木の色艶

2017.09.17.14:22

 基礎の配筋を見に行った家では上棟式も終わって柱や梁が組み上がって家の形になってきました。
 また見に行ってきました・・・。
 自分の家じゃ無いのにどうして見に行くの?と言われることもありますが、わが家の時には舞い上がって見損ねたところもありますし、一番は新築時の初々しい木の色が見られるからです。

 わが家は住み始めて11年経ちます。新築時には色の違いがはっきりしていた赤身と白太も言われないと気がつかないくらい目立たなくなってきました。
 一枚の板それぞれはっきり分かれていた色の違いが目立たなくなってくると家全体の色の雰囲気も違って見えます。
 ある日突然ぱっと変化するわけではなく少しずつ変化してくるので住まい手には変化の過程を感じることはありません。

 建築士の作品はどの家も間取りや設備は違いますが家の基本的なところは同じなので上棟後、柱や梁が組み上がったころはどの家もほとんど同じ状態を見ることができます。

 葉枯らし天然乾燥した柱や梁が、それぞれ適材適所に割り振られているので間取り図を見なくてもリビングなど家族が集まる場所などは綺麗な木が集まっていることが多いなど大工さんの番付の妙技も感じることができます。
 上棟後ですから木は初々しい色をしています。山では100年近く立っていたので新しいという表現も変なのですが柱や梁に加工されて時間が経っていないので初々しい色と表現しています。

 さて、わが家がどのように建てられたのかを今の新築現場で見られることについては何となく見る価値についてわかりやすいかと思います。
 屋根が作られていく過程などわが家の時はボーッと眺めていただけでしたが今は当時とは違った見方ができるなどできていく過程を見る楽しみがあります。

 木の色については天然乾燥材、特に葉枯らし天然乾燥材は色艶が良い特徴があるとプロの方々が口を揃えて言います。
 ところが私にはこの色艶が良いという価値について自分の家だけ見ていてもよく分からないのです。

 これまでも15年経った家、30年経った家など天然乾燥材を使った色艶の良い綺麗な家を何度も見てきました。
 確かにわが家よりもずっと落ち着きのある綺麗な家ですし、わが家もやがてあのような雰囲気になるんだろうという期待はありましたが、今のわが家について色艶が良いと思うほどでは無かったわけです。

 時間の経った家の住まい手が新築現場に出向くことで初々しい木に再会することができます。
 10分や20分と短い時間じゃなく半日ぐらいじっくり見てから自宅に戻るとなんと綺麗な家だと感動します。
 出かける前と帰宅後では自宅は全く変わっていないのですが、それを見る住まい手には今まで感じたことの無い色艶の価値について気がつくようになります。

 その瞬間が心地よいというか俺の家ってこんなに綺麗だったんだと思えることは幸せなことだと思います。
 建築士は設計段階から色が揃った家は綺麗だと何度も言っていましたが、住まい手が最初からその価値について理解できるはずも無く、年月が経った家を見るだけでもよく分からず、ある程度住み続けて初々しい色を見ることで初めて自宅が綺麗だと思えるようになったというなんとも時間のかかるややこしい話です。

 建築士の作品はどの家もみんな天然乾燥材が使われているので今進行中の新築現場を見学することで自宅の見え方が大きく変わるかもしれません。

 さらに、新築現場でお施主さんと出会うことで住まい手の先輩としてお話しできることもあると思います。
 天然乾燥材の色艶が良い特徴は時間の経った住まい手と初々しい施主という人を引きつける側面も持っているように感じます。

基礎

2017.09.03.12:03

 先日着工した新築現場を見せてもらいました。
 まだ、コンクリートを打設する前の基礎の鉄筋がむき出しになっている状態を見に行きました。
 私はこの鉄筋が組まれた状態を見るのが好きで、建築士にお願いして何度も見せてもらっています。

 鉄筋は組み終わると建築士の検査の後すぐにコンクリートを打設してしまうので組み上がった鉄筋が見られるのは一日だけなのですが何とか日時を合わせて見に行くようにしています。
 何度見せてもらっても丈夫な基礎を構成する立派な配筋でした。

 鉄筋の話でよく話題になるのは基礎の立ち上がり部分に用いられるフックの話です。
 よく見かけるのはフックを設けずにプツンと切ってあるものですが、フックが無いとダメというわけではありません。

 丸棒鉄筋(表面がツルツルの鉄筋)の場合はフックが必要だが異形鉄筋(デコボコした鉄筋)の場合はその限りでは無いとか、フックは基礎に働くせん断力に対抗する物として用いられるが一般的な二階建て木造住宅の場合ではせん断力は無視しても良いほど小さいのでフックを設けずに鉄筋をくみ上げることもあるそうです。

 ところが建築士の現場ではどの家でもフックが付いているし、そのほかの部分も私が他で見る配筋とは随分違って見えます。
 建築士に今思えばド素人の間抜けな質問をしたことがあります。
 普通はフックをつけないことが多いし、計算してみても二階建て一般木造住宅の場合はフックが果たす役割が小さいのにどうしてフックを設けるのですか。
 今思い出しても恥ずかしくなりますが、建築士は一言

「家は木造だけど基礎は鉄筋コンクリート造ですから」

 鉄筋コンクリート造の建物ではフックは当たり前なのに上に乗るものが木造住宅になったとたん鉄筋が細くなったり量が減ったり、フックが無くなったりします。
 鉄筋コンクリートには決められた作り方があるのでその通りやっているだけで特別なことをしているわけでは無いそうです。
 もう一言

「決まっていることを勝手に決めてはいけません」

 なんだか私の日常生活を注意されたようで頭が痛い一言でした。
 基礎は地震や強風など大きな力を地面に流すための大切な構造物ですからこれが壊れると修復は大がかりな物になります。

 日常ではこのくらいにしておけばいいだろうというシーンはよくありますが、自分を選んでくれたお客さんのためにできることをしっかりやるという建築士の姿勢から学んだ出来事でした。

 似たような話に壁倍率の話があります。
 住宅メーカーのパンフレットにも壁倍率2.5とか3.0などと壁倍率のことが出てきます。
 壁倍率が大きいほど大きな力を受けることができる壁と言うことです。

 パンフレットには数字の説明はありますが、壁は宙に浮いている物では無いので何かと繋がっています。
 壁が大きな力を受けられてもそれを支える物にそれ以上の能力が無いと壁が壊れないで壁を受ける部分で壊れてしまいます。
 大きな地震の後、被災した住宅の土壁が剥がれ落ちている場面がよく出てきます。
 あんなに壊れて・・・と思ってしまいますが、実は土壁が先に壊れるように作ることで地震力を吸収し家本体へのダメージを抑える仕組みなんだそうです。

 確かに土壁が落ちた程度だったらまた塗ればいいですが、家本体の軸組が壊れると治すのは大変です。
 壁倍率が大きい壁ほどそれを受ける部分が重要になってきます。

 倍率の大きい壁を要所に配置するにしても、それほど倍率の大きくない壁をバランス良く配置するにしても最終的には基礎が家に働く力を受けるのでしっかり作っておくことが大切ですし、わずか一日で埋まってしまう見事な配筋を見て私も自分の仕事はしっかりやろうと思いました。

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