壁内結露

2015.01.29.11:20

 床暖房は窓に結露しにくいと言われますが、寒い日に窓に結露することがあります。
 結露すると言っても窓の下など一部だけですし、日中は乾いてしまいます。
 わが家では窓の額縁に衝立を置いているので窓の下に低温の空気が溜まることから衝立が無いときに比べると窓に結露がしやすくなります。

 さて、家と結露の話になると壁の中で起きる壁内結露の話しが時々出てきます。
 壁内結露しないように気密をあげて水蒸気が壁の中に入らないようにするとか、室内で水蒸気の発生を抑えるなどいろいろ対策が考えられています。窓枠結露

 しかし、家が建ってしまうと壁の中がどうなっているのか調べるには壁を壊さないと見られないので住まい手としては室内の環境から壁の中を想像するしかありませんでした。
 建築士のご自宅では壁の中にセンサーを入れて継続して壁内の環境を測っています。

 ただ、露点温度は計算によって算出しているので測定値と窓枠に結露する様子を観察して確かめることにしました。
 窓の額縁に置いたセンサーで温湿度、アルミサッシ枠に貼り付けたセンサーで枠の温度を測ります。
 額縁の温湿度から露点温度を算出しアルミサッシ枠に結露する様子を観察しました。

 結果は算出した露点温度をアルミサッシ枠が下回った頃からうっすらと結露し始めたことで測定値と計算がだいたい合っていることが分かりました。
 建築士のご自宅で使われているセンサーと同じ物で観察したのでこの方法で壁内の環境を壁を剥がすこと無く継続して知ることができます。
結露と露点温度グラフ
 今回はアルミサッシ枠という金属表面での観察でしたが、耐力壁などは木材なので露点温度を下回ったらすぐに目に見える結露が発生するわけでは無いし、結露したとしても短時間であればすぐに乾いてしまいます。
 また、屋外は気象台が測っているデータが使えるし、室内の温湿度も測っているので壁の中の様子が分かることで屋外と壁内、室内における水蒸気の動きも分かります。

 冬は室内の水蒸気が屋外に向かうとか、夏は屋外の水蒸気が室内に入り込もうとすると言った話をデータを見ながら建築士が話してくれます。
 わが家では室内でたくさんの洗濯物を干しても室内湿度変化は小さく抑えられています。
 断熱材も調湿するものが使われているので屋外に急激な変化があっても壁の中の湿度変化は緩やかなものになっていました。

 私はちょっとやり過ぎですが、壁の中がどうなっているのか知ることができた今回の観察では結露以外のこともいろいろ学ぶことができました。
 百聞は一見にしかずと言われますが、これには続きがあって
 百見は一考にしかず
 百考は一行にしかず
 百行は一果にしかず
 聞くよりも見ること、見るよりも考えること、考えるよりも行動すること、行動して成果を出すことを説いた教えだと言われています。
 やってみることで得ることは失敗も含めていろいろあります。

 ご自宅を計測している建築士の話は他で見聞きするのとは説得力が違いますし、同じ作り方と暖房方法で生活している私たちには大きな安心があります。

洗濯物の室内干し

2015.01.26.00:00

 わが家では室内で洗濯物がよく乾きます。
 室内干しによるイヤな臭いもしないし、シーツなど大きな物でも半日ぐらいで乾いてくれるので助かっています。洗濯物干しスペース

 冬は室内が乾燥しやすくなるので浴室を使い終わったら換気扇を使わずに出入り口の戸を開けっ放しにしたり、室内で洗濯物を干すようにしています。
 以前、冬の室内湿度変化が小さいことが気になって測定間隔を1時間から1分にして湿度変化を調べたことがありました。

 測定間隔が1時間では見えなかった室内の湿度変化を捉えられて天然乾燥材の表面では早い速度で水蒸気のやり取りがあることが分かりました。
 前回は主に食事の用意などキッチン主体で湿度変化を観察したので、今回は洗濯物の室内干しによる湿度変化を調べてみることにしました。

 洗濯前に洗濯物の重さを測り、脱水後にもう一度測ると差分から水分量が分かります。
 湿度データといつどれだけ干したかを組み合わせてグラフにしてみました。
洗濯物とリビング湿度
 洗濯物を干せば湿度も上がっているように見えますが、相変わらず全体的な変化は小さいように思います。
 グラフでは朝までに洗濯物から1,800g程度放湿されているのですがリビングの湿度は4%ぐらいしか上昇していません。

 容積絶対湿度で見ると1立方メートルに水蒸気が0.8gしか増えていないことになります。
 洗濯物を干している場所は吹き抜けがあるリビングですが、他の部屋とはっきり別れていないので容積は300立方メートルぐらいです。
 室内に放湿したのが1,800gと分かっているのですから短時間でも湿度が50%を超えてもおかしくないのですが、湿度変化は小さく抑えられています。

 湿度上昇が抑えられた分全てを木が保持しているわけでは無いと思いますし、大きく気密が損なわれているわけでも無いと思いますが、調湿性の高い木の家で加湿器を使うのは効率が悪いようです。
 また、洗濯物が乾く際に気化熱を奪うので室温も下がるはずなのですが、干している場所の容積が大きいとほとんど変化しません。

 物干しスペースもあるのですが、干すのもたたむのも同じ場所でできる現在の場所に落ち着いています。
 物干しスペース(室内)ではシーツなど大きなものを干す場所として使っています。
 しかし、室内の湿度変化が小さいと言っても水蒸気はそれなりに出ているし、屋外は寒い時期なので壁内結露が心配になります。

 建築士のご自宅でも様々な計測が行われています。
 先日、壁内温度と湿度データを見せていただきました。
 私は室内の温湿度から露点温度を調べる程度ですが、建築士は壁の中の断熱材より屋外側、室内では最も温度が下がる場所の温湿度を測っています。

 同時に耐力壁の温度も測っているので、壁内の露点温度と耐力壁の温度をリアルタイムに測っていることになります。
 しかも測っている場所が家の中でも結露しやすい場所というこだわりぶりです。
 寒かった日のデータを見ても耐力壁は露点温度に達していませんでしたし、思っていたよりも余裕がありました。

 木の家では室内で洗濯物を干しても壁内結露の心配が無いというと林業家から注意されそうですが、わが家では壁内結露を心配すること無く毎日洗濯物を室内で干しています。
 今回は洗濯物と湿度変化に注目してみましたが、生活しているとキッチンや浴室、洗濯物や人の活動などいろいろ水蒸気の発生源はあります。
 壁内結露の話になると理屈ではこうなるはず・・・が多いのですが、壁の中はこんな環境ですとリアルタイムに見せていただけると安心します。

 家内に今回のデータを見せると室内で洗濯物を干すのは家には良くないと聞いていたので心配していたが、もっと干しても大丈夫みたいって言い出しました。
 だんだんリビングに洗濯物が増えて物干し場で生活することにならないか心配ですが、洗濯物が室内でよく乾くのはこの時期は特にありがたいです。

暖房事情調査

2015.01.17.14:36

 わが家は全室連続暖房なのでトイレや脱衣室、寝室もおおむね20度です。
 しかし、寝ている間や日中誰もいない時間まで暖房するのは無駄じゃ無いかとか本当に20度程度で暖かいのかなどいろいろな話しを聞きました。

 東京や徳島など富山よりも私が温暖と思っている地域の方と話していると「富山は寒いから・・・」と言う話になってしまいます。
 気温などを調べてみても確かに東京、徳島と富山を比べると富山の気温は低い傾向が見られます。
 気温は気象庁が条件を揃えて測っているので比べられますが、室温となると人それぞれの使い方があるので条件を揃えて比べるのが難しくなります。

 気象会社のウェザーニューズが2014年2月に冬の暖房事情調査と題して朝起きたときの寝室の気温や寝る前の寝室の気温を全国規模で調べた調査があります。
 これを見ると私が温暖だと思っている地域でも寝室の温度は朝、夜共に低い温度になっています。

 林業家のモデルハウスで夜から翌日のお昼ぐらいまで気温や壁の温度を測ったときも日の出直後は13度と暖かいとは言えない温度ですが、晴れていると急速に室温が上昇するし日射に当たっていれば寒く感じないので暖房は使いませんでした。
 朝13度だった室温は無暖房でもお昼には18度になっていましたし、太平洋側の地域にお住まいの方からわが家もこんな感じですとコメントをいただいたこともありました。

 気象庁の地域別最低気温や朝の室温だけで比べるよりも様々な要素を組み合わせて考えた方が地域の特徴を掴みやすくなると思います。
 家の性能を評価する物差しとして冬は室内から熱の逃げにくさ、夏は窓や外壁、屋根などから入ってくる熱の入りにくさが使われています。

 夏と冬では太陽高度が違うので夏季日射取得係数は冬には使えませんが、冬の日射が家の温熱環境に影響を与えているのは間違いなさそうです。
 日射取得熱に期待できない地域では自分でエネルギーを調達して室温を確保することになります。
 全室連続暖房するにしてもエアコン、床暖房、蓄熱など様々な暖房方法がありますし、間取りも影響します。
 吹き抜けがある場合は高さによる温度差が出にくい床暖房は相性が良いと思います。

 ウェザーニューズの暖房事情調査から冬の朝は全国どこでも寒いし、寝ている場所もそれほど暖かくは無いことが分かります。
 私もそうでしたが、新しい家は全室連続暖房で室温20度で暖かく過ごせますと言われて何の疑いも無く理解できる人はほとんどいないと思います。
 そんなことをしたら光熱費が心配とか寝てる時まで暖房しなくても・・・などいろいろ考えます。

 理屈はさておき、実際生活して快適で費用を払っていければそれでいいと思いますが、住まい手としては”こんなはずじゃなかった”だけは避けたいところです。
 寒い富山の家にどうして吹き抜けがあるのか、なぜ床暖房で全室連続暖房するのかを考えるとき、温度や費用以外の快適性や日射取得、結露や地域性など多くのことを総合的に検討して判断することは普通の住まい手にはできません。

 富山には住まい手が健康で温熱環境まで含めて快適に生活できる丈夫な家を考えてくれる建築士がいます。
 私たち家族は20度の室温について壁も暖まっていれば20度で十分暖かいとか、朝寒くて布団から出られないことが無い、70歳を超える母親が夜にトイレに行く回数が減ったなどといったレベルですが、建築士は壁内温度や湿度のことまで考えて室内の温熱環境を考えてくれます。

 建築基準法は最低限の仕様が決められていてこれ以下は違法だが、それ以上どのような仕様にするかは技術者が判断することになっているそうです。
 2020年には住宅のエネルギー消費量が基準に収まるように造りなさいと法律が変わります。
 試しにわが家を調べてみると2020年に義務化される基準をクリアーしていました。

 住み始めて8年半、設計から10年経ちますが、理屈を理解している技術者を頼って良かったと思います。

カンナ仕上げと塗装

2015.01.14.04:03

 富山では真壁仕様でも柱や梁に塗装する家が多いように思います。
 私も柱・梁に塗装しようか迷いましたが、今は塗装しなくて良かったと思っています。

 住み始めた当初はなぜ柱や梁に塗装するのかいろいろ考えたこともあります。家につかう木の色が揃いやすい地域では塗装しない傾向があり、色が揃いにくい地域では塗装することが多いとか、年輪の細かさとか塗装する文化などいろいろあるみたいですが、無塗装には大きな特徴があります。

 真壁仕様の家は柱や梁が表に出ているので常に見える状態で使われ、大壁仕様では壁の中に隠れてしまうので表面仕上げに違いがあります。
 真壁仕様に使われている柱や梁はカンナ仕上げがしてあります。

 カンナ仕上げは新築からしばらくは目立ちませんが、10年ぐらいするとカンナ仕上げ独特の艶がだんだん目立ってきます。
 この艶はサンドペーパーなどで擦らない限り失われることは無く時間の経過と共に艶が深まっていきます。

 伐採ツアーの懇談の席で30年経つ林業家のご自宅の話になったときに「最近、カンナ艶がいい雰囲気になってきて・・・」と話してくれたことがありました。
 杉を知り尽くしている林業家でも時間が経ったカンナ仕上げが放つ艶に目が止まる話しを聞いてやがてわが家も・・・となんだかうれしくなりました。

 自宅に帰って改めて見てみるとまだ8年ですが、少しずつ艶が出てきているのが分かりますし、建築士と一緒にお邪魔した15年経過した家では思わず「これか!」と声を出してしまいました。
 天然乾燥材の特徴は時間と共に色艶が深まると聞いていましたが、カンナ仕上げされた艶の経過を見るといっそう艶の深まりに魅力を感じるようになります。

 家を建てようとしていたときは建築士や林業家に天然乾燥材の魅力は・・・と聞かされてそうなんだと受け身で捉えていた私ですが、今はせっかく家を建てるなら柱や梁はカンナ仕上げしてほしいと思いますし、わが家がそうなっていることに今さらながら感謝している次第です。

 しかし、家を建てようとしていた時にこうした話しを聞いたとしても私には理解できなかったと思うし、木の家である程度生活してから林業家が最近カンナ艶がいい雰囲気に・・・と話してくれたからこそその魅力に気がついたのかもしれません。
 木の家は五感に優しく調湿性があると言われますが、他にももっとたくさん住まい手が気持ちよく生活できる要素がちりばめられています。

 建築士や林業家、大工さんはそれらを知っていて最初から取り入れようとしているのですが住まい手がそれに気がつくには時間がかかるところが悩ましいところです。
 私もいつか「最近、この家いい雰囲気になってきた。」と誰かに言えるかもと思うとなんだか楽しみです。

温熱環境と間取り

2015.01.13.11:29

 わが家は全室連続暖房です。
 日中も家族が家にいるので連続暖房を選択しているのですが、日中いない部屋も連続暖房です。最低気温の地域差

 寝ているときや日中いない部屋は暖房しない方が省エネルギーじゃ無いかと思ったこともありますが、連続暖房を選択しています。

 寝るときに暖房を切ると朝起きた時は部屋は冷えています。タイマーで起床前に暖房する方法もありますが、いずれも冷えた空間を暖めるので大きなエネルギーを消費します。就寝時暖房OFF

 富山の1月の最低気温を平年値で見ると横浜よりも3度低くなっています。
 同じ体感温度を得るには、富山は横浜よりも3度分余計にエネルギーを消費することになります。
 朝に室温が16度までしか下がらない地域と13度まで下がる地域は暖房エネルギーも違います。
(暖房を止めたときの室温変化は知人の家を測らせてもらいました)温熱環境と間取り

 また、連続暖房するには間取りも影響があります。
 図では4つの部屋を廊下で繋いでいます。玄関に続く廊下で部屋を繋ぐのは富山ではよく見かけますが、こうした間取りで全室連続暖房するのは効率が悪いように感じます。

 わが家のリビングは吹き抜けですが吹き抜けによって暖房の効きが悪いと言うことも無く床から5mある天井付近から床上5㎝まで1度以下の温度差です。
 全室連続暖房と間欠暖房をエネルギー消費だけで比べていましたが、最近になって連続暖房出来る間取りも大切だと思うようになりました。

 図のような間取りで使っていない部屋まで暖房しようとは思わないし、玄関に続く廊下を暖房するには大きなエネルギーが必要になります。
 建築士は細かいことまで言わないので気がつきませんでしたが、家の温熱環境は間取りも影響が大きいように思います。

 体感温度は室温の他に壁など周囲の温度に影響を受けます。壁が16度のとき体感温度を20度にするには室温を24度程度まで上げなくてはいけません。
 朝の寒い時間にキッチンで家事をするのは大変ですが、最近のキッチンはリビングと境目がないので空間が大きくなり暖まるまで時間がかかります。

 住み始めて8年半経ちました。家を考えていた頃は温熱環境という言葉はほとんど耳にすることはありませんでしたが、最近になって住宅の温熱環境が話題になることが増えているように思います。
 わが家の特徴は丈夫で長持ちして美しく住みやすい家だと私が勝手に言っているのですが、住みやすい家の部分には冬に日射が期待できない富山で快適性を損なわずにエネルギー消費を抑える技術と工夫がバランスよく練り込まれているように思います。

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