工夫と省エネルギー

2013.05.25.13:17

 富山では10月下旬から翌年4月下旬までの約半年間暖房します。
 わが家では日中でも家族がいるので暖房期間中は階段と押し入れ、ロフトを除いて全室連続暖房しています。
 住み始めてからずっと灯油の消費量を記録してきましたが、エネルギー消費とくらし方について見つめてみました。灯油消費量

 グラフは暖房に使った灯油と給湯器に使った灯油消費量を分けて日量として表してあります。
 給湯器は年中使いますが暖房は約半年間だけ使用していました。

 住み始めた当初、石油ファンヒーターを個別の部屋で使っていた前の家と輻射熱暖房(床暖房)の快適さの違いに驚いて、話しには聞いていたけど全館暖房っていいものだと感激し、12月から1月下旬にかけての厳冬期は床暖房の設定温度を上げて室温調節をしていました。

 平成22年頃から年間の灯油代も25万円を超えるようになって消費量が気になってきました。
 建築士に相談したところ住まい方の工夫で少しぐらいだったら消費量を減らせるかもといわれて、寒ければ設定温度を上げるこれまでの生活から離脱することになりました。

 最初に取り組んだのは設定温度を上げない。
 階段途中の窓に衝立を置いてコールドドラフトがリビングに流れてこないようにする。
 寒く感じれば着衣で工夫するなど住まい手自身がそれぞれの体感に合わせて調節する。
 こうした地道な取組を一冬行ってみたところ灯油の消費量が目に見えて減りました。

 これなら出来ると自信がついて翌年はさらに寝室や子供室部屋などにも衝立を増やして家中のコールドドラフト対策を行いました。

 調子に乗って設定温度を上げていた頃は日量12リットルを超える灯油を使っていたのが、快適性を損なわずに日量7リットルぐらいまで減らすことが出来ました。

 暖房は半年間だけですが、給湯器は年中使います。
 これまでは見えにくかった給湯器の消費量についても年を追う毎に消費量が増しています。
 日常生活を見直してみると寒い時期を過ぎてもお湯と水が一つのレバーで調節できる水栓金具を使っている場合、無意識にお湯も出る位置で水を出していることがあります。

 洗面所ですからそんなに長く水を出していることが無く、お湯が出てくる前に水を止めてしまうことが連続して起こっていました。
 家族に尋ねてみると水栓はレバーを中心に向けて水を出すものと思い込んでいたとか、そんなこと考えてもみなかったと言われてちょっと驚きましたが、言われなければ気がつかないことかもしれません。

 こうしたことを書くと私が節約マニアと思われるかもしれませんが、大切なのは快適性を損なわずに!と言うところです。
 エネルギー消費だけを減らすのであれば暖房を切ればいいし、暖房する面積も減らせばすぐにエネルギー消費は半分ぐらいには出来ます。
 日中も家族が生活している家の中でこれまでの快適性を損なわず、くらし方の工夫でエネルギー消費量を減らすというところが大切だと思っています。

 私は建築士に相談しながらこうした取組を続けてきましたが、くらし方を工夫することで費用が目に見えて減っていく過程で、わが家は最初から温熱環境を考えて作られていることに気がつきましたし、施工がしっかりされていないと思い通りの結果にはならないことから大工さんや職人さんの仕事がつながって住まい手の工夫が結果を生んでいると感じることが何度もありました。

 わが家はコールドドラフト対策に衝立を使いましたが、木の家であればどんな家でも衝立だけでエネルギー消費量が大きく減るわけでは無いと思います。
 わが家のことを知り尽くした建築士がエネルギー消費について一緒に考えてくれた結果がグラフに表れているよう感じています。

 暖房については一段落つきましたが、次は給湯です。
 家族も無意識の行為が無駄を生んでいたことを分かってくれたので、今後は給湯器が消費する灯油も減っていくことと思います。

 給湯器の消費量には経年劣化による消費増が含まれていると思いますが、経年劣化を考えずに日常の中で工夫していきたいと思います。
 工夫が消費量の減少につながれば給湯器を新調したときに大きな成果となって住まい手に戻ってきます。


気密と断熱

2013.05.13.22:48

 気密と断熱について検索すると様々な意見や考え方が出てきます。
 断熱と気密は表裏一体で高断熱、中気密などあり得ないとか、高気密にすると夏は過ごしにくいなど一つの主張だけ捉えるともっともらしいのですがどうもしっくりきません。

 そもそも気密と断熱については北海道など寒い地域と暖かい地域では捉え方が違うようです。
 富山の冬は氷点下6度ぐらいまで下がることがありますが、夏は37度ぐらいになります。北海道では性能の良い断熱材を厚く施工しても気密性が保たれていないと結露によって家が傷んでしまいます。
 北海道では家の寿命が短くなってしまうので高気密と高断熱は一体として捉えられています。

 ところが富山を含めて本州の多くの地域では断熱と気密は省エネルギーの側面から捉えられることが多いようです。
 断熱がしっかりしていれば冬の暖房費を抑えられるのは間違いありません。
 夏は壁から入ってくる熱を断熱すれば空調費も抑えられそうです。

 四季がある日本の家にとって断熱と気密は大切だと思いますが、北海道など寒い地域は別にして多くの地域では気密と断熱の他にも大切なことがあるように思います。
 断熱がしっかりしている家でも直射日光が入る部屋の温度はかなりの高温になります。

 そこで厚手のカーテンを閉めてエアコンを各部屋に設置して空調するというのはごく普通のことですが、日射が部屋の中に入らなければ窓を開けることが出来ます。
 防犯など様々な要素がありますが、家本体に日射遮蔽の機能を持たせることには昔からの知恵があると思います。

 窓が開けられるようになると風を家の中に通せるようになります。
 ブログの中でも何度も風が家の中に通っていくのは気持ちがいいとか、室温が34度ぐらいでも風さえ通っていればさほど暑く感じないと書いてきました。

 木の家であれば暑く感じないと誤解されそうですが、窓を閉め切って風が無い34度はきついです。
 雨や風が強かったりして窓を開けることが出来ないときは扇風機を使いますが、家の中を抜けていく風にはかないません。

 気密、断熱と同等かそれ以上の扱いを受けて良さそうな日射遮蔽と風通しですが、なぜか気密と断熱は作り手からの情報発信、日射遮蔽と風通しについては緑のカーテンやすだれの活用など使い手からの発信が多いように感じます。

 確かに日射遮蔽と風通しは1軒ごとに考えなくてはいけませんが、気密や断熱はデータを元に作りやすく不快要素は空調など設備で対処することが出来ます。
 乱暴な言い方をすれば空調など設備を使う前提があれば日射遮蔽や風通しは家造りから除外できると言うことなのかもしれません。

 わが家でも年に何度か暑い日にエアコンを使います。木の家はエアコンがいらないと言えば大げさに聞こえるかもしれませんが、必要な気密と断熱性能を持ち日射遮蔽と風通しが考えられた木の家では換気やエアコンなどの設備は快適の前提条件から補助的な位置づけに変わることは間違いなさそうです。

 日射遮蔽と風通しだけで家の性能が決まるわけではありませんが、建築士が家造りにこうしたことを取り入れてくれることには大きな価値があると思います。


星空と双眼鏡2

2013.05.05.12:16

 前回は望遠鏡で見る像は白黒であることや双眼鏡は取り扱いが簡単と言うことを書きました。
 望遠鏡で何を見るか尋ねると圧倒的に多いのが月、続いて土星、木星と続きますが、月や土星、木星を見たらおしまいという方も多いようです。

 せっかく買った望遠鏡がたった数個の星を見ただけでお蔵入りにならないように望遠鏡で星空を見る前に是非、双眼鏡で夜空を眺めてみて下さい。
 見所は星と星の間です。そんなところ真っ暗だと思って双眼鏡を眺めていると所々ボヤッと小さな雲のように見える部分があります。

 小さな雲のように見える部分は星団や星雲です。星は大きな望遠鏡を使っても光の点にしか見えませんが星団や星雲は様々な形があります。
 双眼鏡で見ると倍率も小さいし手ぶれもあるのではっきり見えるわけではありませんがしばらく眺めているとボヤッとした星団が小さな光の集まりに見えてきます。

 星団や星雲は事前に調べなくてはいけないと思っている方も意外に多いようですが、俺はあの綺麗にまとまった球のようなのがかっこいい、私はあそこのまばゆい光の塊が好きといった楽しみ方もあります。
 さそり座やいて座の付近には星団が多くちょっと双眼鏡を動かせばいくつも星団を見つけることが出来ます。

 秋から冬に見られるプレアデス星団(ずばる)は双眼鏡でみるには最も美しい星団だと思います。
 どんな名前でどのくらいの距離があるのかなど詳しいことを知らなくても見つけた星団をしばらく眺めていれば普段見たことが無い夜空を楽しむことが出来ると思います。

 夏に向かって天の川も見やすい時期になりますが、織姫星と彦星の間を双眼鏡で眺めてみると両方の星が天の川の対岸に位置していてその間を小さな星が帯になっている様子を見ることが出来ます。
 双眼鏡で天の川を見た方は「うわぁ、本当に川だぁ」とおっしゃいます。

 天の川の中には肉眼では見にくい小さな星がたくさんあるので双眼鏡でそれを見ているわけですが、川岸に当たる部分で急に星の数が減るので川になって見えるようです。
 天の川は地上の光が無く、南側がひらけていて、月が出ていなく、快晴の夜であれば肉眼でも夜空に流れる広大な姿を見ることが出来ます。

 4つの条件を満たして安全な場所というとなかなか難しいのですが、挑戦する価値が十分あると思います。
 普段眺める夜空には色はありませんが、綺麗な天の川には色までついています。
 天の川に色までついて見える綺麗な夜空だったら、見慣れた星団が肉眼でも見られるかもしれません。

 アンドロメダ銀河やさそり座のアンタレスのすぐ西に位置する球状星団(M4)などは条件が良ければ肉眼で見られることでよく知られています。
 アンドロメダ銀河までは光の速さでも200万年以上、M4でも1万年ぐらいかかるほど遠くにあります。
 肉眼で遙か彼方の銀河や星団を眺めていると確かにあそこにあるという存在感を満喫できます。

 ここで注意があります。
 双眼鏡で星団を見つけるともう少しはっきり見たいと言うことで三脚を買います。
 三脚で固定すると像がピタッと止まっていっそう綺麗に見えるので、もっと大きく見たいと言うことで望遠鏡が欲しくなります。
 さらに綺麗な星団を残したいと言うことで写真に撮りたくなる・・・という傾向がありますのでご注意下さい。

 私は三脚よりも一脚の方が取り回しが簡単なのでお勧めしているのですが、いずれにせよ望遠鏡で月や土星を見る前に双眼鏡で星と星の間を見ることは夜空をいっそう楽しくしてくれると思います。


逆さ柱

2013.05.03.22:52

 木が柱になってしまうとどっちが根元か分かりにくくなってしまいますが、根元を上に向けて使うのは逆さ柱と言うそうです。
 大壁仕様だったら柱は見えないのでどっちでも問題ないというし、もともと山に生えていた時と逆に使うのは良くないと言うだけじゃ説得力に欠けるし、どうしてかなと思っていました。

 柱には上からの力を下に伝える役割がありますが、木を調べてみると根元を下に使った方がより大きな力を支えられる構造をしているそうです。
 しかし、普通の家の柱一本が負担する力よりも一本の柱が耐えられる強度がずっと大きいので強度だけで言えば逆さ柱でも問題ないと言うことになっているようです。

 また、芯持ち材は強いとよく聞きます。柱に芯がある芯持ち材は芯去り材よりも強度があると言うことですが、これも調べてみると必ずそうなるわけでは無いそうです。
 四寸角の柱は一片が12㎝ぐらいですが、垂木はもう少し小さくなります。

 細く若い杉の木は風で折れないようにしなやかな構造になっていますが、ある程度の大きさになると自らをしっかり支えるような丈夫な構造へと変化して行きます。
 芯持ち材は強いからサイズが小さくても大丈夫と言うわけじゃなさそうです。

 こうした木の特徴を知っていると便利なことがあります。
 薪割り時に木の根元側から斧を入れると気持ちよく割れてくれます。

 知人宅で薪割りを体験したとき私が上手に薪を割るのを見て、どうやったらそんなうまく割れるのか尋ねられたことがありました。
 本格的に薪を割るのは初めてだと言うと絶対おかしいとなかなか信じてもらえませんでしたが、気持ちよく割れるのでお勧めです。

 山から切り出された一本の杉の木からは複数の柱が取れますが、根元から順番に一階、二階、束など下から順番に使い分けられています。
 強度には問題は無くてもそういう使い方をするものなんだそうです。

 何も知らなかった私ですが林業家が企画してくれる伐採ツアーに参加したり、大工さんの話を聞くうちにだんだん木の見方が変わってきます。
 最初は立方体にしか見えなかった柱ですが、少しだけ根元付近なのか先っぽの方なのかが分かるようになってきました。

 そんな目でわが家を見ると山に生えていたように下から順番に木が柱として使われています。
 もうすぐ住み始めて8年になろうとしていますが、日常生活の中で職人さんの仕事に気がついた時はとても心が豊かになります。

 木が見える木の家は林業家や職人さんの仕事が見えるところも大きな特徴だと思います。


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