手刻み

2013.09.06.11:53

 わが家の構造材は手刻みしてあります。
 最近は数値制御工作機でプレカットするそうですが、なぜ手刻みしたのか尋ねられることがあります。
追掛け大栓継ぎ手1
 プレカットは普通の家の大きさだったら一日で構造材を加工してしまいます。
 手刻みの場合、番付作業だけで何日もかかるのに比べると時間と費用が抑えられると言われています。
 費用も時間もかかる手刻みは必要なくなるのでしょうか。

 確かにプレカットと手刻みの割合は9:1と圧倒的にプレカットが多いのですが手刻みも残っています。
 大工さんは製材所から届いた立方体の材料を並べてどこの場所にどのような向きで使うのか決めていきます。

 決まったら材料に「い1」とか「ろ5」などと番号をつけていきます。
 上司から「この仕事はいの一番にやれ」などと言われることがありますが、いろはにほへとの最初のい列の1番目ということから最初を意味する言葉として使われているようです。

 大工さんが番付について話してくれたことがありました。
 横架材は木の根元を外に向けて使う。
 横架材は背中が上を向くように使う。
 曲がりそうな材料は家が内側に締まっていくように使う。
 大きなフシなど見た目が悪い部分はなるべく見えにくいところで使う。
 大きく色が違う材料が隣り合わせにならないように木配りする。

 などと言ったことを一本ずつ見ながら振り分けているそうです。
 木の根元部分は赤身が多く粘りもあるので外壁に近い部分で使われます。
 背中が上に向くようにと言うのも長い時間斜面に立っていた木の特徴を活かしたやり方です。
 家が内側に締まっていくというのは屋外側に曲がって家が開いてしまわないようにと言うことらしいです。
 フシなど見栄えが悪い部分を見えにくくするとか木配りするのは何となく分かると思います。
 このほかにプレカットではあまり使わない仕口や継ぎ手が使えると言うこともあるそうです。

 わが家には普段目に入らない部分に番付が見えるところがあります。母屋のほこり
 まだ立方体の材料だった頃、大工さんが母屋と決めてつけてくれた印(母ヤ)を見ることが出来るわけですがどうしてこの場所になったのか考えるのも楽しいです。
 天然乾燥材は色艶が綺麗だと言われますが、手刻みは材料の特徴をさらに活かせる大事な手間だと思います。

 でも費用が心配になります。
 わが家には天井板も無いし壁紙もありません。手刻みに費用がかかっても別の費用が減ったりするので手刻みは高いと思い込まずに建築士に相談することをお勧めします。

 プレカットは短い時間で正確に加工できる優れた方法です。一方で手間や時間はかかるけど材料を見て選んで加工できる手刻みにも魅力があります。
 柱や梁が見える真壁には見られることを意識して木配りが出来る手刻みが合うように思います。

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