消える節

2015.04.20.10:43

 大工さんの番付を見てきました。
 わが家の番付から10年経ちましたが、何度も見せてもらうと見方も変わってきます。
 大きな梁を寸法に合わせて両端を切り落とすための線が書かれています。ところが片方は端からギリギリなのにもう片方は余裕があるように見えました。切り落とす部分

 どうしてこんな墨付けをするのかしばらく見ていると、あっ、節だ!と気がつきました。
 緑の矢印は節の位置で、赤い線のところで切り落とします。
 もともとこの梁には2カ所しか節が無かったのですが、手前の節を切り落としてももう一つ残ります。

 2枚目の写真では節の辺りに墨付けされていますが、この部分には仕口が刻まれるのでこの節も見えなくなります。
 大工さんは大きな節には大きな力がかからないように配慮をしながら仕口と節が重なるように切り落とす場所を決めていたわけです。
仕口で隠れる節
 たくさんある柱のどれをどこにどの向きで使うか決める番付も見ることができました。
 節が少ない面を見栄えのする場所に向けているのかと思ったのですが、わが家で観察してみるとどうやら大工さんは乾燥割れが入りそうな面が室内に出ないように見ているように思います。

 真壁仕様では柱が表に出ているので、室内には柱の1面以上は見えていることになります。
 わが家に使われている芯持ちの柱には背割りはしていないので必ずどこかが割れているはずなのですが、室内に割れている面が見える柱が少ないのです。

 番付の時に割れやすい面を避けてくれなければ使われている4分の1の柱が割れている面を室内に向けていてもおかしくないのですが、わが家では少ないです。
 大工さんの番付では節を消したり、乾燥割れが表に出ないようになどいろいろ考えてくれていることが少し分かってきました。
柱を見る大工さん
 私が家を建てる時も建築士や大工さんは番付を見せてくれたし説明もしてくれましたが、初めて見る私は舞い上がって見ただけ・・・だったと思います。
 しかし、あの時見せてくれたおかげでこうして何度も番付を見ることで少しずつ大工さんの仕事が見えるようになってきました。
 番付は見栄えだけじゃなく適材を適所に使うとか仕口・継手加工などいろいろ目的があります。

 天然乾燥材を手刻みするなんて高価で手が出ないと私も思いました。
 建築士や林業家は「一部のお金持ちだけが建てられる木の家では意味が無い」と言います。
 天然乾燥材をうまく説明できない方や手刻みを面倒だと考えている作り手のやりたくない値段を見ると高価だと思ってしまいますが、それができる作り手は普通のサラリーマンでも手にできる家を建ててくれます。

 2枚目の写真をよく見ると節本体は仕口加工で見えなくなりますが、木目の流れから節があることが分かります。
 10年前、わが家の梁の節について何か聞いた覚えがあったのですが、家が建ってしまうと分からない部分なので今まで気にしていませんでした。

 わが家でも木目の流れからたぶんこの先にフシがあるはずが隠れて見えなくなっている部分が見つかりました。
 今までこの梁は節が少なくて綺麗だと思っていましたが、大工さんが節を消してくれたことに10年経ってようやく気がつきました。

エネルギー消費

2015.04.17.02:49

 わが家は11月から翌年4月下旬まで全室連続暖房です。
 トイレや脱衣室を含めて24時間暖房を続けて室温を21度ぐらいに保っています。
 全室連続暖房についてはブログに何度か書いていますが、寝ているときや誰もいない時間まで暖房するのはもったいないとよく言われます。
 本当に全室連続暖房は無駄が多いのか調べようにも世帯によって暖房方法や熱源が違うので簡単に比べることができませんでした。

 最近便利なものを見つけました。
 「Forward to 1985 energy life」

 電力やガス、灯油使用量の明細があればエネルギー量として計算して近隣地域の同じ世帯人数の標準的な使用量と比較することができます。
 早速、わが家のデータを入力してみると標準家庭の98%の年間消費量になりました。

 11月から翌年4月下旬まで全室連続暖房しているわが家が特別大きなエネルギー消費じゃ無いとすると部分間欠暖房(必要とする部屋に必要な時間暖房)でも結構エネルギーは使っていることになります。

 使っているエネルギーに大きな違いが無ければ起床時や帰宅時に室内が寒くないのはありがたいことです。
 全室連続暖房について話しをするといいのは分かっているけど、費用が・・・となることが多いのですが、熱が逃げにくい最近の家では暖房費用に大きな違いは無いようです。
 費用よりもどのような暖房をどのように使うかと言った暖房の質による住み心地の違いは大きいように感じています。

 室内の高さによる温度差ができやすい暖房だったり、床上5㎝辺りに冷気が流れ込むような環境と言ったあまり注目されていないところを工夫することで費用を抑えながら快適性を向上させることができるように思います。
 建物で決まることもあるし、住まい手のちょっとした工夫で改善できることもありますが、最初から温熱環境について考えられた家であることはとても大切だと思います。

 地域によって住宅の温熱環境の捉え方は違います。地域の気候風土にあった家を求めることは高価で優れた設備機器を手にすることよりも遙かに価値があります。
 家を建てようとしていた10年前は気候風土にあった家がいいんだぁ程度に捉えていましたが、今は富山の気候風土にあったわが家の基本性能の高さを自慢に思いますし、家を作ってくれた林業家や建築士、大工さんや職人さんへの感謝は住み始めた頃よりも深まっているように思います。

 普通の住まい手がエネルギー消費を考える時はまず自宅の消費量を把握することが大切だと思います。
 それが分かって目標ができて具体的な行動に進んでいきます。私の目標はわが家よりもエネルギー消費量が1割少ない建築士のご自宅です。

 住み始めて9年近くになるこれまでは居住性や快適性を犠牲にしない費用軽減策への取組でしたが、これからは費用もさることながら消費エネルギーに注目して少ないエネルギーで快適に過ごせるような工夫を積み重ねていきたいと思います。

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