サーモ・テープ

2014.11.28.00:48

 屋内外の温度や湿度を継続して測っていると季節ごとにどんな温度分布になるかが分かってきます。
 特に冬季に関しては外気温・室温・床上5㎝の3カ所を測るといろいろ役に立ちます。サーモ・テープ

 だからといって家中に温度計や湿度計を何台も設置するのは費用もかかるし、日常生活で何台も計器を見ながら生活するのは一部のマニア?ぐらいです。

 継続してデータを取るには記録機器やデータの加工分析といった作業が必要になりますが、日常生活で明日は寒くなりそうだからちょっと設定温度を上げておこうとか、今日は暖かくなりそうだから設定温度は少し下げようかといったことは普通にやっていることだと思います。

 その際、目安があれば便利ですし外気温と室内環境の関係を掴んでしまえば明日の予想最低気温だけで室内がどれだけの温度になるか分かるようになります。
 私は何台も測定機器を使いましたが、もっと簡単に使える物が無いか探していたところサーモ・テープなるものを見つけました。
 液晶を使った温度計なのですが、これが結構正確で反応も早く、シール付きなので貼り付けて使うことができます。
 価格は6枚で2,000円ぐらいですから一枚340円ぐらいです。

 これを柱や床、壁などに貼り付けるとその部分の温度が分かります。
 わが家では床、床上5㎝の柱、外壁に面している壁、外壁に面していない壁、窓の下の壁、天井に貼り付けています。

 サーモ・テープのいいところは温度表示を見れば誰でも分かる手軽さです。
 床暖房の設定温度は温水温度で調節すると思いますが、床の温度が把握できると外気温によって変化する床温度の関係も掴みやすくなります。

 ところで家の温熱環境が分かったところでそれが何の役に立つのでしょう。
 好奇心も大切ですがそれだけでは長続きはしないと思います。
 一番は快適さを損なわずに費用が減ることです。

 快適性を損なわずに費用が減る仕組みは意外と単純で、寒い日に温度を上げたまま暖かくなってもそのままにしていたものが、測ることで暖かくなったら温度を下げられるようになります。
 言い換えれば寒くないのに暖房していた分を減らしたわけですから快適性も損なわずにすむというわけです。

 1台の温度計よりも高さや場所の違いによる温度変化を把握した方が快適な室内温度を見つけやすくなります。
 できるだけ費用を抑えて手軽に家の温熱環境を観察するツールとしてサーモ・テープは使えそうに思います。

暖房と採暖

2014.11.25.19:21

 今年も冬がやってきました。3年ほど前までは一冬に2,000リットルの灯油を暖房だけに使っていましたが、床暖房の熱源機をヒートポンプに替えたり温水もエコキュートに替えたので灯油は使わなくなりました。
 暖房費用は大きく減りましたが、減った金額を施設整備積立金に振り替えているので私のこづかいが増えたわけではありません。

 さて、一口に暖房と言っても暖房方法は様々です。エアコン、石油ストーブ、ファンヒーター、ホット・カーペット、こたつ、床暖房、薪ストーブ、太陽からの日射などを組み合わせながら使っていると思います。
 暖房する時間や場所についても全室連続暖房、必要な場所に必要な時間だけの間欠暖房など人それそれの使い方があります。

 言葉の使い分けとして暖房は房(建物)を暖める方法と個別に暖を採って寒さをしのぐ採暖に別れるようです。
 諸外国では発電所などで発生する大量の熱をパイプラインで建物に引き込んで建物全体を暖める方法やオンドルなど台所で発生した熱を床下に引き込んで床を暖める暖房が発達した地域もあります。

 最近はオンドルと言っても温水床暖房方式が多いし、発電所以外で熱を作って供給しているところもありますが、いずれも建物を暖める暖房が主流です。
 日本は日射を取り入れられる比較的温暖な地域で発達してきた歴史があるので建物全体ではなく必要な場所を暖める採暖が発展してきたようです。

 建物を暖めるには建物から熱が逃げないように工夫する必要がありますが、やり過ぎると夏に困ります。
 最近の家は断熱性能が高いし、客間や二間続きの座敷が無いとか、部屋を細かく仕切らないで小さな家を大きく使う家が増えているように思います。

 家が小さく、断熱性能が高ければ建物を暖める仕様には有利なのですが、家に誰もいないときや寝ているときまで暖房するのはちょっと・・・という気持ちもあってなかなか連続暖房している家は少ないようです。
 測ってみると連続暖房しても間欠暖房しても費用にそれほど大きな差は無いのですが人の気持ちは簡単には変わらないので、住まい手自身が気がついて行動するしかないように感じています。

 連続暖房は帰宅時や起床時に暖かいだけじゃ無く、暖房の質が大きく違います。
 間欠暖房では冷えた室内を短時間で暖めるため暖かい(熱い)空気で部屋を暖めようとします。空気は暖まりますが壁や天井、家具は室温よりも冷たいとか上下間で温度差ができるのが普通です。
 連続暖房では壁や天井、家具も室温に近い温度になっているので体から熱が奪われる冷放射が少なくなりますが、時間がかかります。

 体感では連続暖房している室内は”やわらかい”感じがします。
 暖房がやわらかいと言われてもイマイチ分かりにくいかもしれませんが、室温と壁などに温度差が少ない環境で生活していると他との違いがよく分かるようになります。

 地域によってはエアコンで連続暖房が可能なところもありますが、富山ではエアコンだけで家中は暖かくならないので床暖房を使っています。
 ヒートポンプなど高効率の設備のおかげで費用を抑えながらやわらかい暖房の中で生活できるようになったわけですが、私は最初からこうしたことを知っていて家を建てたわけではありません。

 暖房の歴史や連続、間欠暖房という言葉も最近になって知りました。
 住み始めて8年も経ってようやく暖房について少しだけ考えることができるようになりました。

 私たち家族は何がいいのか分からないけど、この家は他とはどこか違うという中で生活してきました。
 それはそれでうれしいことなのですが、どこが違うのかちょっとでも分かると心が豊かになります。

土壁の家

2014.11.18.10:49

土壁と管柱 林業家のモデルハウスは土壁の家です。植林ツアーや伐採ツアーには必ず訪れるので私も何度も見せてもらいました。
 土壁は熱容量や湿気容量が大きいと聞いていましたが、実際はどんな感じなのか興味がありました。

 今回林業家にお願いして午後3時頃から翌日の10時頃まであちらこちら温度を測ってみました。
 測定初日は雲もありましたが晴れ、翌日の朝には外気温は4.3度まで下がり日中は快晴でした。TSモデルハウス土壁熱画像
 モデルハウスでは暖房は使わずに測りました。土壁の温度は午後9時半頃に16度ぐらいあって測りはじめた午後3時よりも高くなっていました。

 翌朝午前7時の外気温は4.3度、室内は13度と寒いので暖房しようかと思ったのですが、外は快晴で日射に当たると暖かいので暖房は使わず観察を続けました。
 午前10時頃、床や天井の温度が上昇してきましたが、土壁の温度変化は小さく柱や建具など木でできている物と温度差ができています。

 正午頃たくさんの方がモデルハウスにやってきたので温度測定は終了しました。日射がある床

 無暖房でしたが正午頃の室温は18度ぐらいあったので寒いという言葉は聞きませんでしたし、大きな窓まで開けて林業家の話を聞いている様子に富山とは随分違うなぁと感じました。

 今回の観察で熱容量の大きい土壁とそれよりも小さい木がバランスよく室内にあると日中の熱を土壁に蓄えることで日が沈んでも室内の温度が下がりにくくなること、温度が下がった室内に日射が入ると熱容量が比較的小さい木が温度上昇し始めるので温度上昇が遅い土壁を補ってくれる様子を観察することができました。TSモデルハウス床熱画像

 11月中旬の日射エネルギーはお昼頃で600W/㎡ぐらいあります。
 窓は6㎡なので3.6KWの日射エネルギーは10畳用の石油ファン・ヒーターの最大出力ぐらいになります。(3時間ぐらいで灯油1リットル消費)

 午前10時頃に熱カメラで柱と土壁の部分を見ると先に柱や木でできた家具の表面温度が上昇していることが分かります。
 床の熱画像では早い時間から日射が当たっている窓際と日射が当たり始めた部屋の奥では温度が違うことも分かります。

 暖房については熱容量よりも断熱の方を優先すべきだとか、エアコンなど高効率の設備利用などいろいろ意見が分かれる話しです。
 今回は測る時間が短かったとはいえ、大きな熱容量を活かした土壁の家での暮らし方の一端を感じることができました。

 以前から土壁は壁と柱の間からすきま風が入るのでは無いかと心配していました。
 隙間があれば午前7時の屋外は4.3度、室内は13度でしたから熱カメラで捉えられるはずだと思ってあちらこちら見てみましたが、壁と柱の間に冷たくなっている部分は見つかりませんでした。

 モデルハウスは20年ぐらい経っていますから土壁だから隙間風・・・は私の思い過ごしだと分かりました。

 これから家を建てようとする方がそれまで持っていた木のイメージをリセットする場として活躍しているモデルハウスですが、自然から得られるエネルギーを取り入れながら生活する自立循環型住宅を考える入口として多くの方に見ていただきたいと思いました。

熱容量

2014.11.11.09:35

 熱容量から単位容積当たり蓄えられる熱量が分かります。
 ある物質の熱容量が100だからと言って100をパッと当ててすぐに全部蓄えてくれるわけではありませんし、100だけ与えたら無駄なく全部蓄えてくれるわけでもありません。
 蓄えるまでに時間はかかるしロスもあるけど100は蓄えることができるということです。

 温熱環境の話しの中には熱伝導率、熱容量といった言葉がよく出てきます。
 分かってしまえばなぁんだ!ということになるのですが、私には熱が伝わる速度と溜められる量の違いと言われてもすぐには理解できませんでした。

 熱容量のことを知るきっかけになったのはコンクリート・ブロックに温度センサーを貼り付けて一日の温度変化を測っていたときのことです。
 外壁の温度が50度を超えるお昼過ぎになってもコンクリート・ブロックは40度ぐらいです。金属屋根の表面温度は70度を超えていたので、コンクリート・ブロックには断熱効果があるんだと思いました。

 ところが日が沈んでセンサーをしまおうと思ったとき外壁や屋根の表面温度は外気温と同じ程度まで下がっているのにコンクリート・ブロックは相変わらず40度ぐらいを保っていました。
 コンクリート・ブロックは金属よりも暖まりにくくて冷めにくいことが分かります。

 暖まりにくくて冷めにくい代表格が水です。熱容量で見ても他の物質よりも大きい値を持っています。
 熱容量が大きいと言うことは多くの熱を蓄えられるわけですから深夜電力で水を温めておいて日中に暖房として使えそうだと思いましたが、水は100度以上の温度にはならないので少し熱容量が小さくても煉瓦などを使って500度以上の温度まで夜中に暖めておく蓄熱暖房機の仕組みを理解することにもつながりました。

 また、継続して温度を測っていたことで温度推移と時間を関連づけることができるようになりました。
 屋外の最低気温は日の出前が多く太陽が出ると急に気温が上昇してきます。それに併せて外壁の温度が上昇していくわけですが、熱容量が大きいコンクリート・ブロックは冷たいままで温度が上昇し出すまで時間がかかっていました。

 わが家の場合外壁面の温度変化が室内の壁に影響を与えるまで2時間ぐらいかかります。熱容量が大きい壁では時間差が大きくなります。
 夏は暖まった壁の温度を早く下げることが寝苦しさの軽減につながるわけですが、熱容量が大きいと冷めるまでの時間も長くなります。

 富山では新築住宅で土壁仕様の家はほとんど見なくなりましたが、今でも普通に土壁の新築住宅が建っている地域もあります。
 富山の冬は晴れる日が少なく熱容量の大きな土壁で日射エネルギーを蓄えることに期待できませんし、冬のことを考えて窓が小さいことから暑い時期には熱容量が大きいとなかなか冷めないので室温も下がりにくいように思います。

 逆に冬でも日射が期待できて窓を大きくできる地域では大きな熱容量を活かして冬に暖かく夏は窓を開けて室内に熱がこもらないような生活ができます。

 土壁には圧倒的な湿気容量を誇る調湿性や室内の空気を浄化する作用もありますし、木との相性が良いことから家に使われ続けているわけですが、家が建つ地域の気候風土によって土壁の捉え方は少しずつ違うのかもしれません。

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