外壁の変化

2016.08.28.17:30

 わが家の外壁は杉板です。
 板張りの外壁は保護塗料の塗り直しなどメンテナンスが大変そうなイメージがありますが赤身の板であれば塗装無しでも十分長持ちします。南側外壁

 当初は塗装した赤身の板を使いましたが、時間が経つと塗装がはがれて板の素地がむき出しになります。
 雨風、日光がよく当たる南側外壁が最も早く塗装が剥がれ、北側の外壁は10年経っても大きな変化がありません。北側外壁

 塗装が剥がれてしまうのは日光によって板の表面が劣化して雨風によって剥がれ落ちることで起きるそうです。
 塗装が剥がれたら塗り直しと思いますが、元々赤身の板は光劣化には強いので少しぐらい劣化しても外壁としての機能を損なうまでには50年以上かかります。

 最も変化が見られる南側の外壁を観察すると板は一様に変化するのでは無くて年輪の堅い部分と柔らかい部分で変化の様子が違います。
 柔らかい部分は早く劣化してやせ細っていきますが堅い部分は結構粘っているので板がデコボコになっています。劣化した板の表面

 デコボコになっている板の表面を拡大してみると柔らかい部分は細胞が膨らんでいて中に何か入っているように見えますが、堅い部分は細胞の壁が圧縮して固まっているように見えます。
(3枚目写真の赤丸部分を拡大したのが4枚目の写真)

 細胞壁は結構堅いらしく圧縮して集まっていると劣化が進みにくく、柔らかい部分は堅い細胞壁が広がっているので密度が低いことから相対的に早く劣化が進んでいるように見えました。拡大した板

 木の細胞なんて普段なかなか見られませんが、10年経った外壁を拡大しただけできれいに並んでいる細胞を見ることができてよかったです。

 外壁には様々な材料が使われています。
 表面が劣化して下地材が出てしまい美観や機能を損ねる材料もありますが、外壁として適材である赤身の板は素地全部が同じなので下地が出ると言うことはありません。

 また、劣化と言っても表面だけで起こる現象なので風雨で劣化した部分が剥がれなければ内部まで劣化が進むことが無いことも赤身の板の特徴だそうです。
 そうは言っても使っていれば物が当たったり一部が傷んだりします。
 板は生物資源なのでまた同じ物を使うことができますし、3年も経てばどこを張り替えたのかわからなくなってしまいます。

 外壁として優れた材料という話には必ず赤身の板が出てきます。
 板張りの外壁はメンテナンスが大変そうに思っていましたが、10年経ってほとんど何もしていません。
 住まい手が何もしなくても板の表面では光劣化に対抗する機能が働いていてそれを上手に利用する方法でわが家の外壁ができていることが少しわかりました。

調湿性とビール瓶

2016.08.08.00:27

 木には調湿性があって柱一本にはビール瓶○○分の水分が・・・。
 ビール瓶の話はよく出てきますが、どうしてビール瓶が例えになっているのか不思議に思っていました。
 以前、林業家がそれは何とかという本に出てくると話してくれたのですが本の題名を聞き漏らしてしまってずっとモヤモヤしていました。ビール瓶と調湿

 本に出てくるというキーワードだけで探してみたところ見つかりました。

 「木づくりの常識非常識」 上村武著

 この本の中にビール瓶の話が出てきます。
 ビール瓶の話の理屈がわかったのでちょっと計算してみました。

 まず、杉で長さ3m、三寸五分角の柱の重さを求めます。
 10.5㎝×10.5㎝×300㎝ =33,075立方㎝
 33,075立方㎝の体積と杉の気乾比重0.38から12,568グラムとなります。
 12,568グラムは杉が大気中の水蒸気を吸った状態なので含水率15%として全乾重量を求めます。

 12,568÷1.15=10,928(全乾重量)
 12,568-10,928=1,640(柱に含まれる水分量)
 1,640gをビール大瓶633mlで割ると2.5本分となります。

 4寸角だと3.3本分
 長さ6m、8寸角の大黒柱になると27本分の水分を含んでいることになります。

 よく聞く話は木には調湿性があって柱にはビール瓶2.5本分の水分が含まれていると言うものですが、実際に調湿するのはもっと少ないことが本の中でも書かれているし、柱の大きさや長さが違えば水分量も違うのに、ビール瓶2.5本分という言葉だけが一人歩きしているように感じました。

 本の中には静岡大学で行われたマウスの実験や貨物船の船員の居室はできるだけ木の内装が使われる話などおもしろい話がいろいろありました。

エアコンと湿度

2016.08.07.12:20

 暑い日にエアコンを使うと最初は温度も湿度もぐっと下がりますが、しばらくすると室温が保たれていても湿度が急上昇します。
 以前から不思議に思っていたのでエアコン使用時の消費電力と室内の温湿度を測ってみました。
エアコンと湿度変化
 使い始めは多くの電力を使って一気に温度と湿度を下げていますが、ある程度温度が下がると消費電力を抑える運転に変わります。
 さらに時間が経つと室温を維持する程度の消費電力まで落としていました。

 大昔のエアコンはスイッチのONとOFFだけで制御していましたが、今は消費電力を制御する方法が多いそうです。
 グラフを見ると室温を維持する運転に変わったあたりから湿度が上昇し始めています。
 最初は何が原因で湿度が上昇するのかわかりませんでしたが、エアコンの掃除をしていて気がつきました。

 エアコンの室内熱交換器はとても冷たくなるので結露水がたくさん出ます。
 結露水がホースを伝わって外に流れていくわけですが、これらの水は元々室内にあった水蒸気です。
 エアコンの出力が大きいときは室内の水蒸気を結露させることができますが、出力が落ちると室内機の結露水が蒸発して室内に戻っていきます。

 また、温度が下がって湿度も下がると言うことは相当量の水蒸気を排出していることになりますから屋内外に大きな水蒸気量の差ができます。水蒸気は気体なので圧力差があると高い方から低い方へ圧力が同じになるように動きます。エアコンの出力が落ちて水蒸気の排出能力が落ちると屋外からも水蒸気が室内に入ってきます。

 エアコンで減らしていた水蒸気が室内に戻ってくるわけですからそりゃ急激に湿度が上昇するわけです。
 タイマーで夜中にエアコンが止まったら寝苦しくて目が覚めたという話はよく聞きます。
 夜ですから室温が急に上昇することはありませんが、湿度は急上昇するので寝苦しく感じるのかもしれません。

 今回エアコン運転時の湿度変化ということで午後1時ぐらいから午後7時ぐらいまでエアコンを運転していました。
 日中の外気温は33度を超えていましたが、室温が30度を下回ってくると寒く感じるので普段はこんなに長くエアコンを使うことはありません。

 また、普段は扇風機を使っているので室内の湿度変化は小さいのですが、エアコンを使うと湿度変化が大きくなるので体感も変わってきます。
 体感としては少しぐらい湿度が高くても安定している方が過ごしやすいように感じました。

冷たい板

2016.08.03.12:27

 暑いこの時期に冷蔵庫から取り出したペットボトルの表面にはたくさんの結露水がつきます。冷やした板
 ちょっと置いておくと結露水が垂れてくるくらいですから冬と違って水蒸気量が多いことがわかります。

 ペットボトルが結露するのは水蒸気を含む空気が冷たい物に触れて飽和するからです。
 それじゃあ木の板も冷やすと表面に結露するのかやってみることにしました。

 木の板を一枚冷蔵庫に入れて丸一日冷やします。
 もう一枚重さを揃えた木の板を用意しておきます。
 写真のように両者を天秤にかけて重さに変化があるか、板を触ったときの感触などを観察しました。

 まず、丸一日冷蔵庫に入っていた板ですから冷たくなっているはずですが触った感触はそんなに冷たくありません。
 両者を天秤にかけてみるとわずかに冷蔵庫の板が重くなりました。

 5分ほどして両者を触ってみると冷蔵庫に入れた板の表面は湿っぽくなっていましたが、小口はさらっとしていて冷やしていない板と触った感触に違いがありませんでした。
 結露しているペットボトルの表面を指でなぞると跡が残りますが湿っぽくなっている板の表面をなぞっても跡が残るようなことはなく板の表面で結露しているようには見えませんでした。

 板は少し重たくなったので結露はしているのだと思いますが、木の繊維は水分が増えると自ら膨らんでさらに水分を取り込める特徴があるので少しぐらい結露してもペットボトルのように結露が表面に見られることは無いようです。
 また、小口はサラサラのままだったので小口は他の部分よりも多くの量を速い速度で調湿しているように思います。

 今回は木の板を冷蔵庫で冷やしてから触ってみるという簡単な観察でしたが、板が冷たくなかったり、板の表面に結露が見られなかったり、小口はサラサラだったことを通じて家族が健康で快適に生活できる木の家の特徴が感じられた観察でした。

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