直せる家

2013.09.02.08:31

 木は腐らないですかと今でも時々言われます。
 木は腐りますがいつ腐るかが問題です。家に使う場合10年や20年で腐るのは問題ですが50年後に腐り始めたところで文句を言う人は少ないと思います。

 また、修理のことも考えないといけません。新築時に気に入った色や模様が20年後に無かった場合、修理した部分だけ別の色や模様になってしまいます。
 さらに、修理する場所が少なければいいのですが広範囲に及ぶ場合は建て直しになる場合もあります。

 最初から20年ぐらいで建て直すつもりならいいけど、長持ちさせるには長持ちする材料を選ぶことも大切ですが、直せるように作っておくことは大切だと思います。
 加えて不具合が起きた場合出来るだけ早い時期に手当てした方がよいので床下に人が入れる高さを確保するなど点検できることも大切だと思います。

 家づくりの歴史と文化を調べてみると数寄屋や書院造りなど見え方の側面もあれば修理を前提とした作り方の側面があったりします。
 私は丈夫で長持ちする家は住まい手が修理しなくても良い家だと思っていました。
 ところが修理しなくてもよい家など存在せず、修理しないで建て直す家をイメージしていたように思います。

 今は丈夫で長持ちする家とは、基本構造がしっかりしていて修理できる家だと思っています。
 基礎や骨組みなど家の基本構造がしっかりしていれば、外壁や室内の壁、床は傷んだところだけ修理することによって長く使い続けることが出来ます。

 木はロングセラーなので50年経っても手に入りますし、最初は色の違いがはっきりしていますが数年も経てば違いは分からなくなります。
 傷みやすい外壁や屋根の淀などに丈夫な赤身材を使って一部傷んだり壊れたらそこだけ修理できる仕組みには魅力があります。

 無垢の杉を床に使うと傷や汚れが目立つから合板にしたという話しはよく聞きます。
 20年後に傷や汚れがたくさんついた杉床と、色褪せて表面がザラザラになったり痛んだ合板フローリングをイメージするなどと言うことは新築時には難しいかもしれません。
 しかし、新築前に時間が経った無垢の床や合板フローリングを見ておくのは無駄では無いと思います。

 値段は無節でなければ無垢の杉床と合板フローリングはほとんど変わりません。
 丈夫で長持ちは20年ぐらい持ってくれれば良いと考えるか、もっと長く使い続けたいかの判断で別れるように思います。
 点検も修理もしないで50年間維持できる家など無いと思います。
 点検と修理が出来て材料が揃っていれば大工さんが直してくれます。

 どんなやり方で作ったのか分からないと直すにも苦労しますが大工さんの技術は体系化されているので変なことさえしてなければ直してくれます。
 わが家は数寄屋や書院など見た目の華やかさはありませんが、丈夫に作ってあって木が適材適所に使われています。

 もちろん私は最初からこうしたことを知っていたわけではありません。
 住み始めてからも続いている林業家や大工さん、建築士とのお付き合いの中で少しずつ教えてもらって今日に至っています。

 住まい手が作り手から使い方を学び点検と修理を繰り返しながら長く使い続ける仕組みそのものが歴史と文化なのかもしれません。

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