杉床

2015.03.23.14:05

 杉の床は裸足が気持ちいいとか汚れや傷が付きやすいと言われます。
 裸足が気持ちいいのは杉床の持つ早い吸湿と遅い熱伝導のおかげなのですが、それが傷が付きやすいことにつながっています。
 裸足が気持ちいい快適性を損なわずに汚れがつきにくい工夫として林業家は板に熱圧加工することで両者のいいとこ取りした床材を提供してくれます。

 裸足が気持ちよくて汚れもつきにくい熱圧加工床板ですが、水をこぼして放置すると水の跡が白く残ってしまいます。
 一方、熱圧加工していない床板では水の跡はつきにくいのですが汚れは熱圧加工板よりもつきやすくなります。
熱圧、非熱圧の境目
 写真は9年近く経ったわが家の階段(非熱圧材)と熱圧加工した板の境目を撮っています。
 まだ新しい杉板と比べても熱圧加工板は汚れがつきにくい様子が分かると思います。

 そんなややこしいことを言わずに傷にも強くて汚れもつきにくい床材なんてたくさんあるでしょ!と言われそうですが、裸足が気持ちいい特徴は外したくありません。

 傷に強いと言うことは硬いわけですから熱の伝わり方も早くなり触れたとき冷たく感じますし、汚れに強いと言うことは汚れが吸着しにくいと言うことですから足裏から水蒸気を吸わなくなることでベタベタした感触になります。

 杉床で生活している住まい手は水回りの床に薄い敷物を使っていらっしゃる方が多いようです。
 熱圧の有る無しにかかわらず敷物を使っているわけですからキッチンや洗面台周辺は水の跡が少ないです。
 水の跡が多いのは食卓とキッチン間など住まい手によって違いがあるにせよ、室内の一部に限られます。
 汚れについては家族が行き来するところは全部対象になりますし、行き来が多い部分は汚れやすくなります。

 おおざっぱに言えば一部分の水の跡が気になるか、床全体の汚れが気になるかのどちらを優先するかが目安になると思います。
 水回りは薄い敷物を使うので意外に水の跡はつきませんし、住まい方によって水の跡がつきやすい場所は限られてくるので対策が取りやすく、床が水の跡だらけになることは避けられそうです。

 私は汚れにくいことを優先して熱圧加工板を採用しましたが、どっちを選ぶかは住まい手の好みです。
 杉床は多少汚れが付くとか水の跡が残ることもありますが、家族が帰宅後一番最初に靴下を脱ぐ様子からも裸足の気持ちよさは最初からずっと変わりません。
 また、熱圧加工の有無にかかわらずどの住まい手も裸足の生活をしていらっしゃるので水の跡や汚れは快適性や居住性には影響が小さいのかもしれません。

 建築士は快適性や居住性に大きな影響を持つ裸足の気持ちよさについては導いてくれますが、好みの問題については施主が決めなくてはいけません。
 どっちを選んでも裸足の気持ちよさは変わりませんと言われても迷う気持ちはよぉ~く分かります。

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