家具の裏

2012.12.21.13:12

 家具の裏や押し入れの壁はカビが生えやすいというので調べてみました。
 いきなり家具の裏や押し入れの壁にカビが生えるわけじゃ無くて、最初は結露しているはずです。 家具の裏の温度

 結露するためには水蒸気が飽和する温度まで壁の温度が下がらないといけないので家具の裏や押し入れ壁の温度と室内の湿度を測ればだいたいのことは分かります。
 写真は外気温、リビング、押し入れの中、家具の裏の温度を表示しています。

 家具高は2mで家具の裏側の床から1mぐらいの高さ、柱と柱の間(真壁仕様)の風通しが悪い空間の温度を測っています。
 壁の温度は外壁に面している側を測っています。
 押し入れは中のものと壁の隙間の温度を測っています。

測定場所温度壁の温度相対湿度
外気温7.0℃3℃62%
リビング21.4℃18.5℃40%
家具の裏15.9℃14.8℃54%
押し入れ18.4℃17℃46%

 外壁の温度は外気温よりも低くなっていますが、日中でも2℃を上回らない日が続いていたので日射が当たらない外壁の温度変化は緩やかなのが影響しているように思います。
 屋外とリビングの湿度測定にはアスマン通風乾湿計を使いました。

 床暖房でも家具の裏は温度が下がっていますが、結露するほどでは無いことは分かりました。
 家具の裏にはホコリが溜まっているもののカビはついていませんし、壁に水分計を当てて調べてみても室内の壁と同じだったことから今のところ押し入れや家具の裏側には結露は無かったものと思います。

床暖房

2012.12.19.03:40

 床暖房と無垢の床板は相性が悪いと言われますがスギ床のわが家では何の問題もありません。
 無垢の床板で床暖房すると床板の温度が上がり過乾燥になって隙間が空いてしまうとか床板が反り返ってしまうなどいろいろ言われていますが、わが家では隙間が空いて床の下地が見えるとか床板が反り返るところは1カ所もありません。

 建築士にうちでは何の問題も無いのにどうして床暖房と無垢材の相性は悪いと言われるのか不思議だと言ったら「うーん・・・」と言うだけだったので何かの工夫があるのだとは思いますが、床暖房と無垢材の組み合わせは×で無いことはわが家が証明しています。

 さて、床暖房すると家中の温度差が無くなってヒートショックが起きにくいとか床だけじゃ無く壁や柱・梁も暖まるので室温の割には体感温度が高くなるとか良い点が強調される中、家中の温度差が無い環境で生活すると体がバカになって弱い体になってしまうとか廊下や寝ているときまで暖房するのは燃料費が無駄になると言ったマイナス面も聞きます。

 生活していて床暖房の効果を実感できるのは室内で結露しないことだと思います。
 床暖房は輻射熱暖房なので石油ファンヒーターのように室内で灯油などの炭化水素を燃やさないので水(水蒸気)が出ません。

 結露は空気中の水蒸気が冷たい窓や壁、家具に触れて飽和することによって起きるので、結露を防ぐには空気中の水蒸気量を減らすか窓や壁・家具などを暖めてやることが効果的だと思います。
 床暖房は空気中の水蒸気量を増やさずに窓や壁・家具の表面温度を上げてくれるので結露しにくくなっているものと思います。

 結露しなければカビが生えにくくなります。
 カビは家具や冷蔵庫の裏側、押し入れの壁などにいつの間にか生えています。
 放置しておくとどんどん増えていきますし掃除しようにも一旦カビが生えるとなかなか綺麗にならないのも悩ましいところです。
 また壁にびっしり生えているカビを見てしまうと部屋全体がカビに汚染されているように感じて落ち着かないと言う方も多いと聞きます。
 室内にカビが生えにくい効果は床暖房の隠れた機能だと感じています。

 建築士は階段、押し入れとロフト以外の家中、トイレや脱衣室も含めて全室床暖房を設置してくれましたが施工側の方の中には家と冷暖房は別と捉えている方も多いそうです。
 家は建ててあげるけど冷暖房は建築とは別、つまり温熱環境に関しては断熱ぐらいは考えてあげるけど後は建築とは別の話だから施主が自分でやって下さいと言うことになっているのかもしれません。

 そうだとするとよく分からない床暖房を家と一緒に導入することは避けたいし、増して一般的に相性が悪いと言われている無垢の床板との組み合わせなど絶対避けたい傾向にあることは何となく分かるような気もします。
 これからは温熱環境も考えた家造りが求められるようになると思います。
 床暖房などの輻射熱暖房は優れた暖房手法だと言うことは間違いないので、家造りの相談の時に温熱環境のことを尋ねてみるのもいいかもしれません。

 ところで床暖房と言っても全室入れるのは無駄が多いんじゃ無いかと思われる方もいるかもしれません。
 床暖房は熱源機のスイッチを入れると全室暖房になるわけじゃ無く細かく暖房できる部屋を区切ることが可能です。
 わが家ではスイッチを入れるのは10月下旬なのですがこの時期は1階だけしか温水は回していませんので2階の床は暖かくなりません。
 11月も中旬を過ぎる辺りから2階にも温水を回しますが、寝室、子供部屋など細かく分けることが出来ます。
 寝室は寝るところだから布団に入ってしまえば暖房の必要が無いと思いますが、床板に直に布団を敷いて生活していると寝るときに布団が暖かいのは気持ちいいし、布団そのものが軽くて済む点もいいところだと思います。

 全室に床暖房を設置しない場合でも廊下とトイレと脱衣室は外したくないところです。
 廊下は外したくなりますが廊下を外してしまうとトイレや脱衣室の床暖房が効きにくくなります。トイレや脱衣室は床暖房の敷設面積が小さいので単独で暖めるには不利なこと、廊下に続くトイレや脱衣室に連続して床暖房が設置されていることで壁や柱も暖かくなるので狭いトイレや脱衣室も暖まりやすくなるように感じています。

 いずれにせよ床暖房は石油ファンヒーターやエアコンなどの個別暖房とは違う性質があるので温熱環境のことが分かる技術者に相談することが大事なように思います。

住宅展示場

2012.12.09.04:59

 伐採ツアーにはいつも住宅展示場の見学が入っています。何度も見ている展示場ですが毎回楽しみにしています。 住宅メーカーの住宅展示場は普通5年ぐらいで建て替えられるそうですが林業家の住宅展示場は築18年です。
 わが家は築7年ですから10年ぐらい先の木の変化が見られるというわけです。梁の割れ1

 新築直後は源平板の色の違いがはっきりしていますが3年ぐらい経ってくるとだんだん見分けがつかなくなり7年も経つと源平板と言われてもはっきり区別がつきにくくなるくらいに色の違いが無くなってきます。

 住宅展示場を見学して気がついたのは参加者が中に入った瞬間に木の香りがすごいと言ったことです。
 木の家で生活している私にはすごいと感じるほどではありませんでしたが、18年経っても天然乾燥材で造った木の家は香りを発し続けていることは確かなようです。

 また、スギの床はもっとフワフワした感触かと思っていたがしっかりしていて安心したと言われた方もいました。わが家に見学に来た方にも同じことを言った方がいてスギの床は合板の床に比べてフワフワしていると思っている方は意外に多いのかもしれませんが、フワフワしているかどうかは床材の違いでは無く床の作り方の違いなので無垢の床板だからフワフワしやすいというわけではありません。梁の割れ2

 さらに裸足の感触は18年経っても相変わらずサラサラしています。
 違うところはスギの床は年月が経つと感触がなめらかになるというか足にいっそう馴染むように感じました。
 11月17日の気温は15度ぐらいだったのですが裸足で床に触れても冷たいとは感じませんでした。

 スギ床は裸足が気持ちいいことをご存じの方は展示場に入った直後に靴下を脱いでしまいます。私も中に入ってすぐに靴下を脱いであちらこちら感触を確かめるように歩き回ってきましたが何人かの方が同じようなことをしていたのも印象に残っています。

 展示場では林業家が木の家の特徴を話してくれます。私も8年ぐらい前に同じことを聞いた覚えがありますが、スギの床は隙間が空くとか柱や梁が入居後こんなように割れるなど木の欠点と捉えられやすいことについてわかりやすく説明してくれます。

 1枚目の写真では梁の真ん中が綺麗に割れていますが2枚目の写真では割れていません。梁が割れていても裏側まで割れ目が貫いているわけでは無いことが分かると思います。

 今にして思えばここで林業家が話してくれる木の家の特徴がそれまで私が持っていた木の家のイメージをリセットする良い機会だったと思います。
 表面に見える木の割れは木の欠点では無く天然乾燥材の特徴であって強度には全く影響が無いこと、人工乾燥すれば表面には割れ目は見られないが木の中で割れてしまうことなどを木の家とサンプルを使って話してくれます。
床の張り分け
 2階の床には熱圧加工板と熱圧していない板がはり分けられているところがあります。パッとみても分からないのですが今回光の当たり方で違いが分かりやすくなるアングルで撮ってみました。
 写真で見るとはっきり違いが分かると思いますが見た目は、はり分けられていることを知っていてもどこに境目があるか分かりません。

 はじめは違いが分かる状態だったのだと思いますが時間が経つと熱圧加工していなくても艶が出てくるので両者の違いがわかりにくくなるのかもしれません。

 展示場に行かれる方は是非裸足になることをお勧めします。
 肌で感じた感触はずっと残りますし艶が出て光っているのにすべりにくい熱圧加工板の特徴も感じ取ることが出来ると思います。

 築18年の展示場というと古くさく感じる方もいると思いますが時間が経った状態を継続してみられる点では大切な役割があるように思います。
 木の家は時間が経っても人に見せられる裏返しでもあるわけですが単に見学ということだけじゃ無く木の家を知る最初の入口としても林業家の展示場は学舎として活躍しているように思います。

ミツマタと鹿

2012.12.03.12:23

 ミツマタはジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木で枝が必ず3つに分かれる特徴があり、コウゾなどと共に紙の原料として使われています。ミツマタ

 伐採が始まり写真を撮ろうしていたときの話です。
 今回は伐採時に切断面がどんな変化をしているのか連続写真を撮ろうと思っていました。
 ある程度離れる必要があるので望遠レンズを使い、手ぶれしないように一脚を立てて構えていました。
 ところスギの手前になにやら邪魔な木があります。

 林業家にあの木を取り除いてもいいですかと尋ねたら、あれはミツマタだから・・・ミツマタと聞いた瞬間にしまった!と思いました。
 私はスギの写真を撮るために林業家が植林したミツマタの苗を取ってもいいかと聞いてしまったのです。
 よく見ればミツマタそのものですが写真を撮ろうとスギばかりに注意が向いていました。伐採連続

 ミツマタは鹿の被害が深刻化する中で林業家が植林している大切な苗なのに馬鹿なことを言ってしまったと謝りましたが、林業家は私を怒らないで参加者にミツマタの話をしてくれました。

 鹿は草食動物なのでスギの苗などは探してでも食べに来ます。植林後防鹿ネットで囲っても被害が出る中、山で鹿とミツマタが共生しているのに注目した林業家がミツマタを使ってスギの苗を鹿の被害から救えないかと取り組みを行っているそうです。

 取組がうまくいけば防鹿ネットも少なくて済むし、ミツマタは1万円札にも使われているくらい良質な和紙の原料なので売ることも出来ます。
 産業として成り立てば雇用も生まれるし人が入ってくれば山も元気を取り戻すことも出来ます。

 取り除いてくれと言った写真のミツマタですが改めてみると山の救世主になるかもしれません。
 今回の伐採ツアーに参加して山にはスギだけじゃ無くて鹿もいればミツマタも植えられています。スギの山といえども様々なものがいろいろな関わり合いの中にあることを学ぶことが出来ました。

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