カンナ仕上げと塗装

2015.01.14.04:03

 富山では真壁仕様でも柱や梁に塗装する家が多いように思います。
 私も柱・梁に塗装しようか迷いましたが、今は塗装しなくて良かったと思っています。

 住み始めた当初はなぜ柱や梁に塗装するのかいろいろ考えたこともあります。家につかう木の色が揃いやすい地域では塗装しない傾向があり、色が揃いにくい地域では塗装することが多いとか、年輪の細かさとか塗装する文化などいろいろあるみたいですが、無塗装には大きな特徴があります。

 真壁仕様の家は柱や梁が表に出ているので常に見える状態で使われ、大壁仕様では壁の中に隠れてしまうので表面仕上げに違いがあります。
 真壁仕様に使われている柱や梁はカンナ仕上げがしてあります。

 カンナ仕上げは新築からしばらくは目立ちませんが、10年ぐらいするとカンナ仕上げ独特の艶がだんだん目立ってきます。
 この艶はサンドペーパーなどで擦らない限り失われることは無く時間の経過と共に艶が深まっていきます。

 伐採ツアーの懇談の席で30年経つ林業家のご自宅の話になったときに「最近、カンナ艶がいい雰囲気になってきて・・・」と話してくれたことがありました。
 杉を知り尽くしている林業家でも時間が経ったカンナ仕上げが放つ艶に目が止まる話しを聞いてやがてわが家も・・・となんだかうれしくなりました。

 自宅に帰って改めて見てみるとまだ8年ですが、少しずつ艶が出てきているのが分かりますし、建築士と一緒にお邪魔した15年経過した家では思わず「これか!」と声を出してしまいました。
 天然乾燥材の特徴は時間と共に色艶が深まると聞いていましたが、カンナ仕上げされた艶の経過を見るといっそう艶の深まりに魅力を感じるようになります。

 家を建てようとしていたときは建築士や林業家に天然乾燥材の魅力は・・・と聞かされてそうなんだと受け身で捉えていた私ですが、今はせっかく家を建てるなら柱や梁はカンナ仕上げしてほしいと思いますし、わが家がそうなっていることに今さらながら感謝している次第です。

 しかし、家を建てようとしていた時にこうした話しを聞いたとしても私には理解できなかったと思うし、木の家である程度生活してから林業家が最近カンナ艶がいい雰囲気に・・・と話してくれたからこそその魅力に気がついたのかもしれません。
 木の家は五感に優しく調湿性があると言われますが、他にももっとたくさん住まい手が気持ちよく生活できる要素がちりばめられています。

 建築士や林業家、大工さんはそれらを知っていて最初から取り入れようとしているのですが住まい手がそれに気がつくには時間がかかるところが悩ましいところです。
 私もいつか「最近、この家いい雰囲気になってきた。」と誰かに言えるかもと思うとなんだか楽しみです。

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