調湿剤

2018.04.26.07:33

 以前、洗濯物の室内干しについて観察したことがありました。
 木の家では洗濯物がよく乾くというと木が洗濯物の乾燥に関して一手に担っていると思われてしまいますが、洗濯物の乾燥は容積や温度も重要な要素なので木の家では必ず洗濯物がよく乾くという話ではありません。

 しかし、同じ部屋の大きさ(容積)、室温下で一般的な家と比べると木の家の方が早く洗濯物が乾くことは確かなようです。
 木には高い調湿性能があることはよく知られていますが、木の他にもシリカゲル(乾燥剤)や木炭、多孔質セラミックスなど調湿するものはたくさんあります。

 ところがシリカゲルにはA型・B型といった種類があり調湿の特性に大きな違いがあります。
 木炭も燃料以外に調湿剤として名前がよく出てきますが、木炭はある程度吸湿すると湿潤状態を保持してしまうこともあるので調湿する容積に対応できる量が大切だと言われています。

 エコカラットは多孔質セラミックスです。
 高い調湿性能を持つ建材として人気がありますが、こうした建材に人気があるということは家本体に調湿能力が乏しい裏返しですし、結構いいお値段がします。
 木の家では柱・梁・天井・床といった家本体の構造材に調湿もする木が表に見えるように使われています。

 また、一般的に調湿剤と言われている物のほとんどは無機質系と言われるものです。
 無機質系は多孔質の構造に膨大なミクロの孔があってそこに湿気や有害物質などが吸着するというものです。

 木も似たような仕組みなのですが、無機質系は湿気が吸着しても表面積がほとんど変化しないのに対して木は吸着する面積が大きく変化します。
 カラカラに乾いていた木に湿気がくっつくとくっついた分だけ面積が広がります。そしてまた別の湿気がくっつくとまた広がるということが起きています。

 含水率が30%ぐらいになるまで湿気がくっつくと面積は広がっていきます。
 無垢の床は隙間が空くといったことも施工時よりも乾いた室内環境に置かれた床材から水が抜けて縮んだためです。

 さらに杉は水が大好きなので水との相性がよく吸湿する速度がとても早い特徴があります。
 杉床の裸足が気持ちよいのは足から出ている水蒸気を床が素早く吸着することで得られる感覚です。

 洗濯物の室内干しを観察したときには室内の湿度計にはほとんど変化が見られなかったので湿度計の測定間隔を1時間から1分に変えてみたところ洗濯物を干し始めた時には湿度は上昇するがその後元に戻ってしまうので1時間間隔では変化を捉えられていなかったと言うこともありました。

 湿度計が元に戻ると言うことは洗濯物によって室内の水蒸気が急に増えると木が素早く吸湿してしまうということなんだろうと思います。毎日の細かく頻繁な湿度変化には素早く反応していますが、季節の変化にはゆっくりですが素直な反応をします。

 吸湿する速度が早いだけではありません。
 木の家では構造材が表に見えるように使われているので厚みがあります。
 漆喰や珪藻土も調湿性があるのですが壁の仕上げ材として使われていることが多く厚みは5ミリ以下の場合が多いと思います。

 漆喰や珪藻土の調湿性を活かすためには下地が大切だと言われています。
 仕上げは漆喰でも下地がプラスターボードでは漆喰の調湿性を十分に活かせていないかもしれません。

 木の家では構造材が表に見えるので木の含水率が家の中で30%になることはありませんし、30年や50年ぐらい経ったら調湿しなくなると言うこともありません。調湿のために何かメンテナンスや費用が必要になるわけでもありません。

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