白熱電球の熱利用

2013.02.25.19:21

 白熱電球は寿命が短くて消費電力も大きいので販売禁止になっている国も出てきました。身の回りでも新築や増改築した家でLED照明を見る機会は増えてきたように思います。
 白熱電球を照明機能だけに絞ってLEDと比較するとLEDの方が優れていると思います。

 白熱電球はもともと電気を一旦熱に変換してその一部を光として使っているので消費する電力の9割以上は熱になります。
 LEDは光を発する仕組みが白熱電球と全く違うので光を取り出すのであればLEDの方が優れていると言うことになっているみたいです。

 法律で白熱電球を制限する国までありますが、わが家は白熱電球を使い続けています。 白熱電球の光には可視光がバランスよく含まれていて色が綺麗に見える特徴があります。演色評価数で言うと白熱電球はRa100で最も太陽光に近く自然な光に近い人工光と言うことになります。

 白熱電球には可視光線がバランスよく含まれていますが、太陽光と同じ見え方になるわけではありません。
 色温度で言うと太陽光は5,500K(ケルビン)、白熱電球は2,800Kぐらいです。
 色温度が高いと白っぽく、低いと赤く見える傾向があります。

 デジタルカメラで色温度の設定を間違えると写真が青っぽくなったりすることがあります。
 人間は色順応と言って色を感じる細胞が色温度による見え方の違いを調節してるのでどの光でも同じような色に見えます。
 太陽光に近い見え方をする人工の光には色評価用の蛍光灯があります。(色温度5,500K、演色評価数Ra99)

 さて、白熱電球には可視光が自然の光に近いバランスで含まれていることで演色性が高いことは分かりましたがもう一つ見逃せないものがあります。
 欧州では白熱電球を暖房機器として販売するところがあるそうです。

 白熱電球は消費する電力の9割以上が熱に変わるので、白熱電球を照明として使うことを制限されている国では暖房器具という苦しい言い訳のようなことまでやってみるみたいです。
 電球メーカーが暖房器具として売り出すことにはいろいろ意見があると思いますが、確かに暖房効果があります。

 60Wのミニ・クリプトン球が6個ある部屋では300Wの電気ストーブと同じ程度の熱を発していることになります。
 6畳の部屋に300Wの電気ストーブは小さすぎますが室温を2,3℃上げる程度だったら十分です。
 もともと18℃ぐらいある部屋で白熱電球を使うと20~21℃になるので常時20℃に保つよりも在室中だけ温度を上げられるという点では都合が良いわけです。

 ここ数日寒い日が続いて室温が17℃台になることがありました。
 床暖房の温水温度は35℃のままなので室温が下がったわけですが、在室している部屋の温度は20℃以上を保っていたので調べてみたら白熱電球が熱源になっていたと言うことです。

 わが家では白熱電球自体の消費電力は大きいが暖房費を抑える効果が期待できること、天然乾燥材の一番の特徴である色艶が綺麗に見えるなどと言ったことも白熱電球を使い続ける要因になっています。

 夏は暑いのではと思う方がいらっしゃるかもしれませんが、夏のくらし方は冬とは違うので白熱電球が問題になることはありません。
 ただ寿命は短いのでミニ・クリプトン球の買い置きは必要だと思います。

コールド・ドラフトを見る

2013.02.20.09:57

 コールド・ドラフトは窓等で冷やされた冷たい空気が床に降りてくる現象ですが、階段や窓の近くは室温が高くても寒く感じることがあります。
衝立無し
 カーテンと床の隙間などに手を近づけると冷たい空気が部屋に流れてくるのが分かると思いますが今回コールド・ドラフトを熱カメラで撮ってみました。
 1枚目の画像はカーテンだけで何も対策をしていない窓です。
 窓の下には5本のスジがあってカーテンのヒダが室内側に張り出しているところから冷たい空気が流れ込んで壁を冷やしている様子が写っています。
 また、冷たい空気に直接触れてカーテン下部も冷たくなっています。

 2枚目の画像は窓とカーテンの間に高さ35㎝ぐらいの衝立を置いています。衝立あり
 半分カーテンを開けて撮っていますが、窓の下にあったスジは無くなってカーテン自体も冷たいところが随分減っています。

 窓から逃げていく熱量は衝立を置いても同じなのですが衝立を置くことでコールド・ドラフトが起きにくくなりますし、衝立があることで結露した窓にカーテンが触れることも無くなります。

 衝立を置くよりも窓を覆ってしまった方が良かろうと窓と室内の間にプラダン(プラスチック製の段ボール)などで二重窓を作ることも考えられますが、費用と手間や見栄えが悪くなるわりには効果が薄いようです。

 プラダンやツインカーボ(二重にしたポリカーボネート板)の熱伝導率を調べてみると期待するほどの断熱性能は無いようです。
 費用や性能、手間の他に結露の問題があります。

 衝立を置くと窓の下の方は結露します。しかし窓は結露しても外に流れるようになっているので窓枠が濡れてしまうことはありません。
 ところがプラダンやツインカーボで二重窓を設置すると二重窓が結露します。
 こちらは排水対策がしてないので窓枠が濡れてしまいます。

 階段の途中にある窓は外の様子を見るのに重宝しますが、衝立を置くことでコールド・ドラフトを抑えながら外の様子も見られます。

 温度を測ったり熱画像を見るうちに窓は一様に温度が低いわけじゃ無く上の方は室温とさほど変わらないことも分かってきました。
 最近の家は複層ガラス仕様が多いと思います。
 熱が逃げにくい複層ガラス窓に住まい手がちょっと工夫するとより快適になります。

 衝立は費用や手間が少ない割には効果が大きいこと、春になればたたんでしまえるところが気に入っています。

畳と床暖房

2013.02.17.10:48

 全室床暖房を設置すると言っても畳の部屋まで床暖房できるのか心配したことがありました。
 床暖房と言えば床材は板が主流で畳には効果が薄いのでは無いかと思っていたわけです。
 実際は全くの思い違いでわが家の場合、床暖房した床の温度は板でも畳でもほぼ同じになります。
熱画像(畳)
 わが家は10月下旬から4月下旬までほとんど連続運転ですが、在宅中だけ運転する場合は違ってくるかもしれません。
 今回久しぶりに畳をまくって床暖パネルがどのくらいの温度になっているのか調べてみました。
 接触温度計では畳をまくった直後のパネル温度は27~30度ぐらいで温水の入口と出口で温度が少し違っていました。
 おおむね28,29度ぐらいになっているものと思います。

 このときの畳表面温度は22,23℃というところです。(室温20℃)
 畳は断熱材のようなものなのでもう少し表面温度は低いと思っていたのですが建築士が選んでくれた畳はちゃんと機能しています。
畳床暖パネル
 熱画像で見ると床暖パネルはほぼ均等な温度分布をしており、温水パイプの通っている部分だけ目立って温度が高いわけではありません。
 また畳は杉床の部分と同じ色合いになっているのも分かると思います。

 部屋の境目や床下から伸びている柱の下部など床暖パネルが無い部分に温度の違いがはっきり出ています。
 床暖パネルが無い部分の床や敷居温度は18度ぐらいなのですが、幸いこうした分はあまり踏まないところでもあるので普段の生活では何の不都合もありません。

 もう一つ、布団を床に敷くと暖房効果が小さくなると思っていました。
 前にも書きましたがわが家では布団を敷いている時間が長いので布団が邪魔をして輻射熱が部屋に広がらないのではと思ったわけです。

 これも思い過ごしでした。
 布団を敷いている部屋とそれ以外の部屋の温度を比べてもほとんど同じですし、壁や柱の温度もほぼ同じです。
 調べてみると布団表面の温度は室温よりも2度ぐらい高くなっていました。

 布団の敷きっぱなしは様々な捉え方があるし、高い調湿性が無い床に布団を敷いて使うと床や布団裏に結露してカビが発生することもあるのでお勧めしませんが、杉床に布団を敷いても結露はしないし暖房効果が目立って落ちることは無いようです。

快適性

2013.02.10.01:56

 木の家に住み始めた当初、住み心地はいかがですかと尋ねられて以前住んでいた家よりもずっと快適ですと答えていました。
 ところが7年も経つと今の生活が当たり前になってしまいます。
 今はまだ大きな出費を伴うメンテナンスはありませんが、そのうちボイラーが壊れるなどといった設備の改修にお金がかかると思います。

 冬に快適な生活が出来るのは床暖房のおかげですが、その熱源機は10年ぐらいの寿命しかありません。
 エアコンもボイラーよりは長く使えると思いますが、これもやはり交換が必要な設備になります。
 冬は熱を室内に供給しなくてはいけないので何らかの熱源機が必要になりますが、快適な生活は室温だけで決まるわけではありません。

 快適性は湿度や日差し、風通し、照明や足の裏で感じる感触など様々なものが積み重なっているように思います。
 このうち照明は何を選ぶにしても必ず使いますし、後から機器を変えることも比較的簡単にできます。
 湿度は加湿器や除湿機を使えばコントロールできそうですが、設備が必要になります。

 日差しや風通しについてはすだれやブラインドなどで調整は出来ますが、根本的なところは家が建ってしまえば決まってしまうところです。
 私はスギの床板で生活しているので足裏で感じるサラサラの感触は快適性の要素として外したくないところです。

 木の家ではこうした快適性を支える要素のうち、暖房と照明は設備機器を使いますが湿度や足裏のサラサラ感は天然乾燥した木が勝手にやってくれますし、建築士は風通しや夏の日射遮蔽を工夫して年間を通してなるべく設備に頼らない家を考えてくれました。

 住まい手の私は燃料や電球とそれを使う設備機器のことだけ心配していれば後は木の家が使えなくなるまでずっと快適な生活を支えてくれます。
 トイレや廊下まで室温を20度ぐらいに保つのは無駄ということでリビングだけ暖房する代わりにトイレや廊下、脱衣室は寒い、寒いから石油ファンヒーターや浴室暖房機を設置するという話はよく聞きます。

 家中室温を20度ぐらいに保つためには家から熱が逃げにくいように工夫しないといけません。
 熱が逃げにくいということは同じ熱を供給しても広い面積を暖めることが出来ます。
 また、夏の強い日差しが室内に入ってこなければ冷房する時間は短くて済むし、設定温度も高く出来ます。

 快適性は四季によって様々な要素が関わってきます。
 様々な要素が絡み合う快適性に折り合いをつけるには技術と知識の豊富な建築士に頼るところが大きいように感じています。
 以前私が建築士の仕事について尋ねたときに一言「どこまで考えられるか」と話してくれたときがありました。

 今から8年ほど前に建築士が考えてくれた家を最近になって私がQ値など温熱環境を測ったり調べたりしています。
 暖房や給湯、照明など設備が必要な部分も多くありますが、夏はエアコンなどの設備を使う時間が少なくても快適な生活を送ることが出来ます。

 木の家自体は大昔からあって様々な知恵や工夫がたくさんあります。
 最近の木の家はエネルギー消費を抑えながら大きな面積を暖房できるように工夫されている点は昔と大きく違うところだと思います。

 日本の家は夏を旨とすべしと言われ、冬は気合いで乗り切れと割り切っていたようですが、気合いを入れなくても家の作り方を工夫することで対応できるようになったことはありがたいことです。
 どのような家でも設備を使えば快適に出来ると思いますが、快適な生活を出来るだけ設備に頼らずに目指そうとすれば木を活かして家を作ることは理にかなっていると思います。

 快適な生活は設備の選択よりも、誰に家造りの相談をするかで違ってくるのかもしれません。

エネルギー消費

2013.02.04.11:16

 家の中では電気、ガス、灯油のエネルギーを使って生活しています。
 最近は自然に存在するエネルギーを加工して生産される二次エネルギーの値段が上昇傾向にあるという話をよく聞くようになりました。

 私も時々床暖房はどのくらい灯油を必要としますかと尋ねられることがあります。
 電気代やガス代、灯油代と言った金額はわかりやすい反面、どれだけ使ったのかは分かりにくいし、灯油代だけ聞いてもどれだけの面積に対して使ったのか分かりません。

 電気代もオール電化の家とガスコンロを使っている家では違うのが当たり前です。
 何かに置き換えて比べれば良いと言うことで電気、ガス、灯油をエネルギーに変換してエネルギー消費量を比較する手法があるそうです。

 単位はジュール(J)を使います。
 1ジュールは、1ワットの仕事率を1秒間行ったときの仕事です。
 1kw/h=1W×60秒×60分×1,000なので1kw/h=3.6MJ(メガジュール)と置き換えることが出来ます。
 同様に灯油1Lは36MJ、プロパンガスは1立方メートルあたり99MJ、都市ガスは46MJに変換できます。

 灯油消費量と暖房している床面積が分かればエネルギー消費効率が分かります。
 熱損失が小さい家とたくさん熱が逃げていく家では熱損失が小さい(Q値が小さい)方が同じエネルギーで広い面積を暖めることが出来ます。

 また、エネルギーに換算しておくことで同じエネルギーを得るのにどんな機器を使えば効率が良いかも計算できます。
 一冬に暖房で灯油を2,000㍑使った場合、エネルギー消費量は36×2000=72,000MJ、これをヒートポンプ式の熱源機に変えると72,000MJを得るのに5,000kw/hの電気が必要になります。(COP4とした場合)

 灯油1Lが90円とすると2,000×90=18万円
 電気1kw/hが22円とすると5,000×22=11万円

 もっとも灯油ボイラーとヒートポンプは熱源機自体の値段が違いますから簡単に比較はできませんが電気、ガス、灯油代金の請求書を1年分集めれば年間のエネルギー消費量がだいたい分かります。

 自宅のエネルギー消費量を知っていれば他と比べることも出来ますし、調べたり計算することでエネルギー消費について関心も深まります。

 エネルギー消費というと専門家の領域のように感じますが、日常生活をエネルギー消費で測ってみると見えなかったものが見えるようになったり、気がつくこともあってなかなか楽しいものです。


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