TS伐採ツアー2015

2015.12.11.09:12

 伐採ツアーに行ってきました。
 何回か参加している伐採ツアーですが行くたびに新しい発見や気づきがあります。
 TS伐採ツアーは伐採現場の見学の他に林業家、建築士、大工さん、住まい手や建築の道に進もうとしている学生が懇談できる場でもあります。建築士と木
 それぞれ地域や環境、立場が違う方々が集まって交流ができる貴重な場です。

 私は富山の話しをすることが多いのですが、沖縄の台風とか太平洋側の冬の乾燥、冬でも日射に期待できる環境など富山では経験できない気候風土を日々の生活体験を通じて聞くことができます。
 富山では土壁の家はほとんど見られなくなりましたが、今でも当たり前に土壁の家が建てられている地域もあるし、土壁の家は寒いとか雨漏りの心配など私が勝手に思い込んでいたことも思い過ごしだと気がついたこともありました。

 土壁に対する勝手な思い込みによる偏った見方が無くなることで土壁への理解は深まりますが、それが富山の気候風土でどうなのかはまた別の話です。
 今はやろうと思えば北海道で生まれ育った方が北海道の普通の家を沖縄で建てることも可能だと思います。
 しかし、沖縄には沖縄の気候風土があって建てる場所にあった家の方が快適だろうと想像できます。
 他の地域を知ることで自分が気がついていない富山の気候風土を発見できるので楽しみにしています。

 さて、TSウッドハウスでは伐採した後、枝をつけたまま葉枯らし乾燥するのですが今回は伐採直後に枝払いして長さを決めて丸太を切り出すところまで見せてもらいました。
 高さ30メートルぐらいある杉のてっぺんはどうなっているのか以前から興味があったので近づいて見てみました。
 枝払いをして幹だけになった杉は名前の由来通り真っ直ぐな木です。
真っ直ぐな杉
 ところが林業家は見た目は真っ直ぐに見えるけど地面に転がしてみないと分からないと話してくれました。
 わが家には8寸角の太い柱が2本あります。今まで真っ直ぐなのは杉だから当たり前だと思っていましたが、2本ほしいから2本分伐採すればいいわけでは無いし、7メートルや8メートルの長さの丸太を自分たちが歩いてきた林道を運ぶだけでも大変です。
 あの急なカーブをどうやって長い木を乗せて曲がるのだろうといままで考えもしなかったことに気がつきます。

 伐採の場面では木が倒れていくときに音がします。音は耳で聞く物ですが現場では木が倒れていくときのバキバキという振動が音と共に体に伝わってきます。
 これまでも何度か伐採シーンを写真に撮ってきましたが、写真を見るたびに現場で体験した体全体で感じた場面を思い出します。

 また、伐採では作業中何度か倒す方向を確認する場面があります。
 下から見ているとよく分かりませんが伐採した木を上から見ると切り株や岩に当たらないように狙った場所に正確に倒していることも分かります。
 あと30㎝横にずれていたら切り株に当たってせっかく育てた木が途中で折れてしまうかもしれません。

 さらに、これまで葉枯らし乾燥すると色が綺麗になると聞いていましたが、葉枯らし乾燥していない木を見せてもらいました。
 徳島県の木は赤身が綺麗でピンク色しているのが産地の特徴なのかと思っていましたが葉枯らし乾燥していない木はどこか渋みがあるというかちょっと色が違います。
 どっちも天然乾燥材なので木の揮発成分は残っているのですが、どっちか選べと言われると葉枯らし材を選ぶと思います。

 今回は富山から建築士、大工さん、今年の夏から木の家に住み始めた住まい手も参加しました。
 わが家を造ってくれたみなさんが集う前で「私は木の家で生活して10年になりますが、木の家にして良かった。」とお礼を言うことができました。
 懇談の席でどんなところが良かったのか尋ねられました。
 「木の家は人と相性が良いので季節の変化に家の方が人に合わせてくれるから住まい手がちょっと工夫するだけで暑い夏などは勝手に過ぎていく。」と話しました。

 なんだか分かりにくい話ですが、相性の良い人と付き合っていると気持ちの負担は少ないと思います。
 優れた木を使うとか大工さんの腕が良いとかよく考えられた設計などどれも大切なことですが重要なのは大切なことがバランスよくかみ合うことだと思います。

 住み心地よい家はバランスが良いなどといきなり言っても何のことか分かりません。
 木の家で生活しながら伐採ツアーに参加したり建築士や大工さんから家の使い方を教えてもらう中で少しずつ学んできました。
 家は情熱が冷める頃に価値が見えてくると言いますが、10年経って木の家にして良かったと思えるようになったことがうれしいです。

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