設計料の誤解

2015.06.30.09:55

 設計事務所で家造りをすると設計料がかかる。
 これは確かです。私も建築士に設計料を払いました。
 設計事務所は設計料がかかるので費用負担が大きくなると言われていますが、この話しには誤解があるように思います。

 一般的に価格には原価、人件費、管理費や利益などが含まれています。
 家を建てるには材料が必要ですし、大工さんや職人さんの人件費も必要です。
 設計事務所に支払う設計料も原価や人件費の中に入ります。

 管理費には直接家を建てるには関わらないが必要とされる費用、例えば営業や経理、住宅展示場の建設維持費用などが入ります。
 最後に会社の利益が入って私たちが支払う価格になります。

 最近はネットでハウスメーカーの決算を見ることができるようになり、おおよその原価、管理費、利益額を調べることができます。
 私の場合は複数社の入札をへて施工者が決まりました。
 入札の際は図面の家を施工するのにいくらで請け負うか競うことになります。

 各社の見積もりを見ると家本体にかかる費用はだいたい同じでした。
 同じ図面なわけですから材料費や人件費が大きく違うことは考えにくいことです。
 入札額の違いは管理費や利益といった家本体以外にかかる費用の違いのように思います。

 大手ハウスメーカーの決算書を見てみるとおおむね管理費と利益の占める割合は価格の25%ぐらいでした。
 家本体が2,000万円だとするとこの家の価格は2,500万円ぐらいになります。
 おおよその仕組みが分かってくると値引きの捉え方も少し変わってきます。

 管理費や利益を省くことはできないし、材料費は別の物に置き換えることはできますが値引きが難しい物です。
 残るは家本体と言うことになりますが、同じ図面を誰が施工しても同じような費用がかかる部分は大工さんや職人さんの人件費に関わるところですから施主にしてみれば最も落としたくない部分が値引きの対象になりやすいことになってしまいます。

 大工さんや職人さんは施主のために精一杯できることをしようとしてくれます。
 罪は無いにしても施主の価格を抑えようとする意識が大工さんや職人さんのやる気をそいでいることになっているとしたら残念なことです。

 ハウスメーカーは管理費や利益を得ることで便利で安心して家が建てられるようにしてくれます。
 一方、設計事務所ではハウスメーカーと同じ価格であれば家本体に使える金額が増えることに期待ができます。

 以前にハウスメーカー幹部の方と話す機会がありました。
 天然乾燥材や手刻みの特徴、調湿のこともよくご存じでしたが、値段設定の問題があると話してくれたことがありました。
 価格設定を2,500万円にするには家を2,000万円で作る必要があるわけですし、施主からクレームが出にくい作り方などメーカーとしての苦労話を聞くことができました。

 私はハウスメーカーや工務店、設計事務所のどれがいいとか悪いとかという話では無く施主がそれぞれの特徴を知って選べばそれで良いと思っています。
 設計事務所で家造りをすると設計料がかかるという言葉だけで判断しないで設計事務所では何をしているのか、ハウスメーカーと何が違うのかについても関心を持ってほしいと思います。

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