木の家での体験

2018.09.16.09:55

 木の家は調湿性があり五感に優しくて住み心地がよいとよく言われます。
 しかし、世の中には木の家ばかりでは無くむしろ木の家は少数派になってしまいました。わが家を見に来られる方は木の家に興味がある方ですからイメージに近いはずなのですが、皆さん一様に驚かれます。何に驚いたのか尋ねて最も多いのが木の使ってある量です。

 木の家ですからと答えると他にも木の家を見てきたけどこんなに木が見えるように使ってある家は初めて見たと話してくれた方もいました。
 いろんな方の話を聞いていると私たちは木の家とどんどん距離が離れているように感じます。

 木の家でのくらしが減ってくるとそこで育つ子供たちは木の家での体験をしなくなります。
 木の家の特徴としてよく言われる調湿に関しても生活の中で体験している方と人に聞いたとか資料で学んだ人とでは捉え方が全く違います。

 木の家での体験が減ってくると木の家のことを知らない方が増えてきます。

 知らないと選ばないので木の家が減って木の家を体験する子供たちが減っていくことになります。

 そもそもわが国ではなぜ木の家が多かったのでしょうか。
 建物火災の研究者は日本人は燃える木で家を建て続ける不思議な民族と言うように木の家は一面だけ捉えるとどうして木の家なのという疑問が出てきます。

 家は人のくらしと一体なので材料が近くにふんだんにあることが最も重要なことです。
 材料があって手間をかけてくれる人がいてそれを使う人がいるという循環は人のくらしそのものです。
 わが国では木で家を建てることがこうした循環を支えてきたわけです。

 木の家が減り手間をかけてくれる林業、製材の方々が減ってしまうと植物の木を家の材料に出来なくなってしまいます。
 材料は輸入すればいいような物ですが、輸入先から提供を止められたら私たちは家さえ自国で建てられない民族になってしまいます。

 私はわが国の健全な発展のために木の家にしたわけではありません。
 昔から木の家は住み心地がよいと言われていたので興味があっただけですが、木の家で生活することは日々のくらしの中から次の世代に体験を引き継ぐ役割もあったことに最近気がついた次第です。

 木の家は燃えますし傷や汚れもつきますがそれでも木の家が建て続けられてきたのには訳があって、木の家に住み続ける知恵や工夫もたくさん蓄積されています。

 無垢の床は汚れやすいと言われますが、ぬらした手ぬぐい(タオルではない)で拭いてみてください。手ぬぐいは汚れを取ってくれるだけではなくて汚れが離れやすいので石けんでちょっと洗えばまたきれいになります。
 手ぬぐいで汚れが取れることが分かると余計な洗剤もいらないし、手ぬぐいの使い方も増えていきます。
 私は無蛍光のさらしを買ってきて必要に応じて切って手ぬぐいとして使っています。

 木の家で生活していれば日常の体験から木の家は何がいいのか、木の家で生活すると住まい手はどうなるのかについて知る機会があるのですが昨今はそれが難しい状況です。

 しかし、富山には丈夫で長持ちして住みやすく美しい木の家を建ててくれる建築士や大工さんがいます。
 日常のくらしから木の家を知る機会は減ってきましたが、木の家を学ぶ機会は残っています。

 誰から話を聞くかは重要です。


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