室温2度の攻防

2014.10.30.09:28

 以前、肌に熱電対を貼り付けて風に当たったときの温度を測ったことがありました。
 風に当たると0.8度肌の表面温度が下がりました。風に当たり多くの気化熱が奪われたことで温度が下がったわけですが、1度以下でも体ははっきり温度差を感じることができます。

 わが家では室温32度だったらエアコンは使おうとも思いませんが、33度を超えてくるとエアコンを使います。
 室温が33度を超えてくる時は外気温は最高気温35度以上の猛暑日なので富山では年間8日間ぐらいあります。

 これまで継続して室内外の温湿度を測る中で室内が暑くなるのは大きなエネルギー(3.6MJ/m2)をもった日射が窓から室内に入ることでカーテンや床などが暖められてそれによって室温上昇が起きていることが分かってきました。
 室温上昇は壁や屋根の影響もありますが、窓から入ってくる日射エネルギーを減らせば室温上昇を抑えることができるようです。

 幸い南側は軒が長く出ているのでお盆頃の暑い時期でも直射日光が部屋に入る面積は小さく障子の効果もあって何の対策もしていません。
 西側についてはお昼過ぎに室温や壁が暖まってから日射が当たるので外壁は65度ぐらいまで上昇します。周囲が暖まってから日射が当たるので日射遮蔽と風通しの両立ができるカモフラージュ・ネット(偽装網)を使って室内に入る日射を減らしています。

 西日対策をすることでわが家では2度室温上昇を抑えることができます。
 つまり、今まで35度あった室温が33度程度になるわけですからエアコンを使う日も減ったというわけです。

 エアコンを使うことは悪いことでは無いし、必要なときは使えばいいと思います。
 しかし、エアコンはフィルター掃除や機器内部に発生するカビなど電気料金以外の話しもいろいろ出てきます。
 エアコンを使わないで生活できれば余計な心配をしなくて済むので、どんなときに使ってどこまでだったら使わなくて済むのかを探していたわけです。

 こうした取組は私一人でやっていたのではうまく行かなかったと思いますが、測定データや家族の反応などを見聞きしてくれる建築士がいることは大きいと思います。
 私は外気温35度までの対応ですが、建築士はそれ以上に気温が上昇したときの対応も実測値と共に話してくれます。

 屋外から熱の侵入を抑えることは室温上昇対策にはとても大切なことですが、体が感じる体感温度は湿度に大きく影響を受けます。
 同じ温度でも湿度が低い木の家では体感温度が低いので32度でも普通に生活することができます。

 住まい手ができることは限られていますが、温熱環境の技術を持った建築士が考えてくれた家では住まい手がちょっと工夫すれば室温を1、2度抑えることができます。
 わずかの温度差ですが暑く感じる境界面での温度差は生活費や健康に少なからず影響があるように感じています。

地域の違い

2014.10.25.14:46

 地域にあった家造りをしましょうと言われますが何をどのようにしたら地域に合うのか今ひとつはっきりしないところです。
 富山で生活していると南の方はもう少し暖かくて、北は寒そうだぐらいに捉えている程度です。
 ところが違う地域で生活している方の話しを聞いてみると想像もしていなかった話しがたくさん出てきます。

 太平洋側の冬は晴れる日が多いし乾燥しているので布団や洗濯物が乾いていいなと思って話しを聞いてみたら、とんでもない!肌は乾いてピリピリするし乾いた風は寒いのでしっかり防寒しないと風邪を引いてしまうとか、沖縄の台風は一日中、時には日をまたいで四方から風雨が吹き荒れると話してくれた方もいらっしゃいました。
 富山にいて方向を変えながら一日中暴風雨が吹き荒れるなんて想像もできません。

 これまでは他の地域の話しを聞くことが多かったのですが、最近他の地域で生まれ育った方が富山で家を建てる話しを聞く機会がありました。
 富山で家を建てることになって富山の建築士に相談をしたのですが、要望は内断熱してさらに外断熱もやって欲しいというのでそこまでしなくても・・・と説明するのに苦労したそうです。

 お施主さんは北海道で生まれ育ち気密と断熱は家造りには大切だと捉えている方で、富山で十分な仕様でも生まれ育った地域の仕様に強く影響を受けている話しだと感じました。

 以前に建築士が開いている勉強会のお手伝いに行ったときの話です。
 受講生が設計した家の図面から家から逃げていく熱量計算する場面で富山の受講生の皆さんはだいたい同じ値になるのに、寒い地域から参加した方は小さい値になっていました。
 設計段階で計算していなくても地域にあった家造りをしている方の計算結果を見て地域差を感じることができました。

 窓の大きさにも地域によって違いがあるようです。
 暖かい地域の窓は大きくて晴れていれば窓が開いている家が多いように感じます。
 少し前にわが家では夏の高温多湿時でも室内湿度が60%ぐらいだと書いたことがありました。木の家だったらどんな地域でどのような使い方をしても室内湿度が60%!では無くて雨天時や長雨の後など窓を閉めた状態で測った室内湿度が60%ぐらいという話しです。
 窓を開ければ屋外の影響を受けるし、窓を開けて生活する地域の方に窓を閉めたら・・・と言う話をしてもうまく伝わらないかもしれません。

 生活しながら地域の特徴を捉えることはとても難しいことですが、地域の特徴を掴んだ建築士が考えてくれた家は他とは一味違います。
 最近の設備は優秀だから・・・と設備で地域差を小さくするのもいいですが、せっかく家を建てるなら地域にあった住み心地のよい木の家が増えてくれたらいいと思います。

色が揃った木の家

2014.10.13.19:27

 建築士は家造りの早い段階から色が揃った木の家について話してくれましたが、私には色が揃うということについてのイメージができませんでした。色が揃った板
 建築士が色が揃った家は綺麗だと言うからいいらしい・・・といった感じで捉えていたように思います。

 住み始めて何年経っても色が揃った木の家のどこがいいのか消化不良の時期が続いていました。
 ある日塗装していない木の家を見せてもらいバラバラの色を見て驚きました。
 木は自然素材ですから色がバラバラなのは当たり前のことですし自分でも分かっているつもりだったのですが、わが家との違いにとても驚きました。

 両方とも正真正銘の木の家ですが色が揃った木の家を見てしまうと両者が同じだとは思えなくなってしまいます。
 建築士はこのことを伝えたかったんだと木の家に住み始めて何年も経ってようやく気がついた次第です。バラバラの板

 色が揃った木の家の価値が分かってくると揃えてくれた林業家や大工さんの苦労も見えてきます。
 1階の天井板を張る前に大工さんの一人が右から三番目・・・などと言いながら2階にいる大工さんに声をかけていたシーンがありました。
 下から見上げてなるべく揃うように手間をかけてくれていたことをずっと後になって気がつきました。

 また、富山の林業家が話してくれた「綺麗な木もあるんですけど」の一言から揃えることの大変さが伝わってきます。
 木の家という言葉は頻繁に聞くようになりましたが、色が揃った木の家となると簡単じゃなさそうです。
 といって色が揃った木の家は高額で一部のお金持ちだけが建てられる家ではありません。

 建築士と相談しながら家造りを進めていたとき、私には色が揃う価値についての理解は全くありませんでしたが、色が揃う価値に気がつくと元には戻れません。

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