木の家の色艶

2017.02.19.13:42

 住み始めて10年を超え新築時に盛り上がった家づくりの情熱も冷めているはずなのですが、未だに木の家の住み心地を書き続けています。

 木の家で生活していると今まで聞いたことや言われていることが本当なのか、どうしてなのかと言ったちょっとした疑問を日常生活の中で観察や測ったりすることで探ることができます。
 理科室で生活しているようですねと言われたこともありますが、日常生活の観察ですから特別なことをしなくても続けられます。

 最近では林業家にもらった板を丸一日冷蔵庫で冷やして触ってみたところ冷たくなかったとかペットボトルの表面みたいな結露がつかなかった体験をしました。
 わが家では年中裸足の生活ですが、寒い時期や暑い時期でも冷たくなくてサラサラしている杉の特徴をわかりやすく体感できた観察でした。

 ひさしを利用して夏の日射を遮りながら冬の日射を取り入れる手法はよく聞きますし理屈にかなっていると思っていましたが、富山のわが家で観察してみると冬は晴れる日が少なくて日射に期待できないことや夏の日射はひさしで遮ることができますが窓から入ってくる熱には地面などから跳ね返ってくる照り返しもあってこれが結構大きいことも分かりました。
 夏に日射計を室内から太陽に向けると1,000W/㎡ぐらいになりますが、地面に向けると1,500W/㎡ぐらいになります。
 植木鉢などの置く場所を工夫するだけでも照り返しを大きく減らすことができます。

 わが家は杉を天然乾燥した真壁の木の家です。
 天然乾燥すると何がよいのかについてプロに尋ねたアンケートでは色艶が良いことが一位になります。
 大工さんや林業家は天然乾燥材は他の材料よりも色艶が良いと言うのですがそれを住まい手としてどのように捉えて良いのかずっとモヤモヤしていました。
 早い話が色艶が良いことで何かいいことがあるのかと思っていたわけです。

 林業家に思い切ってこのことを話したことがありました。
 色艶が良いというのは時間が経って周囲と違和感なくなじむと言うことじゃないかなと話してくれました。

 そういえば新築の前に20年経った家を見せてもらったときに私もこんなきれいな家に住みたいといったら林業家は20年待て!と言われたことを思い出しました。
 時間が経って色艶が良いと誰かが評価した材料で家を建てるよりも最初は初々しいけど住まい手と一緒に時間を過ごすことでなじんだ家の方が住まい手にとって価値があると言うことだと思います。

 最近でも建築士にお願いして新しい家を見せてもらう機会があります。
 住まい手も初々しいけど天然乾燥した柱や梁も初々しい色艶をしています。
 家に帰ってわが家をみるとこっちの方がいいなぁと思うことがあります。
 家族も家と一緒に10年過ごしてきたわけですが、住まい手と一緒に変化をすることが天然乾燥材の大きな特徴のように思います。

 私たちはだんだん年をとっていきますが家だけ新しいままでは取り残された感じがしますし経年劣化で当初の機能が損なわれてしまうのも困ります。
 調湿や触感など機能は損なわず色艶の深みを増すことで住まい手に安らぎを与えてくれます。
 私たち家族はこの家と10年過ごしてきました。10年一緒に過ごしてきた分わが家が綺麗だと思うようになりました。

 あと10年ぐらい経ったら大工さんが言っていた天然乾燥した赤身材はやがてトロトロ(色艶が深まって立体感が出てくる)になる様子が見られるかもしれないと楽しみにしています。

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