体感温度

2017.02.28.11:17

 室内での体感温度は室温と壁や天井、床などの表面温度を測ることで知ることができます。
 体感温度=(室温+壁の温度)÷2
 室温が25度で壁が17度の室内での体感温度は21度
 室温が21度で壁が20度の室内での体感温度は20.5度

 どっちの部屋でも体感温度はほぼ同じですが、体験してみると体感温度が21度だった前者の方が寒く感じます。
 ずっと不思議に思っていましたが、どうやら放射が関係しているようです。

 熱の伝わり方には伝導・対流・放射の3つがあります。
 熱は高いところから低いところに移動してお互いが同じ温度になろうします。
 私たちの体温は36.5度付近で体の表面温度は30~33度ぐらいと言われていますから体からは伝導・対流・放射の3つの方法が熱が出て行きます。

 伝導と対流はわかりやすいのですが放射で熱が逃げるというのは分かりにくい話です。
 物質を温めると電磁波が発生します。熱エネルギーによって電磁波が発生し熱が減るというややこしい話なので放射でも熱は逃げていくと言うことにします。

 電磁波は電場と磁場が交互にやってくる波で波長によって可視光とか電波やX線などいろいろな呼び方があります。
 人間が吸収できる電磁波の波長は3~25マイクロメートルぐらいでそのうち4~14マイクロメートルを「生育光線」と呼んでいます。このあたりの波長は遠赤外線(4~1,000マイクロメートル)と呼ばれる領域です。

 遠赤外線が私たちに当たると着衣や体を構成している分子と共鳴して運動が激しくなり熱が発生します。
 遠赤外線に熱があるわけでは無く遠赤外線が当たった物の分子が激しく振動してその結果熱ができるという仕組みです。

 床暖房や薪ストーブは輻射熱暖房と言われます。放射と輻射の使い分けは物質を温めて発する電磁波などは放射と表現し、物質は自らが電磁波を発しながら他からも受けて熱交換しています。これを輻射と表現することが多いようです。

 以前洗濯物の乾燥について書いたときに洗濯物から蒸発して出ていく水もあれば空気中の水蒸気が洗濯物に水として戻ってくる話がありました。
 水は温度によって蒸発する速度が決まっていますが、湿度が高くなってくると水に戻ってくる水蒸気も増えてくるので相対的に水の蒸発が遅くなって見えると言うことでした。

 体から放射される熱量は同じでも周囲から放射によってもらう熱量が違うことで出て行く熱の速度に違いができます。
 壁が冷たいと見かけ上、体から早く熱が逃げていくので寒く感じると言うことのようです。

 また、窓の近くにいると寒く感じることがあります。
 窓に熱が引っ張られるとか冷放射などと言われますが、これも窓という周囲よりも温度が低い部分から発せられる電磁波(遠赤外線)が少ないことで窓に向いている体の方向だけが相対的に早く冷めると考えるとしっくりくるように思います。

木の家の色艶

2017.02.19.13:42

 住み始めて10年を超え新築時に盛り上がった家づくりの情熱も冷めているはずなのですが、未だに木の家の住み心地を書き続けています。

 木の家で生活していると今まで聞いたことや言われていることが本当なのか、どうしてなのかと言ったちょっとした疑問を日常生活の中で観察や測ったりすることで探ることができます。
 理科室で生活しているようですねと言われたこともありますが、日常生活の観察ですから特別なことをしなくても続けられます。

 最近では林業家にもらった板を丸一日冷蔵庫で冷やして触ってみたところ冷たくなかったとかペットボトルの表面みたいな結露がつかなかった体験をしました。
 わが家では年中裸足の生活ですが、寒い時期や暑い時期でも冷たくなくてサラサラしている杉の特徴をわかりやすく体感できた観察でした。

 ひさしを利用して夏の日射を遮りながら冬の日射を取り入れる手法はよく聞きますし理屈にかなっていると思っていましたが、富山のわが家で観察してみると冬は晴れる日が少なくて日射に期待できないことや夏の日射はひさしで遮ることができますが窓から入ってくる熱には地面などから跳ね返ってくる照り返しもあってこれが結構大きいことも分かりました。
 夏に日射計を室内から太陽に向けると1,000W/㎡ぐらいになりますが、地面に向けると1,500W/㎡ぐらいになります。
 植木鉢などの置く場所を工夫するだけでも照り返しを大きく減らすことができます。

 わが家は杉を天然乾燥した真壁の木の家です。
 天然乾燥すると何がよいのかについてプロに尋ねたアンケートでは色艶が良いことが一位になります。
 大工さんや林業家は天然乾燥材は他の材料よりも色艶が良いと言うのですがそれを住まい手としてどのように捉えて良いのかずっとモヤモヤしていました。
 早い話が色艶が良いことで何かいいことがあるのかと思っていたわけです。

 林業家に思い切ってこのことを話したことがありました。
 色艶が良いというのは時間が経って周囲と違和感なくなじむと言うことじゃないかなと話してくれました。

 そういえば新築の前に20年経った家を見せてもらったときに私もこんなきれいな家に住みたいといったら林業家は20年待て!と言われたことを思い出しました。
 時間が経って色艶が良いと誰かが評価した材料で家を建てるよりも最初は初々しいけど住まい手と一緒に時間を過ごすことでなじんだ家の方が住まい手にとって価値があると言うことだと思います。

 最近でも建築士にお願いして新しい家を見せてもらう機会があります。
 住まい手も初々しいけど天然乾燥した柱や梁も初々しい色艶をしています。
 家に帰ってわが家をみるとこっちの方がいいなぁと思うことがあります。
 家族も家と一緒に10年過ごしてきたわけですが、住まい手と一緒に変化をすることが天然乾燥材の大きな特徴のように思います。

 私たちはだんだん年をとっていきますが家だけ新しいままでは取り残された感じがしますし経年劣化で当初の機能が損なわれてしまうのも困ります。
 調湿や触感など機能は損なわず色艶の深みを増すことで住まい手に安らぎを与えてくれます。
 私たち家族はこの家と10年過ごしてきました。10年一緒に過ごしてきた分わが家が綺麗だと思うようになりました。

 あと10年ぐらい経ったら大工さんが言っていた天然乾燥した赤身材はやがてトロトロ(色艶が深まって立体感が出てくる)になる様子が見られるかもしれないと楽しみにしています。

光熱費の見直し

2017.02.12.12:24

 新築時に熱損失について関心を持たれる方は多いと思います。
 少し前まではQ値、今はUa値が使われています。

 Q値 = 単位温度差あたりの総熱損失量 ÷ 床面積
 Ua値 = 単位温度差あたりの総熱損失量 ÷ 外皮表面積の合計

 どちらも屋内外の温度差1度当たり1時間に屋外に逃げていく熱量から求められます。

 Q値では小規模住宅や同じ床面積でも複雑な形状の住宅では床面積に対して外皮面積の割合が大きくなり不利になる場合もあるので、住宅の規模や形状による影響を受けにくいUa値が使われるようになったそうです。

 外皮とは外気等に接する屋根、壁、床、天井や窓などの開口部のことです。
 家相の中にも張りと欠けが出てきますが、なるべくデコボコしないスッキリした家の形は温熱環境から見ても有利なようです。

 さて、Q値・Ua値どちらも値が小さい方が性能は高いのですが、値だけ言われてもそれが何の役に立つのかよく分かりません。
 比較するときにはUa値が分かっていると比べやすいのですが、住まい手としては自宅の維持管理に責任があるので他の家はあまり興味がありません。

 Q値・Ua値を求めるときに総熱損失量が出てきましたが、Q値2.0で床面積150平米の家の場合総熱損失量は300Wになります。
 つまり屋内外の温度差が1度あたり1時間に300Wの熱が逃げていく家と言うことになります。
 屋外が5度で室内が20度の場合温度差は15度、生活で発生する熱を3度とすると温度差は12度となります。

 300×12=3,600

 Q値2.0床面積150平米の家では屋外が5度の時、室内を20度に保とうとすれば1時間に3,600Wの熱を供給すればよいと言うことが分かりました。

 灯油で丸一日暖房すると
 3,600W×24時間=86.4kWh
 86.4×3.6MJ=311.04MJ (1KWh=3.6MJ)
 311÷36.7MJ=8.47L (灯油1リットルあたりのエネルギー量36.7MJ)

 エアコンの場合は
 86.4÷4=21.6kWh(平均エネルギー消費効率4)
 21.6×23円=496.8円(1kWhあたりの電気料金単価23円)

 費用で比べてみます。
 灯油8.47Lは単価70円とすると593円、電気料金は497円で灯油単価58円で両者が同じぐらいになります。

 また、自宅内外の温度を測っていると富山では晴れる日が少ないとはいえ晴れれば室温も上がります。
 日中は朝よりも気温がわずかでも上昇するので暖房設定温度を2度程度下げるなどあまりエネルギー必要としない部分に注目することで寒い思いをせずに暖房費用を大きく下げることができました。

 住み始めた頃は前の家よりも暖かいのに浮かれて多くのエネルギーを使っていました。
 ピーク時には灯油消費量が年間3,588L、電力は9,074kWhでしたが、昨年は電力消費量が12,304kWhでした。
 電力消費量は3,200kWh増えていますが灯油を使わなくなったり電気料金プランの見直しなどで光熱費は年間20万円以上少なくなっています。

 光熱費は家計から継続的に出て行きます。削減額が小さいと何かしようとまでは思いませんが、光熱費として払ったつもりで積み立てると5年もすれば100万円ぐらいになります。

 自分で使える資金を増やすには収入を増やすか支出を減らすかしかありません。

 これまでは収入を増やすことが注目されてきましたが、これからは支出を抑えることで使える資金を確保することにも目を向けていくことが大切だと思っています。
 自宅の総熱損失量を知ることは光熱費の見直しに役立ちます。

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