人との相性

2017.07.04.13:47

 大気圧の中では水は真空管の中でも10メートルぐらいの高さしか上れないのにどうして樹木は10メートルを超える高さにまで成長できるのでしょうか。
 そんなことを調べてみると生き物の巧みな仕組みが見えてきます。

 根から得られる水は葉っぱから蒸散によって発生する吸水力によって10メールトルを超える高さにまで水が運ばれます。
 吸水力と言っても葉っぱに水をくみ上げるポンプのようなものがあるわけでは無く小さな仕組みを積み重ねることによって水を運んでいます。

 仕組みの一つに親水性があります。
 水の通り道である道管の壁には親水性があるので綿のタオルに水が吸い込まれるように水を引き寄せる力が働きます。
 ところが、木に親水性があるということは水に浸ると柔らかくなってしまい自重を支えることができなくなります。

 そこで木は親水性と疎水性両方の組織で出来ています。
 私たちの体でも胃で食べ物を溶かすのに胃袋は溶けない仕組みがあります。
 親水性と疎水性は反対の性質ですがこれを仲介する仕組みを用いることで異なる性質のものを同居させています。
 私はいつも杉床は裸足の生活が気持ちいいと言っていますが裸足が気持ちいいというのはサラサラした感触が気持ちよいと言うことです。

 このサラサラした感触は裸足で杉床に触れると足から出ている水蒸気を杉床が吸ってくれることで得られています。
 吸い込む速度が早いことは分かっていたのですがどうしてそんなに早いのか不思議に思っていました。

 木が生きていくために10メートルを超える高さにまで水を運ぶ仕組みを学ぶ中で素早く水を引きつける力がとても大切だと分かりました。
 この早く水を引きつける能力を私たちは床材として取り入れることでサラサラした気持ちの良い感触を得ていたわけです。

 また、木は疎水性の性質も持ち合わせているので外壁として使うことも出来ます。
 外壁として使うには赤身材を使うなど工夫も必要ですが、風雨にさらされても50年以上使えますし、物が当たって一部が痛んでも生物資源ですからいつでも手に入る優れた外壁材です。

 木材として用いる場合には木は乾燥していないと強度が出ないと言われます。
 木の中に水が多いと細胞間の結合が弱くなるので水は抜いた方が良いと言うことで様々な方法で水を抜こうとするのですが、強引に水を抜こうとすると木が生物として当たり前に持っているシロアリなどの虫や病気、腐りに対抗する成分まで抜けてしまいます。

 さらに無垢材は傷や汚れが付きやすいので床として用いるために表面処理で保護すると言うこともよく見られますが、早く水を引き寄せる本来の能力を活かすことはできなくなります。
 杉床は傷や汚れが付きやすいと言われていますが、杉床で生活している人から悪い話をほとんど聞きません。
 木が本来持っている機能には私たち生き物と相性が良いものが多いように感じています。

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