下着

2013.01.27.07:44

 1月下旬は富山では最も寒い時期です。
 この冬はコールドドラフト対策を施した窓の数を増やして灯油消費量を抑える試みを続けておりますが、もう一つ取り入れたことがあります。機能性下着

 下着を変えてみました。
 輻射熱暖房(床暖房)のわが家では壁や天井の温度も安定しているので最も下がったときでも体感温度は17度ぐらいあります。(室温は19度ぐらい)
 体感温度が20度あれば寒く感じることはありませんが2、3度の差は寒暖を感じる境目のように感じています。
 これまでは室温を上げるために外に逃げる熱量を抑える試みが中心でしたが、着衣によっても寒暖の感じ方が変わることに注目しています。

 寒ければ上に何か羽織ることは誰でも普通にやっていることだと思いますが、薄着の方が動きやすいので下着を暖かい機能性をもった物に変えてみました。
 これが結構いい具合で体感温度が17度でも上に羽織らなくても十分いけます。

 体感温度が20度になると汗までかきませんがこれまで以上に暖かく感じるようになり長袖のシャツにタイツを履くだけで随分違う物だと感心しています。
 長袖やタイツは体を締め付けたり着心地が悪いんじゃないかと勝手に思い込んでいましたが最近の機能性下着は薄く軽く、体を締め付けないのでよく出来ていると思います。

 温熱環境要素は空気温度、湿度、放射、気流の4つの環境側の要素と、在室者の着衣量と活動量の2つの人間側の要素とされているそうですが、わが家は建築士が環境側の要素を考えて住みやすい家を作ってくれました。
 住まい手が着衣を工夫することで余計なエネルギーを使わなくてもさらに住み心地は良くなります。

 下着を変えるのに温熱環境要素まで持ち出さなくても良さそうですが、着衣を工夫することで体感温度を上げられます。
 暖かく過ごしたいのは誰でも同じだと思います。
 漠然と捉えるよりも温熱環境要素が分かっていると何をすれば暖かく過ごせるかを考えられるようになります。

 設計事務所で家造りをするとどこが違うのか尋ねられることがありますが、家を丈夫で長持ちする建物として捉える他に温熱環境まで考えて設計してあるところは大きく違うところだと思います。
 また、温熱環境を考えて作ってある家は住まい手がちょっと工夫するだけでより快適に過ごすことが出来るように感じています。

芳香剤

2013.01.22.12:13

 築7年のわが家のトイレには芳香剤がありません。
 前の家は芳香剤があってもトイレの臭いがあったのですが、水洗だから臭わないのかなと思っていました。
1階トイレ
 先日建築士にこの話をしたら水洗トイレでも芳香剤を置いている家は多いと話してくれました。
 トイレの換気扇は人が入るとスイッチが入り、トイレから出た後しばらく時間をおいてスイッチが切れるものを使っています。

 トイレの中に入った瞬間が一番臭いを感じる場面だと思いますが、芳香剤が無くても嫌な臭いはしません。
 木の抽出成分の中には腐りや虫、カビなどに対抗する成分がありますが、トイレの臭いを消してくれる成分も入っているのかもしれません。

 臭いに関しては消臭とか脱臭とか芳香などいろいろな呼び方があってそれぞれ違う意味があるそうです。
 トイレの臭いを天然乾燥した木が消臭しているのか脱臭しているのか芳香しているのはよく分かりませんが、何も置かなくてもトイレの臭いを感じないのは7年経っても変わりません。

 前にも書きましたが木は何十年も同じ場所で生きていくために様々な成分を蓄えています。腐らないように、虫に食べられないように、カビや菌で病気にならないようになど生き物には当たり前と思えることですが、高温乾燥すると水と一緒にほとんどの抽出成分が失われてしまいます。

 健康で快適なくらしは誰もが求めるものだと思います。
 ところが健康で快適なくらしは認識しにくく、何か不都合があってはじめて気がつく側面があります。
 トイレの臭いが気になるから芳香剤を置きましょうということは普通のことだと思いますが、芳香剤が無くてもトイレの臭いが気にならない木の家はそれ自体に大切な意味があるように感じます。

 家族はスギの香りに慣れてしまって日常生活で木の香りを感じることはほとんどありませんが、家にやってきた人は必ず木の香りがすると言いますから7年経っても香り成分は出ているようです。
 木の家は芳香剤や除湿機、加湿器などが必要なく普通の生活をしていれば家の中の環境が快適に保たれるところはよいところだと感じています。
 そのためにも木が植物として持っている特徴を活かして家に使うことは大切なことだと思います。

窓の温度

2013.01.17.11:27

 窓は風や光を取り入れる大事なものですが、家全体の3割の熱が逃げていく場所でもあります。
 わが家では家中を温水式床暖房で暖めているので住み心地は申し分ないのですが燃費がかさみます。
 少ない燃料で暖めようといろいろやってきましたが、窓に注目することで消費する灯油を抑えられることが分かってきました。

 グラフは毎年の灯油消費量です。灯油消費量
 温熱環境を意識しだした2年前から灯油消費量が減ってきているのが分かると思います。
 室内の温度は20度のままなので逃げていく熱に対応した結果、消費エネルギーが減ったことになります。

 といって特別面倒なことをしているわけじゃ無く窓に衝立を置いているだけです。
 これまでも窓に衝立を置くことは何度か書きましたが、今回高さの違いでどのくらい温度が違うのか調べてみました。

 3つの温度センサーを北側の窓の上部、衝立の高さ、下部に設置しガラス面から1㎝離した部分の温度を測っています。
 窓の部位によって温度が大きく違うのが分かります。
 また、衝立の窓側と室内側には4.3℃もの温度差があります。

場所温度(℃)
屋外4.6
室内20.6
窓上19.2
窓中17.7
窓下13.7
衝立の室内側(窓下)18.0
窓温度センサー
 窓とカーテンに挟まれ冷やされた空気が室内に流れ込んでくるのを衝立で止めるだけでも灯油消費量が目に見えて減ります。
 温水ボイラーは年々燃焼効率が落ちていくので灯油消費量のグラフで見る前年比以上に消費エネルギーは減っていると思います。

 灯油消費量は7年使った温水ボイラーで40坪ぐらいの家全室暖房するのに最も寒いこの時期で日量15リットルぐらいです。
 以前は日量20リットルを超えた時期もありますが、窓に注目することで大きく燃費を節約できることが分かりました。

答え合わせ

2013.01.15.01:10

 7年前、大工さんが二人で一本の木を見ながら相談しています。
 木の背側がどっちかわかりにくい木だったので二人で相談していたそうです。反った木
 なぜ反り返る側が問題になるかと言えば、すぐ横に大きな引き戸が入ります。
 引き戸側に反ると干渉することがあるし、手直しも面倒になるので反り返るのが分かっているわけですから引き戸の反対側で反ってもらおうと言うことらしいです。
 あのシーンから7年後、どっちに反っているのか確かめてみました。

 上と下に糸を張って見ると真ん中に隙間が空いていることから、大工さんの見極め通り引き戸と反対側に反っていることが分かりました。

 (写真中の矢印の先にたこ糸を吊してあります。左側の写真は矢印の部分を拡大してあります。)たこ糸
 反っていますがそれが何かの悪さをしているわけでは無いし、普段の生活では反っていることさえ分かりません。
 大工さんは使われる場所に応じた木を選びながら番付していることは聞いていましたがそれ以外の細かいところ、例えば敷居と鴨居は木裏と木表の使い方が違うと言いますし、今回紹介したところにも大工さんの見極めが活きています。

 大工さんは納まりにこだわると聞きますが、実際に家の中で大工さんの細かい仕事を見つけると改めてすごいなと感心します。
 木は自然素材なので反ったり割れたりします、しかしそれを補う知恵と工夫もたくさんあるのですが、いつの間にか反ったり割れたりしない物に置き換わっているように思います。

 わが家に遊びに来た人が木が割れている部分を見つけることがあります。
 そのときに大工さんが木が割れてない時からたぶんこっちが割れるという見極めで建ててくれたことや、もし反対側だったらこうなると話してあげると口を揃えて大工さんの仕事はすごいと言います。

 私は反るとか割れることよりも、反ったり割れたりするからこうするという工夫と知恵の方に魅力を感じますし、大工さんは工夫や知恵を活かしながら家を建てていることがだんだん分かってきました。
 林業家や大工さんの仕事が見える木の家は住み始めて年月が経つほどその価値が分かってきます。

 これから木の家を建てる方は何度も現場に足を運んで大工さんの仕事を見て欲しいと思います。
 木の家自体の色艶は変化して行きますが、大工さんや職人さんと話した場面は私の中に色褪せずに残っています。

鉛筆

2013.01.06.15:59

 最近は鉛筆を使う人が少なくなったそうですが、なぜか私の周りには鉛筆を使う方が多いように思います。
 大工さんも鉛筆、建築士も図面はCADでも普段は鉛筆を使っているみたいですし、製材所でも鉛筆を使っていました。
 私も普段は鉛筆を使っています。鉛筆

 いろんな筆記用具がある中鉛筆を使っているにはそれぞれわけがあると思いますが、私が鉛筆を使うわけは削れるからです。
 随分前に仕事で考えることがあってなかなか良い案が浮かばず何日も悩んでいたときに気分転換に鉛筆でも削ってみるかと何十年ぶりにナイフで鉛筆を削ってみました。

 久しぶりのことだったので鉛筆削りに集中していたとき、ハッ!と思いついたことで何日も悩んでいたことが解決に向かった出来事があって以来ずっと鉛筆はナイフで削っています。

 なかなかうまくいきませんが、綺麗な6角錐に削れたときは小さな達成感があります。
 鉛筆はトンボ鉛筆のmono100を使っています。
 トンボ鉛筆と三菱鉛筆両社とも軸材にはヒノキ科のインセンス・シダーを使っているそうですが、トンボ鉛筆の方が削り心地が良いように感じています。

 また綺麗な6角錐に削るためにナイフにも少し手を入れています。
 ナイフは定番の肥後守ですが、このナイフ買ってすぐに使うよりも研いでから使った方が切れ味が良くなります。
 切れ味が良いナイフで鉛筆を削るとナイフが吸い込まれるように入っていくし、芯まで一気に綺麗に削れます。

 鉛筆の話をし出すと必ず消しゴムの話になります。
 何を使っているかどこのどれが使いやすいかなど様々ですし、それじゃ紙は何がいいかなど文具好きには盛り上がる話なのですが、私は使いやすいものを選んで使っています。

肘木

2013.01.05.12:29

 肘木は母屋などを下から支える役目をしています。
 肘木があると柱が直接当たるよりも支える面積が広くなるので継ぎ手がある場所などにも使われるし、外から肘木を見ると力強く見えます。肘木

 先日大工さんがメンテナンスに来てくれたときの話です。
 傾斜地で育った木には山側を腹、谷側を背と言ってそれぞれ使い分ける話は前にも書きました。
 梁は背が上を向くように使うことが大切だと教えてもらいましたが、肘木は腹を上に向けて使うそうです。

 理由は背が上を向いていると木が反ったときにお椀をひっくり返したようになり肘木の両端に隙間が空いてしまいます。
 腹を上にすることで反ったときでも肘木の両端で横架材を支えることが出来ます。

 さらに、肘木は家の中に使う場合と外に使う場合でも使い分けられていて、肘木を一本ずつ見て屋外用と室内用に振り分けることまでやっているそうです。
 話を聞いて早速ブログに書くと言ったら大工さんは当たり前のことなので・・・と言葉少なげでした。
 この話をきっかけに木の背と腹の使い分けについて調べ見ると、床下の大引の使い分けなど様々なところに理屈にかなった使い分けがなされていることを知ることが出来ました。

 大工さんはそんなことは当たり前というし、建築士もそんなことまで言わないし、林業家も私から切り出さなければ木の背と腹の使い分けについての話はしてくれないと思います。
 ところが家に使われている肘木は理屈通りに使われているので林業家も建築士も大工さんもみんな背と腹の使い分けを知っているけど、当たり前のことだからそこまで言わないということなのかもしれませんが、私には見逃したくない部分です。

 床下に入って腹が上を向いた大引を見て喜んでる姿は異様ですが、誰に遠慮することも無く床下を観察できるのはわが家ならではのことです。
 木の家と言っても様々ですが林業家や大工さんの仕事が見える木の使い方をすることは木の家の魅力を大きくしてくれると思います。
 大工さんが番付をしてくれる手刻みの魅力に気がつくのは時間がかかりますが、木が見える家で生活していれば少しずつ分かってきます。

 メンテナンスが終わって一服しながら家を見渡している大工さんにどこを見てるのか尋ねたら「建てていたときのことを・・・」と一言。
 大工さんは家を見てわが家を建てるまでを思い出していたのかもしれません。
 そのときの大工さんの明るく満足そうな顔を見てとてもうれしく思いました。

ブログ内検索
最新記事
カテゴリ
リンク
タイトル一覧

全記事タイトルの一覧

月別アーカイブ
2010.12~
メール送信

名前:
メールアドレス:
件名:
本文: