わが家はガルバリウム鋼板の金属屋根です。
金属屋根というと夏は焼け込み、雨音がうるさいイメージがあると思います。
私も雨が屋根を叩く音が気になるのではと随分心配しました。
雨天時に金属屋根製の倉庫の中にいると雨が屋根を叩く音が大きく響きます。
倉庫だったらまだしも住宅でしかも夜だったら安眠できないと思っていたわけです。
建築士もこうしたことは分かっているので金属屋根の住宅には倉庫とは違う工夫してあります。
私はどんな工夫をしたらあのうるさい雨音がどのように変化するのか知らなかったので不安な時期がありました。
金属屋根の良さは
瓦屋根よりも屋根勾配を緩やかに出来ること。
屋根が軽くなるので家に与える地震の影響を小さく出来る。
屋根が軽くなることで耐震性が有利に働くことは何となく分かると思いますが、屋根勾配が緩やかに出来ることで家の表情に多様性を持たせることが出来ます。
日本中の伝統的な家は形や機能は様々ですが、家の形は屋根違いであることが多く屋根を取り払って伝統的な家を見てみると部材の大きさや細かい違いはあっても大きな違いは少ないそうです。
わが家は切妻ですが、妻側は屋根勾配がはっきり見える部分です。私のお気に入りでもある狭すぎず、広がりすぎないちょうど良い屋根の開き方は瓦屋根には勾配が緩すぎるそうです。
屋根は家の表情を決める大きな要素なので素材だけで決めないで欲しいと思います。
そんなこと言っても間取りを決めるだけで目一杯なのに屋根のことまで考えられないというのが正直なところだと思います。
そこを建築士が助けてくれます。私たちは屋根についてもう少し知りたいと言えば建築士は私たちが思いもつかないことまで話してくれます。
選ぶのは施主ですが決める前に相談出来ます。相談と言っても数種類のサンプルの中から屋根材を選ぶだけじゃなく、屋根の形や耐久性の話し、屋根そのものの機能の話から流行の移り変わりの話しまでしてくれます。
こうした話しを聞いた上で私は金属屋根を選んだと言うことです。
さて、自ら選んだ金属屋根ですが雨音のことが心配です。
金属屋根は雨音がうるさいことは建築士も分かっているので、設計時に対策を施してくれます。この部分が工夫になるのですが実際生活していて夜に雨音がうるさくて眠れないことは一度もありませんし、家族から文句を言われたこともありません。
といって雨音がしないわけじゃ無いので文字で伝えるのが難しいのですが、金属屋根であっても雨音は心配しなくて大丈夫のようです。
もう一つの夏の焼け込みについてはブログでも何度か直射日光下の屋根の表面温度と野地板表面温度を紹介しました。
夏の晴れた午後1時頃、気温35度で直射日光が当たるガルバリウム鋼板表面温度は70度を超えます。
ロフトに登って野地板の温度を測ってみると33度程度しかありません。ロフトの通風口から効果的に排熱できるのでロフトが室内に比べて大きく高くなることはありませんが、野地板表面温度が33度ぐらいと言うことは金属屋根が原因でロフトが熱くなると言うわけじゃなさそうです。
私は家の表情と耐震性のことで金属屋根を選びましたが、自分がもっていた金属屋根に対する思い込みを払拭してくれたのは建築士です。
大きな出費を伴う家造りですが、数種類のプランとサンプルの中から選ぶやり方もあれば歴史と文化を学び、新しい技術も取り入れ時間をかけて進めるやり方もあります。
家造りは人それぞれですが長い時間をかけて積み重ねられてきた歴史と文化を家の中に取り入れることは時間が経つほどその価値が分かってきます。
たかが屋根の形と言われそうですが、かっこいいと思える家を眺めるのは言葉や理屈抜きに心が豊かになります。
金属屋根は雨がうるさいし夏は焼け込むと決め込まないで、屋根の形と家の表情にも興味を持って欲しいと思います。