静電気 2

2015.03.27.02:51

 空気が乾燥する時期は静電気で痛い思いをすることが多くなります。
 分かっていてもバチッとくるあの感触はイヤなものです。足裏センサー
 身近なところでは化学繊維の着衣の摩擦によって発生し、指先から火花放電することで痛みを感じるものや帯電によってホコリや塵を吸い寄せるためテレビやパソコンのコンセント周りなどにホコリが溜まりやすくなります。

 以前、木の家は掃除が楽だと書いたことがありました。
 木が調湿することでホコリも湿気を持ちにくいとか、帯電しにくい性質のおかげでクイックル・ワイパーで簡単に掃除ができます。
 その他に住まい手として気がついたことがあります。

 わが家ではあのバチッ!が無いのです。家族に聞いてみてもそういえば家の中では無いと言っていました。
 着衣を脱ぐ際にバチバチと音がすることはあっても指先で火花放電を感じることはありません。
 裸足の生活なので足が必ず床に接していることで火花放電するほど帯電する前に緩やかに足から逃げていくのでバチッ!が起きにくいのだろうと思っています。

 冬でも裸足の生活ができるのは早い吸湿と遅い熱伝導のバランスが良い杉床の特徴と床暖房のおかげですが、火花放電が起きにくいことに気がつきました。
 汚れや傷が付きにくい床は裸足では冷たいのでスリッパを使います。スリッパが絶縁体になって体に静電気が溜まっていきます。

 指先で金属など伝導体に触れると一気に放電してあのバチッ!となるわけですが、静電気がイヤだから裸足の生活をする人は少ないと思います。
 木の家で生活しているとこうした結果的に快適性の向上につながっていることはいろいろあります。
 冬でも洗濯物がよく乾く、掃除がしやすい、夏は扇風機の風が気持ちいいなどどれも日常の生活に関連することばかりです。

 ドアノブは鍵を一旦当ててから触れるなどいろいろ言われています。室内が乾くから加湿器を・・・ジメジメするから除湿機を・・・床に傷や汚れがつくからスリッパを・・・何か気になることがあってそれに対処することは当たり前のことです。
 逆に当たり前のことは気がつきにくく言われて初めてそういえば・・・ということが多いと思います。

 指先からの静電気放電は日常生活の中で木の家を感じ取られるきっかけになりました。

杉床

2015.03.23.14:05

 杉の床は裸足が気持ちいいとか汚れや傷が付きやすいと言われます。
 裸足が気持ちいいのは杉床の持つ早い吸湿と遅い熱伝導のおかげなのですが、それが傷が付きやすいことにつながっています。
 裸足が気持ちいい快適性を損なわずに汚れがつきにくい工夫として林業家は板に熱圧加工することで両者のいいとこ取りした床材を提供してくれます。

 裸足が気持ちよくて汚れもつきにくい熱圧加工床板ですが、水をこぼして放置すると水の跡が白く残ってしまいます。
 一方、熱圧加工していない床板では水の跡はつきにくいのですが汚れは熱圧加工板よりもつきやすくなります。
熱圧、非熱圧の境目
 写真は9年近く経ったわが家の階段(非熱圧材)と熱圧加工した板の境目を撮っています。
 まだ新しい杉板と比べても熱圧加工板は汚れがつきにくい様子が分かると思います。

 そんなややこしいことを言わずに傷にも強くて汚れもつきにくい床材なんてたくさんあるでしょ!と言われそうですが、裸足が気持ちいい特徴は外したくありません。

 傷に強いと言うことは硬いわけですから熱の伝わり方も早くなり触れたとき冷たく感じますし、汚れに強いと言うことは汚れが吸着しにくいと言うことですから足裏から水蒸気を吸わなくなることでベタベタした感触になります。

 杉床で生活している住まい手は水回りの床に薄い敷物を使っていらっしゃる方が多いようです。
 熱圧の有る無しにかかわらず敷物を使っているわけですからキッチンや洗面台周辺は水の跡が少ないです。
 水の跡が多いのは食卓とキッチン間など住まい手によって違いがあるにせよ、室内の一部に限られます。
 汚れについては家族が行き来するところは全部対象になりますし、行き来が多い部分は汚れやすくなります。

 おおざっぱに言えば一部分の水の跡が気になるか、床全体の汚れが気になるかのどちらを優先するかが目安になると思います。
 水回りは薄い敷物を使うので意外に水の跡はつきませんし、住まい方によって水の跡がつきやすい場所は限られてくるので対策が取りやすく、床が水の跡だらけになることは避けられそうです。

 私は汚れにくいことを優先して熱圧加工板を採用しましたが、どっちを選ぶかは住まい手の好みです。
 杉床は多少汚れが付くとか水の跡が残ることもありますが、家族が帰宅後一番最初に靴下を脱ぐ様子からも裸足の気持ちよさは最初からずっと変わりません。
 また、熱圧加工の有無にかかわらずどの住まい手も裸足の生活をしていらっしゃるので水の跡や汚れは快適性や居住性には影響が小さいのかもしれません。

 建築士は快適性や居住性に大きな影響を持つ裸足の気持ちよさについては導いてくれますが、好みの問題については施主が決めなくてはいけません。
 どっちを選んでも裸足の気持ちよさは変わりませんと言われても迷う気持ちはよぉ~く分かります。

温度差

2015.03.14.10:23

 富山の冬は日射が少ないので日射エネルギーを得る機会が少なく、自分で暖房エネルギーを調達して室温を保っています。
 最近は富山でもエアコンを主暖房として使う家が増えてきましたが、薪ストーブや床暖房など輻射熱暖房を取り入れる方も増えてきたように思います。
 代わりに石油ファンヒーターや石油ストーブなど室内に燃焼ガスを放出する暖房機器が減っているようです。

 最近のエアコンは1KWの電力で6KWぐらいの熱を出すタイプもあって効率が高いのですが、フィルターの掃除や冷房にも使うので機器内部にカビが発生することがあります。
 薪ストーブは強力な輻射熱で広い範囲を暖められるし炎には言葉で表現しにくい癒やし効果もありますが、薪の調達や煙突掃除などの手間がかかりますし、室内がほこりっぽくなる傾向があります。
 床暖房にしても室内が暖まるまで時間がかかるし床材によって床暖房の使い方に違いがあるとか設置にお金がかかります。

 さて、富山の冬は雲で覆われる日が多いので日射が少ないわけですが、そもそもなぜ雲に覆われるのでしょうか。
 富山には標高3,000メートル級の立山連峰があるから・・・では答えにならないので少し調べてみました。
 世界最速のコンピュータは軍用か気象に使われると言われるくらい気象には難しいイメージがありますが、理屈は意外と単純です。

 大気は温度と圧力が均衡するように移動する。
 相対的に暖かい大気は密度が小さく軽くなることで上昇するし、冷えた大気は密度が大きくなるので重くなって下降してきます。
 上昇するときには温度が下がるので飽和した水蒸気が凝結して雲ができます。
 たくさん水蒸気があればちょっと温度が下がっただけですぐに飽和して雲ができますが、水蒸気が少なければなかなか雲ができません。

 冬には低気圧に向かって大陸から冷たいけど乾いた風が日本海で水蒸気を得ながら日本列島に吹き付けてきます。もともと冷たい空気なのですぐに飽和して雲ができますが低い雲が多いそうです。
 低い雲が高い山にぶつかってせき止められることで曇りの日が多くなり、雨や雪を降らせて水蒸気が減って乾いた空気が太平洋側へと流れていきます。

 地形や水蒸気量などいろいろな要素があるにしても同じ圧力下では暖かい大気は上昇し冷たい大気は下降する基本は変わりません。
 室内でも冷たい空気と暖かい空気があれば必ず別れようとします。

 私は今まで室内で発生する温度差については暖かい空気を下ろせばいいと思っていました。
 ところが暖かい空気を下げる気流を作ると同時に暖かい空気が上昇する気流も発生するので打ち消し合って吹き抜けなど高さがある場所では思ったほど効果が出ません。

 さらに、温度差が小さければわずかの気流で撹拌できますが温度差が大きいほど安定するので、より暖かい空気は上層に貼り付き、より冷たい空気は下層に貼り付いてしまいます。
 暖かい空気のことだけを考えて、天井にファンを取り付けたり扇風機を天井に向けたりするわけですが、少しはマシになる程度で気流による体感温度のことを考えるとあまりいい方法じゃ無いように思います。

 暖かい空気は暖房機器から出てきますし、冷たい空気は隙間風やまだ冷たい壁や天井、窓などで冷やされることで発生します。
 室内の上下に温度差がある限り生活している下層は冷たい空気の溜まり場になるのですから自然の摂理に逆らって上層の暖かい空気を無理矢理下げるよりも、下層に冷たい空気を作らないとか取り入れない工夫の方が良さそうに思います。

 暖房というと暖房機器や暖房方法の話しが多くなりますが、建物の中に寒さを持ち込まない工夫は暖かいという室内環境には大切なのかもしれません。
 熱が逃げにくい家で連続暖房していると与える熱は小さくて済むし、壁や天井もやがて暖まるので設定温度は室温に近い温度になり、高さによる温度差も小さくなっていきます。

 加えて私の場合は窓に衝立を置いて窓で冷やされた下降気流(コールド・ドラフト)が室内に流れ込まないようにしています。
 富山では日射という自然エネルギーには期待できませんが、自然の摂理を取り入れて室内から寒さを取り除くことはできると思います。

 寒さが取り除かれた室内では暖かいと言うより寒さを忘れてしまうほど自然な環境で生活ができます。
 それが熱ストレスが少ない快適性や室内を広く使える居住性の向上につながっているように思います。

温熱環境と床暖房

2015.03.11.10:55

 私が新築を考え始めた頃は無垢の床材と床暖房は相性が悪いと言われていました。
 床暖房と無垢の床材の組み合わせでは床に大きな隙間が空いてしまうと言うのが主な理由だったと思います。

 確かに無垢材、特に天然乾燥材は急激な温度差に弱い傾向があり起床時や帰宅時に床暖房のスイッチを入れて急激に床の温度を上げる使い方は不向きなように思います。
 35度ぐらいの比較的低温の温水で床を暖めるタイプであれば問題は起きにくいと思いますし、むしろ無垢の床と床暖房の相性は良いとさえ感じます。

 床暖房を導入するにしてもリビングだけとか寝室やトイレは設置しないなど室内の一部だけと言う方も多いと思います。
 私も建築士から全室床暖房の提案をもらったとき、そこまでしなくても・・・と思いましたが、全室設置するのも一部だけにするのも費用に大きな違いは無かったし、建築士が言うのだから他に何かあるのかもしれないと思って全室床暖房を設置することになりました。

 今はあの時、建築士の提案を断らなくて良かったとしみじみ思いますが、当時の私には暖房についての知識は乏しく寒い部屋を暖める暖房機器としてストーブ、エアコン、床暖房のうちどれを選択するかといった感じで捉えていたように思います。
 床暖房は輻射熱で日だまりのような暖かさだと説明されても輻射熱ってナニ?という始末で建築士には随分苦労をかけたと思います。

 自宅の温熱環境を測り続ける中で建築士が何を伝えたかったのか最近少し分かるようになってきました。
 エアコンやストーブは熱源で空気を暖め寒い室内に吹き出したり、温度差による対流を利用して部屋を暖めます。
 これらの方法は室内に暖かい空気の層とまだ暖まってない空気の層ができます。
 しかも、暖かい空気は密度が小さくなることで軽くなって上に昇ってしまいます。

 暖められた空気はまだ暖まっていない壁や天井に熱を奪われることで温度が下がっていきます。
 温度が下がると空気の密度が大きくなるので重くなって下に降りてきます。
 住まい手にとって悩ましいのはいつまでたっても暖かい空気は上層にあって冷えが空気が下層にあるということです。
 下層にある空気で寒くない温度にしようとすれば上層は40度を超えることも珍しくないそうです。

 それじゃ天井にファンをつけて空気を撹拌すればいいと思いますが、密度の違いによって別れている安定した空気層を撹拌するのは容易ではなくファンを止めてしまえばすぐに戻るし、強く撹拌すれば気流によって体感温度を下げてしまいます。

 床暖房も床を暖めて室内を暖めるのかと思っていましたが、床から放射される遠赤外線(光)が壁、天井、家具や人に当たって分子を振動させて熱を発することで壁や天井などが暖かくなりそれに接している空気が熱伝導によって暖まる仕組みだと分かってきました。

 床暖房が室内の上下間で温度差が小さいのも壁や天井が空気よりも先に暖まるので空気の対流が起きにくくなることが関係しているようです。
 でも、床暖房は部屋の温度が安定するまでに数日を要しますし、エアコンやストーブの場合、普通は外出時や寝ているときは暖房しません。

 連続暖房なんて無駄だと言われそうですが、最近の家は熱が逃げにくいので連続暖房しても起床時や在宅時だけ暖房しても費用に大きな差はなく、起床時や帰宅時に暖まるまで待つことを考えれば体の負担は随分小さくなります。
 全室連続暖房は比較的小さい熱を連続的に与えることで室温を保つ方法ですから熱源を意識すること無く寒いと言うことを忘れてしまいます。

 寒く感じない家では室内を開放的に使えるしトイレや浴室も室温と同じなので風呂の入り方まで変わってきます。
 私は単純に冬でも暖かい家にしてほしいと言いましたが、建築士は一歩進んで室内から寒さを取り除き、室温を保てる環境を考えてくれていたように思います。

 部屋を暖めるだけならストーブやエアコンで良いわけですが、暖房費や住まい手の居住性や快適性まで考えると床暖房による全室連続暖房は富山の冬に合った暖房だと思えるようになってきました。
 熱源にヒートポンプが使えるようなったり、床暖房設置費用が安くなってきたことも追い風になっているように思います。

 富山では11月から翌年4月下旬までの5ヶ月間暖房します。暖房期間の居住性や快適性は住み心地に大きく影響します。
 私にはこうした知識が無く全て建築士が考えてくれたこと今になってやっと少しだけ分かってきてこうしたことを書いているわけですが、無垢の床材と床暖房は相性が悪いと誰かが言った一言であきらめないで技術者の話にも耳を傾けてほしいと思います。

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