伐り旬

2010.12.31.00:30

 伐採には時期があります。
 伐採すると言っても年中木を切り倒しているわけではありません。

 木は生き物ですからリズムがあって活発に水を吸い上げている時期もあれば休んでいる時期もあります、活発に活動しているときは木の白い(白太)ところには栄養分もたくさんあります。
 この時期に伐採すると水もたくさん含んでいるし栄養分もたくさん詰まっているので、乾きにくいし、虫も入りやすいし、カビやすいし、腐りやすくなってしまいます。

 木が休んでいる時期は水も活発に吸い上げていないし栄養分も少なくなっています。
 この伐採に適した時期のことを伐り旬(きりしゅん)と言います。

 伐り旬に樹齢100年以上の木を伐採して、直後に切り株に触っても水が噴き出すこともなければ濡れている感じもしません、湿っているかなって感じです。

 伐り旬じゃない時期に伐採された木は使わないようにしましょう。
 家が建った後、構造材にカビが生えてきたら悲しくなってしまいます。

 私たちが伐採された時期なんて知るすべもないように思いますが、建築設計事務所の中には顔の見える家造りをしているところがあります。

 山までつながる木の家では、いつ伐採されたかはもちろんどこに生えていたのかまで知ることが出来ます。
 でもいくら伐り旬を守って伐採しても自然に乾くのにはやっぱり何ヶ月もかかります。 乾くまで待つ!ことが大切なのは変わりありません。

1時間目の授業

2010.12.30.00:46

 最近木の家が注目されてきたように思います。
 木が住まい手や環境にも優しいというのは確かなのですが、木だったら何でも良いわけではありません。

 住まい手に優しいと言っても何をもって優しいと思うかは人それそれですし、木は好きだけどフシは嫌って言う方もいらっしゃいます。
 また、施工する方々の意識や技能にも影響されてしまいます。

 木の家は林業家から始まって建築士、職人さん、住まい手とつながっていないとうまくいかないようにも感じます。
 木の家造りを通して自分の仕事をしっかりやるのは当たり前ですが、一歩進んで先の仕事を学んだり後の仕事のことも考えることも大事なことだと思うようになりました。

 私は施工主の立場だったわけですが、俺は施主だ!とあれこれ言う前に本物の木の家とはどんな物なのかまた、それはどうやって作り出されているのかを学ぶ機会を持つことはとても大切なことだと思います。

 私が最初に建築設計事務所に家造りの相談に行ったとき、建築士が話してくれたのは木の話でした。
 人工乾燥材と天然乾燥材の違いや年輪の間隔、調湿性について、木の赤身と白太の話やフシの話もしてくれたのをよく覚えています。

 今振り返ると建築士の第1時間目の授業が私たち家族が本物の木の家で生活できる分かれ道だったのかもしれません。
 建築士は林業家の仕事も職人さんの仕事も理解した上で私たちに木の家の話をしてくれます。

 自分一人の力では本物の木の魅力に触れる機会は無かったかもしれません。
 山までつながる本物の木の家を手に入れるために必要なのは学ぶ姿勢なのかもしれません。

カビ

2010.12.29.00:21

 木の家を見てカビが生えないのかと尋ねられることがあります。
 家の中でカビが生えそうな場所というと浴室は別にして脱衣・洗面室ぐらいかなと思うのですが、家の中にカビが生えることは我が家ではありません。(浴室を除く)

 カビは適度な温度、栄養、水(湿気)が揃わないといけませんが、家ではどうも水が足りないみたいです。(湿度が高い状態が長く続かない)

 床暖房もカビが生えにくい環境に一役買っているかもしれません、前に灯油を燃やすと水(水蒸気)が出ると書いたことがありますが、床暖房は水蒸気は出さないので湿度は上がりません。
 ずっと床暖房は入りっぱなしなので冬の室温は20~22度、湿度は50%前後になっています。

 このくらいの湿度であれば窓にもほとんど結露はしません。
 脱衣室でも浴室から出た直後は鏡が曇りますが10分もしないうちに晴れてしまいます。 木を使っていれば何でも良いわけではありませんし、脱衣室の足ふきを敷きっぱなしにしておけば床がかびてしまうことと思います。

 我が家では浴室から上がったすぐ上に洗濯ひもが張ってあります、脱衣室から出るときに足ふきを吊すためですが見た目はさておき機能性は高いヒモです。

 浴室のカビにはアルコールと家庭用の漂白剤で対応しています。
 アルコール(70~80%前後)をかびているところに吹きかけてしばらく放置します、アルコールが揮発したら筆で家庭用漂白剤をカビに塗って、放置しておくだけです。

 タイルの目地などはこれだけで結構綺麗になります。

住まい手も山へ

2010.12.28.01:26

 我が家の杉の木は産地で製材までされてトラックに乗って大工さんのところにやって来ました。
 いつ伐採してどのくらいの樹齢だったのかはもちろん、伐採してくれた方や製材してくれた方も分かっているし、木が生えていた場所まで分かっています。

 最近トレーサビリティと言う言葉をよく聞くようになりました、トレーサビリティは消費者が流通履歴を確認できることとされているようですが、生産者もどこの誰にどのように使われているかを見ることで消費者の声を聞くことが出来ると思います。

 私がお世話になった林業家は遠路はるばる家を見に来てくれました。
 色合わせしてある綺麗な床や天井を見てうれしそうだったのが印象的でした。
 また、私たちが山に行きやすいように秋には伐採ツアー、春には植林ツアーも企画してくれています。

 林業家が私たちの声を聞くためにやってくるのであれば、私も山に行ってみようと言うことで何度か山に行ってきました。
 直接林業家から話を聞けることは貴重な体験ですし、数多くのことを学ぶことが出来ます。

 また、日頃快適に過ごしているお礼を直接伝えられるのはとても心が豊かになります。
 家を建てた後に山に行くのもいいけど、出来ればこれから木の家に住みたいと考えている方にも行って欲しいと思います。

 フシ、無垢は高価、狂いや割れ、傷がつきやすいなど様々な木の欠点とされていることがどうでもよく思えるほど本物の木の魅力を教えてもらえるし、15年以上経った家でプロが天然乾燥材の特徴として一位に挙げる美しい色ツヤを実際に見ることも出来ます。

 我が家の大黒柱を寝そべって見上げていると谷がこっちで山側がこっちと山が見えてきます。
 もちろん指が入る大きな割れも目入ってきますが、山が見える楽しさの方がずっと心地よいです。

生き節と死に節

2010.12.27.09:23

 木には枝があります、木は成長の過程で日光が当たらなくなった枝は無用として枝に水を送らなくなります。
 水がこなくなった枝は枯れて折れるなどして無くなっていきます。

 枝が無くなっても木は成長を続けますから枝の跡は数年かけて幹の中に取り込まれていきます。
 木が無用とは判断していない段階で人間が枝を払ってあげると枝だったところは生きたまま幹の中に取り込まれていきます。

 製材される際に枝が幹に取り込まれる手前だったら無フシになりますが、もう少し芯まで削るとやがて枝だったところが表に出てきます。
 このとき木が自ら判断して枯れた枝のところだったら死に節となるし、人間が枝を払ったところだったら生き節になっています。

 木の根本付近を使って製材される大黒柱や梁などに小さな生き節があったらそれは誰かが枝を払ってくれたのかもしれません、伐採時に根本付近にまだ健全な枝が残っていたとすると相当太い枝(大きなフシ)になっていると思います。

 フシの話を林業家から聞かせていただくと時間の流れこそ人間とは違いますが、ゆったりした時間の中で木が賢く生き抜いている姿が分かってきます。

 大きな柱や梁の小さな生き節を見ていると、ずっと前のことだけど誰かが手間をかけてくれたことがうれしく思えてきます。

照明

2010.12.26.11:48

 照明はLED電球、蛍光灯、白熱電球など光源の違いから照明機器の種類など数多くの組み合わせがあってどれを、どこに、どれだけ使おうと悩むところです。

 家では部屋の照明はすべて白熱電球で一つの部屋に6~8個の電球を調光して使っています。(調光器は2つ)
 白熱電球は他の光源よりも電力を消費するし寿命も短いのですが、木の家との相性は抜群なので電球を買い置きして切れたところから交換しています。

 たくさんの白熱電球を使ったら電気代が高くつくかと心配したのですが、目盛りの7割ぐらいに調光して使っているので電気代は気になりません。(前に住んでいた家の電気代とほとんど変わらない)

 調光できることで発見したことは明るい部屋よりもやや薄暗い部屋の方が落ち着くというか心地よく感じます。
 また、光が多方向から当たるのでくっきりした陰が出来にくいのも感じがいいです。

 そういえば照明の専門家が「柱が表に出ている真壁の家では壁はたまご色で照明は白熱電球を複数使い、それらを調光できることが望ましい。」と言っていたことを思い出しました。

 私は建築士に照明について特別な注文はしなかったのですが、照明は家の雰囲気を作り上げる大事な要素だとつくづく感じています。
 部屋の中心に蛍光灯一台でも十分明るいけど、建築士は何か別の提案をしてくるかもしれません。

含水率

2010.12.25.00:51

 伐採された直後の木はたくさんの水を含んでいますからそのままでは家の材料には使えません。
 乾燥していく中で木が縮んだり、割れたりするからです。

 木材は含水率20%ぐらいまで乾燥した物が出回っているようです。
 プロの皆さんはこの含水率20%という数字に妙にこだわりがあるように感じています。

 施工時に20%ぐらいまで乾燥が進んでいれば縮んだり割れたりすることが少ないとされているからなのですが、なにか変な感じがします。
 というのは天然乾燥された我が家の柱や梁などを含水計で測ると今は15%前後まで乾燥していますが施工時は30%ぐらいあったそうです。

 含水率だけで見ると不良品みたいですが、少ししっとりした材料は大工さんが仕口・接ぎ手を刻む時も刻みやすいと言いますし、家に使う木材としては全く問題がありません。

 ただ、施工後さらに乾燥が進みますから柱や梁が割れることになります。
 木が割れることが嫌われるから施工時までに無理矢理20%まで乾燥させているだけで、無理矢理乾燥させなくても家が建った後に少しずつ乾いて勝手に15%前後に落ち着いてくれます。

 乾燥が落ち着くまでは柱が割れる音がバシッ!と鳴りますが住み始めてから1年ちょっとで音もしなくなりました。

 ほっといても15%ぐらいまで乾くのに、無理矢理釜の中に入れて高温で乾燥させてしまう。
 高温で乾燥させてしまうと木が本来持っている色やツヤ、香り、調湿性まで失ってしまいます。

 天然乾燥材は色も香りも調湿性も残したまま時間とともに色ツヤが深まっていきます。 

 木が割れることさえ理解して受け入れれば良いだけなのですが、新築なのに柱が割れていると裁判になるご時世ですからやっぱり釜の中に入れて乾燥させてしまうのかもしれません。
 割れている柱・梁を天然乾燥の証と捉えて色ツヤの深まりを楽しむ暮らし方もいいと思います。

大工の仕事

2010.12.24.00:45

 私は大工さんの仕事を勘違いしていました。RIMG0396.jpg

 大工さんは図面通りに家を建ててくれる人だと思っていたのですが、図面通り家を建てるだけじゃなくて、私たちが快適に生活できるように様々な仕事をしてくれていることに気がつきました。

 図面には床は杉板を張ると書かれていますから、材料が届いて一気に張るのかと思えば数百枚ある板を全部広げて色合わせをしています。
 色が揃っていると言っても建材みたいに均一ではありませんから色合わせをしないと”ちぐはぐ”な仕上がりになってしまいます。

 また柱も梁も表に出ていますから柱の上下はもちろん、梁にも背中とお腹がありますし大きなフシがあっても工夫で見えなくすることができるかもしれません。
 寸法だけで見ないで肌が綺麗な材料だったらこの部分に使おうとか、色が少し悪い材料はこっちの見えないところで使うなど柱、梁を一本ずつ見ながらどこにどの方向で使うか決めていきます。

 決まったら材料に印をつけていきます、番付と言われている仕事なのですがこの番付の段階で家の仕上がりが決まってしまいます。
 図面には書いてないことですが、大工さんが出来上がりを想像しながら番付を行ってくれることで、高い品質の材料が美しく仕上がっていきます。

 天然乾燥材は色ツヤが良いことは大工さんは分かっているからそれを活かそうと手間をかけてくれるわけですし、それらは住まい手のためだと気がつきました。

 こんな手間をかけた家など高くて手が出ない!と思っているとしたら勘違いかもしれません。
 私たちは工業製品化された家も選ぶことができるし、歴史と文化の中で育ってきた家も選ぶことができます。
 歴史と文化の中で育ってきた家は一部のお金持ちだけじゃなくて普通のサラリーマンにも選ぶことができることを知って欲しいと思います。

床が鳴る

2010.12.23.00:20

 季節の変わり目になると床が鳴ります、床鳴りなんて絶対イヤだ!と思う人は多いと思います。
 床が鳴るといっても嫌な床鳴りと気にならない床鳴りがあります。IMG_0458.jpg

 嫌な床鳴りは同じところでキュキュと鳴りますが、気にならない床鳴りは家中どこでも鳴ります。

 天然乾燥した杉の床は調湿するので季節の変わり目になると動く量が大きくなって隣り合う板同士の接触面が変わりますから床を歩くと音が鳴ります。

 秋から冬にかけて乾燥して床に隙間が空いてくると音は目立ってきますが、春から夏に向かって湿度が上がってくる頃はほとんど音はしないみたいです。

 でも、同じところで二度、三度踏んでも音はしないので別に気になりませんし、床が鳴り出すことで季節の変わり目を感じられるようになります。

 言葉で床が鳴ると書くと誤解を招くかもしれませんが、杉の床は鳴る!と思い込む前に気にならない床鳴りもあることを知って欲しいと思います。
 隙間は空くし、傷もつきやすいし、床まで鳴ることがわかっていても杉の床はお勧めできます。

 そんなこと、どうでもよく思えるほど裸足の生活が気持ちいいからです。

小口を見る

2010.12.22.01:26

 小口とは柱など立方体の最小切断面のことで、早い話が年輪が見える切断面の事です。IMG_0386.jpg

 大工さんは小口を隠そうと様々な工夫をするそうですが、我が家では親柱(階段の手すりを支える柱)の小口はむき出しになっています。

 年輪を数えると52までは数えられます、4寸(約12センチ)の柱なのですがこの太さの柱を取るために50年以上かかっていることになります。

 年輪の細かさに目が行きがちですが、年輪の間隔に注意してみると最初の14、5年ぐらいは比較的広くてそれ以降急に混み合ってきます。
 この年輪の特徴から植林された木だと言うことがわかります。

 自然の状態では種が芽を出しても周りには大きな木がいっぱいあって日光がなかなか当たりません、運良く大きな木が倒れてくれると日光を浴びてぐっと育つことができるため小さかった時の年輪はとても細かくなるそうです。

 植林ははじめから開けたところに苗を植えていきますので、最初から日光をたくさん浴びてぐんぐん育つことから間隔は広くなります。
 つまり我が家で使われている杉の木は誰かが植林して長い間育ててくれた木だと言うことがわかってくるわけです。
 開けたところに植林すると言うことはその前に伐採があるわけですし、伐採されると言うことは大きな木がそこに生えていたことにつながっていきます。

 親柱の小口は長い時間の流れを日常の生活で感じさせてくれる私のお気に入りです。

天然乾燥材の魅力

2010.12.21.01:12

 天然乾燥した木材の特徴を挙げてくださいとプロの方にアンケートを取ると、一位になるのは色とツヤが美しい事だそうです。
 色とツヤが美しいことがどうして一位になるのでしょう。

 木の家は最初は赤身と白太がはっきり分かれていますが、3,4年も経つと赤身と白太の境目がわかりにくくなってきて、ツヤが出てきます。
 この赤身の色はだんだん飴色になっていきます。

 革製品も最初はクリーム色ですが使い込んでくると飴色になってくるのに近いかもしれません。
 家はまだ5年ぐらいですから飴色と言っても薄いのですが、見学させてもらった20年経った家は飴色が深まってトロトロだったのをよく覚えています。
 色はトロトロなのにツヤあって光っているんです。

 もちろん塗装はしてないし天然乾燥した板や柱・梁にカンナをかけてあるだけなんだそうです。
 プロが一位に挙げる天然乾燥材の美しい色ツヤは素人の私が見てもやっぱり美しいと思いました。

 天然乾燥材の特徴は色ツヤだけではありませんが、綺麗な建材もいいけど家に対する情熱が冷めた頃に本物の魅力を見せ始める木の家のことも知って欲しいと思います。

 まだ5年ですが、建ったばかりの時よりも今の方が綺麗だと思います。

シロアリ

2010.12.20.10:12

 木の家はシロアリに弱いんじゃないかと思っていました。
 シロアリは木を食い荒らして大切な家を破壊してしまう害虫だと思っていました。
 家屋に被害をもたらすシロアリだけでもイエシロアリ、ヤマトシロアリ、アメリカ・カンザイシロアリ、もっと南に行くとダイコクシロアリなど様々なシロアリが私たちの家を狙っているわけですが、シロアリ対策は防蟻剤を使っておけば大丈夫だと思っていました。

 シロアリは単純な生き物でかじって前に進めばかじり続けます。
 グラスウールやウレタン断熱材などシロアリが食べない材料だから大丈夫と言う話も聞いたことがありますが、前に進む材料であればコンクリートでもかじります。

 前に進んで食べ物になる木などがあると一気に大集団がやってきて食害を起こすそうです。
 シロアリと人間のやりとりは大昔からあって薬剤を使うようになったのは最近の話のようです。
 昔はシロアリの食害によって家が傾いたり大きな被害が出ないように家造りに工夫がありました。

 そもそもシロアリは生き物ですからかじりやすいところをかじるわけです、木の赤い部分は腐りにくいと書いたことがありましたが、赤い部分はシロアリにとってもかじりにくいようで、なかなか前に進むことができずに途中あきらめてしまうこともあるようです。

 また少しぐらいかじられても一部分だけで土台や柱の芯まで食べ尽くされることは少なかったわけです。
 だったらはじめから家の土台部分などシロアリに狙われやすいところには木の赤い部分を使えばいいと言うことで、土台部分には赤身の木が使われていたそうです。

 もう一つ、床下に入って点検できるようにしておくことも大きな工夫なんだそうです。 太古の昔から土の中に当たり前にいるシロアリに薬剤で対抗するよりも、赤身の土台と点検で対抗する方が人間にも優しくて長続きしそうに思います。

紫色の床

2010.12.19.00:19

 住み始めて間もない頃、家族が汚れた水を床にこぼしてしまいました。
 無塗装の杉床なのでシミになったらいけないと重曹を使って汚れを取り除こうとしました。
 私が帰宅して床を見ると拭いた部分だけ濃い紫色(黒に近い)になっています。

 墨汁でもこぼしたのかと驚いて聞いてみると、汚れを取ろうとして拭いただけなのに時間が経つごとに色が濃くなってきたと言います。
 なんてことをしてくれたんだと大騒ぎになりました。

 翌日建築士に相談すると答えは「様子を見ましょう」だけです。
 家では大騒ぎなのに様子を見るだけというのはちょっと・・・と思いましたが、しばらく様子を見ることにしました。

 すると二、三日経って色が薄くなったように感じてきました。
 気のせいかなと思っていたらその後だんだん色が薄くなって、一月も経った頃には跡形もなく消えてしまいました。

 あれだけ大騒ぎしたのになんだったんだろうと調べてみると、前に木の赤い部分には腐りにくい成分がたくさん詰まっていると書きましたが、どうやらこの成分が重曹と反応して濃い紫色を発色していたようなのです。

 時間が経てば消えてしまいますが、天然乾燥!された杉の床にアルカリ性のものをこぼすと色がつきます。
 色がついたからと言って漂白剤などを使ってしまうと漂白した後が残ってしまいますので堅く絞った雑巾で汚れを拭き取った後、”様子を見る”のが良いみたいです。

薪ストーブ

2010.12.18.11:20

 輻射熱暖房が快適なのは言うまでもなく、一度輻射熱暖房で生活するとエアコンや石油ストーブ暖房には戻れなくなります。
 輻射熱はよく光に例えられます、太陽の光は真空中長い距離を進んで星に当たってはじめて明るくなります。
 真空中も光は通っているのですが当たる物がなければあたりは真っ暗です。

 輻射熱も似たところがあって何かに当たらないと暖かくなりません、空気を直接暖めるエアコンや石油ストーブとの一番の違いです。
 体を直接温めるので心地よさが違うわけですが、逆に壁や天井、床が暖まってから室温が上がり出すので室内が暖まるには時間が掛かります。

 さて、輻射熱暖房の代表はなんと言っても薪ストーブ!私もあこがれました・・・
 薪ストーブと床暖房では家中を暖めようとした場合、設備費は床暖房の方が高くなることが多いと思います。
 家では灯油を熱源に使った床暖房なので灯油代がかかります、灯油は一冬で2,000リットルぐらい使います。(11月~翌年4月下旬までつけっぱなし)

 薪ストーブは薪を自分で調達してきて薪小屋で乾燥・保管ができる方だったら労力以外にコストはかかりませんが、薪の調達はとても大変なので買う方が多いようです。
 乾いた薪を使わないとストーブも傷むし、何より煙突が詰まってしまいます。
 ところがこの乾いた薪がいいお値段するのです・・・

 先ほど灯油を一冬で2,000リットル使うと言いましたが、薪だと一冬で10~13立米ぐらい必要(ストーブの火を落とさない使い方)ですから灯油が1リットル70円ぐらいだったら倍ぐらいのお金がかかってしまいます。
 あと、薪ストーブは家の中がホコリっぽくなることもあまり知られていないようです。

 床暖房はいいことばかりかと言えば熱源機は10年程度で交換ですし、家を建てるときにコストを一気に負担しなければならない悩ましいところもあります。
 床暖房の熱源には灯油の他にもあります、薪ストーブをインテリアにしないためにも冷静に選んで欲しいと思います。

 だけど薪ストーブは気持ちいいんですよね~

床暖房

2010.12.17.23:35

 杉の床に床暖房なんて大丈夫なの?
 無垢の床材と床暖房は相性が悪いとあちこちで言われているようです。
 床材が縮んで隙間が開くというのが嫌われる原因らしいのですが、我が家では何も問題がありません。
 隙間が開いても我慢!してるわけではありません。

 無垢の板は急激な温度変化に弱くて、スイッチを入れてすぐに70とか80度ぐらいの高温になるような床暖房だったら不具合が起きるかもしれません。
 もう少し低い温度で使えば杉の床でも補助暖房なしで冬を越せるぐらいの暖を取ることはできます。
 代わりに長い時間入れっぱなしにしておかないといけませんから、日中誰もいない時間が長い家だったらこういった使い方は向かないのかもしれません。

 家では11月ぐらいから翌年の4月下旬までずっとスイッチは入りっぱなしです。
 入れっぱなしなのにはわけがあってその方が安いからです。
 スイッチを切ると今度は冷え切った状態から温度を上げることになります、この温度を上げるために必要なエネルギーは意外に大きいのです。

 さらに、階段と収納と浴室以外すべて床暖房がしてありますので、家中(壁や柱なども含めて)暖まるのに何日か掛かります。
 一旦暖まってしまえば家中どこにいても寒くないし、輻射熱暖房の心地よさを得ることができるわけですが、人それぞれの暮らし向きで床暖房の使い方や考え方も変わるんでしょうね。

 でも床暖房と無垢の床板は絶対×じゃないことは知って欲しいと思います。

掃除

2010.12.16.06:41

 最近家の中でほうきを使うことが少なくなっているように思います。IMG_0401.jpg

 家の外でほうきを使うことはあっても、家の中では掃除機を使う方は多いと思います。
 住み始める直前まで杉の床なのでタイヤの跡が付かないようにと掃除機以外の方法を探していました。

 あれこれ探しているときに設計事務所のスタッフがクイックル・ワイパーで十分だよって教えてくれました。
 最初はえっ、そんなんでいいの?と思ったのですが試してみたらこれが結構いいんです。

 今でも床掃除はクイックル・ワイパーだけです、化学雑巾を使わなくても艶は勝手に出てくるし、汚れが気になったら固く絞った雑巾で拭けば結構簡単に汚れは取れてしまいます。

 無垢の床って隙間が空くから掃除機を使わないと隙間にホコリがたまるんじゃないかなと思っていましたが、隙間が閉じ始める梅雨の前に掃除機を一度かけてやればそれで十分です。

 ほうきも使ってみようと鬼毛の箒(ほうき)を使ってみました、この箒結構な値段がしますがなかなか使い心地はよかったです。
 ただ家内が言うには毎日使うんだったらクイックル・ワイパーの方がいいって・・・ そうそう、紙でできた”ちりとり”もよかったです、静電気が起きないのでゴミのキレがいいんです。

障子

2010.12.15.01:06

 障子は和室って考えている方は結構多いと思います。
 我が家は一階がすべて障子なのですが生活してみて障子というか障子紙の意外な効果を発見しました。
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 障子戸は引き戸ですからカーテンほど隙間ができません、冬はカーテンであれば隙間から冷たい空気が流れてくるのがわかると思いますが、障子戸は冷たい空気が漏れてこないのです。

 もう一つカーテンは洗濯しないと汚れがひどくなってきますが、障子は張り替えるだけで新品に戻ります。と言いながら未だに張り替えておりません・・・
 破れていないし黄ばみも見られないので張り替えていないのですが、二階のカーテンは少し汚れが付いてきました。

 障子紙に断熱効果があるんだったらと思いついて、冬に二階の洗濯干場にも障子紙を貼ってみました、すると直下のリビングの温度が一度上がったのです。
 障子紙一枚貼るだけで部屋の温度を一度も上げるのですからたいした物だと感心しております。

 夏は西日が当たる部屋にも使えそうです、障子は光も柔らかくしてくれますから部屋は明るいけど温度がさほど上がらないのです。
 畳じゃなくても杉の空間には障子がとても合います。
 障子は和室と思い込む前に建築士に障子のことも聞いてみられたらなにかアイデアがあるかもしれませんね。

杉の香り

2010.12.14.00:21

 杉の香りはヒノキなどと比較して控えめだと言われます。
t_RIMG0177.jpg 地味な香りとでも申しましょうかヒノキの製油はよくありますけど、杉の製油はあまり見かけません。
 家では杉を使っていますから杉の香りが家中に充満しているはずなんですが、家族にはそれがわかりません。
 時々遊びに来た知人が木の香りっていいよねって言ってくれるのですが、私たちにはそれを感じることができないわけです。

 なにか損をしてるようにも思いますが、杉の香りの中には様々な作用があって普段の生活の中でぐっすり眠れたり、強い匂いを押さえてくれたりと地味な活動をコツコツしてくれていることがわかってきました。

 香りは感じなくてもよい事をしているのであれば良しとしましょう、でも何年ぐらい香りは出ているのでしょうか。
 我が家はすでに5年経っていますが来客は香りがするって言いますから未だに出てるみたいです。

 せっかくの香りも慌てて高温乾燥してしまうと、酸っぱい匂いになってしまいます。
 酸っぱい匂いを杉の香りと勘違いしないためにも、自然に乾いてくれるまで待ちましょう。
 そういえば家のトイレには芳香剤がありません、イヤな匂いがしないから置いてないのですが杉の香りがイヤな匂いを押さえてくれているのかもしれません。

木の品質

2010.12.13.23:58

 木は産地が注目されますが木の品質についてはあまり聞かないように思います。
 木の産地に行ってきた話をしていたときも、その産地は有名なの?とかその産地の木は高いの?と言った産地に関する話が多かったように思います。 

 確かに産地が冠につく木は無名な木よりも高値で取引されているようにも感じます。
 でも産地と品質は同一では無いと思うし予算が厳しい私には無名であっても品質さえよかったらそれで十分です。
 では木の品質ってどんなことでしょうか。t_RIMG0182.jpg

 樹齢がある
 年輪が細かい
 赤身が美しい
 真っ直ぐ
 天然乾燥されて適度に乾燥している
 色合いが揃っている

 色合いが揃っていると言うことは、産地よりもさらに細かく同じ山で伐採された木を揃えるか、または大量の中から色合いが揃っているものを選び出すかぐらいしか思いつきません。

 大量の中から選び出すなんてそんな贅沢はできないだろうし、条件を満たそうと思うと山から直接木を買うしかなさそうですが、食品だったら産地直送が珍しくないのに木の産地直送というと引いてしまうかもしれません。

 でも設計事務所の中には家に使う木を産地直送で揃えてくれるところがあります。

 製材所に見学に行ったとき木材市場と産直する木が横に選別してありました。
 丸太の状態で置いてあるのですが私が見ただけで産直用の方が大きいし、年輪は詰まっているし色は綺麗だし、どっちか選べと言われたら絶対こっち!だって思いました。

 山側としても産直した方が高く売れるし、出荷した木の行き先もわかるし、苦労は多いようですが都合がいいそうです。
 高く売れる、つまり私が高く買わされるようにみえますが、市場で買うよりも安く手に入れられるので私にとっても高い品質の木を安く手に入れられるので都合がいいわけです。

 木の品質が高ければそれを表に出して使う方がいいと思うし、その方が綺麗で年間を通じて適度に調湿もしてくれます。

木は腐る

2010.12.12.14:12

 木は腐る!確かに木は腐りますが、正しく使えば腐るのは使い始めた人が亡くなったずっと後のことです。
t_2010_03_28_1227.jpg
 木は不思議なところがあって輪切りにすると赤い部分と白い部分に分かれています。
 白い部分では水を吸い上げたりして活動をしていますが赤い部分は活動が止まっています。

 この活動が止まっている部分には木が生きている間、ずっと腐らないように腐りにくい成分がたくさん詰まっています。

 木の中心部分は樹齢100年であれば50年以上前に活動が止まっていると言うことになります、赤い部分には50年以上も腐りにくい高性能な成分を貯め込んでいる部分でもあります。

 これを活かして赤い部分を使えば外壁やお風呂など水回りにも使えそうですが、現実はそうでもなくて白い部分でも外壁に使ったりしてうまく使い分けられずに木は腐るから塗装で保護しましょうという話に勢いがあるように感じます。

 でもちゃんと使い分けてくれる方々はいらっしゃいますし、そうした方々を捜す苦労はありますが、正しく使い分ければ木はとても長持ちする高性能な材料ですし、50年先でも交換可能なロングセラーでもあります。

 写真の丸太は長い間山に放置してあったものです、表面は腐り落ちていますが、赤い部分は今からでも使えそうです。

梁は松

2010.12.11.13:39

 横物に杉を使うなんて思い切ったね!遊びに来た知人(建具屋さん)が一言感想を言ってくれました。 t_DSC_4218.jpg

 横物とは梁のことで、思い切ったとは梁には松が使われることが多く、杉を梁として使うことは私の地域ではほとんど無いそうです。

 なぜ杉を使わないかといえば杉は横方向にして使うと強度が足りないとされているからです。
 ヤング率といってたわみにくさを表した数字が杉は小さい、たわみやすい材料として捉えられています。

 ですから知人はたわみやすい杉を梁に使うなんて思い切ったことをしたねと言ったわけです。

 確かにヤング率は松の方が大きい(たわみにくい)のですが、地域によっては当たり前に杉を梁として使っているところもあります。

 梁として使える木を選別して、正しく製材された杉の梁には十分な強度があると言うことです。

 松がヤング率が高いと言う話には続きがあって、今使われている松は日本の松では無くて外国(米松)の松が多くなっています、ヤング率が小さいからと言って国内の杉を素通りして外国まで取りに行かなくてもと思うし、大きな力が梁に加わったら梁が折れる前に接手仕口が壊れると思います。

 梁や柱が表に出ているのであれば梁も杉の方が綺麗だと思うのですが、私の地域では梁に杉を使うのは少数派のようです。

杉の床

2010.12.10.13:29

 杉のt_DSC_4266.jpg床は柔らかい。
 杉を床材に使うことには賛否いろいろあって柔らかいから良し、柔らかいのは困る、いろいろだと思います。
 他の床材に比べて杉は塗装されずに使われることが多く汚れがつきやすいという話もよく聞きます。
 小さいお子さんがいらっしゃるとおもちゃを叩きつけたり、家の中で車にまたがって動き回られたらタイヤの跡が家中についてしまいます。

 いろいろ言われる杉の床ですが年中裸足で生活できる床はそんなに多くはありません。
 裸足にこだわるのは気持ちがいいからです。
 杉の床が気持ちがいいのは針葉樹である杉は断熱効果が高いので冷たく感じにくいとか柔らかい質感だけではなさそうです。

 杉板に熱圧処理すると春目と秋目の硬さの違いから細かい凹凸ができます、うずくり仕上げと言うそうですがこの細かい凹凸が何というかとても心地よいのです。
 床を指でなぞると細かい凹凸はわかるのですが見てもわからない程度です、このほんのわずかな凹凸が裸足の生活を誘います。

 汚れたら固く絞った雑巾で拭けば汚れは落ちます、傷は直すことができます。
 汚れても傷がついても裸足で気持ちよく生活できる杉の床は魅力があると思っています。

室内干し

2010.12.09.13:12

 我が家では洗濯物はいつの間にか家の中で干すようになってしまいました、理由は単純でよく乾くからです。
 家の中で干していても変な臭いもしないし、急な雨に驚くこともありません。
IMG_0391.jpg
 特に冬の時期は助かっております、地域によると思いますが冬の乾燥する時期に家の中で洗濯物を干すのは適度な加湿として働いているようにも思えます。

 最近は壁に珪藻土や漆喰を使う方も増えてきたようです、確かに珪藻土や漆喰には調湿性があります。
 ところが調湿できる能力の話になるとあまり聞かないように思います。

 一日分だけの湿気を吸い込めるがそれ以上すわなくなる壁と、季節の変わり目までゆっくり湿気を吸ったり吐き出したりできる壁両方とも調湿性は有りですが、どちらの壁が優秀なのでしょうか。

 漆喰、珪藻土や板でも厚みが関係しているように思います。
 つまり厚みがないとある程度までは調湿できるが季節の変わり目までの長い時間に渡って調湿性が保てないようなのです。

 プラスターボードの上から漆喰や珪藻土を1ミリ塗っただけの壁と下塗りから塗り重ねて厚さ6ミリ以上ある漆喰や珪藻土の壁では表面は同じ仕上げでも調湿性には大きな違いがある思います。

 こんな話をしていて我が家の壁はプラスターボードに塗装してあるだけの全く調湿性が無い壁です。

 それでもなぜ季節の変わり目まで家全体の調湿性が保たれるのか、それは柱や梁、床や天井の厚みを持った木を表面に出しているからです、壁には調湿性が無くても木を表に出してやることで冬でも洗濯物がよく乾くみたいです。

フシ

2010.12.08.08:53

 木は好きだけど枝はイヤだ!いきなり変なことを言いましたが、ご年配の方は柱や板には節(フシ)が無いのがよろしいと感じていらっしゃる方が多いように思います。t_IMG_0360.jpg

 節は枝の断面だと言うことは誰でも知っていることですし木には必ず枝があることも十分ご承知のはずですが柱、板になると節は×なのです。

 別に節が何か私たちに悪さをするわけでもなければ強度に問題を起こすわけでもないのですが節は×なのです。

 そこで頭のよい人が考えました、節のない綺麗な材料を薄く切って節のある材料や集成材にうまく張り合わせれば売れるかも!安くて綺麗な柱はよく売れました。

 まてよ・・・節のない材料を写真に撮って印刷した方がもっと安くできるかも!これも大成功でした。

 ツキ板も印刷も調湿性はおろか色艶の深まりもありませんがよく売れるのです。
 どうもおかしい、悪さをしない節があるだけで×でいきなりツキ板や印刷まで行ってしまいます。節があっても調湿性や色艶、香りは全く変わらないのですが節だけ見てすべてを放り投げてしまいます。

 どうしてこんなことになってしまうのでしょう、木の値段が関係しているみたいです。 
 柱や板は節の有る無し、あっても小さい大きいと言った等級があって無節の材料が最も高価です、柱や床板を決めるときに施工主が天然乾燥された柱や板を使いたいと言ったとします、施工者は節が嫌われると知っていますから無節の柱や板を勧めてきます。

 ところが無節の材料は節のある材料に比べて5倍以上値段が違います、家一軒にかかる費用のうち構造材や板が占める割合はだいたい2割程度だと言われています、これが5倍もしたらとてもサラリーマンには手が出ない代物になってしまいます。 
 そんな高いものには手が出ないのでツキ板や印刷にするとなっているとしたら残念なことです。

 家全部を無節にするととんでもない金額になりますが畳のある部屋だけとか一部に使う方法もあります、木が好きなら枝は必ずついているものです、後は使う側がそれをどのように捉えるかだと思います。
 木の値段は段階があって選べることを多くの方に知って欲しいと思います。

柱、梁を塗る

2010.12.07.12:48

 私の地域では柱や梁に塗装することが多いように思います、塗料の種類は様々ですが何も塗らない家はあまり見かけないように感じます。 t_DSC_4239.jpg 
 そもそもなぜ塗装をするのでしょうか、柱や梁に漆を施して手間をかける贅沢なのか、塗装をしなかったら汚れが目立つから保護の目的なのか、大工さんに聞いても今ひとつピンとこないし何年も不思議に思っておりました。

 最近になって木の色が関係しているのではと思い始めました、木は自然素材なので塗装のように色が揃うわけではありません、いくら調湿性があるからと言っても床や柱の色がバラバラだったらあまり心地よい空間とは言えないように思います。

 塗装しない地域の家を見せてもらうと家全体の色合いが揃っていてとても美しく10年経った家を見ても20年経った家を見ても美しい色合いを見せています、産地によって木の色合いが揃いやすい地域は柱や梁に塗装が少なく、色合いが揃いにくい地域は塗装を施すことが多いように感じています。

 とらえ方は人それぞれですが私が見せてもらった家の中では20年経った家が一番美しかった、空間全体の色艶が揃っていてとても綺麗でした。
 こんな綺麗な家に住みたいと言ったら20年待てと言われてしまいました。

 最初にゆっくり時間をかけて天然乾燥した材料は10年、20年、30年・・・樹齢と同じ年月ぐらいまでは色艶が深まっていくそうです。

 手当たり次第に天然乾燥してとにかく材料をそろえたらいいわけではありません、このあたりの話になると素人の私たちには手に負えない世界ですが、時間をかけて天然乾燥し色艶が揃った材料を提供してくださる方はちゃんといらっしゃいます、お話を聞くと一部のお金持ちだけに建てられる家では意味がない、多くの方に使ってもらうことに意味があると話して下さいました。

乾くまで待つ

2010.12.06.01:11

 木材は乾燥が大切です、このこと自体意義を唱える方は専門家でも少ないと思います。木は山に生えているときはたくさんの水を幹の中に蓄えています、時期によっては自分の重さの倍ぐらいの水を蓄えているときもあるそうです。t_RIMG0174.jpg

 このまま製材したのでは水が抜けて縮んでしまい求める木材の寸法が狂ってしまうので、ある程度乾燥させてから製材することで安定した寸法が得られるようにしているわけです。
 昔は山から木を下ろすときに重たいと作業も大変なので伐採した後、そのまま数ヶ月放置して葉っぱが枯れてから下ろしてきたそうです。

 今は重機がありますからすぐに山から下ろすこともできるし、乾燥機の中に入れたら数日で目標とする含水率まで下げることもできるようになりました。

 ところがよかれと思ってやったことが思わぬ結果を生むことは世の中よくあることですが、木材の乾燥でも山から切り出して早く製品として出荷することが思わぬ結果を生むことになっています。

 山から早く下ろしてきて乾燥機の中に入れて高温で乾燥させると木が持っているよい成分が水と一緒に抜けてしまったり、高温によって変質してしまったりします。

 ゆっくり時間をかけて自然乾燥した木材と高温で短時間に乾燥させた木材とでは色も香りも全く別物になってしまい私のような素人が見てもすぐにわかります。

 木は肌の美しさも重要な要素ですが高温乾燥してしまうと木が持っている艶も失われてしまいます。
 そんなの大壁仕様だから関係なくて早く製品にした方が絶対お得!と言うのは施工主側の話では無いようです。

 ところが施工主にも原因があって早く家が欲しいのは誰も同じでしょうけど、柱や梁が乾燥過程で動くことによって隙間や割れが出てくるのをクレームとしてしまうので、施工者としてはクレームを避けるためにも出荷時点で木が動かないところまで乾燥させたいというのが、大きな原因であるように思います。

 施工主が木の特徴を理解していれば木が持っている本来の色、艶、香りを何十年にもわたって楽しむことができます。
 そのためには何が必要かと言えば待つ!木が自然の状態で少しずつ乾いていくまで待つだけです。

 以前設計事務所に住宅設計を依頼すると時間がかかるという話をしましたが、乾燥機を使う人工乾燥と天然乾燥ではその割合が9:1ぐらいですからなかなか天然乾燥材が欲しいと思っても手に入りにくくなってしまいました。

 設計事務所の中には今でも天然乾燥材を使って真壁仕様を標準とする作品作りに取り組んでいるところがあります。
 間取りが決まると家の構造も決まりますからそれから山に材料の注文をします、そこから最低半年は自然に任せて乾燥していますから間取りが決まってもすぐには家を建てられないのです。

 でも待つことで木が持っている本来の色、艶、香りを長きにわたって楽しむことができるわけですから待つ!価値は十分あると思っています。

 天然乾燥で真壁仕様の家は高くて手が出せないんじゃないか・・・

 我が家に見学に来た方々は一様に自分には無理とおっしゃいますが、私も最初はそう思ったと正直に話しています、安くは無いけど一般サラリーマンが手が出ない家では無いことを知って欲しいと思います。

割れる柱

2010.12.05.00:57

t_IMG_0364.jpg
 無垢材の柱と言っても木の芯を残した芯持ち材と、芯を外して製材した芯去り材があります。
 一般住宅の柱には芯持ち材を使うことが多く芯持ち柱は割れることから、あらかじめ背割りと言われる加工を施した柱も見かけます。
 芯持ちの柱は割れるけど強度には影響ないと言うところまではよく聞くのですが、そもそもどうして柱が割れるのでしょうか?

 山に木が立っているときはたくさんの水を含んでいますからそれを梁や柱として使える状態まで乾かす必要があります。
 乾くときは表面から乾いて縮んでいくのでまだ乾いていない内部との間に引っ張りの力がかかります、この引っ張りが木が割れる力になっています。
 最初は小さな力ですが乾燥が進んで柱の表面にかかる力に耐えられなくなるとバシッと音を立てて割れるわけです。

 天然乾燥された柱をよく見ると細かい割れが他の面にも見られることがあります、大きな割れは一面だけなのですが木が乾いて縮んでいくときにどこで割れようか迷いながらどこかの面が大きく割れることで落ち着くようです。

 割れた柱を見ると割れ目が反対側まで貫いているのでは無いかと心配になりますが、割れ目は木の中心部止まってしまいます。

木で家を造ること

2010.12.04.00:46

 どんな家がよい家か尋ねられて明確に答えられる人は少ないと思います、よい家はその人によって違うから・・・って逃げてしまいそうです。
 確かに人によってとらえ方は違うでしょうけど、誰もが知ってることをまとめていくと方向性は見えてくるように思います。

 木造建築は我が国の気候風土に合っていて手入れさえすれば長持ちする。

 国内には木材が大量にある。

 着物や掛け軸など大切なものは木の箱に入れて保存する。

 大工さんがたくさんいる。

 これらのことから木を使うことが何となく良さそうだと感じてきます。
 とりあえず木を使って家を建てようと思っても木造住宅は木を使った家じゃないの?って言われそうですが、何でもかんでも木なら良しではなさそうです。

 そんなことを調べていると昔は当たり前だったことがいまは昔話になってることが結構あることがわかってきました。
 木と言っても集成材やツキ板と呼ばれる加工品が多く使われていること、無垢材であっても壁の中に柱や梁が隠れてしまう大壁仕様が一般化している現在ではあまり注目されなくなっていること。

 木には調湿性があることがよいとされてきてそれを活かした家が我が国の気候風土に合った家のはずだったのがいつの間にか本来の機能に注目されなくなってしまっているように思いました。

 エアコンや設備で補えるから木にこだわらなくてもいいやと考える前に木の持っているもう一つの機能について注目したいと思います。

 床材には様々な材料があります、フローリングと言うと一般的には木目をイメージすると思いますが加工品であれば別に木目にしなくてもよいはずです。
 木目が多いのは人気があるからでしょう、つまり木には耐力や調湿性の他に見た目の心地よさがあるように思います。

 無垢材であれば調湿性も木目の美しさも本物ですが加工品になると調湿性はほとんど無くなり見た目の美しさも上辺だけのものになってしまいます。
 そんなことわかっているけど無垢材は高い!と私も思っていたんです・・・ところが高いのは高いが手が出せないところまで高いことはなくもっと別の問題があることがわかってきました。

 無垢材は動くんです、柱にしても床材にしても無垢材は調湿する代わりに動きます。
 乾燥すれば体積は小さくなるし、梅雨の時期には体積は増えてきます。床材であれば乾燥した冬は床に隙間が空くことになります。

 これがクレームになって施工業者を悩ませるので、動かない加工品を進める傾向があるようです。
 しかし考えてみれば床に隙間ができたからと言って何か悪さをするわけでもなく、床下から冷たい風が流れ込んでくるようなこともなく、単に隙間が空いているだけなのです。

 調湿性があるから床が動くことさえ理解していれば別に騒ぐことは無いし本物の木は住み始めて時間が経った今でも美しいと感じます。

すぐには建てられない

2010.12.03.00:20

 設計事務所に設計してもらった家は手が出ないほど高くは無いが、お気軽ってわけにはいきません。

 ハウスメーカーであれば何度か打ち合わせをして契約が済み半年もすれば新居での生活が始まりますが設計事務所では少し違ってきます。

 設計事務所が決まって間取りも決まるまでに半年ぐらいそこから設備や細かい仕様を決めていくまでにさらに半年、最終の図面ができあがって施工者が決まって新居で生活が始まるのは相談から1年半ぐらいかかることが多いようです。

 一口に設備を決めると言っても設計事務所は何でも有りなので迷いだしたらキリがないし、キッチンやお風呂はもちろん、コンセントカバーの色まで決めなくてはいけません。

 慌ただしい世の中ですが時間がかかることは知っておいたらよいと思います。
 時間がかかるには理由があってその話は別の機会にします。

予算

2010.12.02.00:16

 設計事務所に設計してもらった家は高い!と雰囲気的に思っておりました、一部のお金持ちや道楽で家を建てる方々の世界だとずっと思っていました。

 自分の家を設計事務所に依頼するなんてと勝手に思い込んでいた節もあります。

 実際は坪単価が25万円とか30万円とかと言われると苦しいがだからといって70万円とかそれ以上で無いと無理な世界でもないみたいです。

 そもそも坪単価っておかしな数字でキッチンが50万円を選択した場合と200万円を選択した場合他の部分が同じ仕様であっても坪単価が変わってしまいますし、吹き抜けまで床面積に入れるとすぐにお値打ち価格になってしまいます。

 建築士は設計を始める前に相談者の予算を必ず聞いてきます、このとき正直に伝えないと後から後悔することになるかもしれません、予算はいくらなのか事前にしっかり把握して相談されるとスムーズに進むと思います。

 自分がやってみて思ったことは家本体よりも設備費の方が幅が大きく、相談者がどの設備を導入するかが大きなウエイトを占めているように感じました、新築の機会にテレビを新調しようとかどうせなら5.1CHホームシアターも欲しいなんて言っているとあっという間に予算を超えてしまいそうです。
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