り離して積み立てましょう。

 何日かかけて測定している間、家内からこんなに機械を買って何やってるの!と言われました。
 「今年はチャラだけど来年から削減分の積立が増える。」と言ったら
 「それならいい!」だって・・・

 なんだか積立のために測っているような感じになってきましたが、日常生活の一部を測って観察するのは結構楽しいものです。


消費電力を測る

2015.11.10.08:52

 消費電力の単位はW(ワット)を使います。
 LED電球1個の消費電力は8W、液晶テレビは60W、ドライヤーは1000Wなどと表現されます。
 1,000Wのドライヤーを1時間使用すると1kWh(キロワットアワー)と表現します。

 ドライヤーは使い始めた瞬間に毎秒1,000Wの電力を消費しますが、電気料金はkWh単位なのでちょっとややこしい部分です。
 60Wのテレビを30分使うと30Wh、2時間使うと120Wh、1000Wのドライヤーを3分使うと50Whの消費電力量になります。
 また、玄関灯(白熱電球60W)を4時間毎日使うと一ヶ月で7200Wh(7.2kWh)となり1000Wのドライヤーを7時間連続使用した電力と同じぐらい消費していることになります。

 こうしたことが分かってくると消費電力が大きそうな家電よりも電球など毎日何時間も使っているものに注目したくなってきます。
 消費電力を測ってみると最近の家電製品は消費電力が小さいし、液晶テレビは画面の明るさを変えるだけで消費電力が半分ぐらいになることもあります。
 少ない電力で動いている家電製品と白熱電球を比べると白熱電球の消費電力が目立ちます。

 さて、コンセントから電気を取っている家電の消費電力を測るには市販のワットチェッカーが使えますが、家全体とか200V機器の消費電力を測るにはクランプメーターが便利です。
 また、機器がいつどれだけ電気を使っているかを調べるには記録型の測定器が必要になってきます。
 クランプメーターは電線に流れている電流を測定して皮相電力に換算して表示してくれます。

 皮相電力(VA) = 電圧(V)× 電流(A)

 クランプメーターは電流を測っているので交流の消費電力を測るには力率を調べなくてはいけません。
 冷蔵庫や洗濯機、LED電球などコイルやコンデンサーが使われている機器には無効電力があります。

 皮相電力  = 有効電力(消費電力)+ 無効電力
 消費電力  = 皮相電力 × 力率
 消費電力量 = 消費電力 × 時間

 皮相電力が92VAと表示される機器の力率が0.6の場合、消費電力は55W、無効電力が37Wとなります。
 電気料金は消費電力量にかかりますから55Wが請求対象ですが、クランプメーターでは92VAと表示します。
 クランプメーターで92VAと表示しているのを見てカタログ表示よりも多くの電力を使っていると勘違いしないようにしましょう。

 力率を知るには力率まで分かるワットチェッカーや機器の仕様書に記載が無ければメーカーに尋ねることになります。
 白熱電球など抵抗や電熱線を使った機器の力率は1、ヒートポンプは0.95ぐらいなのでこれも1と見ていいと思います。
 冷蔵庫や洗濯機などは0.6、LED電球は0.7ぐらいです。

 無効電力と聞くと無駄な電力と思ってしまいますが、コイルやコンデンサーが使われている交流機器には必ず発生する物ですし交流機器を動かすために必要な電力です。
 無効電力に料金請求はなされませんが、力率の小さい機器を同時に何台も起動するとブレーカーが落ちるかもしれません。

 消費電力を測ることで何がいつどれだけ電気を使っているのかが分かるようになるといろいろ対策が見えてきます。
 わが家では数も多い白熱電球の電力消費が大きいのでここから対策を始めました。
 LED電球の色の見え方とか電球価格の問題も最近改善されてきたのでやってみました。

 白熱電球が消費している電力量が分かっていますからこれをLED電球に替えることでいくら削減できるかが分かります。
 その後何もしなければ月額数千円電気料金が下がっただけで終わってしまうので削減額相当分は施設整備積立額の増額を行います。
 今まで電力会社に払っていたお金を自分の積立口座に振り分けるわけですが、費用削減分を家計から切り離して削減策が成功としています。

 最初はわずかだった施設整備積立金ですが少しずつ積立額を増やしてきました。
 積立金があることで白熱電球よりも高価なLED電球をまとめて購入できますし、それによって毎月の積立額が増えることで以前よりも多くの積立ができるようになります。
 積立はとても地味な行動ですが継続すると結構大きな力になります。

 これまでもいろいろ費用削減対策を行ってきましたが私一人でここまでできたわけではありません。
 温度や電力量など測ったデータを建築士に見せて相談できたことが大きいように思います。
 新築であれば最新の設備機器などが導入されますが、私のように10年も経てば当時の最新機器となってしまいます。

 北陸電力では使っている電化設備によって料金プランがいろいろ選べるようになっています。
 私は家の電力量を測ることはできますが、電力料金メニューのしくみや変更等測ることで付随して発生することまで把握できません。
 建築士はデータを見てこれならこんなプランが使えるとかこっちに変更するとこうなるなどいろいろアドバイスをしてくれます。

 今回私が自宅の電力量を測ることで削減できる電気料金は年間6万円を超えます。
 白熱電球をLED電球に替えるだけではこの半分も減りませんが、いろいろ対策を組み合わせることで今までと変わらない生活で費用を削減することができそうです。

 まとめて対策ができることで削減額も大きくなるし、それを見ると積立意欲も湧いてきますし、なによりわが家の実測値による対策というところでやる気が出ます。

 建築士の話にはお金を生む話しが多いと言うと言いすぎかもしれませんが、太陽光発電パネルに数百万円出すよりも理屈を理解した建築士に光熱費の相談する方が費用対効果は大きいように思います。

コールド・ドラフト対策

2015.10.14.10:45

窓の温度分布 コールド・ドラフトは窓などで冷やされた空気が室内に流れ込んでくる下降気流などを指します。
 室温は適温なのに足もとが寒いときはコールド・ドラフトが発生しているかもしれません
 これまでの観察や測定からコールド・ドラフト対策には窓に衝立を置くことが有効だと分かってきました。

 やってみると効果が実感できるのですが知人に話しても”ふぅ~ん”でおしまいです。
 費用対効果も高い衝立ですが今ひとつ反応が鈍いので何人かに聞いてみたところ、窓全体を覆うわけじゃ無いから冷たい空気は部屋に流れてくるという意見が多く聞かれました。
 なるほど私もコールド・ドラフトを観察するまでは同じことを考えていました。
コールド・ドラフト模式図
 しかし、測ってみると様子は少し違っていました。
 まず、窓は一様に温度が低いわけでは無く窓の上部は室温とさほど変わらない。
 窓の下に行くほど温度が低くなって最も冷たい空気が室内に流れ込んでいる。
 コールド・ドラフトは温度差があるほど強くなるので窓から流れ込んでくる下降気流の温度を上げてやることでコールド・ドラフトを軽減できることも分かってきました。

 これらのことから衝立で最も冷たい空気が部屋に流れてこないようにすることでコールド・ドラフトは緩和できると思うようになりました。
 屋外が0.3度、室温が19.5度の時の様子を模式図にしてみました。

 衝立を置かない場合7.5度の冷たい空気が部屋に下降気流として流れ込んできますが、衝立によって13.5度になっています。
 13.5度でも十分冷たい空気ですがコールド・ドラフトは温度差が小さくなると影響も小さいのですぐに室温近くになってしまい床上5㎝の温度を測っても室温とほとんど変わらなくなります。衝立を置いた窓

 コールド・ドラフトは窓だけじゃ無く階段から2階の冷たい空気が降りてくるとか玄関から冷たい空気が流れ込んでくるなどいろいろあります。
 わが家では窓にコールド・ドラフト対策をすることで室内で高さによる温度差がほとんど無く2階からの冷たい空気や玄関からの冷たい空気の流れ込みがほとんど気になりません。
 全室床暖房とか玄関ホールと居住室との境目など家の造り方に様々な工夫があることはずっと後から知りました。

 日射に期待できない富山の冬は暖房機器に頼ることになります。
 ほんの少し前までは作り手は冷暖房については断熱材は入れてあげるけど後は住まい手が機器を選んで下さいといった雰囲気でした。
 新築の家でも補助暖房として室内に大量の水蒸気を放出する石油ファンヒータを使っている家は意外に多いように思います。
 室温を上げれば窓際との温度差がさらに開いて強いコールド・ドラフトが室内に流れ込んで頭が温かいのに足は寒いことになってしまいます。

 住まい手が窓に衝立を置くことで必ず室内から寒さが取り除かれるわけではありませんが、温熱環境まで考えてある家では窓に衝立を置くだけで体感は大きく改善します。
 せっかく建てた家で寒い思いをしないためにも温熱環境まで考えてくれる建築士に家造りの相談をすることは大切なことだと思います。

一組の写真

2015.10.04.11:39

 木の家に住み始めてもうすぐ10年、木の家の住み心地ブログを書き始めてから5年になろうとしています。
 木の家については何となく良さそうだぐらいにしか捉えていなかった私が自宅を測ったり様々なことを教わったり体験したことをブログに書きながらここまで来ました。木の家

 振り返って見ると木の家は何となく良さそうだという漠然とした思いは誰かが木の家について語ったことが元になって自分でも多分そうだろうと考えていたように思います。
 今は住み始めた当初よりは木の家への理解や使い方についてちょっとは上手になっていると思います。

 木の家に興味のある方から木の家について尋ねられると様々なことを伝えたくなりますが、木の家は何となく良さそうだと捉えていた昔の私にいきなりいろんなことを言われてもきっと消化不良になると思うし、うまく伝えられないように思います。
 そんなことを象徴するような私のお気に入りの写真を2枚紹介します。

 1枚目は建築士が引渡直前に撮ってくれた写真です。
 同じ山の木を天然乾燥した色の揃った綺麗な木の家です。あれから10年経って今のわが家は新築当初の初々しさから少し落ち着きを見せてくれるようになりました。
 もう後10年ぐらいするとさらに色艶が深まって立体感が出てくるのでそれを楽しみにしています。

 2枚目の写真は去年行ってきた林業家の伐採ツアーの写真です。伐採ツアーにはこれまで何度か参加していますが行くたびに新しい発見や気がつくことがあります。2014TS伐採ツアー

 ブログでも伐採ツアー参加後に感想を書いてきました。最初の頃は木が倒れる様子を注目していましたが、林業は木を植えたり育てたりするだけじゃ無く林道を作る土木工事の要素もあることや木材は元々植物だということも伐採ツアーに参加して学びました。

 写真には木のほかに伐採するために作られた林道も写っています。
 林業家は大きな木、樹齢100年ぐらいの木を選んで伐採を見せてくれるのですが、写真をよく見ると太い木の近くに切り株が写っています。
 植林するときはもっと短い間隔で植えていきますし、切り株があると言うことは誰かがこれらの木を残すために世話をした証ということになります。

 私が家を建てる時に林業家は太い大黒柱に使える木は2,000本ぐらい伐採して10本あるかないかと話してくれたことがありました。
 今、わが家の大黒柱を見ると小さな苗が長い時間と手間をかけて製材され1%未満の中から選ばれてここに建っていると感じられます。

 2枚の写真は撮った時期も被写体も違いますが林業家と大工さん、建築士によってつながっている一組の写真です。
 私はこの写真がつながっていることに気がつくまでに10年かかりましたが、それに気がついたことがうれしいし、少しずつ子供たちにも伝えながらこの家を長く使っていこうと思います。

電気料金照会サービス

2015.09.10.11:29

 北陸電力では登録(無料)すると毎月の電気料金がWebで確認できるサービスがあります。
 毎月の電気料金は電気料金明細書で見ることができますがWebで見られるようになるとデータの整理や電気使用量の把握などいろいろ便利になります。

 検針は人の手によって行われていましたが、2015年7月からスマートメーター導入によって無線でデータ収集を行うので1時間毎の詳細なデータが見られるようになります。
 わが家でも1時間毎の電気使用量を記録していますが、スマートメーターであれば計測器などが無くても見られるようになります。

 スマートメーターは2015年から9年かけて全世帯に導入する予定ということだったので北陸電力に問い合わせてみたところ、新築住宅、電力計の交換が必要な場合を優先に計画的に設置していくそうです。
 スマートメーターが設置されると1時間毎の電力使用量が分かるようになりますが、リアルタイムに見るためには電柱に受信機が設置されている必要があります。(旧富山市内には概ね設置済)
 電柱に受信機が設置されていなくても検針後しばらく時間をおけば先月分のデータは見られるそうです。

 また、2016年4月から電力自由化の対象が家庭にも拡大されます。
 北陸電力でも2015年12月末には新しい電気料金メニューが発表になるそうですが、2016年8月以降は新しい料金メニューになります。
 現在の料金メニューは2016年8月以降も続けられますが、それ以降の新築や料金メニュー変更は新しいメニューしか選択が出来なくなります。

 電気料金照会サービスは2年間分見ることができますので登録しておけば新料金メニューが発表になる頃には役立つ情報になると思います。
 電気料金は長い期間払い続けるのでこの機会を見逃さないで、前の料金メニューの方が・・・ということにならないように今のうちに自宅の使用料を把握して準備しておきたいと思います。

湿度とカビ

2015.09.06.00:45

 「家の中でカビが生えますか?」と木の家に関心のある方から尋ねられることがあります。
 木の家はカビが生えにくいと言われているので木の家の住まい手に実際はどうなのか確かめたい気持ちが伝わってきます。

 住み始めて丸9年になりますが浴室を除けばカビの発生はほとんどありません。
 以前に脱衣室の窓枠角にわずかにカビが見られたことがありますが、風通しをよくした後はカビが生えなくなりました。
 木の家はカビが生えにくいというと木の家であればどのような間取りや使い方をしてもカビが生えにくいと誤解されそうなので少し説明します。

 カビが生えるには温度と水分や栄養、酸素が必要です。
 木の家でも温度と水分、栄養が揃えばカビは生えてきます。
 温度やホコリなどカビの栄養分になるものを排除することは難しいので住まい手のカビ対策は水分(湿気)対策になると思います。
 もう一つカビが生えるにはある程度の時間が必要です。

 これについてはカナダ保存研究所のMichalskiさんが相対湿度を保った環境で湿度の違いによって目に見えるカビが何日で発生するかまとめた資料があります。

 相対湿度を保った環境で調べたグラフを見ると湿度が100%の環境では2日もすれば目に見えるカビが発生します。
 また、湿度65%の環境でも1,000日程度続けばカビが発生します。
 木の家でも湿度が70%を超えることはありますが長く続かないことがカビの発生が少ない要因になっているように思います。

 さらにカビの発生には間取りや家の使い方も影響していることが分かってきました。
 細かく仕切ることで室内に温度差ができやすい間取りや室内で開放型の暖房(石油ファンヒーターなど)を使うとカビは生えやすくなります。
 逆に室内を大きく使って温度差を小さくしたり室内で発生する水蒸気を少なくすると室内で洗濯物を干してもよく乾きますし、カビの発生も目立たなくなります。

 木の家だからカビが生えないのでは無くて、木の家はカビが生える環境になりにくいので間取りや暖房方法などに注意すれば普通の生活でカビの心配をしなくても済みます。
 カビが生えないだけで住みやすい家になるわけではありませんが、木の家はカビが生えにくいというイメージだけで判断しないでカビのことも!考えてくれる建築士に相談してほしいと思います。

室内の相対湿度

2015.08.15.12:53

 相対湿度は飽和水蒸気量に対する実際の水蒸気量の割合と説明されます。
 言葉では分かりにくいのでペットボトルで説明すると飽和水蒸気量とはペットボトルの大きさ(容器)にあたります。ペットボトルの水
 普通の生活では容器が決まっていて後から水を入れますが、飽和水蒸気量は温度によって容積が変わります。

 温度が高いときは飽和水蒸気量も多いのですが温度が下がってくると飽和水蒸気量も減ってきます。
 温度が高いときは容器に収まっていたのに温度が下がってきて容器が小さくなることであふれてしまった水蒸気は気体から液体の水(結露)になります。

 ここに2本のペットボトルを用意しました。
 両方とも容器の半分(50%)の水が入っています。
 相対湿度で表現すると両方とも湿度50%です。
 ところが見たとおり容器の半分とは言え入っている水の量が違います。

 片方は2リットル容器の半分ですし、もう一方は0.5リットル容器の半分です。
 先ほど飽和水蒸気量は温度で変わると書きましたが、2リットル容器は夏、0.5リットル容器は冬の温度に例えることもできます。
 飽和水蒸気量が多い夏の湿度50%と冬の寒い時期の湿度50%では水蒸気の量が全く違います。
相対湿度グラフ
 ここまでは何となく分かっていたのですが住まい手としてはもう一つ疑問に思うことがありました。
 室内では天井付近の温度は室温よりも高いことが多くなりますが、室内という決まった容器の中で温度差がある場合湿度はどのようになっているのか調べてみることにしました。
 湿った空気は乾いた空気よりも軽いので天井付近は湿度が高くなると思っていましたが、測ってみると天井付近では温度は高くなっていますが、相対湿度は低くなっています。
水蒸気圧グラフ
 水蒸気圧で見てみると室内では水蒸気圧の違いは小さいことから水蒸気量は温度差による違いは小さいことになります。
 水蒸気量が変わらなくても温度の違いによって飽和水蒸気量が変わるので相対湿度が変化しているようです。
温度グラフ
 また、調べてみると湿った空気は乾いた空気よりも軽いことは確かですが、人が生活している環境では層になって分離することは無いそうです。
 さらに、空気は窒素78%酸素21%その他1%の混合気体ですが気体の重さによって分離していることは無いし上空50kmを超えても構成割合は変わらないそうです。

 一般的に室内では天井など高い場所に湿気が溜まりやすいと言われていますが、わが家や建築士のご自宅ではなぜか高いところの方が相対湿度が低いので不思議です。

 高い調湿性がある天然乾燥材をたくさん表に見えるように使うことで室内の湿度傾斜が小さくなると言うと林業家から注意されそうですが、室内の湿度が安定していることは住まい手にはありがたいことです。

暑い夏

2015.07.30.09:51

 木の家に住み始めた頃に屋外と室内の温度差が知りたくて温度計を設置してから9年が経ち最近は季節によって違う環境と木の家の住み心地についてテーマを決めていろいろ観察しています。偽装網で日射遮蔽
 これまでは木の家を測ることが中心でしたが、大壁仕様の家も継続して測ることで両者の違いを比べることにも挑戦しています。

 以前から大壁仕様の家の調湿性について気になっていましたが、高い調湿性がある木の家とどのような違いがあるのかなどいろいろ調べていきたいと思っています。

 さて、暑い夏がやってきました。
 これまでの観察から室内が暑くなる要因として窓から入る日射によって床や壁が暖められることで室温が上昇することが分かってきました。
 最近の家は断熱性能が高いので窓以外、天井や外壁から室内に入ってくる熱は以前よりも抑えられているので窓に注目するだけで結構室温上昇が抑えられます。

 窓から入ってくる夏の日射には1㎡あたり1000wのエネルギーがあります。つまり夏の室内で1kwの電気ストーブを連続使用するのと同じエネルギーになります。
 窓の大きさや日射が入る時間によって電気ストーブの台数や運転時間が変わります。
 室温上昇を抑えるには大きなエネルギーを持つ日射を遮蔽することがポイントになりそうです。
 その際カーテンやブラインドなど室内側に遮蔽物を設置すると遮蔽物が熱くなるので室温も上昇してしまいます。

 また、日射が入る時間にも注目です。わが家は軒やけらばの長さが1メートルぐらいあるので今の時期午前10時ぐらいには2階も含めて全ての室内が日陰に入ります。
 午後2時を過ぎた辺りから西側の窓に日射が当たるので、西側に風通しを損なわない日射遮蔽ということで偽装網を使っています。

 風は通るけど隙間だらけの網で日射遮蔽できるのか不安でしたが、やってみると結構効果があって室温上昇は遮蔽しない場合に比べて2度程度抑えられます。
 窓の外で日射遮蔽することで室内に熱くなる部分が無くなると熱い物から発せられる赤外線源が体の近くに無いので余計な暑さを感じなくて済みます。

 さらに、風が室内に入れば体から気化熱が奪われることで体感温度を下げることができるしこれが結構気持ちがいいのです。
 暑いのに気持ちがいいとはおかしな表現ですが、冷房が効いた部屋で涼しいのにだるいとか体が重いという感じはなくちょっと暑い方が体調は良いように感じます。

 ただ、室温が35度になると何をしても暑いのでエアコンを使います。わが家では室温33度か34度付近に暑さに対する境界線があって偽装網は境界線付近で活躍しているように思います。
 エアコンを使うような暑い日であっても朝からつけっぱなしと言うことは無く運転時間は短くて済みます。
 エアコンの掃除やカビの心配、電気代や機器の更新など夏を過ごすための条件が緩和されることはありがたいことです。

 昔と比べて最近の暑さは厳しくなっていると言われます。暑さが厳しくなったからエアコンで調節するのもいいですが、住まい手のちょっとした工夫で室内から暑さを取り除くことができる家であることは大切なことだと思います。

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