積立貯金

2014.05.29.10:49

 5月にエコ・キュートを入れました。
 エコ・キュートはヒートポンプを熱源にした給湯器です。電気温水器と言えば夜間・深夜電力を利用した給湯器ですが、ヒートポンプを使うので電気温水器よりも使う電力は三分の一ぐらいになります。

 また、電気料金についても今まで24時間同じ料金単価だったのが夜間帯が三分の一になるので暖房期間中は特に助かります。
 今回の設備更新によってわが家から灯油タンクが無くなりました。
 8年ぐらい前までは灯油やボイラーが安かったので給湯や暖房機の熱源に灯油を使っていたわけですが、これだけ灯油の値段が上がってくるとさすがに堪えます。

 設備更新は一度にはできないので最初は暖房の熱源機の交換、2年ほど間をおいて給湯器を替えました。
 ヒートポンプを使えば灯油よりも暖房費を大きく落とせるのは分かっていても、ヒートポンプを導入する費用が問題になりますし、増して給湯器まで更新するなんて難しいと言われそうです。

 私は普通のサラリーマンですし子供にもお金がかかるので、生活に余裕があるわけではありません。
 費用は設備整備積立金を取り崩しました。
 住み始めた当初、建築士からメンテナンスフリーの家なんて存在せず手入れは必要だと言われていました。
 いつか資金が必要になるのが分かっているのであれば早いほうが積立額は小さくて済みます。

 1万円の積立などできるわけも無く最初はもっと小さい金額から始めました。
 窓に置いた衝立の工夫によって費用が減った分を増額したりしながらコツコツ続けていたわけです。
 給与が振り込まれる口座からの自動積立はとても便利な商品だと思います。

 最初は少なかった積立金ですが5年も続けているとそこそこの金額になります。
 これに灯油削減策効果で2年間で10万円加わりました。
 この積立金を使って暖房の熱源機をヒートポンプに替えたところ、今度は年間10万円ほど暖房費が減ったのでこれも設備整備積立金に振り向けました。

 今回エコ・キュートへの設備更新によって大きく費用が減るのでその分はまた積立金を増額することになりそうです。
 住み始めた当初は新規の積立など難しい状況だったのですが、建築士が手入れは必要になるというので早いほうがいいと思って少ない金額でしたがとりあえず設備整備積立金という名目で積立を始めました。

 振り返って見ると金額は別にして積立を始めたことが大きかったように思います。
 灯油使用量や室温を継続して測っていたことでいくら費用が減ったのか分かっていたので減った分を積立金増額という形で家計から切り離していたことも役に立ちました。

 私は特別のことをしたわけでは無く整備更新時に備えて時間を味方につけてコツコツ積立を続けていただけです。
 最初は小さかった積立金ですが建築士に相談しながら費用対効果の高い設備更新ができたことでだんだん積立金が増えていきました。
 給湯・暖房費は減りましたが我慢や節約で減らしたわけでは無く、設備導入資金も生活費から捻り出したわけではありません。

 きっかけは建築士が話してくれた「メンテナンスフリーの家など存在しない」という一言だったように思います。
 新築であれば最新の設備機器が導入できますが、まだまだ灯油を使っている家は多いと思います。
 建築士は新築や増改築の専門家のように捉えられていますが、技術を持った建築士であれば温熱環境についても話しを聞いてくれるし、それによる費用削減効果は意外に大きいように感じています。

屋根の表面温度

2014.05.23.09:30

 わが家はガルバリウム鋼板の金属屋根です。
 ガルバリウム鋼板は耐候性が優れているので屋根に使うことができます。屋根温度と全天日射量(5月)

 金属屋根は焼け込むので室内、特に2階が暑くなるのではないかと心配していました。
 以前にも屋根の温度と屋根裏の野地板表面温度を測ったことがありましたが、屋根の表面温度はどのように変化しているのか調べてみました。

 グラフは晴れた一日の屋根温度と全天日射量です。
 全天日射量は太陽から受ける放射エネルギー量のことでグラフでは1時間に1平方メートル当たりに受けた放射エネルギーを表示しています。
 単位はメガジュール/平方メートルです。

 屋根表面温度は11時15分に69度まで上昇しました。
 気象台で測定している放射エネルギーのピークは11時30分から12時の間だったのですが、わが家は真南から10度ほど東を向いているので屋根が受けるエネルギー量のピークはもう少し早い時間にあったものと思います。
 最高気温は31度でした。

 今回継続して測って分かったことは金属屋根は太陽からの放射エネルギーが増え続けている間は温度も上昇しますが、増加が止まるとすぐに表面温度が下がり出すと言うことでした。
 12時頃には屋根の温度がすでに下がり始めています。

 気温が31度で屋根は69度ということは温度差は38度もあります。放射エネルギーが増えていけば温度は上昇しますが、増加が止まると38度の温度差で冷やされることになります。
 金属屋根は熱くなるが冷えるのも早いと聞いていましたが、随分早い時間から冷え始めることが分かりました。

 放射エネルギーが減っていくとそれに併せて屋根の表面温度も下がっていきます。17時の気温は24度、屋根は29度になっていました。室内での最高気温は28.1度でした。

 本格的に暑くなる前に練習のつもりで測ってみましたが、5月、6月は太陽高度も高く放射エネルギーが多い時期です。
 気温は31度でしたが屋根の温度は真夏に測った温度(74度)とあまり変わりませんでした。
 真夏に向けて室温は上昇していきますが、屋根の温度はそれほど室温には影響していないようです。

 金属屋根は焼け込むと思っていた私ですが、冷える速度が早いことや、屋根がしっかり作ってあるので屋根からの熱の侵入が小さいことも分かりました。
 瓦は蓄熱暖房にも使われている煉瓦と同じ材料ですからもう少し冷めるまで時間がかかるかもしれません。
 この夏は瓦屋根でも測ってみようと思います。

木の床

2014.05.16.09:33

 わが家は表面塗装していない杉の床です。
 ただでさえ傷が付きやすく汚れやすいと言われる杉を表面塗装もしなくて大丈夫ですか?と尋ねられることがあります。
 ブログでも何度か杉床のことは書いていますが、今回は熱伝導と調湿速度から見た杉床の話しです。生命を育む

 熱伝導が早いと触った時に体温が早く奪われるので冷たく感じます。杉の熱伝導は遅い部類に入るので触った時に冷たく感じにくいようですが、同じ杉でも大きめのフシを触ると冷たく感じます。

 どうやら熱伝導と堅さには関係があるようで硬くなると熱伝導も早くなり柔らかいと熱伝導も遅くなる傾向があるように感じています。
 熱伝導が遅い杉は柔らかい傾向があり、それが傷が付きやすいことにもつながります。 だったら表面塗装して硬い塗膜で保護してやれば傷が付きにくくて冷たくない床になりそうです。

 しかし、杉床にはもう一つサラサラした肌触りという特徴があります。
 若いご夫妻が杉床を選ばれた家のおじいさんが新築直後に話してくれたことがありました。
 「杉は柔らかいからすぐに傷だらけになる・・・」
 それからしばらくして新しい家の住み心地はいかがですかと伺ってみると
 「この床、サラサラして気持ちいいぞ」に変わっていました。
 おじいさんにとってはサラサラした感触の方が優位だったようです。

 このサラサラした感触は裸足で床に触れた瞬間に足裏から水蒸気を吸い取ってしまうことによるものです。
 杉はこの吸湿の速度がとても速くて触れた物から素早く水蒸気を吸い取ってしまいます。
 といってこぼした水をあっという間に吸い取ってしまう吸取紙のような機能があるわけではありません。

 サラサラした感触は足裏と床表面でのやり取りですからこの部分を塗膜で覆ってしまうと床材は足裏から水蒸気を吸い取ることができなくなります。
 表面塗装してある床を裸足で歩くとベタベタした感触になります。
 スリッパを使うので傷が付かなくて、汚れも付かない床の方が使いやすいという意見もあると思います。

 1988年頃に静岡大学でマウスを使った実験が行われました。
 実験についてはネットで”木 マウスの実験”と検索するといろんな記事が出てきます。
 有名な実験なのでマウスの実験とよばれていますが、正しくは
「マウスの飼育成績および嗜好性による各種材質の居住性の生物学的評価」という研究です。

 この実験はマウスの実験であって人が住む家のことを調べたわけでは無いのですが、木を使った実験の成績が良かったのでいつの間にか木造は・・・と家の話しにすり替わっていたり、マウスの実験なのに木以外の材料で家を建てると住まい手の寿命が短くなると言った人の話にすり替えられて使われていることもあります。

 この実験で分かったことは床材を変えることによってマウスの行動や成長に違いが見られたと言うことです。
 実験を行った有馬先生はあの実験はマウスでの話しだからとおっしゃいますが、杉床の早い吸湿と遅い熱伝導による肌触りは住まい手にとって気持ちいい感触をもたらす大きな要因であることは確かだと思います。

 ネット記事にはほとんど紹介されていませんが、実験ではマウスを解剖して臓器の重さも比較しています。
 脳は環境変化には強いらしく変化は小さかったのですが、卵巣、子宮、精巣という次の世代に命を繋ぐ臓器に大きな変化が出ています。
 マウスでの話しであって人間で調べたわけではありませんが、傷や汚れという要素と居住性という要素のどちらを優先するかは住まい手が決めることになります。

 床は簡単には変更ができません。
 迷ったときの建築士! どこかのキャッチコピーみたいですが床材を決める時は色や模様、傷や汚れの要素に加えて居住性にも注目して選んでほしいと思います。

 *マウス実験の資料は静岡県木材協同組合連合会から有償で求めることができます。

2014TS植林ツアー

2014.05.05.16:14

 植林ツアーに行ってきました。
 春の植林ツアーには観光も取り入れられていて今回は紙すきを体験してきました。
 観光と言いながらちょっと他とは違うところがTSツアーです。紙漉き

 杉の植林は苗を植えますがただ植えてもあっという間に鹿の餌になってしまいます。
 植林した周囲にネットを張っても一度ネットの中に鹿が入ればそこは鹿の餌場になってしまいます。駆除するにしても限界があるなど多くの林業家が困っています。

 そこで山に自生している三椏(みつまた)は鹿に食べられていないことに注目した林業家が三椏も植えることで鹿の被害を軽減しようと取り組んでいます。
 三椏と言えば壱万円札の原料でもありますが、お札が三椏だけでできているわけではありません。
 和紙の原料として三椏の他に雁皮(がんぴ)や楮(こうぞ)などがあります。今回はそれぞれの原料100%で作る和紙と原料を混ぜて作った和紙の紙漉き(かみすき)を体験してきました。

 私たちは紙漉きと乾燥だけの体験でしたが、原料の刈り取りから完成まで13工程あります。お昼過ぎに私たちが到着するまでに11工程を済ませてありましたが、説明や道具を見る中で紙漉きと言うけど紙漉きは全体からすれば1割ほどの労力でほとんどは冷たい水に触れながら根気のいる作業が多いことも知りました。

 和紙が一般の紙と比べて強靱なのは障子戸を不注意で蹴飛ばし戸が外れても紙が破けないことや和紙を引っ張ってもなかなか破れないことで何となく知っていましたが、一般の紙とどこが違うのか興味がありました。
 自分で漉いた和紙をちぎって拡大鏡で見てみると随分繊維が長く横方向に綺麗に折り重なっています。ちぎった和紙

 綺麗に折り重なっているから漉きあげたばかりの水浸しの紙を上に乗せていっても後から綺麗に剥がれたり、横方向に長い繊維が絡み合うことで引っ張ってもなかなか破れない強い紙になっていることも分かりました。

 繊維の主成分はセルロースです。セルロースは紫外線には反応しにくいので長い繊維が絡まってできている和紙を障子紙に使うと長持ちする理屈も分かったように思います。

 また以前五箇山和紙を使っている障子を熱カメラで撮ったことがありました。
 わが家の薄い障子紙より断熱性が高かったことも長い繊維が絡まって空気層を作るちょっと厚めの和紙の特徴が出ているようにも思いました。

 製材所の見学では丸太を板や梁に加工する場面で、最初にのこぎりを入れたときにはフシがほとんど無いのに丸太から切り進めるたびにフシが増えていきました。
 参加者が移動するバスの中で林業家にその様子を尋ねるシーンがありました。
 白太にフシが少なくて赤身に多いことは何となく知っていましたが、小さかった木が生長する中でいらなくなった枝を落としながら大きくなっていく過程を製材加工で見ることができました。

 ツアーには建築士の方や建築を学ぶ学生の参加もありました。見つめる天井
 阪神大震災前ぐらいまで建築を学ぶ大学ではほとんど木造建築を学ぶ機会がなかったそうです。捨てられた木造建築などと表現する人もいたくらいだそうです。

 今は建築を学ぶ学生が山に出向いて林業家の話を聞く機会があります。見学したモデルハウスは学生が生まれた頃に建てられた建物です。
 これから社会に出て建築の道を進もうとしている学生に林業家が直接講義をしてくれます。

 私にはわが家があと10年経った未来の色艶の様子を見る機会ですが、20年近く経った天然乾燥材を用いて建てられたモデルハウスを見上げる学生にはどのように映っているのでしょうか。いい顔しているので何かを感じてくれたのかもしれません。

 私は木は使ったら植えることが大切だと思っています。
 木は石油や鉱物資源と違って太陽エネルギーと水と二酸化炭素があれば再生産が可能で、いくら使っても植え続ける限り減らない資源です。若い林業家

 しかし、植えるにはお金もかかるし鹿などから苗を守る手間もかかるし、植えてから使えるようになるまで長い時間がかかります。
 私たちが植林している山の木を使いたいと言い続ければ森林資源は復活します。
 それが途切れないように続くことは林業家だけで無く田畑や水資源など国土の保全にも役立ちます。

 本来は使った木の5倍以上は植林しないといけないそうです。
 鹿に食べられたり、長い時間の中で淘汰されたりしながら最後まで残っている木は2割程度になってしまいます。

 わが家に使った木の全てを植林することはできませんが、木は使ったら植えることの大切さを忘れないためにも植林ツアーは続けてほしいと思いました。

地域の違い

2014.05.01.09:59

 夏は暑くて冬は寒いのですが日本中同じでは無いと思って調べてみました。
 グラフは夏季(7月~9月)に最高気温が35度以上と冬季(12月~3月)に最低気温が0度未満日の5年間平均日数を足し合わせて表示しています。最高気温と最低気温日数合計
 グラフが高いほど寒い日と暑い日の合計日数が多いことになります。

 鹿児島や横浜、東京は暑くも無いし寒い日も少なかったり、京都は寒い日と暑い日が半々といったことも分かりました。
 日本の家は夏を旨とすべしと言いますが、松本市(長野県)の方が夏の暑さ対策を中心に家造りをするのは地域に合わないように思います。

 富山では暑い日もありますが、家造りは寒さ対策が不可欠な地域のように感じています。
 寒さ対策だけ考えれば窓は小さくして壁を厚くすれば逃げる熱が少なくなります。ところがそれでは暑い夏に困ります。
 夏はエアコンがあるから・・・それでもいいのですが、住み始めてもうすぐ8年になるわが家では夏にエアコンを使わなくなってしまいました。

 住み始めた頃、建築士が木の家はエアコンいらずと言うのでエアコンを設置しませんでした。
 4年後やっぱり暑いということでエアコンを設置したのですが、去年からエアコンを使わなくなってしまいました。

 富山では外気温が35度を超えるような日は一夏に10日ぐらいです。わが家では風が入る室温33度は普通に過ごせる範囲なので、カモフラージュ・ネットで日射遮蔽と風通しの両立させることによって室温上昇を抑えています。
 カモフラージュ・ネットで西日の日射遮蔽と風通しの両立をはかっているのは私の工夫ですが、室内に風が通っていくからできる工夫でもあります。

 2階の風上の窓を開ければ1階の風下の窓に向けて大量の風が抜けていきます。風は私たちから気化熱を奪ったり、室内にこもった熱を排出してくれます。
 窓を開けたり閉めたりしながら過ごしていたら夏が終わった頃に、そういえばエアコンを使わなかったという感じです。

 風が通る家は冬に寒いイメージがありますが、わが家ではトイレや脱衣室も含めて室内にはほとんど温度差がありません。
 また、暖かい空気は上にいくイメージもありますが、高低差5mある吹き抜けでも天井と床上5㎝に温度差が無いのもわが家の特徴です。
 夏は暑くて、冬も寒い富山では両方の対策が必要なように感じています。

 冬の寒さ対策に重点を置いて夏はエアコンで対応しようでもいいのですが、地域環境に合った家で生活していると住まい手が少しずつ環境変化に順応するようになります。
 ちょっと暑い方が体調が良いとか、真冬でも裸足で床に転がって生活できる環境は住み心地以上に健康にも役立っているように思います。

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