2016 TS伐採ツアー

2016.11.23.19:46

 TSウッドハウス秋の伐採ツアーに行ってきました。
 何度か参加している伐採ツアーですが毎回新しい発見や気づきがある見所満載のツアーです。森の断面
 伐採というと森の中というイメージですが、今回の現場は山が開けた見晴らしのよい場所での体験でした。
 現場に着くと伐採する木を残して周囲の他の木はすでに片付けられていたので森の断面を見ることができました。
 枝が光を受けられる谷側に伸びている様子がよく分かります。

 何度も見ている伐採シーンですが今回は特別なことがありました。
 私は木が倒れていく様子をなるべく広い視野で見たいので少し高いところに行きます。
 山は傾斜しているので高いところに行くと近くの見るのとは少し違った様子で見ることができます。

 伐採が始まり木が傾いていくときに参加者の「お、おっ、お、お、お・・・」が倒れた瞬間のドシン!という音と振動の直後に「おぉおおおおぉ~」と喚声に変わっていきました。
 たまたま私は向いの山もきれいに見える開けた場所に立っていたのでドシンと言う音の後に何かが顔に当たるように感じました。

 ”こだま”です。
 こだまというとヤッホーなどかけ声をイメージしますが、今回のは木が倒れたときのドシンと言う重低音が向かいの山から私に跳ね返ってきました。
 伐採シーンは何度も見ていますが伐採時のこだまは初めて体験しました。
 毎回大きな木を選んで迫力のある伐採を体験させてくれるTS伐採ツアーならではの出来事でした。

 さて、伐採ツアーには必ずモデルハウスや製材所の見学が入っています。順番は最初にモデルハウス、次に木の家に多く使われる板の製材所、その次に構造材を製材している製材所を見学して翌日伐採を体験します。
 この順番は私たちの家ができる順番をさかのぼるように並んでいます。

 モデルハウスでは木の使い方などを説明してくれますし、製材所ではそれがどうやって作られているのかを見ることができます。
 そして山に行って木が木材に変わる場面を見学します。
 林業家に見学の順番について尋ねたわけではありませんが、見学する順番にも私たちに伝えたい意味があるように感じています。
林業家とお施主さん
 TS伐採ツアーには毎回これから家を建てる方が自分たちの家に使われる木を見に来られます。
 今回も林業家が「この木が棟木で・・・」と天然乾燥中の木を紹介する場面がありました。

 屋外で乾燥させるので木の表面がねずみ色に変色していますがちゃんと製材してきれいな木が届くことなど自分たちの家になる木を前にして木の説明をしてくれます。
 この間私たちはギャラリーとしてその場面を見ているのですが何ともうらやましいシーンです。

 ツアーで伐採するのは80年から100年ぐらい経った大きくて林業家が世代を超えて育ててきた大切な木です。
 時間がかかることについては木はすぐには大きくならないからという程度にしか考えていませんでしたが、もっと大切な意味があるように思います。

 リサイクルと言うとペットボトルなど何かを回収して再生するというイメージが強いと思います。
 私たちが消費する資源は地球上にある物を使っているので使えば減っていきます。
 リサイクルすることで減る速度は遅くなりますが、資源は減っていきます。

 ところが木は水素や酸素(水)、炭素(二酸化炭素)を原料に太陽という地球外のエネルギーを使ってできています。
 木が使われなくなって燃やされたり腐ったりしても水素や酸素、炭素は消えることは無く太陽エネルギーを使って木に戻すことができるので、使うバランスと育てるバランスが崩れない限り再生可能でいくら使っても減らない資源です。

 地球上にある資源を減りにくくするサイクルを小さな循環、太陽エネルギーを使って木材という資源を消費しながら空いた場所に植林して新たに生み出すサイクルを大きな循環と言うそうです。
 伐採ツアーでは大きな循環の中で長い時間を経て再生した木材資源を私たちが消費する転換点を見ているのかもしれません。

 木は再生可能な唯一の生物資源ですが再生するまで時間がかかります。
 山の木を使ったらまた植えることやそれが使えるまで時間がかかるので長く家を使い続けることはどちらも大きな循環を支える大切なことだと思います。

 木の家の特徴については五感に優しいとか調湿性があるなどいろいろ言われますが、木の家の中はベタベタしなくて冷たくないというのが私の感想です。
 床が冷たければスリッパ、ベタつくのであれば除湿器でもいいのですが、何もしなくてもよい木の家は生き物である私たちと相性はよいと思います。
 相性がよいから長く使い続けられるのかなと思っています。

TS伐採ツアー2015

2015.12.11.09:12

 伐採ツアーに行ってきました。
 何回か参加している伐採ツアーですが行くたびに新しい発見や気づきがあります。
 TS伐採ツアーは伐採現場の見学の他に林業家、建築士、大工さん、住まい手や建築の道に進もうとしている学生が懇談できる場でもあります。建築士と木
 それぞれ地域や環境、立場が違う方々が集まって交流ができる貴重な場です。

 私は富山の話しをすることが多いのですが、沖縄の台風とか太平洋側の冬の乾燥、冬でも日射に期待できる環境など富山では経験できない気候風土を日々の生活体験を通じて聞くことができます。
 富山では土壁の家はほとんど見られなくなりましたが、今でも当たり前に土壁の家が建てられている地域もあるし、土壁の家は寒いとか雨漏りの心配など私が勝手に思い込んでいたことも思い過ごしだと気がついたこともありました。

 土壁に対する勝手な思い込みによる偏った見方が無くなることで土壁への理解は深まりますが、それが富山の気候風土でどうなのかはまた別の話です。
 今はやろうと思えば北海道で生まれ育った方が北海道の普通の家を沖縄で建てることも可能だと思います。
 しかし、沖縄には沖縄の気候風土があって建てる場所にあった家の方が快適だろうと想像できます。
 他の地域を知ることで自分が気がついていない富山の気候風土を発見できるので楽しみにしています。

 さて、TSウッドハウスでは伐採した後、枝をつけたまま葉枯らし乾燥するのですが今回は伐採直後に枝払いして長さを決めて丸太を切り出すところまで見せてもらいました。
 高さ30メートルぐらいある杉のてっぺんはどうなっているのか以前から興味があったので近づいて見てみました。
 枝払いをして幹だけになった杉は名前の由来通り真っ直ぐな木です。
真っ直ぐな杉
 ところが林業家は見た目は真っ直ぐに見えるけど地面に転がしてみないと分からないと話してくれました。
 わが家には8寸角の太い柱が2本あります。今まで真っ直ぐなのは杉だから当たり前だと思っていましたが、2本ほしいから2本分伐採すればいいわけでは無いし、7メートルや8メートルの長さの丸太を自分たちが歩いてきた林道を運ぶだけでも大変です。
 あの急なカーブをどうやって長い木を乗せて曲がるのだろうといままで考えもしなかったことに気がつきます。

 伐採の場面では木が倒れていくときに音がします。音は耳で聞く物ですが現場では木が倒れていくときのバキバキという振動が音と共に体に伝わってきます。
 これまでも何度か伐採シーンを写真に撮ってきましたが、写真を見るたびに現場で体験した体全体で感じた場面を思い出します。

 また、伐採では作業中何度か倒す方向を確認する場面があります。
 下から見ているとよく分かりませんが伐採した木を上から見ると切り株や岩に当たらないように狙った場所に正確に倒していることも分かります。
 あと30㎝横にずれていたら切り株に当たってせっかく育てた木が途中で折れてしまうかもしれません。

 さらに、これまで葉枯らし乾燥すると色が綺麗になると聞いていましたが、葉枯らし乾燥していない木を見せてもらいました。
 徳島県の木は赤身が綺麗でピンク色しているのが産地の特徴なのかと思っていましたが葉枯らし乾燥していない木はどこか渋みがあるというかちょっと色が違います。
 どっちも天然乾燥材なので木の揮発成分は残っているのですが、どっちか選べと言われると葉枯らし材を選ぶと思います。

 今回は富山から建築士、大工さん、今年の夏から木の家に住み始めた住まい手も参加しました。
 わが家を造ってくれたみなさんが集う前で「私は木の家で生活して10年になりますが、木の家にして良かった。」とお礼を言うことができました。
 懇談の席でどんなところが良かったのか尋ねられました。
 「木の家は人と相性が良いので季節の変化に家の方が人に合わせてくれるから住まい手がちょっと工夫するだけで暑い夏などは勝手に過ぎていく。」と話しました。

 なんだか分かりにくい話ですが、相性の良い人と付き合っていると気持ちの負担は少ないと思います。
 優れた木を使うとか大工さんの腕が良いとかよく考えられた設計などどれも大切なことですが重要なのは大切なことがバランスよくかみ合うことだと思います。

 住み心地よい家はバランスが良いなどといきなり言っても何のことか分かりません。
 木の家で生活しながら伐採ツアーに参加したり建築士や大工さんから家の使い方を教えてもらう中で少しずつ学んできました。
 家は情熱が冷める頃に価値が見えてくると言いますが、10年経って木の家にして良かったと思えるようになったことがうれしいです。

土壁の家

2014.11.18.10:49

土壁と管柱 林業家のモデルハウスは土壁の家です。植林ツアーや伐採ツアーには必ず訪れるので私も何度も見せてもらいました。
 土壁は熱容量や湿気容量が大きいと聞いていましたが、実際はどんな感じなのか興味がありました。

 今回林業家にお願いして午後3時頃から翌日の10時頃まであちらこちら温度を測ってみました。
 測定初日は雲もありましたが晴れ、翌日の朝には外気温は4.3度まで下がり日中は快晴でした。TSモデルハウス土壁熱画像
 モデルハウスでは暖房は使わずに測りました。土壁の温度は午後9時半頃に16度ぐらいあって測りはじめた午後3時よりも高くなっていました。

 翌朝午前7時の外気温は4.3度、室内は13度と寒いので暖房しようかと思ったのですが、外は快晴で日射に当たると暖かいので暖房は使わず観察を続けました。
 午前10時頃、床や天井の温度が上昇してきましたが、土壁の温度変化は小さく柱や建具など木でできている物と温度差ができています。

 正午頃たくさんの方がモデルハウスにやってきたので温度測定は終了しました。日射がある床

 無暖房でしたが正午頃の室温は18度ぐらいあったので寒いという言葉は聞きませんでしたし、大きな窓まで開けて林業家の話を聞いている様子に富山とは随分違うなぁと感じました。

 今回の観察で熱容量の大きい土壁とそれよりも小さい木がバランスよく室内にあると日中の熱を土壁に蓄えることで日が沈んでも室内の温度が下がりにくくなること、温度が下がった室内に日射が入ると熱容量が比較的小さい木が温度上昇し始めるので温度上昇が遅い土壁を補ってくれる様子を観察することができました。TSモデルハウス床熱画像

 11月中旬の日射エネルギーはお昼頃で600W/㎡ぐらいあります。
 窓は6㎡なので3.6KWの日射エネルギーは10畳用の石油ファン・ヒーターの最大出力ぐらいになります。(3時間ぐらいで灯油1リットル消費)

 午前10時頃に熱カメラで柱と土壁の部分を見ると先に柱や木でできた家具の表面温度が上昇していることが分かります。
 床の熱画像では早い時間から日射が当たっている窓際と日射が当たり始めた部屋の奥では温度が違うことも分かります。

 暖房については熱容量よりも断熱の方を優先すべきだとか、エアコンなど高効率の設備利用などいろいろ意見が分かれる話しです。
 今回は測る時間が短かったとはいえ、大きな熱容量を活かした土壁の家での暮らし方の一端を感じることができました。

 以前から土壁は壁と柱の間からすきま風が入るのでは無いかと心配していました。
 隙間があれば午前7時の屋外は4.3度、室内は13度でしたから熱カメラで捉えられるはずだと思ってあちらこちら見てみましたが、壁と柱の間に冷たくなっている部分は見つかりませんでした。

 モデルハウスは20年ぐらい経っていますから土壁だから隙間風・・・は私の思い過ごしだと分かりました。

 これから家を建てようとする方がそれまで持っていた木のイメージをリセットする場として活躍しているモデルハウスですが、自然から得られるエネルギーを取り入れながら生活する自立循環型住宅を考える入口として多くの方に見ていただきたいと思いました。

2014TS植林ツアー

2014.05.05.16:14

 植林ツアーに行ってきました。
 春の植林ツアーには観光も取り入れられていて今回は紙すきを体験してきました。
 観光と言いながらちょっと他とは違うところがTSツアーです。紙漉き

 杉の植林は苗を植えますがただ植えてもあっという間に鹿の餌になってしまいます。
 植林した周囲にネットを張っても一度ネットの中に鹿が入ればそこは鹿の餌場になってしまいます。駆除するにしても限界があるなど多くの林業家が困っています。

 そこで山に自生している三椏(みつまた)は鹿に食べられていないことに注目した林業家が三椏も植えることで鹿の被害を軽減しようと取り組んでいます。
 三椏と言えば壱万円札の原料でもありますが、お札が三椏だけでできているわけではありません。
 和紙の原料として三椏の他に雁皮(がんぴ)や楮(こうぞ)などがあります。今回はそれぞれの原料100%で作る和紙と原料を混ぜて作った和紙の紙漉き(かみすき)を体験してきました。

 私たちは紙漉きと乾燥だけの体験でしたが、原料の刈り取りから完成まで13工程あります。お昼過ぎに私たちが到着するまでに11工程を済ませてありましたが、説明や道具を見る中で紙漉きと言うけど紙漉きは全体からすれば1割ほどの労力でほとんどは冷たい水に触れながら根気のいる作業が多いことも知りました。

 和紙が一般の紙と比べて強靱なのは障子戸を不注意で蹴飛ばし戸が外れても紙が破けないことや和紙を引っ張ってもなかなか破れないことで何となく知っていましたが、一般の紙とどこが違うのか興味がありました。
 自分で漉いた和紙をちぎって拡大鏡で見てみると随分繊維が長く横方向に綺麗に折り重なっています。ちぎった和紙

 綺麗に折り重なっているから漉きあげたばかりの水浸しの紙を上に乗せていっても後から綺麗に剥がれたり、横方向に長い繊維が絡み合うことで引っ張ってもなかなか破れない強い紙になっていることも分かりました。

 繊維の主成分はセルロースです。セルロースは紫外線には反応しにくいので長い繊維が絡まってできている和紙を障子紙に使うと長持ちする理屈も分かったように思います。

 また以前五箇山和紙を使っている障子を熱カメラで撮ったことがありました。
 わが家の薄い障子紙より断熱性が高かったことも長い繊維が絡まって空気層を作るちょっと厚めの和紙の特徴が出ているようにも思いました。

 製材所の見学では丸太を板や梁に加工する場面で、最初にのこぎりを入れたときにはフシがほとんど無いのに丸太から切り進めるたびにフシが増えていきました。
 参加者が移動するバスの中で林業家にその様子を尋ねるシーンがありました。
 白太にフシが少なくて赤身に多いことは何となく知っていましたが、小さかった木が生長する中でいらなくなった枝を落としながら大きくなっていく過程を製材加工で見ることができました。

 ツアーには建築士の方や建築を学ぶ学生の参加もありました。見つめる天井
 阪神大震災前ぐらいまで建築を学ぶ大学ではほとんど木造建築を学ぶ機会がなかったそうです。捨てられた木造建築などと表現する人もいたくらいだそうです。

 今は建築を学ぶ学生が山に出向いて林業家の話を聞く機会があります。見学したモデルハウスは学生が生まれた頃に建てられた建物です。
 これから社会に出て建築の道を進もうとしている学生に林業家が直接講義をしてくれます。

 私にはわが家があと10年経った未来の色艶の様子を見る機会ですが、20年近く経った天然乾燥材を用いて建てられたモデルハウスを見上げる学生にはどのように映っているのでしょうか。いい顔しているので何かを感じてくれたのかもしれません。

 私は木は使ったら植えることが大切だと思っています。
 木は石油や鉱物資源と違って太陽エネルギーと水と二酸化炭素があれば再生産が可能で、いくら使っても植え続ける限り減らない資源です。若い林業家

 しかし、植えるにはお金もかかるし鹿などから苗を守る手間もかかるし、植えてから使えるようになるまで長い時間がかかります。
 私たちが植林している山の木を使いたいと言い続ければ森林資源は復活します。
 それが途切れないように続くことは林業家だけで無く田畑や水資源など国土の保全にも役立ちます。

 本来は使った木の5倍以上は植林しないといけないそうです。
 鹿に食べられたり、長い時間の中で淘汰されたりしながら最後まで残っている木は2割程度になってしまいます。

 わが家に使った木の全てを植林することはできませんが、木は使ったら植えることの大切さを忘れないためにも植林ツアーは続けてほしいと思いました。

2013年TS伐採ツアー

2013.11.18.14:24

 TS伐採ツアーに行ってきました。
 今年で19回目になるそうです。今回もこれから家を建てる方、建築士の方や大工さん、大学生など様々な方が参加していました。伐採クサビ打

 昼食はモデルハウスでいただきましたが、時間が経った木の家を継続的に見ることが出来るので楽しみにしています。
 わが家は築7年ですがモデルハウスは18年ぐらい経っています。新築時よりも7年経った今の方が艶が出て綺麗だと思っていますが、18年経って色艶がさらに深まったモデルハウスを見るとわが家はまだまだ色が浅いと感じてしまいます。

 時間の経過と共に色艶が深まるのは天然乾燥材の大きな特徴であり、プロに天然乾燥材についてのアンケートを取ると色艶が良いことをあげる方が一番多いそうです。
 わが家も後10年も経てばこんな雰囲気になると思い描くことも出来るので色褪せることがないモデルハウス見学は続けて欲しいと思いました。

 見学コースにはモデルハウスの他に板の製材と構造材の製材を行っている工場見学が入っています。TSウッド・ツアーの特徴と私が勝手に思っていることですが見学中に話してくれる内容は芯持ち材は必ず割れる、床を歩くと音がする、2階の音が伝わりやすいなど施主がいやがることばかりです。
 木の家をもっと宣伝してもいいと思うのですがいいことはほとんど話してくれません。

 そもそもこのツアーに参加する方は世の中で普通に言われる木の家に満足できない方が多い傾向があります。
 木の家は調湿性があって安らぎがあるなどと言われますが、割れることや歩くと音がすると言ったことを理解しないで木の家に住むのは施主のためにならないとの配慮だと思います。

 ツアーの夜には宴会があります。TSウッドのメンバーも来てくれるので木の家について学ぶ絶好の機会です。
 モデルハウスや工場見学中に芯持ち材は必ず割れるとか歩くと音がしますと短い時間で話してくれますが、懇談の席ではどうして割れるのか、なぜ音がするのかなど詳しい話しが聞けます。

 また、施主がいやがることが分かっているのに、どうして割れない柱や梁にしないのかについての話しは住まい手にとって聞き逃したくない内容です。
 芯持ち材が割れるのは木が生きているからとか、本物の木はそういうものだと分かったような分からないような話をする方は多いと思いますが、割れる理屈と割れない木が失っている物の両方を住まい手に説明できる方は少ないように感じています。

 こうした材料を送り出してくれる林業家が本物の木の話をしてくれる機会は住まい手が今まで持っていた木のイメージをリセットする場として大きな価値があると思います。

 さて、伐採直後に参加者が年輪を数えるのですが、年輪の最後の部分がよく分からなかったので尋ねてみました。最先端部では杉の皮になる部分と年輪を構成する部分に分かれているそうです。
 写真では最も外側の茶色の部分が杉皮で、次の薄いピンク色の部分はやがて皮になります。杉の成長部位

 その次に細く薄い黄色の部分が見えますが、ここが現在成長している秋目だそうです。
 薄い黄色の部分まで93本の年輪を数えることが出来ました。
 杉は白太と赤身の境目がはっきりしていますが、年輪を一つ積み重ねる毎に30~40年前の白太部分が赤身に変化して行くことも教えてもらいました。

 3本伐採した中に中心部が傷んでいるものがありました。
 もろくなった部分をよく見るとシロアリが動いています。赤身はシロアリに強いはずなのにシロアリがいると驚いた様子の参加者もいました。

 もっとも樹齢80年を超え高さ30メートル以上もある杉の根元から1メートルにも満たない高さにシロアリがいても全く問題ありません。
 赤身材がシロアリに強いことは確かですが、シロアリを絶対寄せ付けないわけではありません。

 人間が誕生する遙か以前から生息しているしぶといシロアリに薬剤で対抗するよりもシロアリが好まない赤身材を使って時々点検する手法の方がどこにでもいるシロアリと付き合うには合っているように思います。
 山に立っているスギの赤身にシロアリを見つけたことで、土台や大引きに赤身材を使うだけじゃなく床下を点検できるように造る工夫の意味が少し分かったように思いました。

 今回のツアーにはTSウッドハウスを立ち上げたメンバーの息子さん世代も加わってつながりを感じることが出来ました。林業に限らず最近は後継者が減っているなどと聞くこともありますが、若い林業家が熱心に話してくれる様子を心強く思いました。

植林ツアー

2011.03.20.00:00

 もうすぐ林業家が企画してくれる植林ツアーがあります。
 この植林ツアーは一般の旅行とはちょっと違います、名前の通り杉の苗を山に植えるツアーなのですが見所満載です。t_2010_03_28_1212blog.jpg

 予習をしておくといっそう楽しくなりますので少し紹介します。
 場所は徳島県の那賀町で行われます、この地区は蛇紋岩が表層に露出している地域としても知られているところです。
 本来は地中深くにある岩石が表層まで出ているので山は岩の塊と言うことになります。

 ・岩の塊だったら植物はどうやって根を張るのでしょう?
 ・林道を作るために削り取られた部分では蛇紋岩の観察ができます。(結構綺麗な岩です)
 ・植林予定地には柵が張り巡らされていることがあります、何のための柵なのでしょう?
 ・林道を歩いていると大きな腐った木が転がっていることがあります、この木は全部腐っているのでしょうか?

 また、製材所では広い敷地で天然乾燥している柱や梁を見ることが出来ます。
 乾かそうとしているのに露天だったら雨に濡れないですか?
 こんな質問にも林業家が丁寧に答えてくれます。

 さらに見逃せないのが住宅展示場です、築15年以上経った展示場で天然乾燥材の特徴としてプロが一位に挙げる色ツヤを見ることが出来ます。
 飴色に深まった色がツヤを持って光っている様子は見る価値がありますし、柱に顔を近づけてよく見てみるとどうして光って見えるのか分かるかもしれません。

 これから木の家を建てようと考えている方にも是非本物の木の家がどういうものでそれがどのように生み出されるのか見て欲しいと思います。
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