床の汚れ

2019.07.28.23:05

 無垢の床、特に比較的柔らかい杉床は汚れが目立つとよく言われます。
 確かにフローリング建材と比べるとワックスや表面処理をしないで使われることが多い杉床は汚れが目立ちます。
 家族が行き来する階段や動線上の床はいっそう足の脂などで汚れがつきやすいようです。

 フローリング材はさっと一拭きで汚れも落ちるし、汚れそのものも表面処理しているので付きにくいと言われています。
 汚れに関しては杉床に勝ち目はないのでしょうか・・・

 木の家の生活では昨日までは綺麗だったのに今日は汚いと言ったはっきりした境目は無くいつの間にか汚くなっていてある時、汚れが目に止まるそんな場面だろうと思います。
 傾向としては新築後1、2年ぐらいで床の汚れが気になって固く絞った手ぬぐいで床を拭く、その後数年放置して10年ぐらい経った頃に所どころ汚れが気になるそんな感じだろうと思います。

 フローリング材が新しい頃は表面処理も効いているので汚れもさっと落ちてくれますが、時間が経ってワックスや表面処理が剥がれたりしてくると剥がれていない部分との違いがとても目に付きます。
 フローリング材が突板であればまだいいのですが、表面の模様が印刷だったら床板を交換するしかありません。

 床の汚れは表面に付くので普通の生活で付く汚れはこぼした液体を放置するなどしなければ内部まで浸透することはありませんが、表面処理していない杉床は木肌に汚れが入るので比較的新しいフローリング材と比べると汚れが落ちにくいことは確かです。
 ところがある程度時間が経った杉床では少し様子が違います。

 以前、木は親水性と疎水性の相反する性質があることを書きました。
 疎水性をもたらしているのはリグニンという成分なのですが、リグニンに光が当たると時間と共に分子の鎖が切れて疎水性が落ちてきます。

 10年も経つと床の表面にあるリグニンは相当疎水性が落ちていることが考えられます。試しに少し緩く絞った手ぬぐいで床を拭いてみるとこれがなんとスパッと汚れが落ちてしまいます。
 新しいときには汚れが付いた表面をがっちりつなぎ止めていたリグニンが水に溶けやすい成分に変わっているので汚れだけじゃなくて表面ごとごっぞり手ぬぐいで剥ぎ取ってしまったそんな感じだろうと思います。

 剥ぎ取ると言ってもサンドペーパーで削るとか薬品を使うわけではないので床の質感は全く変わりませんし、剥ぎ取るのは光で劣化した表面だけなのでこれによって床材が薄くなるといった心配も無用です。

 10年ぐらい経ったら家具をずらして床のワックスがけなど表面処理を施すか、汚れが目立つところだけ拭き取るかといった選択は新築時にはしないと思いますが、木の家で生活していると汚れたところだけに対処ができる杉床はとても都合が良いように感じています。


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