冷暖房費の捉え方

2017.03.05.11:16

 光熱費で話題に出るのは夏の電気料金が多く冬の暖房費は夏ほど話題が出ないように感じています。
 わが家で夏と冬の冷暖房費を比べてみると夏は1.2万円、冬は6万円ぐらいですから暖房費の方が負担が大きいのですが世の中はなぜか冷房費の話題が多いようです。

 大都市は太平洋側に多く冬は日射も期待できる比較的温暖な地域にお住まいの方が多いこと、冷房はほとんどエアコンが使われているのでエネルギーが電力に集中します。
 暖房は灯油や電気(ヒートポンプやストーブ)、薪ストーブなど暖房に必要なエネルギーが分散しています。

 また、電力会社によって電気料金が違うことも影響しているように思います。
 わが家では毎年1月の電気料金が最も大きくなります。試しに東京電力の料金メニューの中からわが家にお得なメニューを選んで電気料金がいくらになるのか調べてみました。

 北陸電力からの1月分の請求は27,276円(消費税や各種割引、燃料再調達価格、再生可能エネルギー固定価格買取制度などを含みます)、東京電力では42,253円になりました。
 北陸電力は電気料金が安いとは聞いていましたが実際に調べてみるとずいぶん違うことに驚きました。

 同じだけ消費しても東京電力と北陸電力では無視できないほど費用に差がありますからエアコンの費用面での捉え方も地域によって違うように思います。
 先ほどの27,276円の中には消費税や諸費用、給湯・照明や家電分も含んでいますから暖房分で計算してみると15,000円ぐらいになります。

 全室連続暖房で暖房費用が15,000円と言ってもなかなか信じてくれませんが、わが家では最も暖房費用が大きくなる1月でもこのくらいです。
 灯油が暖房の熱源だったころに1月に消費した量は500リットルぐらいだったので今は当時の半分以下の費用で当時よりも暖かい室内で生活しています。

 これをやれば一気に解決!では無くて建築士と一緒に細かいことや体で感じたことをコツコツ積み重ねてここまできました。
 私たちは寒い時期には暖かさを室内に取り入れることを考えます。
 暖かさを室内に取り入れるだけじゃ無くて室内から寒さを取り除く工夫も同時に進めることが費用負担軽減には有効だと分かってきました。

 夏はエアコンなどで暑さを取り除くことに注目されますが、夏は室内に暑さを取り入れない工夫も結構有効です。
 夏の暑さを室内に取り入れないとか冬の寒さを室内から取り除く視点はこれまであまり注目されてきませんでしたがこれから家を考えられる方は取り入れていただきたいことだと思います。

 取り入れろといわれても具体的にどうしたらいいのか分かりませんし、誰に相談したらいいのかも分かりません。
 家を建てるにはまず誰に相談するか決めなくてはいけません。その時に暑さ寒さを取り除く工夫について尋ねてみるのもいいかもしれません。

 わが家でもコールド・ドラフト気流、全室床暖房、間取りといったテーマでいくつもの工夫がされています。

 それぞれの工夫がバランス良く整うことで費用を抑えながら暖かい室内で快適に過ごすことができるようになりました。
 Q値やUa値、気密性能で使われるC値といった値も参考になりますが、人が生活していてどのように感じるかといった視点は値以上に住み心地には影響があります。

 家の仕様が決まる新築や改築時には是非、地域の環境も含めて理屈を理解した建築士に相談してほしいと思います。

体感温度

2017.02.28.11:17

 室内での体感温度は室温と壁や天井、床などの表面温度を測ることで知ることができます。
 体感温度=(室温+壁の温度)÷2
 室温が25度で壁が17度の室内での体感温度は21度
 室温が21度で壁が20度の室内での体感温度は20.5度

 どっちの部屋でも体感温度はほぼ同じですが、体験してみると体感温度が21度だった前者の方が寒く感じます。
 ずっと不思議に思っていましたが、どうやら放射が関係しているようです。

 熱の伝わり方には伝導・対流・放射の3つがあります。
 熱は高いところから低いところに移動してお互いが同じ温度になろうします。
 私たちの体温は36.5度付近で体の表面温度は30~33度ぐらいと言われていますから体からは伝導・対流・放射の3つの方法が熱が出て行きます。

 伝導と対流はわかりやすいのですが放射で熱が逃げるというのは分かりにくい話です。
 物質を温めると電磁波が発生します。熱エネルギーによって電磁波が発生し熱が減るというややこしい話なので放射でも熱は逃げていくと言うことにします。

 電磁波は電場と磁場が交互にやってくる波で波長によって可視光とか電波やX線などいろいろな呼び方があります。
 人間が吸収できる電磁波の波長は3~25マイクロメートルぐらいでそのうち4~14マイクロメートルを「生育光線」と呼んでいます。このあたりの波長は遠赤外線(4~1,000マイクロメートル)と呼ばれる領域です。

 遠赤外線が私たちに当たると着衣や体を構成している分子と共鳴して運動が激しくなり熱が発生します。
 遠赤外線に熱があるわけでは無く遠赤外線が当たった物の分子が激しく振動してその結果熱ができるという仕組みです。

 床暖房や薪ストーブは輻射熱暖房と言われます。放射と輻射の使い分けは物質を温めて発する電磁波などは放射と表現し、物質は自らが電磁波を発しながら他からも受けて熱交換しています。これを輻射と表現することが多いようです。

 以前洗濯物の乾燥について書いたときに洗濯物から蒸発して出ていく水もあれば空気中の水蒸気が洗濯物に水として戻ってくる話がありました。
 水は温度によって蒸発する速度が決まっていますが、湿度が高くなってくると水に戻ってくる水蒸気も増えてくるので相対的に水の蒸発が遅くなって見えると言うことでした。

 体から放射される熱量は同じでも周囲から放射によってもらう熱量が違うことで出て行く熱の速度に違いができます。
 壁が冷たいと見かけ上、体から早く熱が逃げていくので寒く感じると言うことのようです。

 また、窓の近くにいると寒く感じることがあります。
 窓に熱が引っ張られるとか冷放射などと言われますが、これも窓という周囲よりも温度が低い部分から発せられる電磁波(遠赤外線)が少ないことで窓に向いている体の方向だけが相対的に早く冷めると考えるとしっくりくるように思います。

透湿抵抗値

2016.07.01.20:36

 建材の水蒸気の通しやすさを示す値に透湿抵抗値があります。
 1平方メートルあたり1時間に1グラムの水蒸気を通すのに必要な圧力差などで表示されています。透湿性の観察

 以前、建築士のご自宅で壁の中に温湿度センサーを入れて1年間にわたって壁の中の温湿度を観察したことがありました。
 その時に建築士が室内の壁に使われているプラスターボード(石膏板)は湿気をスカスカに通すと言っていました。

 スカスカと言われてもよくわからないので透湿抵抗値を調べてみると
 プラスターボード(12㎜厚)0.63m2・h・mmHg/g
 合板(12㎜厚)23m2・h・mmHg/g
 プラスターボードは合板よりも約37倍水蒸気を通しやすい材料と言うことになります。

 ところが透湿抵抗が37倍といわれても私にはイメージができずにモヤモヤしていたので梅雨に入ったこの時期に測ってみることにしました。
 合板とプラスターボードで箱を作って隙間ができないように角やケーブルの取り出し口などをコーキングで埋めて雨のかからない屋外に置いて湿度がどのような変化をするのか観察してみました。
プラスターボードと合板の透湿性
 測ってみるとプラスターボードは12㎜の厚みがありますが、屋外の湿度変化に追随して変化していました。
 プラスターボード箱に隙間があるんじゃ無いかと疑いましたが、隙間は無く思わず”本当にスカスカなんだ!”と言ってしまいました。

 家の壁に使われているプラスターボードには塗装やクロス、漆喰や珪藻土が施工されているのでプラスターボードだけで調べた今回の観察とは少し様子は違うと思いますが、プラスターボードは水蒸気をスカスカに通すことがわかりました。

 建築士からだからそう言ったのに・・・と言われそうですが。
 今回の観察では測定間隔は30分でしたが、測定間隔を1分にしてどのくらいの時間差で追随しているのか、またプラスターボードに塗装したり壁の仕上げ材を施したらどのように変化するかなど続けて観察してみようと思っています。

 合板はプラスターボードと比べて37倍水蒸気を通しにくいわけですが、変化量は小さいながら屋外の湿度変化に合わせて変化することもわかりました。

屋根の修理

2016.05.31.08:30

 台風が来てもあまり強い風が吹かない富山でも毎年4月上旬には強い風が吹きます。
 強い風と言っても風速20m/s前後ですから軽くて固定していない物が飛ぶぐらいで家に被害が出ることはありませんでした。

 今年は4月に強い風が吹かなかったのでラッキーと思っていたら5月3日に強い風が吹きました。
 わが家の風速計を見ていると風速20m/sを超えてもまだ収まる気配が無く今年の風はちょっと違うように感じていました。
 午後10時32分突然ドカンという強い風が家に当たる音と共に何かがはがれる音がしました。風速計のデータを見てみると30m/sを超えていました。

 なんだか嫌な予感が・・・強い風の時は外に出ない方がよいのですが恐るおそる外に出てみるとガルバリウム鋼板屋根の一部が落ちていました。
 あちゃー。。。

 幸いご近所に迷惑をかけたり周囲に飛び散ることが無かったのですが、屋根のどこがどのようにはがれたのか暗くてわからないし当日は風だけだったのですが、はがれた部分を足がかりにさらに屋根が壊れるんじゃ無いかとか雨が降ったら雨漏りがするんじゃ無いかなど不安な夜になりました。

 翌朝、建築士に連絡したところ祝日でしたがすぐに見に来てくれました。
 落ちてきた屋根の一部や家の周りなどを見て回った後、どこがどうなったのか、雨漏りも心配いらないことを説明してくれました。

 おかしなもので建築士は見ただけで壊れた部分を直したわけでは無いのですが、わが家を知っている建築士に見てもらった後は昨晩のような不安は消えてしまいました。
 5月4日の新聞にはわが家の周囲でちょうど屋根が壊れた同時刻に観測史上最高の最大瞬間風速が観測されたことが書かれていました。

 富山ではあまり強い風が吹かないので風に大きな力があることは認識しにくいのですが建物の構造計算をする際に地震の力にはOKでも風の力でNGとなることがあって風には強い力があることを教えてもらいました。

 修理の際にも建築士が来てくれて職人さんと相談しながら屋根を直してくれました。
 修理ですから元に戻ればいいわけですが、職人さんはどこから壊れたのか、二度と起きないようにどうするのかなどいろいろ工夫してくれて修理後の屋根はバージョンアップしました。
 壊れる前に戻すだけじゃ無くて壊れにくいように手間をかけてくれたことがうれしいです。

 今回屋根が壊れたことで最初に連絡したのは建築士でした。
 建築士から棟梁にそれから職人さんに連絡が行ったわけですが、みなさんわが家のことをよくご存じの方々ですから話の伝わり方がスムーズですし屋根が壊れたのが連休中でしたが休み明けの1日で屋根の修理が終わってしまいました。
 今回のことで建築士、棟梁や職人さんなど顔の見える家づくりをしているとこういった困ったときの対応がスムーズに進むことのありがたさがよくわかりました。

LED照明

2016.01.28.20:08

 LED照明は消費電力が少ない照明機器です。
 10年前に住み始めた頃は30個以上の白熱電球を使っていましたが、最近使用頻度が高い部屋から少しずつLED照明に替えています。

 わが家では白熱電球からLED電球に交換していますが、調光機器付の場合はLED電球も調光対応型を選ばないとLED電球が点灯しなかったり点滅したり、明るさがふらつくことがあります。
 こうした不具合はLED電球が直流電流で点灯するために起こるそうです。

 LED電球の中には交流電流を直流電流に変換する回路が入っていますが、調光対応型には一手間かけてあるので電球の価格も少し高くなります。
 また、調光対応型のLED電球であっても一つの壁スイッチで複数のLED電球が点灯するような場合に明るさがふらついたりすることがあります。

 わが家でも調光対応型のLED電球のふらつき現象が起こりました。
 最初はあれ!?・・・明るさがふらつくと気持ち悪くなります。
 全部のLED電球では無くて一つのスイッチで3つ以上点灯するような照明でふらつきが起きていました。

 対策はふらついているLED電球群の一つを白熱電球に戻すことでふらつきが無くなりました。
 幸いLED電球と白熱電球が混在していても色合いや明るさに違いはほとんどありません。

 最近はLED照明で使われるLED電球が交換出来ない一体型が増えているそうです。
 電球が切れただけで機器まで交換するのには違和感がありますが、話しを聞いてみるとLED電球の寿命が照明機器の寿命と同じぐらいになったので照明機器メーカーとしては寿命が切れた機器を使い続けて事故や火災などが起こりにくく、照明機器の更新も期待できるとして一体型が増えているそうです。

 言われてみれば照明機器としては使えるけど、蛍光灯などを交換する際に見える部品が変色していたり、配線にひびが入っているものを見たことがあります。
 照明として使えても機器の寿命は10年だそうです。

 主張は分かりますがタマが切れただけで機器まで交換するのは抵抗があるしぃ~
 10年使わないうちに運悪くタマ切れしても交換でしょ?・・・
 何にでも最初は抵抗がありますし、人の気持ちはすぐには変わらないものです。

 いろいろ抵抗したい気持ちはありますが、白熱電球とLED電球では消費電力が大きく違います。
 富山の家庭で使うエネルギーで最も大きいのは暖房ですが次が照明・家電、給湯と続いて冷房は年間の消費量としては3%にもなりません。

 イメージとして大きなエネルギーを使っていそうな冷房ですが調べてみると冷房する期間も限られているし、終日使っているわけでもありません。
 照明は目立ちませんが年間を通して一定量を安定して使うので年間消費量が結構大きく、LED照明を増やすことで家庭で使われるエネルギーが減らせるというわけです。

 私は白熱電球からの交換組ですからLED電球も交換出来るメリット?があります。
 一方、一体化のLED照明機器はデザインもすっきりしているし、おしゃれなものが多いようです。
 新築やリフォームの際にはまだ電球交換ができる照明機器が選べるかもしれませんので建築士と相談してほしいと思います。

冬期室内の快適条件

2016.01.19.13:17

 輻射熱暖房には床暖房や薪ストーブ、温風暖房にはエアコンや石油ファンヒーターなどがよく使われています。
 床暖房についてはブログの中でも何度か書きましたが、かつての私もそうでしたが床暖房を使っていない人が輻射熱暖房をイメージすることは難しいようです。

 また、コールド・ドラフト対策として窓に衝立を置く工夫についても効果が分かりにくいと言われたこともあります。
 さらに床暖房にすると室内が乾燥するという話しもよく聞きますが、室内湿度が35%程度になるわが家や建築士のご自宅では肌がかさつくとか喉に違和感があるといったことはありません。
 最近になって室内における気流の影響が大きいことが分かってきました。

 以前、温度計の温感部に巻いたガーゼを濡らして風を当てることで温度がどのように変化するか観察したことがありました。
 観察した時期は暑い時期でしたので風を当てることで体感温度を下げられる話しでしたが、気流が小さければ体にまとわりついている湿った空気が剥がれにくいので肌の乾燥感などは違ってくるようです。

 今回はエアコンを使ったときにどの程度の気流が室内に発生しているのか観察してみました。
 エアコンから測定点までの距離は4.7mあります。

エアコンON気流0.15m/s
エアコンOFF 気流0.06m/s



 エアコンから5m近く離れているのでエアコンが動いていても温風を感じることは無いのですが測ってみると空気が動いていることが分かります。
 家族に黙ってエアコンをつけたままにしておいたところ、最初に子供たちが反応しました。

 「目が乾く。」

 人間は高性能センサーよりも微細な変化を感じ取ることができると言われますが0.15m/sというわずかな気流でも普段の環境との違いを子供たちは捉えたようです。

 ISO(国際標準化機構)で定めている冬期室内の快適条件とわが家を比べてみました。

 測定日:2016年1月19日12時
 外気温:2度
 天候:雪
 
冬期室内の快適条件わが家の測定値
体感温度22度±2度20度
頭部と足下の温度差3度以下0.3度以下
床表面温度26度以下26度(床暖房面)
平均気流速度0.15m/s以下0.06m/s(5回測った平均値)
体感温度と窓面(冷壁面)の温度差10度以下2度(カーテンや障子表面下部)
天井加熱面と体感温度差+5度以下天井暖房は行っていません。

 住み始めて10年になるわが家ですが標準値と比較しても快適と言われる範囲に収まっていることがよく分かります。
 暖房方法にはいろいろありますが今回紹介した冬期室内の快適条件範囲にバランスよく収める方法として床暖房などの輻射熱暖房は有利なんだと思います。

 住まい手として暖房を捉えるには暖房方法の他に暖房設備導入時費用、運転費用、運転時間や温度設定などいろいろ考えることがありますし、地域によっても暖房の捉え方は大きく違います。

 富山は暖房期間189日間で暖房期日射区分はH1区分と日射量が特に少ない地域です。
 暖房期に日射が期待できない地域でどのように暖房すれば費用を抑えて快適な生活ができるのか、理屈を理解している建築士に相談してほしいと思います。

暖房期日射地域区分

2016.01.13.21:35

 富山の冬は晴れる日が少なく日射エネルギーを有効に活用することが難しい地域ですが、他の地域との違いをもう少しわかりやすく表現できないかと思っていました。暖房期日射区分
 表は日射量を地域区分した資料の抜粋です。

 次世代省エネルギー基準欄は全国を8地域に分けた区分で北海道は1、沖縄は8地域と寒い地域ほど数字は小さくなっています。
 年間日射地域区分は太陽光発電導入時に使われることもあります。
 A1区分 年間日射量が特に少ない地域
 A2区分 年間日射量が少ない地域
 A3区分 年間日射量が中程度の地域
 A4区分 年間日射量が多い地域
 A5区分 年間日射量が特に多い地域

 暖房期日射地域区分は暖房期(1日の平均気温が15度を下回る期間)における日射地域区分です。
 H1区分 日射量が特に少ない地域
 H2区分 日射量が少ない地域
 H3区分 日射量が中程度の地域
 H4区分 日射量が多い地域
 H5区分 日射量が特に多い地域

 わが家では10月下旬~翌年4月いっぱいまで暖房しています。
 暖房期(1日の平均気温が15度を下回る期間)で見てみると富山は10月23日~翌年4月29日までの189日間が暖房期になっていました。
 冬の日射エネルギーは夏よりも少ないのですがそれでも1㎡あたり550Wぐらいは期待できます。引き違いの掃き出し窓1カ所当たり1.2kWぐらいの日射エネルギーが入ってくることになります。
暖房期間中の外気温推移
 タンク容量5リットルクラスの石油ファンヒーター出力は3.5kW~0.7kWぐらいですからそこそこ使える日射エネルギーがタダで室内に入ってくることになります。
 暖房期日射地域区分を見ていると寒いと思っていたところでも日射に期待できる地域があることが分かります。

 また、家に日射が当たれば屋根や外壁の一部も暖まることで室内から屋外へ逃げる熱量も減ることから暖房費用の軽減につながります。
 軒先を出すことで夏の日射を遮って冬の日射を取り入れる方法はよく聞きますが、H1地域(暖房期日射区分)では日射量が特に少ないので日射エネルギーに期待ができません。

 さらに、暖房期間にも違いがあって富山はおおむね半年ぐらいですが、長野県の諏訪地域は222日と一年の6割の期間、暖房が必要なことなど他の地域を知ることもできました。
 暖房期間や冬の日射量を調べることで今まで漠然と捉えていたことがデータとして見えるようになって他の地域と比べることもできるし、室内から寒さを取り除く工夫を考える上で参考になります。

コールド・ドラフト対策

2015.10.14.10:45

窓の温度分布 コールド・ドラフトは窓などで冷やされた空気が室内に流れ込んでくる下降気流などを指します。
 室温は適温なのに足もとが寒いときはコールド・ドラフトが発生しているかもしれません
 これまでの観察や測定からコールド・ドラフト対策には窓に衝立を置くことが有効だと分かってきました。

 やってみると効果が実感できるのですが知人に話しても”ふぅ~ん”でおしまいです。
 費用対効果も高い衝立ですが今ひとつ反応が鈍いので何人かに聞いてみたところ、窓全体を覆うわけじゃ無いから冷たい空気は部屋に流れてくるという意見が多く聞かれました。
 なるほど私もコールド・ドラフトを観察するまでは同じことを考えていました。
コールド・ドラフト模式図
 しかし、測ってみると様子は少し違っていました。
 まず、窓は一様に温度が低いわけでは無く窓の上部は室温とさほど変わらない。
 窓の下に行くほど温度が低くなって最も冷たい空気が室内に流れ込んでいる。
 コールド・ドラフトは温度差があるほど強くなるので窓から流れ込んでくる下降気流の温度を上げてやることでコールド・ドラフトを軽減できることも分かってきました。

 これらのことから衝立で最も冷たい空気が部屋に流れてこないようにすることでコールド・ドラフトは緩和できると思うようになりました。
 屋外が0.3度、室温が19.5度の時の様子を模式図にしてみました。

 衝立を置かない場合7.5度の冷たい空気が部屋に下降気流として流れ込んできますが、衝立によって13.5度になっています。
 13.5度でも十分冷たい空気ですがコールド・ドラフトは温度差が小さくなると影響も小さいのですぐに室温近くになってしまい床上5㎝の温度を測っても室温とほとんど変わらなくなります。衝立を置いた窓

 コールド・ドラフトは窓だけじゃ無く階段から2階の冷たい空気が降りてくるとか玄関から冷たい空気が流れ込んでくるなどいろいろあります。
 わが家では窓にコールド・ドラフト対策をすることで室内で高さによる温度差がほとんど無く2階からの冷たい空気や玄関からの冷たい空気の流れ込みがほとんど気になりません。
 全室床暖房とか玄関ホールと居住室との境目など家の造り方に様々な工夫があることはずっと後から知りました。

 日射に期待できない富山の冬は暖房機器に頼ることになります。
 ほんの少し前までは作り手は冷暖房については断熱材は入れてあげるけど後は住まい手が機器を選んで下さいといった雰囲気でした。
 新築の家でも補助暖房として室内に大量の水蒸気を放出する石油ファンヒータを使っている家は意外に多いように思います。
 室温を上げれば窓際との温度差がさらに開いて強いコールド・ドラフトが室内に流れ込んで頭が温かいのに足は寒いことになってしまいます。

 住まい手が窓に衝立を置くことで必ず室内から寒さが取り除かれるわけではありませんが、温熱環境まで考えてある家では窓に衝立を置くだけで体感は大きく改善します。
 せっかく建てた家で寒い思いをしないためにも温熱環境まで考えてくれる建築士に家造りの相談をすることは大切なことだと思います。

ウッドデッキ

2015.07.23.21:25

 ウッドデッキで家族と過ごすひとときにあこがれて新築時に取り入れようとする方は多いと思います。
 ところが注意して見てみると使われずに傷んだままのデッキを目にすることがあります。お金をかけてデッキを取り入れたのにどうして使うことも無く傷んだままの状態になってしまうのでしょうか。ウッドデッキ

 子どもが大きくなってデッキで家族と過ごす機会が減った。
 汚れたデッキに裸足で行き来することが無くなった。
 など使われなくなった理由はいろいろあると思いますが、富山では気候も関係しているように思います。

 写真にはデッキに出て日向で過ごす姿がありますが、真夏ではなさそうです。
 真夏にわざわざ炎天下で過ごす方は少ないと思います。
 富山の冬は積雪があるし、晴れることが少ないのでデッキで日向ぼっこができる機会も少なくなります。
 冬がダメ、梅雨や夏もダメとなると富山でデッキを使える時期は意外と短いように思います。

 また、ウッドデッキには水に強い木が使われますが木は寝かした状態よりも立てて使った方が水の切れも良く長持ちするそうです。
 積雪が無く冬の寒い朝でも日向は暖かい地域ではまだ暖まっていない室内からデッキに出て日に当たりながら過ごすひとときは気持ちが良いと思います。

 さらに、デッキで過ごす機会が増えることは掃除や手入れの機会も増えることになります。
 せっかく作ったデッキが使う機会に恵まれず、屋根からの落雪や強い雨がデッキで跳ね返り窓に直接当たるといったことや元々傷みやすい環境に置かれていることも加わって傷んだままになってしまうのかもしれません。

 家造りはあこがれを現実にできる絶好の機会です。
 しかし、地域によって家の使い方や気候風土は違うのであこがれが実際の生活を豊かにしてくれるとは限りません。

 私もウッドデッキは考えましたが、「本当に使いますか?」という建築士の一言に思いとどまった経緯があります。
 限られた予算を有効に活かすために家造りには「それ、本当に使いますか?」と言ってくれる建築士が頼りになります。

設計料の誤解

2015.06.30.09:55

 設計事務所で家造りをすると設計料がかかる。
 これは確かです。私も建築士に設計料を払いました。
 設計事務所は設計料がかかるので費用負担が大きくなると言われていますが、この話しには誤解があるように思います。

 一般的に価格には原価、人件費、管理費や利益などが含まれています。
 家を建てるには材料が必要ですし、大工さんや職人さんの人件費も必要です。
 設計事務所に支払う設計料も原価や人件費の中に入ります。

 管理費には直接家を建てるには関わらないが必要とされる費用、例えば営業や経理、住宅展示場の建設維持費用などが入ります。
 最後に会社の利益が入って私たちが支払う価格になります。

 最近はネットでハウスメーカーの決算を見ることができるようになり、おおよその原価、管理費、利益額を調べることができます。
 私の場合は複数社の入札をへて施工者が決まりました。
 入札の際は図面の家を施工するのにいくらで請け負うか競うことになります。

 各社の見積もりを見ると家本体にかかる費用はだいたい同じでした。
 同じ図面なわけですから材料費や人件費が大きく違うことは考えにくいことです。
 入札額の違いは管理費や利益といった家本体以外にかかる費用の違いのように思います。

 大手ハウスメーカーの決算書を見てみるとおおむね管理費と利益の占める割合は価格の25%ぐらいでした。
 家本体が2,000万円だとするとこの家の価格は2,500万円ぐらいになります。
 おおよその仕組みが分かってくると値引きの捉え方も少し変わってきます。

 管理費や利益を省くことはできないし、材料費は別の物に置き換えることはできますが値引きが難しい物です。
 残るは家本体と言うことになりますが、同じ図面を誰が施工しても同じような費用がかかる部分は大工さんや職人さんの人件費に関わるところですから施主にしてみれば最も落としたくない部分が値引きの対象になりやすいことになってしまいます。

 大工さんや職人さんは施主のために精一杯できることをしようとしてくれます。
 罪は無いにしても施主の価格を抑えようとする意識が大工さんや職人さんのやる気をそいでいることになっているとしたら残念なことです。

 ハウスメーカーは管理費や利益を得ることで便利で安心して家が建てられるようにしてくれます。
 一方、設計事務所ではハウスメーカーと同じ価格であれば家本体に使える金額が増えることに期待ができます。

 以前にハウスメーカー幹部の方と話す機会がありました。
 天然乾燥材や手刻みの特徴、調湿のこともよくご存じでしたが、値段設定の問題があると話してくれたことがありました。
 価格設定を2,500万円にするには家を2,000万円で作る必要があるわけですし、施主からクレームが出にくい作り方などメーカーとしての苦労話を聞くことができました。

 私はハウスメーカーや工務店、設計事務所のどれがいいとか悪いとかという話では無く施主がそれぞれの特徴を知って選べばそれで良いと思っています。
 設計事務所で家造りをすると設計料がかかるという言葉だけで判断しないで設計事務所では何をしているのか、ハウスメーカーと何が違うのかについても関心を持ってほしいと思います。

節水

2015.02.08.03:33

 水道料金と言えば使った水の量に対してかかる料金ですが、下水道に接続していると下水道料金もかかってきます。
 富山市では上下水道料金の請求は二ヶ月に一度です。
 わが家も下水道に接続しているので水道と下水道の料金がかかってくるわけですが、4万円(二ヶ月分)を超えてくるときもあって負担になっていました。
節水シャワー
 下水道料金は水道使用量によって決まるので水道使用量を抑えればいいのは分かっているのですが、何にどれだけ使っているのか分からないし、余計なことを言えば夫婦げんかになるだけです。

 洗濯で節水すると汚れ落ちが悪くなるし、キッチンで水を使いすぎているのでは・・・といえばその影響は何倍にもなって私に跳ね返ってきそうです。
 トイレの水を節水しようと貯水タンクに物を沈めて節水する方法もあるみたいですが、ある程度の水を流さないとトイレが詰まる原因になるそうです。
 有効な対策が見つからないまま水道料金を払い続けていました。

 そんなある日、建築士から浴室シャワーヘッドに節水効果が期待できるものがあると教えてもらいました。
 シャワーヘッドを交換しただけで・・・と思いましたが、建築士が言うので期待できるかもと軽い気持ちで交換しました。
 節水シャワーヘッドの紹介と書きましたが、建築士はわが家のシャワーヘッドと交換出来る製品型番まで教えてくれました。

 値段は3,000円ぐらいだったと思います。
 節水と言うことは出湯量が減るわけですから家族から使用感が変わることで何か文句を言ってくるかと心配しましたが、交換前と使用感の違いは感じなかったようです。
 シャワーを撮影してみると空気が混じった水流がシャワー口を出てすぐに水玉になっている様子が分かります。

 シャワーヘッド交換から2ヶ月経って請求を見ると使用量は減っていましたが、季節要因やたまたまということもあるのでもう少し様子を見ることにしました。
 半年経って比べてみると確かに水道使用量は減っています。
 お湯の使用量(ほとんどシャワー分)は分かっているのでシャワーヘッド交換によってどれだけ節水したのか調べてみると30%節水していることが分かりました。

 全体の水道使用量 100立方メートル
 浴室でのお湯の使用量 45立方メートル
 45立方メートルを30%削減 32立法メートル
 節水シャワー交換後の水道使用量 87立方メートル(100-45+32=87)

 水道料金は使用量が多くなるほど単価が高くなる設定なので単価が変わるあたりで使用量を減らすと料金は随分違ってきます。
 そういえば設備屋さんが女性、とくに年頃の女性がいる家ではお湯の使用量が多いと話してくれたことがありました。
 シャワーヘッド交換による30%の節水によってわが家では年間4万円ぐらい水道料金が減りそうです。
 水道使用量は家々でバラバラなのでシャワーヘッド交換による水道料金削減額もそれぞれ違うと思います。

 私の持論みたいな話しですが、こうした費用削減策によって減った費用は家計から切り離すことが大切だと思っています。
 私はサラリーマンなので急に大きな出費を求められてもすぐには対応ができません。
 これまで何とか払ってきた費用が減ったわけですからその分を積立に振り替え、時間を味方につけて少しずつ準備するやり方で急な出費に備えようとしています。

 建築士は「メンテナンスフリーの家など存在しない」と言います。
 やがて必ず必要になるのが分かっている費用だったら早めに積立を始めた方が負担は小さくなります。
 節水で減った金額は家のメンテナンス費用になりそうです。

壁内結露

2015.01.29.11:20

 床暖房は窓に結露しにくいと言われますが、寒い日に窓に結露することがあります。
 結露すると言っても窓の下など一部だけですし、日中は乾いてしまいます。
 わが家では窓の額縁に衝立を置いているので窓の下に低温の空気が溜まることから衝立が無いときに比べると窓に結露がしやすくなります。

 さて、家と結露の話になると壁の中で起きる壁内結露の話しが時々出てきます。
 壁内結露しないように気密をあげて水蒸気が壁の中に入らないようにするとか、室内で水蒸気の発生を抑えるなどいろいろ対策が考えられています。窓枠結露

 しかし、家が建ってしまうと壁の中がどうなっているのか調べるには壁を壊さないと見られないので住まい手としては室内の環境から壁の中を想像するしかありませんでした。
 建築士のご自宅では壁の中にセンサーを入れて継続して壁内の環境を測っています。

 ただ、露点温度は計算によって算出しているので測定値と窓枠に結露する様子を観察して確かめることにしました。
 窓の額縁に置いたセンサーで温湿度、アルミサッシ枠に貼り付けたセンサーで枠の温度を測ります。
 額縁の温湿度から露点温度を算出しアルミサッシ枠に結露する様子を観察しました。

 結果は算出した露点温度をアルミサッシ枠が下回った頃からうっすらと結露し始めたことで測定値と計算がだいたい合っていることが分かりました。
 建築士のご自宅で使われているセンサーと同じ物で観察したのでこの方法で壁内の環境を壁を剥がすこと無く継続して知ることができます。
結露と露点温度グラフ
 今回はアルミサッシ枠という金属表面での観察でしたが、耐力壁などは木材なので露点温度を下回ったらすぐに目に見える結露が発生するわけでは無いし、結露したとしても短時間であればすぐに乾いてしまいます。
 また、屋外は気象台が測っているデータが使えるし、室内の温湿度も測っているので壁の中の様子が分かることで屋外と壁内、室内における水蒸気の動きも分かります。

 冬は室内の水蒸気が屋外に向かうとか、夏は屋外の水蒸気が室内に入り込もうとすると言った話をデータを見ながら建築士が話してくれます。
 わが家では室内でたくさんの洗濯物を干しても室内湿度変化は小さく抑えられています。
 断熱材も調湿するものが使われているので屋外に急激な変化があっても壁の中の湿度変化は緩やかなものになっていました。

 私はちょっとやり過ぎですが、壁の中がどうなっているのか知ることができた今回の観察では結露以外のこともいろいろ学ぶことができました。
 百聞は一見にしかずと言われますが、これには続きがあって
 百見は一考にしかず
 百考は一行にしかず
 百行は一果にしかず
 聞くよりも見ること、見るよりも考えること、考えるよりも行動すること、行動して成果を出すことを説いた教えだと言われています。
 やってみることで得ることは失敗も含めていろいろあります。

 ご自宅を計測している建築士の話は他で見聞きするのとは説得力が違いますし、同じ作り方と暖房方法で生活している私たちには大きな安心があります。

暖房事情調査

2015.01.17.14:36

 わが家は全室連続暖房なのでトイレや脱衣室、寝室もおおむね20度です。
 しかし、寝ている間や日中誰もいない時間まで暖房するのは無駄じゃ無いかとか本当に20度程度で暖かいのかなどいろいろな話しを聞きました。

 東京や徳島など富山よりも私が温暖と思っている地域の方と話していると「富山は寒いから・・・」と言う話になってしまいます。
 気温などを調べてみても確かに東京、徳島と富山を比べると富山の気温は低い傾向が見られます。
 気温は気象庁が条件を揃えて測っているので比べられますが、室温となると人それぞれの使い方があるので条件を揃えて比べるのが難しくなります。

 気象会社のウェザーニューズが2014年2月に冬の暖房事情調査と題して朝起きたときの寝室の気温や寝る前の寝室の気温を全国規模で調べた調査があります。
 これを見ると私が温暖だと思っている地域でも寝室の温度は朝、夜共に低い温度になっています。

 林業家のモデルハウスで夜から翌日のお昼ぐらいまで気温や壁の温度を測ったときも日の出直後は13度と暖かいとは言えない温度ですが、晴れていると急速に室温が上昇するし日射に当たっていれば寒く感じないので暖房は使いませんでした。
 朝13度だった室温は無暖房でもお昼には18度になっていましたし、太平洋側の地域にお住まいの方からわが家もこんな感じですとコメントをいただいたこともありました。

 気象庁の地域別最低気温や朝の室温だけで比べるよりも様々な要素を組み合わせて考えた方が地域の特徴を掴みやすくなると思います。
 家の性能を評価する物差しとして冬は室内から熱の逃げにくさ、夏は窓や外壁、屋根などから入ってくる熱の入りにくさが使われています。

 夏と冬では太陽高度が違うので夏季日射取得係数は冬には使えませんが、冬の日射が家の温熱環境に影響を与えているのは間違いなさそうです。
 日射取得熱に期待できない地域では自分でエネルギーを調達して室温を確保することになります。
 全室連続暖房するにしてもエアコン、床暖房、蓄熱など様々な暖房方法がありますし、間取りも影響します。
 吹き抜けがある場合は高さによる温度差が出にくい床暖房は相性が良いと思います。

 ウェザーニューズの暖房事情調査から冬の朝は全国どこでも寒いし、寝ている場所もそれほど暖かくは無いことが分かります。
 私もそうでしたが、新しい家は全室連続暖房で室温20度で暖かく過ごせますと言われて何の疑いも無く理解できる人はほとんどいないと思います。
 そんなことをしたら光熱費が心配とか寝てる時まで暖房しなくても・・・などいろいろ考えます。

 理屈はさておき、実際生活して快適で費用を払っていければそれでいいと思いますが、住まい手としては”こんなはずじゃなかった”だけは避けたいところです。
 寒い富山の家にどうして吹き抜けがあるのか、なぜ床暖房で全室連続暖房するのかを考えるとき、温度や費用以外の快適性や日射取得、結露や地域性など多くのことを総合的に検討して判断することは普通の住まい手にはできません。

 富山には住まい手が健康で温熱環境まで含めて快適に生活できる丈夫な家を考えてくれる建築士がいます。
 私たち家族は20度の室温について壁も暖まっていれば20度で十分暖かいとか、朝寒くて布団から出られないことが無い、70歳を超える母親が夜にトイレに行く回数が減ったなどといったレベルですが、建築士は壁内温度や湿度のことまで考えて室内の温熱環境を考えてくれます。

 建築基準法は最低限の仕様が決められていてこれ以下は違法だが、それ以上どのような仕様にするかは技術者が判断することになっているそうです。
 2020年には住宅のエネルギー消費量が基準に収まるように造りなさいと法律が変わります。
 試しにわが家を調べてみると2020年に義務化される基準をクリアーしていました。

 住み始めて8年半、設計から10年経ちますが、理屈を理解している技術者を頼って良かったと思います。

温熱環境と間取り

2015.01.13.11:29

 わが家は全室連続暖房です。
 日中も家族が家にいるので連続暖房を選択しているのですが、日中いない部屋も連続暖房です。最低気温の地域差

 寝ているときや日中いない部屋は暖房しない方が省エネルギーじゃ無いかと思ったこともありますが、連続暖房を選択しています。

 寝るときに暖房を切ると朝起きた時は部屋は冷えています。タイマーで起床前に暖房する方法もありますが、いずれも冷えた空間を暖めるので大きなエネルギーを消費します。就寝時暖房OFF

 富山の1月の最低気温を平年値で見ると横浜よりも3度低くなっています。
 同じ体感温度を得るには、富山は横浜よりも3度分余計にエネルギーを消費することになります。
 朝に室温が16度までしか下がらない地域と13度まで下がる地域は暖房エネルギーも違います。
(暖房を止めたときの室温変化は知人の家を測らせてもらいました)温熱環境と間取り

 また、連続暖房するには間取りも影響があります。
 図では4つの部屋を廊下で繋いでいます。玄関に続く廊下で部屋を繋ぐのは富山ではよく見かけますが、こうした間取りで全室連続暖房するのは効率が悪いように感じます。

 わが家のリビングは吹き抜けですが吹き抜けによって暖房の効きが悪いと言うことも無く床から5mある天井付近から床上5㎝まで1度以下の温度差です。
 全室連続暖房と間欠暖房をエネルギー消費だけで比べていましたが、最近になって連続暖房出来る間取りも大切だと思うようになりました。

 図のような間取りで使っていない部屋まで暖房しようとは思わないし、玄関に続く廊下を暖房するには大きなエネルギーが必要になります。
 建築士は細かいことまで言わないので気がつきませんでしたが、家の温熱環境は間取りも影響が大きいように思います。

 体感温度は室温の他に壁など周囲の温度に影響を受けます。壁が16度のとき体感温度を20度にするには室温を24度程度まで上げなくてはいけません。
 朝の寒い時間にキッチンで家事をするのは大変ですが、最近のキッチンはリビングと境目がないので空間が大きくなり暖まるまで時間がかかります。

 住み始めて8年半経ちました。家を考えていた頃は温熱環境という言葉はほとんど耳にすることはありませんでしたが、最近になって住宅の温熱環境が話題になることが増えているように思います。
 わが家の特徴は丈夫で長持ちして美しく住みやすい家だと私が勝手に言っているのですが、住みやすい家の部分には冬に日射が期待できない富山で快適性を損なわずにエネルギー消費を抑える技術と工夫がバランスよく練り込まれているように思います。

室温2度の攻防

2014.10.30.09:28

 以前、肌に熱電対を貼り付けて風に当たったときの温度を測ったことがありました。
 風に当たると0.8度肌の表面温度が下がりました。風に当たり多くの気化熱が奪われたことで温度が下がったわけですが、1度以下でも体ははっきり温度差を感じることができます。

 わが家では室温32度だったらエアコンは使おうとも思いませんが、33度を超えてくるとエアコンを使います。
 室温が33度を超えてくる時は外気温は最高気温35度以上の猛暑日なので富山では年間8日間ぐらいあります。

 これまで継続して室内外の温湿度を測る中で室内が暑くなるのは大きなエネルギー(3.6MJ/m2)をもった日射が窓から室内に入ることでカーテンや床などが暖められてそれによって室温上昇が起きていることが分かってきました。
 室温上昇は壁や屋根の影響もありますが、窓から入ってくる日射エネルギーを減らせば室温上昇を抑えることができるようです。

 幸い南側は軒が長く出ているのでお盆頃の暑い時期でも直射日光が部屋に入る面積は小さく障子の効果もあって何の対策もしていません。
 西側についてはお昼過ぎに室温や壁が暖まってから日射が当たるので外壁は65度ぐらいまで上昇します。周囲が暖まってから日射が当たるので日射遮蔽と風通しの両立ができるカモフラージュ・ネット(偽装網)を使って室内に入る日射を減らしています。

 西日対策をすることでわが家では2度室温上昇を抑えることができます。
 つまり、今まで35度あった室温が33度程度になるわけですからエアコンを使う日も減ったというわけです。

 エアコンを使うことは悪いことでは無いし、必要なときは使えばいいと思います。
 しかし、エアコンはフィルター掃除や機器内部に発生するカビなど電気料金以外の話しもいろいろ出てきます。
 エアコンを使わないで生活できれば余計な心配をしなくて済むので、どんなときに使ってどこまでだったら使わなくて済むのかを探していたわけです。

 こうした取組は私一人でやっていたのではうまく行かなかったと思いますが、測定データや家族の反応などを見聞きしてくれる建築士がいることは大きいと思います。
 私は外気温35度までの対応ですが、建築士はそれ以上に気温が上昇したときの対応も実測値と共に話してくれます。

 屋外から熱の侵入を抑えることは室温上昇対策にはとても大切なことですが、体が感じる体感温度は湿度に大きく影響を受けます。
 同じ温度でも湿度が低い木の家では体感温度が低いので32度でも普通に生活することができます。

 住まい手ができることは限られていますが、温熱環境の技術を持った建築士が考えてくれた家では住まい手がちょっと工夫すれば室温を1、2度抑えることができます。
 わずかの温度差ですが暑く感じる境界面での温度差は生活費や健康に少なからず影響があるように感じています。

家の温熱環境

2014.09.13.10:36

 地震に強い家とか骨太の家など丈夫さを強調した表現を見ることがあります。
 また、大きな震災時に他の家よりも被害が小さかったと言った経験談を聞くこともあります。

 家には様々な要素が求められますし、その時々で注目される要素にも違いがあるように思います。
 アレルギーや化学物質が注目された時期もありますし、最近は太陽光発電など省エネルギーが注目されているように思います。
 丈夫で住まい手が健康で少ないエネルギーで生活できる家は魅力があります。

 しかし、住み心地となるともう少し考える要素が増えることになります。
 健康で省エネルギーの家だけど、冬は寒いとか、夏に2階が暑くなると言った温熱環境については住まい手が自分で対処することになっているように感じます。

 作り手としては断熱ぐらいは考えてあげるけど、室内の温熱環境については住まい手が決めてくださいと言う話になっているように思います。
 作り手からとりあえずエアコンを設置しておきますけど寒かったら補助暖房を考えてくださいと言われると、それでいいかなと思ってしまいます。

 作り手も設備の仕様書などから必要とされる性能とかけ離れた機器を設置しているわけでは無いはずですが、住まい手の家の使い方は様々ですから寒かったら補助暖房を・・・ということになりやすいように感じます。
 寒かったら石油ストーブや石油ファン・ヒーターを使うことが多くなります。

 エアコンの暖房では結露しなかったのに補助暖房を使ったら窓ガラスに結露するようになったとか、押し入れがかび臭くなったということになるかもしれません。
 家の温熱環境について設計の段階から取り入れられていると住まい手は後から余計なことをしなくても済みますし、石油ストーブなどの補助暖房で大量の水蒸気を室内で発生させるといったことも防ぐことができます。

 以前、わが家の熱損失係数(Q値)を計算したことがありました。
 ところが実際家の中を測った実測値から割り出した数値と少し違っていたので不思議に思っていたところ、生活している家には家具もあるし、床には敷物があるので計算した数値よりも小さい値になることが多いと教えていただいたことがあります。
 家具や敷物によって計算よりも熱が逃げにくくなっているというわけです。

 また、設計に温熱環境が取り入れられていてもそれが役に立っているかはとても重要なことです。
 私がいろいろ測っているのは家の温熱環境を見えるようにするための取組でもあります。継続して測ることで一年を通して屋外と室内の温熱環境がどのように変化しているか見えるようになります。

 変化が見えるようになると雨が降ってきたら窓を閉めると言った行動と同じように、屋外の湿度が高くなれば窓を閉めることで室内の湿度を下げることができるし、屋外気温が35度を超えるような暑い日には窓を開けない方が室温上昇を抑えられると言った住まい手による温熱環境コントロールができるようになってきます。
 しかも、一度分かってしまえば余計な設備や費用は必要ありません。

 窓を開けたり閉めたりするだけで暑い夏は勝手に過ぎていくし、結露やカビの心配をしないで少ないエネルギーで家中暖かく住み心地の良い家で生活することができます。
 地域によって環境は様々ですし、何をどうやってどのようなバランスで温熱環境を設計に取り入れるかについてはとても難しいように思いますが、そこは技術を持った建築士に頼っていいと思います。

 富山の気候に合った住み心地の良いわが家には、建築士がチューニングしてくれた温熱環境要素が活きていると思います。

結露検知シール

2014.09.06.10:47

 結露は空気中に含んでいる水蒸気が飽和することで発生するので冬ばかりで無く夏でも起こります。
 窓ガラスなどにできる結露はすぐに分かりますが、家具の裏や押し入れは結露していたことさえ気がつかずそのまま放置してカビが生えてしまうこともあります。結露検知シール

 携帯電話などには水没させた時に後から分かるように水没検知シールが使われています。以前から水没検知シールを使って結露しそうな場所の様子を観察することができないかと思っていましたが、水没検知シールは水に浸からないと反応しない物が多いそうです。

 言われてみれば湿度で反応してしまうと汗や多湿な場所で使用しただけで水没させたと誤認されてしまいます。
 でもニーズはありそうだしと思って探してみると湿度や結露で反応する検知シールが見つかりました。

 使い方は調べたい物に検知シールを貼り付けておくだけで湿度が高い状態が続いたり、検知シールが結露した際に跡が残る仕組みになっています。
 シールを貼る場所は障子とガラスの間(冬はこの部分が冷える)、コンセントボックスの中、押し入れの隅っこ、家具の裏側の壁、脱衣室にある洗濯機の裏側壁など、A4サイズのシールを適当な大きさに切って使えるのでガラスの上端から下端まで貼り付けてどの高さで結露しやすいのか調べることもできます。

 わが家ではお風呂以外でカビが生える場所はほとんどありません。
 何年か前に脱衣室の窓下にカビを見つけましたが室内側に付いていた網戸を外すことで通気が良くなったのかそれ以来カビは生えなくなりました。

 厳冬期の窓の隅っこに少し結露することはありますが、窓が結露でびっしょりになることは無いし、壁や押し入れにカビが生えていることもありません。
 それでも検知シートで観察することで一度でも結露すれば跡が残るし、結露寸前の状態も知ることができます。
 調湿を設備を使わず木に頼って生活してどんな結果が出るのか今から楽しみです。

窓から入る日射量

2014.07.09.17:01

 梅雨の時期には珍しく綺麗に晴れていたので日射を測ってみました。
 前回はLow-eガラス(遮熱型)の窓で測ったので、今回は普通の複層ガラス窓で測りました。
 お昼頃の太陽高度が高い時間帯に測りたいところですが、この時期のわが家は午前10時頃には東側窓が日陰になってしまうので午前9時頃に測りました。
 午前9時頃と言っても太陽からの放射エネルギーは930W近くあるので参考にはなると思います。

測定面日射量(W/㎡)温度
 A:直射日光92643
 B:複層ガラス55538.8
 C:網戸+複層ガラス2枚21234
 D:網戸+複層ガラス31035.8
 2014/7/9 富山市 室温30度普通複層ガラス窓の日射

 測ってみると改めて直射日光には大きなエネルギーがあることを実感できますし、少しぐらい遮蔽しても放射エネルギーが当たっているところは温度が上昇することも分かりました。

 遮熱効果の小さいガラス越しに入ってくる放射エネルギーは直射日光の半分になっていても床の温度を室温よりも9度ぐらい上昇させていました。
 熱カメラで見ると床の暖まり方の違いがよく分かります。

 これだけ見るとすだれや遮光シートを設置しなくても随分太陽からの放射エネルギーを減らせるように見えますが、日陰にはかないません。 普通複層ガラスの熱画像

 熱画像をよく見るとつい先ほどまで日射が当たっていた部分と日射が当たっている部分には、はっきりした境目が見られます。
 日陰になってしまえばすぐに温度は下がってしまうことが分かります。

 今回の観察で窓を閉めてカーテンで日射遮蔽している場合、カーテンにどのくらい放射エネルギーが当たっているのか知ることができました。
 カーテンを閉めているので部屋には日差しが入りませんがカーテンが熱くなります。

 網戸がある側では36度ぐらい、網戸が無い側は39度ぐらいになっています。
 午前9時頃でこの温度ですからこれが長く続くと部屋に日差しが入らなくても熱くなったカーテンによって部屋が暑くなってしまいます。
 わが家の場合午前10時頃には日陰になってしまうし、ロフトに小窓があるので部屋に熱がこもることはありません。

 私はちょっと暑い方が体調が良いと感じています。
 エアコンでちょっと暑い設定はとても難しく直感的に快適と感じる温度はもしかしたら寒すぎるのかもしれません。
 日射遮蔽と風通しでちょっと暑いけど体調がよい室内環境は住まい手の健康に効く!は言い過ぎかもしれませんが調子がいいのは確かです。

網戸で日射遮蔽

2014.07.02.09:30

 前回、南側窓を網戸越しに日射量を測ったら日陰よりも値が小さかったので”すだれ”などで日射遮蔽しなくても良さそうだと言うことが分かりました。
 しかし網戸で日射遮蔽できるなんて聞いたことがないのでちょっと不安なところです。
13度
 外に出て歩きながら窓を眺めているとあれ!と気がついたことがあります。
 網戸を斜めから見ると黒いシート状に見えて角度が浅いほど色が濃くなっています。
 夏至の太陽高度は77度ぐらいなので13度の角度から網戸を撮ってみました。
 すると網戸が黒い遮光シートになってしまいます。
 8月中旬は太陽高度が65度ぐらいなので試しに25度の角度から撮ってみたのが2枚目の写真です。

 13度の時よりは色が薄くなりますがそれでも遮光シートとして使えるように思います。25度
 網戸は窓を開けても虫が入らないように使われる建具ですが、遮光シートとしても使えるなんて考えもしませんでした。

 でも、網戸が遮光シートとして使えるのは南側だけで、西日は低い角度からの日射になるので使えないと思います。
 網戸は年中つけっぱなしですし、強風時でも何もしなくても良く、風を通すこともできて、見栄えも損なわずに済みます。

 普通の引き違い窓には網戸は一枚だけですが、網戸を二枚か大きな網戸一枚にすることで南側の窓の外での日射遮蔽と風通しの両立が図れそうです。

 網戸を二枚にすると外に出られなくなるとか、物の出し入れができなくなりますが、8年生活していて頻繁に窓から外に出るとか窓から何か出し入れすることは無いのでやってみようと思います。

日射計

2014.07.01.13:46

 富山気象台に行ってきました。
 写真の手前は日射計、奥に写っている下向きに設置されているのが日照計です。気象台の日射、日照計

 日照計は光を集めて一定量を超えたら日差しがあったと判断して1時間に何分日差しがあったかを調べています。
 日射計は1時間当たりどれだけの日射量があったのか調べています。

 職員の方に日陰の日射量はどのくらいか尋ねるとそこまで調べていないと言うことでしたが、安価で結構精度がある日射計があることを教えてもらいました。

 2枚目の写真が今回手に入れた日射計です。
 早速、家のあちらこちらを測ってみました。日射計
 測ってみて分かったことは

 日陰の日射量は随分少ない。
 網戸一枚だけでも日射遮蔽できる。

 1階には遮熱型のLow-eガラスを使っていますが、網戸と一緒に使うと日陰よりも日射量が小さくなっていました。
 ということはすだれや遮光シートを使わなくても網戸をもう一つ足せばいいし、なんと言っても設置や片付けの手間が無く年中ほったらかしにできます。

 普通引き違い窓には網戸は一枚だけです。
 幸い、南側窓は庇の効果で8月中旬でも床にあたる直射日光面は小さいので見栄えや設置、強風時のことを考えるともう一枚網戸を足す方法が使えそうです。

測定場所測定値(W/㎡)
直射日光1060
日陰142
Low-eガラス(遮熱型)190
Low-eガラス+網戸60
偽装網250~910
室内36
  測定地:富山市 測定日時:2014/7/1 12:00

 建築士からいろいろ教わる中で家の温熱環境を物理現象として捉えられるようになってきました。
 今まで夏が暑いのは夏だからと思っていましたが、大きなエネルギーを持つ日射が室内に入ることで室内を暖めるから暑くなることが分かってきました。

 最近の家は断熱性能が高いとは言え、なるべく外壁に日射が当たらないようにすることや窓から日射が入らないように工夫することで室温上昇を抑えられそうです。
 昔は光そのものを遮蔽していたので涼しい家は暗いイメージがありますが、最近は可視光線と赤外線を分けて遮蔽しているので明るくても暑くなりにくい工夫がされています。

 南側窓の日射遮蔽方法についていろいろ考えていましたが、網戸が有効だったとは意外でした。

真夏への準備

2014.06.25.19:23

 6月は太陽高度が高く一年で最も太陽からの放射エネルギーが大きくなる時期ですが本格的に暑くなるのはもう少し先です。
 家の内外の温熱環境を測ったり調べる中でわが家では窓以外からの熱の侵入が小さいことが分かってきました。

 一番暑くなる屋根の温度は野地板には影響が小さかったし、外壁に面している室内壁についても直射日光の影響は小さく、窓から入る直射日光を抑えれば室内はそれほど暑くならないことに気がつきました。

 去年は西側窓だけ偽装網で日射遮蔽していましたが、南側にはどのように日射が当たっているのか調べてみることにしました。

 SketchUpは家の形を作って日射がどのように変化するのかシミュレーションすることができます。
 季節、時間を変化させてどのように日射が当たるのか見られる便利なソフトが無料で使えます。

 最も暑くなるのは8月中旬ぐらいなので8月20日の状況を調べてみました。
 視点は南西から見ています。時間は日の出直後から日の入り直前までです。
 お昼頃には1階の窓全面に日射が当たっていますが、太陽高度が高いので室内に侵入する面積は小さいことが分かりました。

 床にあたる直射面積が小さいことや障子があることで室温に与える影響が小さかったのかもしれませんが、西日対策はできているので今年はここに注目して工夫してみたいと思っています。

 シミュレーションしてみて思ったのですが、わが家は住まい手の手が届く範囲で工夫ができます。
 暑さの厳しい時期に2階の窓まで日射が入ってしまうと窓の外で日射遮蔽するのは大変です。
 また、窓以外からの熱の侵入が小さいので住まい手が1階の窓だけ工夫すれば家全体の環境を変えることができます。

 わずかな工夫が家計に直結するのでやり甲斐がありますし、わが家の特徴を知る楽しみもあります。
 特徴を知るたびにわが家は富山の気候風土に合った家であることを実感していますし、それが何よりうれしいです。


外壁の温度

2014.06.03.00:09

 外壁は季節によって50度以上の温度差や雨風、日射など屋根に次いで厳しい環境に晒されています。
 先日は屋根の温度を測りましたが、今回は外壁の温度です。外壁温度推移
 日中快晴の日を選んで南側と西側に温度計を設置してどのような変化をしているのか調べてみました。

 予想では日射の当たる外壁の温度は南側で50度ぐらい、西側は少し遅れてやはり50度ぐらいになると思っていました。
 結果は南側は54度でしたが、西側は65度になっていました。

 南側に日射が当たり始める頃はまだ最高気温に達していませんが、西側に日射が当たる頃は最高気温に近い時間になっています。
 すでに暖かくなっている西側外壁に日射が当たることでさらに温度が上昇したように思います。

 西日は暑いと言いますが、測ってみてもやっぱり西日が当たる外壁は熱いことが分かりました。
 西側外壁は16時頃に65度の高温になりますが、冷えるのがとても早く日が沈んでしまうと南側の外壁と同じ温度になってしまいます。
 16時頃に西側外壁に面している室内壁を測ってみたところ、外壁に面していない室内壁と同じ温度だったので外壁の温度が室温に与える影響は小さいようですが、室温は16時頃に最高気温になることから窓から入る西日の影響は大きいようです。

 外壁を65度まで上昇される日射にはどのくらいのエネルギーがあるのか調べてみました。
 先日屋根を測ったときに温度と全天日射量の関係をグラフにしました。全天日射量は気象台で測っている1時間毎の太陽からの放射エネルギーのことで、お昼頃には1㎡当たり3.6MJ(メガジュール)ぐらいになります。
 1,000Wの電気ストーブを1時間使うと3.6MJのエネルギーを使ったことになります。
 つまり日射には1㎡あたり1,000Wの電気ストーブで1時間暖めるのと同じぐらいのエネルギーがあります。

 私は夏にエアコンを使うのは悪いことでは無いと思っていますが、わが家では夏の過ごし方を探る中で卓越風に気がついたり、日射遮蔽を工夫することで家族がだんだんエアコンを使わなくなっていきました。
 省エネルギーのためにエアコン使用を控えているわけでは無く、窓を開けたり閉めたりするだけで室内の温熱環境を調節できるようになり、ちょっと暑い方が体調が良いのでエアコンを使う機会が減っていったように感じています。

 室内の温熱環境は日射遮蔽と風通しだけで調節できるほど単純では無いと思いますが、私たち家族が西側窓だけ日射遮蔽して風を通せば夏が勝手に過ぎていくところがわが家のすばらしいところです。

 ただ、日射遮蔽と風通しの両立に偽装網(カモフラージュ・ネット)を使っているので家族からもう少し見た目も考えてくれと注文がついてます。

屋根の表面温度

2014.05.23.09:30

 わが家はガルバリウム鋼板の金属屋根です。
 ガルバリウム鋼板は耐候性が優れているので屋根に使うことができます。屋根温度と全天日射量(5月)

 金属屋根は焼け込むので室内、特に2階が暑くなるのではないかと心配していました。
 以前にも屋根の温度と屋根裏の野地板表面温度を測ったことがありましたが、屋根の表面温度はどのように変化しているのか調べてみました。

 グラフは晴れた一日の屋根温度と全天日射量です。
 全天日射量は太陽から受ける放射エネルギー量のことでグラフでは1時間に1平方メートル当たりに受けた放射エネルギーを表示しています。
 単位はメガジュール/平方メートルです。

 屋根表面温度は11時15分に69度まで上昇しました。
 気象台で測定している放射エネルギーのピークは11時30分から12時の間だったのですが、わが家は真南から10度ほど東を向いているので屋根が受けるエネルギー量のピークはもう少し早い時間にあったものと思います。
 最高気温は31度でした。

 今回継続して測って分かったことは金属屋根は太陽からの放射エネルギーが増え続けている間は温度も上昇しますが、増加が止まるとすぐに表面温度が下がり出すと言うことでした。
 12時頃には屋根の温度がすでに下がり始めています。

 気温が31度で屋根は69度ということは温度差は38度もあります。放射エネルギーが増えていけば温度は上昇しますが、増加が止まると38度の温度差で冷やされることになります。
 金属屋根は熱くなるが冷えるのも早いと聞いていましたが、随分早い時間から冷え始めることが分かりました。

 放射エネルギーが減っていくとそれに併せて屋根の表面温度も下がっていきます。17時の気温は24度、屋根は29度になっていました。室内での最高気温は28.1度でした。

 本格的に暑くなる前に練習のつもりで測ってみましたが、5月、6月は太陽高度も高く放射エネルギーが多い時期です。
 気温は31度でしたが屋根の温度は真夏に測った温度(74度)とあまり変わりませんでした。
 真夏に向けて室温は上昇していきますが、屋根の温度はそれほど室温には影響していないようです。

 金属屋根は焼け込むと思っていた私ですが、冷える速度が早いことや、屋根がしっかり作ってあるので屋根からの熱の侵入が小さいことも分かりました。
 瓦は蓄熱暖房にも使われている煉瓦と同じ材料ですからもう少し冷めるまで時間がかかるかもしれません。
 この夏は瓦屋根でも測ってみようと思います。

壁の温度

2014.03.23.12:28

 室内の体感温度は次の式で計算できます。
 体感温度=(室温+壁温度)÷2壁の温度
 室温が25度で壁温度が13度の場合、体感温度は19度
 室温が20度で壁温度が19度の場合、体感温度は19.5度

 前者はエアコンや石油ファンヒーターで暖房した室内に多く、後者は床暖房など輻射熱暖房に多いようです。
 室温だけ聞くと後者は寒いように感じるのですが、壁が暖まっていると体感温度が高くなり寒く感じません。
 私は床上5㎝の温度も測りましょうと言いたいのですが、今回は壁の温度の話しです。

 これまで放射温度計で時々壁の温度を測る中で全室連続暖房していると壁の温度が室温と似ていることは分かっていましたが、どのように変化しているのか調べてみました。
 熱電対データロガーという機器を使って壁に貼り付けた熱電対(温度センサー)のデータを1時間毎に記録しました。(外壁に面している壁で測定)

 グラフにしてみるとほとんど室温と同じように壁の温度も変化しているように見えます。よく見ると外気温が大きく変化してから2,3時間後に壁の温度も変化し始めていることも分かります。
 このグラフを見ているとわが家は日中でも家族が家にいるので連続暖房ですが、日中家にいない家でも暖房を切らないで温度を下げておくことで壁の温度が下がりすぎないようにすることは出来そうです。

 体感温度は室温と壁の温度に影響されるので壁が基礎的な温度を保っていれば室温を大きく上げなくて済みますし、冷えた壁を暖めるには大きなエネルギーが必要になります。
 日本の家は夏を旨とすべしと言われ、夏の暑さ対策が中心で冬は気合いで乗り切ってきた歴史がありますし、暖房も室内の空気を暖めることを考えてきたように感じます。

 しかし、家の断熱性能も高くなりエネルギー消費に関心が高まる中で建物を暖める暖房がもっと注目されても良さそうに思うのですが、寒い地域とそれほどでも無い地域では捉え方が違うようです。
 富山ではエアコンだけでは寒いので石油やガス・ファンヒーターがよく使われます。いずれも炭化水素を燃やすので室内に熱と二酸化炭素と水(水蒸気)が発生します。灯油1リットルを燃やすと1.13リットル、プロパンガスでは1.63リットルの水(水蒸気)が出来るそうです。

 加湿器で1リットルの水を使い切ることを考えれば石油ファンヒータは短い時間で多くの水蒸気を発生する高性能加湿器のようでもあります。
 温熱感で言えばある程度湿度が高い方が暖かく感じるのですが、壁が冷えたままでは壁や家具の裏に結露してしまうかもしれません。
 結露が発生する環境を放置しているとやがてカビが発生します。カビは鼻が詰まったりアレルギーの原因になることはよく知られていることだと思います。

 日中家に誰もいない場合であっても弱い熱を連続的に建物に与えることで、ある程度壁を暖めることが出来ます。
 連続して暖房すると費用が心配になりますが、全室連続暖房と家にいない時間と寝ているときに暖房を止めている近所同士の灯油消費量比較では大きな差がありませんでしたし、熱源機によってはタイマーで温水温度を変えられるものがあります。

 わが家では終日室温が20度ぐらいになるようにしていますが、タイマーで日中いない時間帯の温度を下げることが出来ます。
 終日室温20度で使っている全室連続暖房と間欠暖房に大きな費用の差が無いのですから、暖房を止めずに温度を下げて基礎的な温度が保たれている連続暖房は間欠暖房より費用が抑えられそうです。

 快適性や結露やカビなどの室内環境を損なわず、なるべく少ない費用で暖房するか考えるのに壁の温度は結構大切な要素なのかもしれません。

熱損失量

2014.01.08.13:58

 前回は暖房熱源機をヒートポンプに替えたら暖房費が安くなったという話しを書きました。まだ使える灯油ボイラーからヒートポンプに替えるわけですから事前にどのくらい効果があるのか調べてみました。
 調べると言っても製品カタログや口コミの情報では自宅に当てはまるのか心配ですし、大して暖房費が変わらないのであれば熱源機を替える必要も無いわけです。

 こうしたことを調べるには家の熱損失量が必要になります。
 屋外と室内に1度の温度差があった場合1時間にどれだけの熱が逃げていくかを示す値です。
 この数字が仮に380Wとすると室内外の温度差(室内温度-外気温-生活熱)20-5-3=12度とした場合、一時間に380*12=4,560Wの熱が逃げていくことになります。

 この数字は4,560Wの熱を供給すれば外気温が5度の時、室温を20度に保てることを表しています。
 4,560W*24時間*30日=3.283MW(メガワット)一月の平均外気温が5度の時、室温を20度に保つために必要な熱量。
 これをエネルギーに変換すると3.283MW*3,600J=11,818.8MJ(メガジュール)になります。

 11,818.8MJさえ分かってしまえば後は簡単です。
 灯油は1リットル当たり36.7MJ、ヒートポンプの場合はCOP4として見積もれば、
 11,818.8MJ÷36.7MJ÷0.75(効率)=429リットルの灯油が必要になりますし
 11,818.8MJ÷3.6MJ÷4=820KWの電力が必要になります。

 これを費用に置き換えると灯油単価100円として42,900円、電気単価を22.3円にすると18,286円になります。
 計算は机上ですが前回ご紹介した実測値と大外れしていないことが分かっていただけると思います。
 今年の3月にたぶんこうなるだろうと予想してヒートポンプに替えたわけですが実測値を見てホッとしているところです。

 これから家を建てる方は是非ご自宅の熱損失量を聞いておくことをお勧めします。
Q値やUa値で教えてくれる場合もありますが、Q値は熱損失量を床面積で割った値ですし、Ua値は外気に接している面積で割った値なので住宅の温熱環境を設計している方であればすぐに教えてもらえると思います。

 わが家は日中も家族がいるので暖房期間中は連続暖房ですが、日中誰もいない家の場合は暖房を止めた方がいいのか温度を下げて基礎的な室温を保った方が効率がいいのかなど住まい手によって使い方は違うと思います。

 これまでは家は建ててあげますが、冷暖房は住まい手が選んでくださいというような雰囲気でしたが、これからは住宅においても温熱環境まで取り入れた設計手法は大事になってくると思いますし、私たち住まい手もそれを求めていいと思います。

床暖房の感じ方

2013.12.05.09:59

 無垢材と床暖房は相性が良くないと言われます。
 無垢材は激しい温度変化に晒されると縮んでしまい、床板に隙間が空いたり床の下地材が見えるくらい縮んでしまうこともあるそうです。
 わずかな傷でさえクレームになるのに下地材が見えるような事態になれば大変なことです。

 わが家では天然乾燥した杉床と床暖房の生活を7年続けていますが、未だに問題になるようなことは無く真冬でも建具を開け放って広々した空間で快適に生活しています。
 無垢材と床暖房の相性についてはブログでも何度か書いていますが、今回は床暖房した杉床の肌触りや暖かさの感じ方についてです。

 先日、床暖房してある部屋に入ったときにあれっ!と思いました。
 室温はわが家とほぼ同じ21度ぐらいだったのですが、床が暖かく感じます。床暖房しているのだから床が暖かいのは当たり前だと思いますが、わが家よりも暖かく感じました。

 持ち主のお許しをいただいて測ってみたところ、室温21度、壁19度、床24度とわが家とほとんど同じ温度なのに床が暖かく感じるのです。
 どうやら床材の違いが温度の感じ方の違いを生んでいるようです。

 夏にアスファルトと外壁を測ったときに、両方とも50度ぐらいあるのにアスファルトは10秒も触っていられなかったが、外壁は1分でも大丈夫だったことを思い出しました。
 建材の床と杉床では熱伝導率が違うので、硬くて目の詰まっている建材の床に触れると同じ温度でもより熱を感じやすいことが関係しているものと思われます。

 杉床で生活していると床が暖かいと感じることはほとんどありません。部屋の境目など管が通っていない場所と比べれば暖かいことは分かりますが、初めて床暖房を体験する人がわが家に入ったときは、床が暖かいことに気がつかないかもしれません。

 杉は多孔質で細かいストローを束ねたような構造をしているので熱伝導率が小さいことが特徴です。代わりに柔らかく傷がつきやすくなるのですが、建材床と杉床の床暖房の両方体験した感想としては、どちらも輻射熱効果で壁や天井も暖かくなるので室温が20度ぐらいでも十分暖かく感じますが、床に座って生活するのであれば杉床の方が生活しやすいように感じました。

 床に座っていてお尻が温かく感じのはちょっと違和感があります。
 スリッパや座布団を使えば何の問題も無いと思いますが、床に直接座ったり寝転がったりする生活が当たり前の私には杉床の方が向いているように思いました。

 本来、熱伝導率が小さい杉床と床暖房は相性が良いのかもしれませんが、隙間の問題を克服することが必要になります。
 熱伝導率が小さいと言うことは部屋が暖まるのに時間がかかるわけですし、わが家のように日中も家族が家にいる場合とそうで無い場合など、住まい手によって選択は様々だと思いますが、無垢材は床暖房と相性が良くないという誰かが言った一言で決めないで欲しいと思います。

 夏にアスファルトと杉板の外壁を触った感触の違いから、床暖房してある床材の感じ方に気がついたわけですが、傷がつきやすくて汚れやすいと言われる杉床は、使ってみるとサラサラした感触の他にもいろいろ快適な生活を支える役割をこなしていることが分かってきます。

 もうすぐ建築士の「私の家」が完成します。完成すれば見学会も開催されると思いますので、床暖房してある杉床を体験できる絶好の機会です。感触が残っているうちに建材の床暖房も体験してその違いを比べてみることも出来ると思います。

 富山の場合、1年の半分は暖房していますし、床は人が必ず触れる部分です。暖房方法と床材は家が建ってしまえば変更が難しい部分なので、技術を持った建築士に相談して欲しいと思います。

鴨居の高さ

2013.11.26.11:24

 わが家にはドアがほとんどありません。
 収納は開き戸ですが後は引き戸です。
 引き戸には敷居と鴨居があり、昔の引き戸は敷居をすべりながら移動していましたが、最近の引き戸には戸車がついているので大きな引き戸でも軽い力で開け閉めできます。
t_DSC_4218.jpg
 さて、敷居と鴨居の間は180㎝ぐらいが多いと思います。わが家では全く問題ありませんが、身長が高い方には使いにくい高さです。
 引き戸にすると戸が収まる場所を確保しないといけないし、高さも低くなりがちです。 ドアは簡単に高さを確保できるし、ドアが開く場所を確保するだけです。

 ところがドアは幅を広く出来ません。ドア幅は普通70㎝ぐらいが多いと思います。玄関などもう少し幅が欲しいときは2枚のドアを組み合わせて必要な幅を確保していることが多いように思います。

 引き戸は分割すれば部屋を繋いで大きな部屋として使うことも可能です。
 昔は引き戸を敷居にすべらせていたので引き戸を大きくすると重たくなるし、敷居もすり減りやすくなるので1枚が幅90㎝、高さ180㎝ぐらいの大きさは頃合いが良かったのかもしれません。

 最近は引き戸に戸車が使えるようになったことで幅も高さも大きくすることが出来るようになりました。
 わが家の一階は引き戸を開けると一つの部屋のようになります。寝るときは引き戸を閉めていますが、冬でも日中は引き戸を開けて使っています。

 また、高さも2mを越える大きな戸なので違和感なく部屋がつながります。
 建築士に引き戸の高さについて尋ねたことがあるのですが、部屋の使い方や隣り合う部屋の天井高などいろいろな条件があるので、とりあえず高さのある引き戸という単純な話では無いようです。
 家中全部大きな戸にすれば費用もかかるので家全体のバランスを考えて一階には大きな引き戸を入れてくれたのだと思います。

 わが家の日常は引き戸を開けて一階を一つの部屋にすることから始まります。床暖房のおかげで冬でもこうした生活が出来るわけですが、建築士に最初に話した「昔の家のように建具を開けると一つの部屋になるような家に住みたい」という願いが叶って毎日気持ちよく生活しています。
 垂れ壁が無いことでいっそう一体感のある部屋になっているように思います。

消費税

2013.11.04.09:24

 消費税が増税されると新築費用が高くなると考えている方は多いと思います。
 しかし必ず高くなるかと言えばそうとも言えません。

 新築費用が3,000万円の場合現行の消費税は150万円、消費税が10%に増税されると300万円となり150万円費用が増えることになります。
 だから早めに・・・と考えてしまうわけですが、そもそも新築費用には定価があるわけでは無く設計事務所に家造りの相談をした場合は入札になることがあります。

 入札者は図面を見ていくらで施工するか金額を提示します。
 仕事が混み合っている場合とそうで無い場合では金額が変わってきますし、新築が増えると材料価格も上昇する傾向があります。

 8年前、わが家の場合も複数の入札をいただきましたが同じ図面であっても数百万円のバラツキがありました。
 施工者の事情もあるし、材料価格など周辺状況も影響するので増税によって必ず費用総額が増えるというわけではないようです。

 近所の大工さんや内装屋さんは今は忙しいけど増税後は怖いと言っていました。
 設計が無料とか消費税がいくらという個別項目に目が向いてしまいますが、総額で捉える視点も大事だと思います。

 ちょっと前までエコ・ポイントで盛り上がりましたが、エコ・ポイントが終わった後のテレビ価格は大きく下落してしまいました。
 大勢の方がエコ・ポイントがあるんだから今のうちにと競ってテレビを買い求めたわけですが、振り返って見ればあれは何だったのでしょうと思ってしまいます。

 増税は気になるところですが、実際のところ過度に心配しないでじっくり家造りを進めるのが丈夫で長持ちして美しく住みやすい家を安く手にできる最善の方法なのかもしれません。

光源

2013.11.03.10:53

 最近はLEDを使った照明機器が増えてきたそうです。
 LEDは寿命が長くて省エネルギーが特徴とされています。
 わが家では寿命が短くて消費電力も大きい白熱電球が主な光源です。

 一時期光源をLEDに変えようか検討したことがありましたが、調べてみると白熱電球には今まで知らなかった特徴があることが分かってきました。
 白熱電球の演色評価数はRa100、LED電球は最新のものでRa90、普通はRa70~Ra85ぐらいが多いようです。

 演色評価数とは日本工業規格で定められている基準光で見える色を基準にした光源の質を表します。
 Ra100がもっとも高い指数で数字が小さくなると基準光で見た色から離れていきます。
 トンネルの中に使われているナトリウム灯は演色評価数はRa60ぐらいが多いようです。 トンネルの中では見ている物がオレンジ色になり自然光で見る色とは随分違います。

 白熱電球は様々な色がバランス良く混じり合った光源ですが、LEDは3色が混じり合った光源なので見え方は刺々しくなる傾向があるようです。
 色の見え方は演色評価数のほかに色温度も大きく関係しています。
 色温度が高くなるほど白っぽくなり低くなるほど赤っぽく見えます。

 白熱電球の色温度は2,800ケルビンぐらい、蛍光灯(昼白色)は6,000ケルビンぐらい、電球色タイプで3,000ケルビンぐらいだそうです。
 こうしたことが分かってくると寿命や消費電力だけなく様々な要素を考えて光源を選べるようになります。

 わが家では白熱電球の買い置きをしているのですが先日家内が電球交換時に照明機器を拭いていました。
 電球交換時に拭き掃除までしなくてもいいのですがついでにやっているようです。
 このついでというのは生活していると結構便利です。また、天然乾燥材と白熱電球は相性が良いです。

 LED電球は寿命が長くて消費電力も少ないけど、白熱電球にも魅力はたくさんあります。また、LED電球は電球そのものが高いことも見逃せません。
 白熱電球は1個300円ぐらい、調光できる演色評価数90のLED電球になると1個4,000円以上します。300円の電球は10個ぐらい買い置くことが出来ますが、4,000円の電球を10個買うと4万円の出費になってしまいます。

 LED電球に変えようか検討しましたが、木の家の見え方はまだまだ白熱電球には及ばないし電球の値段も下がってきたとはいえすぐに交換出来るほどではないことから白熱電球を使い続けています。
 そのうちわが家もLED電球に変わっていくと思いますがもう少し先になりそうです。

 これから家を建てる方も寿命や消費電力だけで光源を判断しないで建築士に相談して欲しいと思います。
 出来れば夜に白熱電球に照らされた木の家を見せてもらうことをお勧めします。
 木の家を見学するときは日中が多く、夜に見学する機会は少ないかもしれませんが日中とは別の表情を見せる綺麗な木の家も見て欲しいと思います。

手計算

2013.10.26.10:23

 ちょっと前まで手計算で行っていた面倒な計算がパソコンソフトで簡単にできるようになったものはたくさんあります。
 パソコンソフトは簡単に早くしかも正確に結果を求められるので様々な分野に取り入れられています。

 構造計算を専門にしている建築士の方がパソコンソフトは便利な反面理屈が分からなくても判定欄にOKのサインが出るように数値を入力していけば計算が成り立ってしまうと話してくれたことがありました。
 構造計算用のソフトウェアは構造計算の理屈を理解している方が時間や労力を省力化するために取り入れられたものだと思いますが、簡単に結果を導き出せるため理屈を理解していなくても結果が求められるようになっているそうです。

 以前わが家のQ値を計算したときに建築士は私に計算のやり方と資料の探し方だけ教えてくれました。詳細な図面は家にありますし、部材の熱伝導率などQ値を求めるのに必要な資料も探し出すことは出来ますが計算そのものは手計算です。

 何日もかけてやっとQ値を出して建築士に見せたら「もう少し逃げるかな・・・」Q値は建物から一時間当たりどのくらい熱が逃げていくかの指数です。もう少し逃げるかなとは私の計算よりももう少し厳しい数字であることを意味します。
 ということは建築士もわが家のQ値を計算していたわけですからそれを教えてくれたらいいのに・・・と思ってしまいますが続きがあります。

 ハウスメーカーの中にはQ値を表示して温熱環境性能をアピールしているところも増えてきましたが計算した値だけを住まい手に提供しています。
 Q値は外気温と室内の設定温度差から必要な熱量が分かるとても便利な指数なので自宅のQ値が分かることは意味があることだと思います。

 Q値を手計算する過程でわが家のどこからどれだけの熱が逃げていくのか知ることが出来ました。
 壁や天井、床から逃げていく熱は住まい手にはどうしようもありませんが、窓は工夫の余地があります。しかも窓は家全体から逃げていく熱量の3割を占めています。

 こうしたことが分かったことでコールド・ドラフト対策が出来るようになったり障子が温熱環境性能の面でも優れた建具であることを知ることにつながっていきました。
 また、それを行動に移すことで室温を下げずに暖房費を節約できる経済的な効果として私に返ってきました。

 Q値を計算していたとき家全体から逃げる熱量を床面積で割って求める方法が変だと思っていましたが、現在は家の外皮面積(外気に接している面)で割る方法に変わっているそうです。
 一度手計算すると断熱材を変えてみたり窓を単板ガラスに変えたりと一部だけ数字を変えて計算することもできるようになります。
 その結果からわが家が私の予算の中で最適化された温熱環境をもった家だと知ることにもつながりました。

 建築士に構造計算も手計算するのですかと今考えると恐ろしいことを尋ねたことがあります。
 「えぇ、まぁ・・・」とだけ答えてくださいました。
 構造計算できるプロの建築士に計算しているのですかと尋ねた大変失礼な話しなのですが、太い柱や綺麗に並んだ梁は見た目だけじゃなく構造上理屈に合った配置であることがうれしいです。

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