TS伐採ツアー

2012.11.27.18:38

 伐採ツアーに参加してきました。
 何度か参加していますが今年は私にとって特別なものになりました。2012伐採ツアー

 伐採ツアーには一般の参加者の他に大工さんや建築士、建築を学んでいる大学生など様々な方がいらっしゃいます。
 以前に林業家が伐採を間近で見ると何かが変わると言っていましたが、何がどう変わるのか私には分からずに伐採の体験という感じで終わっていました。

 ところが今回は自分の中で一つ変わったというか気がついたことがあります。
 木の家は木を使って家を建てるわけですが、思い直してみると木材を使って家を建てるのが木の家だと思っていたことに気がつきました。

 分かりにくい話ですが、山に生えている植物としての木と家の材料として使われる木材を別のものとして捉えていたように思います。
 木材は乾いていないと使えないので乾燥は大変重要なことだと思います。ところが乾燥だけが一人歩きして乾いていることが何より大事だという話になっているように感じます。

 木はその9割を主要三大成分で占めると言われます。のこり1割にも満たない抽出成分が樹木に特徴的な色や香りなどを生み出しているそうですが、樹木に抽出成分が無かったら色や香りが同じで形だけが違う味気ないものになってしまうのかもしれません。
 また抽出成分は高温に晒すと揮発したり変質してしまいます。

 以前にもスギの香り成分は高温に晒すと酸っぱい臭いに変わると書いたことがありますが酸っぱい臭いがスギの香りだと勘違いしないようにしたいものです。
 さらに木は腐るから防腐処理をしましょうと言われます。
 これも木が植物だと言うことに気がつくと妙な表現だと感じられます。切り株

 年輪が100ある杉の木を伐採すると中心部は100年ぐらい前の部分です。木が生きているから腐らないという人もいましたが赤身の部分は死んだ細胞の集まりなので、中心部は随分昔に死んでしまった細胞が腐らずに綺麗なままで残っていることになります。

 抽出成分の中には木が腐りから身を守る成分も含まれているそうですが、これも高温に晒すと失われてしまいます。
 つまり100年間腐らずに綺麗な状態を維持してきた実績を横目に、高温で水と一緒に抽出成分まで抜き出して腐りやすくなった木材に後から薬剤処理するという話になっているみたいです。

 今回のツアーで私はわが家に使われている木が植物として持っている様々な特徴を活かしながら使われていることに気がつくことが出来ました。

床の塗装

2012.11.15.23:54

 わが家の床はスギ板で入居前に米ぬかワックスを一度塗ったあと7年経過しています。
 最近でも床に何を塗っているのか聞かれるので、スギの板に塗装したらどんな感じになるのか試してみることにしました。
塗装板との比較
 赤身板にリボスのメルドスを塗ってみました。(2度塗り)
 ① 無塗装部分
 ② ①にメルドスを塗った。
 ③ 経年変化した部分にメルドスを塗った。
 ④ 7年経過した源平板(床板)

 ④は③と同じように見えます。
 わが家の床も塗装した板も天然乾燥材で同じ産地の板ですが熱圧加工してあるかしてないかの違いがあります。

 メルドスは板に染みこんでいくオイル塗料なのでシリコンやウレタン塗装のような表面に膜を作ってツルツルになるタイプではありません。
 触ってみると7年も足裏で磨かれている床と塗ったばかりの板を比べているので艶は違いますが感触に大きな違いはありません。

 塗料が乾くまでは臭いがしますがシンナーのような臭いではないし、乾いてしまえば板に鼻を近づけてもほとんど感じなくなります。
 何度も床に何を塗っているのか尋ねられて気になっていたのですが、比べてみると熱圧加工板が塗装した板のように見えることが分かりました。

 価格は熱圧加工の付加価値分高くなりますが、無塗装の板に塗装すれば塗料と手間がかかります。
 また、それを何年かごとに繰り返すことになるので何もしなくても良いというのは使いやすいように思います。

 今回は塗装した板との比較でしたが熱圧加工板は表面の細胞が押しつぶされているので木目がはっきりして艶が出るとか、汚れがつきにくいとか、うずくり状仕上げ(早材部と晩材部の凹凸)ですべりにくい床になるとかいろいろな特徴があります。
 反面、水をこぼしたままにしておくと水の跡が残りますが、時間が経つとほとんど気になりません。

 水の跡は気にならなくなりますが、7年経った今でもやってきた人は何を塗っているのか聞いてくるし、汚れがつきにくいとかすべりにくいなどと言った熱圧加工板の特徴は変わりません。

スギのブランド

2012.11.11.12:30

 スギは日本中どこにでもあるし昔から家や生活品、船にまで使われる身近なもので世界中にあるのかと思っていましたが、スギは日本固有種で生物の分類でもスギ属の生物はスギしか無いそうです。林業家のブランド
 庭に植えられるスギによく似たコウヨウザンはヒノキ科コウヨウザン属ですし、ヒマラヤスギはスギの名前がついていますがマツ科 ヒマラヤスギ属でスギとは遠い植物です。

 私たちに身近なスギですがどこどこのスギは強いとか、富山のボカスギは弱いとか産地によっていろいろ言われています。
 私もスギのことを学ぶまでは富山のスギは強度が落ちるので家には使わない方がいいと思っていました。

 ところが実際に調べてみると強いスギと比べると強度は小さい傾向がありますが家に使うには十分な強度があるし、強ければ割れたり反ったりする力も強いので柱などは十分な強度さえあればそこそこの方が割れ方もおとなしくなる傾向があるそうです。
 といっておきながらわが家は富山のスギではありません。

 家は真壁なので柱や梁が表に出ているし、天井板もないので野地板まで見えます。住み始めてから7年が経ちましたが最初は色の違いがはっきりしていた源平の板も赤身の板と見分けがつかなくなりましたし、赤身の板も新築当初よりも落ち着いた色になってきました。
 天然乾燥材の一番の特徴は色艶が良いことと言われます。わが家は天然乾燥材だから色艶が良いとつい最近まで思っていました。

 天然乾燥すると木がもともと持っている成分が残っているので色艶・香りがいいのは確かですが、林業家はもう一手間かけています。
 建築士から林業家は家に使う木を選別していますと教えてもらいました。
 私はおかしな木や腐ったり傷んだりしているものを除いているのかと思っていたんです。

 ところが林業家は赤身の色が良いとされる産地でありながら強度が優れ色が良く、癖が少ない素直な木を選んで林業家のブランドとして出荷しています。
 山から製材所にやってくる木の中で林業家のブランドとして出荷できるのは全体の2割ぐらいだといいますからかなり厳しい選別をしているようです。

 さらに家の平面図を見ながら出荷する木を選ぶことまでやっています。家の中で見栄えがする場所にはこの木、隠れて見えにくい場所にはこれ、と林業家が図面を見ながら選んだ木が大工さんのところにやってきます。
 大工さんは番付の時に木を並べてどこに使おうか決めていきますが、大工さんも木を見るので隠れて見えない部分に綺麗な木を割り当てるようなことはしません。

 伐採された木から林業家のブランドとして選別された木を大工さんが見て家の形に組み上がっているわけですが、それを見て天然乾燥材は色艶がよいと言っていたわけです。
 天然乾燥材は確かに色艶が良い材料ですが、わが家には林業家の選別というもう一手間かかっていることを今頃になって分かりだしている次第です。

 建築士は当初から選別について話してくれましたが、私がその意味を理解できなかったわけです。
 真壁仕様の場合は構造材としての強度だけじゃなく木が見えると言うことも大事な要素です。今までは見えると言えばフシぐらいしか思いつかず、家全体として捉える視点に欠けていたように思います。

 最初から見られることを意識して選別している林業家のスギを家中に使うことで家全体の色が揃います。
 色が揃うことは構造とは別の話ですが、住まい手には大きな魅力だと思います。

木の家の調湿性

2012.11.07.11:26

 木の家は調湿すると言うので調べてみることにしました。 (測定期間11月1日~11月6日)
 グラフには室内温度、室内湿度と絶対湿度を元にして計算した計算湿度を表示しています。
木の家の湿度変化
 普通に湿度というと相対湿度のことを指します。ある温度において保持できる水蒸気量に対して現在どのくらいの水蒸気があるかをパーセントで表します。
 絶対湿度は1立米当たりどれだけの水蒸気があるとか、1㎏の乾燥空気の中にどれだけの水蒸気が含まれているかを表します。

 温度が変われば保持できる水蒸気量が変わるので水蒸気の量が同じであっても温度によって相対湿度は変わってきます。
 家の中の場合普通に生活していれば一日の中で水蒸気量が大きく変化することがありませんが、室温は変化するので本来であれば相対湿度も変化するはずです。

 ところがわが家では室温が変化してもほとんど相対湿度に変化が見られません。
 湿度計がおかしいのかと別の湿度計を使っても結果は同じですし、屋外に湿度計を移すと値が大きく変化することから湿度計に問題は無いと思われます。

 室温が変わると相対湿度がどのくらいになるのかは計算で求められます。
 本来は時間ごとの絶対湿度を計算してそれに対する相対湿度を求めることになるのですが、家の中では大きく絶対湿度が変化しないので基準になる絶対湿度を決めてそれに対する相対湿度を計算しています。

 グラフでは実測湿度はあまり変化しませんが、計算による湿度は大きく変化しているのが分かると思います。
 乾燥している木は周囲の温度や湿度に対して一定の含水率を保とうとする特徴があります。

 例えば温度20℃湿度65%の環境に置かれている木材の含水率が12%であったとします。
 湿度が40%に変わると含水率は8%ぐらいになろうして水蒸気をはき出します。
 逆に湿度が80%になると含水率は16%ぐらいになろうとして周囲から水蒸気を吸い込もうとします。

 こうした特徴が木の家の中で起きると室温が高くなると相対湿度が下がるので水蒸気をはき出し、逆に室温が下がって湿度が上がると水蒸気を吸い込みます。
 これが連続的に起きることで結果的に室温が変化しても室内の相対湿度がほとんど変わらない環境になっているものと思われます。

 測定値そのものは厳密なものではありませんが、測ったり調べてみて木の調湿性について学ぶことが出来ましたし、わが家では室内の相対湿度が一定に保たれるだけの木が使われていることも分かりました。

見えないフシ

2012.11.01.11:39

 フシは木材の欠点とされることが多いようですが、枝の無い木はありませんから枝の断面であるフシが無い木材も無いはずです。見えないフシ2
 ところが世の中には無節材という超高級木材があります。
 今まではフシが無い木材は高級とされ値段も一等材よりも数倍高価だと言うぐらいにしか捉えていませんでした。

 杉にはたくさん枝があるし、枝打ち作業を行っても切った後が幹に取り込まれていくだけで枝そのものが消滅するわけではありません。
 フシがなさそうに見える表面を観察してみるとフシが無い!のではなくてフシが見えないだけだと言うことに気がつきます。

 最初の写真は枝が板の中程で止まっているので表面には見えません。見えないフシ1
 2枚目の写真はフシにはみえませんがもう少し削れば立派なフシが出てきます。
 パッと見てフシが無いように見えても隠れているだけの場合もあります。

 こうしたことが分かってくるとフシの捉え方も少し変わってきます。
 フシの少ない柱や梁は林業家がフシが表に出にくいように枝打ちなどの手入された木を、製材所でフシが表に出ないように加工してくれたおかげだと言うことが見えてきます。

 最近遊びに来た知人にこの話をしたらとても喜んでくれてもっと木のことを知りたくなったと話してくれました。
 私たちの身の回りには山もあるし木を使った製品がたくさんあります。
 身近な木ですが改めて考えると知らないことが多く、漠然とした捉え方をしていることが多いように感じます。

 私は木の家で生活するようになってから木のことを学ぶ機会が多くなりましたが、作り手だけじゃ無く住まい手も身近な木を知る機会が増えてくれたらいいと思いました。

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