塗装

2017.05.31.23:17

 わが家は写真の通り、柱や梁などに塗装はしていません。吹き抜け
 今でこそ余計なことをしなくて良かったと思っていますが、建築士との打ち合わせ中は柱を何色にしようかと真剣に考えていました。

 最近は大壁仕様の家が増えてきたので柱や梁が表に見えること自体少なくなってきましたが、真壁と決まった段階で柱や梁が表に見えるのでさて何色に・・・と考えていました。

 柱や梁に色を塗ると考えたのには背景があって以前生活していた家の柱も塗ってあったし、富山では柱や梁に塗装する家が多いように感じています。
 塗装すること自体に何か問題があるわけではないし、木の家では塗装禁止と建築士が言ったわけでも無いので余計に何色にしようと考えるわけです。

 ところが建築士の一言がきっかけになって塗装はしないことになりました。
 「どこまで塗りますか」

 わが家は吹き抜けもあるし一階に関しては建具を開けると一間になってしまいます。
 全部塗ればいいのかもしれませんが、一部を塗るとなるとどこかに境界ができます。
 境界に当たる柱には塗装してある面としていない面ができることになります。
 建築士はどこに境界を設けるのかと聞いてきたわけです。

 当時の私には天然乾燥した柱や梁は色艶が良いという特徴についての理解が足りなかったのでこれまでの生活環境の中で柱は塗るものだと思い込んでいたように思います。
 建築士からどこまで塗るのかと尋ねられてやっと思い込んでいたことに気がつくことができました。

 このことがきっかけで無塗装が当たり前の地域があることや富山で柱に塗装する家が多い理由も少し分かるようになりました。
 柱や梁に塗装するとかしないとかは施主が決めることです。

 ただ、塗装すると思い込んでいる施主に天然乾燥材は色艶が良い特徴があると言っても特徴を活かすことが難しいように思います。
 私は色艶が良い特徴を理解する前に自分の思い込みに気がつくことができたことは良かったと思っています。

 わが家は天然乾燥した柱や梁が使われています。
 天然乾燥、特に葉枯らし天然乾燥した柱や梁は色艶が良い特徴があります。
 住み始めて10年を超えて最近になって新築時の初々しさが少し落ち着いてきたように感じています。
 今でもわが家を見て何で塗らないのか尋ねる方もいます。

 「塗らなくても柱や梁自体が綺麗だから」と答えています。
 塗装することが当たり前に思っていた私ですが、今では木の家の住まい手として答えられるようになりました。

続・誤解と思い込み

2017.05.07.13:42

 無垢の柱は割れる。
 新築現場でお施主さんが割れ目が入った柱を見つけてクレームになることがあるそうです。
 お施主さんは割れが入った粗悪品が使われていると思っているので対応する方は苦労するようです。

 わが家は真壁仕様なので柱や梁が表に出ているので割れが入った柱や梁がたくさんあります。
 知人から柱が割れていると言われたこともありますが、ちゃんと説明するとみなさんそんな話聞いたこと無かったと言います。
 ハウスメーカーや工務店の方々になぜ柱が割れるのか尋ねてみても柱は割れるものだとか自然現象だからと言った曖昧な話が多かったり中には無垢の柱の欠点だから集成材が生まれたという話をする人までいました。

 そもそもなぜ柱は割れるのでしょうか。
 柱には芯を持っている芯持ち柱と大径木から取れる芯去り柱(高級材)があります。
 文字通り芯去り柱には芯がありませんから芯持ち柱のような割れ方はしませんが代わりにねじれやすい特徴があります。
 普通の住宅には芯持ち柱が多く使われています。

 柱がまだ山の木だった頃には自重以上の水を蓄えているので乾かさないと建物には使えません。
 木を乾燥させるには熱を加えて短期間で乾燥ができる人工乾燥と屋外に置いて自然に水が抜けていくのを待つ天然乾燥があります。

 人工乾燥は短い時間で計画的に進められるので場所と時間が少なく済みます。
 一方、天然乾燥は乾燥期間も長いし、広い場所も必要ですが病気になりにくい成分や腐りにくい成分など生物として当たり前に備わっているものを残して水を抜くことができるので色艶がよい特徴があります。

 人工乾燥材は乾燥機から出てきた段階でそれ以上乾燥が進むことはないので後から柱などの表面に割れが入ることはありません。
 ところが天然乾燥は屋外で乾燥させているので家ができて屋内になるとさらに乾燥が進みます。
 屋内では早く乾燥が進むので表面では乾いて縮もうとしているのにまだ乾いていない内部との間で力のバランスが崩れてしまいます。

 最初は小さな力ですが乾燥が進むといっそう表面と内部に働く力の差が大きくなってやがて大きな音を立ててバシッと割れることで力の差を解消しているそうです。
 天然乾燥材の割れは物理現象なわけで粗悪品ではありませんし、割れることで柱の強度が落ちるなどと言ったこともありません。

 また、時間や場所が必要で割れも入る天然乾燥材がなぜ使われるのかについては人という生き物と相性が良いことが挙げられます。
 天然乾燥材は値段が高いという人もいますが、値段というのはものの価値を図る要素の他にやりたくない口実にも使われます。
 天然乾燥材の特徴をうまく説明できない方が無理をして採用し後からクレームになるくらいだったら高額な値段を口実にすることもあります。

 割れる柱の話は人と相性が良い木の家を知る上で入りやすい所です。
 施主側としては割れる柱の話を通じて家づくりの相談を誰にするかを選ぶ要素にもできます。
 割れる柱は粗悪品だと思い込まずに「なぜ、割れるんですか。」と聞いてみて下さい。

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