中秋の名月

2013.09.22.15:48

 台風が去って乾いた空気に覆われたおかげで立山連峰から昇ってくる満月を見ることが出来ました。
 平成25年9月19日の満月は20時ぐらいだったので真の満月を見られたことになります。
 なぜこの時期の満月だけ中秋の名月と言って特別扱いするのでしょうか。

 夏の満月は高度が低すぎるし、冬は高すぎます。
 春と秋は高さがちょうど良いのですが、春は春霞と言われすっきりしない日が多く、秋はカラッと晴れる日が多いことから秋の満月は人間が見て楽しむにはちょうど良いと言うことで名月としているようです。

 中秋とは秋の真ん中という意味で、秋は旧暦の7月、8月、9月を指すので中秋は8月になります。旧暦は月の満ち欠けで日を決めていたので新月の日が1日それから満月を経て月が細くなり次の新月で月が変わります。新月から15日経つと満月になることから十五夜のお月様と言われることもあります。

 太陽と地球と月が平面上に一直線になる時間が属する日が満月とされます。つまり満月はその日の午前1時の場合もあれば午後11時の場合もあります。
 午前1時に満月になった夜に見る月は少し細くなっていることになります。

 さらに月の満ち欠けと地球の一日には少しずれがあるので新月から15日経つと必ず満月になるわけでは無く新月から16日後や17日後に満月になる場合もあります。
 今は太陽と地球の位置関係を暦として使う太陽暦が使われているので中秋(8月)の15日目が満月になるわけではありません。

 今年は9月19日でしたが来年は9月9日が満月になります。
 中秋やら旧暦やらなじみのない用語が出てきますが、難しいことは置いといてカラッと晴れた夜空にぽっかり浮かぶ秋の満月は理屈抜きに綺麗です。

郵便受

2013.09.18.19:08

 わが家の郵便受は大工さんの手作りです。。新品の郵便受
 赤身材だけで作った丈夫な郵便受ですが、少し汚れが目立ってきました。
 以前、林業家のモデルハウスの話しの時に木の表面膜を落とせば綺麗に復活すると書いたとこがありました。
 郵便受を高圧水で洗うわけにはいかないのでサンドペーパーで汚れを落としてみることにしました。7年経過した郵便受

 外壁を擦らないように養生する時間も含めて30分かからない簡単な作業でしたが、綺麗な木肌が復活してちょっとうれしいです。

 この郵便受、表面には釘やビス跡が見えませんしご覧のように形がシンプルなので今回のような作業もやりやすく、大きな郵便物もはみ出さないので気に入っています。綺麗になった郵便受

 差し入れ口は雨の日やパジャマ姿でも受け取られるので取り入れる方は多いそうです。

 ところが差し入れ口は厚みがあったり大きな郵便物が入らないので郵便局に持ち戻ってしまい再配達を依頼することになります。
 これが面倒なので大きめの郵便受を設置しているわけですが、大工さんが家にぴったり合った丈夫な受け箱を作ってくれました。

 前回、家と同じ山の木で家具を作ると家全体の色が揃って綺麗だと書きましたが、家具だけじゃなく郵便受なども大工さんに作ってもらえます。
 傷みやすい外壁などは赤身材を使うことが基本だと教わりましたが、大工さんが作ってくれた赤身の郵便受は表面についた汚れを擦り落とせば綺麗な肌が復活します。

 塗装する方法もありますが私は木の素地が気に入っているので塗装は考えていません。
 最初の写真は新築時のものです。
 改めてみると初々しい郵便受です。
 これが7年経つと2枚目の写真のように汚れが目立ってくるので、汚れを落としたのが3枚目の写真です。

 汚れが落ちても新品のようになるわけではありませんが、これはこれで新品にはない落ち着いた雰囲気が出ていると思います。

木のテーブル

2013.09.10.04:02

 わが家の食卓は家と同じ産地の杉で作った厚さ12センチの板が使われています。
 どっしりして安定感のある食卓です。t_DSC_4269.jpg

 無垢の板は傷や汚れが目立つということでテーブルにガラスの板を載せることがあるそうです。
 私も何度かガラス板を載せてあるテーブルを見たことがありますが、わが家では何も載せずに使っています。
 理由は音が気になることと、肌触りが変わることです。

 ガラスを載せたテーブルに食器を置くとカチャカチャと音がしますし、杉独特の柔らかい肌触りも伝わらなくなります。
 でも、傷がつくし汚れるのはイヤだと思っている人は多いと思います。
 小さなお子さんがおもちゃなどを激しくテーブルに何度もぶつけるようなことをしなければ普通の使い方で目立った傷がつくことはありませんし、汚れてきたら固く絞ったふきんで汚れは落ちます。(洗剤は不要)
 それでも落ちなければ目の細かいサンドペーパーで全体を優しく擦れば汚れは落とせます。

 ただし、サンドペーパーは柱や梁への使用は止めましょう。
 前にも書きましたが、柱や梁にサンドペーパーを使うと肌目をつぶしてしまい大切な色艶が白っぽく粉を塗り込んだようになってしまいます。
 柱や梁についた汚れ落としにサンドペーパーは便利に思えますが、艶がなくなるので使わない方が良さそうです。
 築7年のわが家では柱や梁を拭いたことがありませんが、杉床の汚れは固く絞ったふきんで拭けば結構落ちるので、柱や梁も気になれば水拭きである程度落ちると思います。

 その際、重曹などアルカリ性の洗剤は使わないでください。木に残っている揮発成分と反応して濃い紫色に変色します。
 うっかりアルカリ性の洗剤を使って変色してしまったら余計なことをしないで放置します。慌てて漂白剤などを使うとその部分だけ跡が残りますが洗剤を拭き取ってほっとけば一月も経たずに色が消えてしまいます。

 建築士は出来るだけ家具も同じ山の木で作りましょうと提案してくれました。
 最初は費用を抑えるための提案だと思っていましたがそれだけではなさそうです。
 食卓やテレビ台、本棚など大きな家具を家と同じ産地の木で作ると色が揃います。

 以前、家具屋さんから商品の提案をいただいたことがあります。すてきな家具を求めやすい値段で提案していただきましたがお断りしました。
 デザインや機能は優れていますが、家に溶け込んでいるのはやっぱり同じ山の木で作った家具です。
 しかも同じ時間の経過を辿るので色合いが家と一緒に変わっていきます。

 木のテーブルは家具に分けられますが、わが家では家と一体です。
 建築士は家具を購入する費用を抑える効果と家と家具の一体感を提案してくれたように思います。
 使っていれば汚れもつくし、傷がつくこともある木のテーブルですが家の一部として毎日気持ちよく使っています。

手刻み

2013.09.06.11:53

 わが家の構造材は手刻みしてあります。
 最近は数値制御工作機でプレカットするそうですが、なぜ手刻みしたのか尋ねられることがあります。
追掛け大栓継ぎ手1
 プレカットは普通の家の大きさだったら一日で構造材を加工してしまいます。
 手刻みの場合、番付作業だけで何日もかかるのに比べると時間と費用が抑えられると言われています。
 費用も時間もかかる手刻みは必要なくなるのでしょうか。

 確かにプレカットと手刻みの割合は9:1と圧倒的にプレカットが多いのですが手刻みも残っています。
 大工さんは製材所から届いた立方体の材料を並べてどこの場所にどのような向きで使うのか決めていきます。

 決まったら材料に「い1」とか「ろ5」などと番号をつけていきます。
 上司から「この仕事はいの一番にやれ」などと言われることがありますが、いろはにほへとの最初のい列の1番目ということから最初を意味する言葉として使われているようです。

 大工さんが番付について話してくれたことがありました。
 横架材は木の根元を外に向けて使う。
 横架材は背中が上を向くように使う。
 曲がりそうな材料は家が内側に締まっていくように使う。
 大きなフシなど見た目が悪い部分はなるべく見えにくいところで使う。
 大きく色が違う材料が隣り合わせにならないように木配りする。

 などと言ったことを一本ずつ見ながら振り分けているそうです。
 木の根元部分は赤身が多く粘りもあるので外壁に近い部分で使われます。
 背中が上に向くようにと言うのも長い時間斜面に立っていた木の特徴を活かしたやり方です。
 家が内側に締まっていくというのは屋外側に曲がって家が開いてしまわないようにと言うことらしいです。
 フシなど見栄えが悪い部分を見えにくくするとか木配りするのは何となく分かると思います。
 このほかにプレカットではあまり使わない仕口や継ぎ手が使えると言うこともあるそうです。

 わが家には普段目に入らない部分に番付が見えるところがあります。母屋のほこり
 まだ立方体の材料だった頃、大工さんが母屋と決めてつけてくれた印(母ヤ)を見ることが出来るわけですがどうしてこの場所になったのか考えるのも楽しいです。
 天然乾燥材は色艶が綺麗だと言われますが、手刻みは材料の特徴をさらに活かせる大事な手間だと思います。

 でも費用が心配になります。
 わが家には天井板も無いし壁紙もありません。手刻みに費用がかかっても別の費用が減ったりするので手刻みは高いと思い込まずに建築士に相談することをお勧めします。

 プレカットは短い時間で正確に加工できる優れた方法です。一方で手間や時間はかかるけど材料を見て選んで加工できる手刻みにも魅力があります。
 柱や梁が見える真壁には見られることを意識して木配りが出来る手刻みが合うように思います。

直せる家

2013.09.02.08:31

 木は腐らないですかと今でも時々言われます。
 木は腐りますがいつ腐るかが問題です。家に使う場合10年や20年で腐るのは問題ですが50年後に腐り始めたところで文句を言う人は少ないと思います。

 また、修理のことも考えないといけません。新築時に気に入った色や模様が20年後に無かった場合、修理した部分だけ別の色や模様になってしまいます。
 さらに、修理する場所が少なければいいのですが広範囲に及ぶ場合は建て直しになる場合もあります。

 最初から20年ぐらいで建て直すつもりならいいけど、長持ちさせるには長持ちする材料を選ぶことも大切ですが、直せるように作っておくことは大切だと思います。
 加えて不具合が起きた場合出来るだけ早い時期に手当てした方がよいので床下に人が入れる高さを確保するなど点検できることも大切だと思います。

 家づくりの歴史と文化を調べてみると数寄屋や書院造りなど見え方の側面もあれば修理を前提とした作り方の側面があったりします。
 私は丈夫で長持ちする家は住まい手が修理しなくても良い家だと思っていました。
 ところが修理しなくてもよい家など存在せず、修理しないで建て直す家をイメージしていたように思います。

 今は丈夫で長持ちする家とは、基本構造がしっかりしていて修理できる家だと思っています。
 基礎や骨組みなど家の基本構造がしっかりしていれば、外壁や室内の壁、床は傷んだところだけ修理することによって長く使い続けることが出来ます。

 木はロングセラーなので50年経っても手に入りますし、最初は色の違いがはっきりしていますが数年も経てば違いは分からなくなります。
 傷みやすい外壁や屋根の淀などに丈夫な赤身材を使って一部傷んだり壊れたらそこだけ修理できる仕組みには魅力があります。

 無垢の杉を床に使うと傷や汚れが目立つから合板にしたという話しはよく聞きます。
 20年後に傷や汚れがたくさんついた杉床と、色褪せて表面がザラザラになったり痛んだ合板フローリングをイメージするなどと言うことは新築時には難しいかもしれません。
 しかし、新築前に時間が経った無垢の床や合板フローリングを見ておくのは無駄では無いと思います。

 値段は無節でなければ無垢の杉床と合板フローリングはほとんど変わりません。
 丈夫で長持ちは20年ぐらい持ってくれれば良いと考えるか、もっと長く使い続けたいかの判断で別れるように思います。
 点検も修理もしないで50年間維持できる家など無いと思います。
 点検と修理が出来て材料が揃っていれば大工さんが直してくれます。

 どんなやり方で作ったのか分からないと直すにも苦労しますが大工さんの技術は体系化されているので変なことさえしてなければ直してくれます。
 わが家は数寄屋や書院など見た目の華やかさはありませんが、丈夫に作ってあって木が適材適所に使われています。

 もちろん私は最初からこうしたことを知っていたわけではありません。
 住み始めてからも続いている林業家や大工さん、建築士とのお付き合いの中で少しずつ教えてもらって今日に至っています。

 住まい手が作り手から使い方を学び点検と修理を繰り返しながら長く使い続ける仕組みそのものが歴史と文化なのかもしれません。

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