すべる床

2015.12.22.12:06

 わが家は肌触りがよく、裸足が気持ちいい杉床です。
 無垢の床は汚れが付きやすいと言われますが、熱圧加工板(商品名:こもれび)は10年使っていても汚れが目立つことも無く、傷についても小さな子どもがおもちゃを床に繰り返し叩きつけるようなことをしなければそれほど気にすることは無いと思います。

 また、無垢の杉床をアルカリ成分を含んだ洗剤などで拭き掃除すると杉の成分と反応して濃い紫色になることがあります。
 こちらも慌てずに洗剤などアルカリ成分を拭き取ってほっとけば一月ぐらいで色は消えてしまいます。
 お酢でアルカリを中和する方法もありますが、お酢の匂いは結構強くしばらく匂いが残るので自宅であれば余計なことをしないで様子を見るのが良いと思います。

 さて、最近急にわが家の床が滑るようになりました。
 家内や子供たちが何か床に塗ったわけでは無いのに、急に裸足でも滑るし、靴下を履けば危ないほど滑ります。

 原因は母親が足がかさつくと言うことでハンドクリームを塗ってから靴下を履いて生活しだしたことにありました。
 足がかさつくからクリームでメンテナンスすること自体はごく普通のことですが、そのまま歩き回ると靴下でクリームを床にコーティングしているような物ですからそりゃすべるわけです。

 幸い固く絞ったふきんで二度拭きしたら戻りましたが、木の家で10年生活していても初めての体験はあるものです。
 試しに家にある床のサンプルにハンドクリームを薄く塗ってみたところおもしろいほどすべるようになりました。
 何ヶ月も放置していなければ固く絞ったふきんで拭けばクリームは取れますが、長時間放置していると取るのに苦労するかもしれません。

 熱圧加工板は見た目はすべりそうなのですが、裸足にグリップしてすべりにくく、汚れも付きにくい優れた床材です。
 今回のことで滑る床は危ないし、気持ちよくないし、思い通りに前に進まないいらだちを経験しました。そういったことが無いわが家の杉床を再認識する良い機会になりました。

熱損失量

2015.12.18.19:17

 富山の冬は晴れる日が少なく日中晴れている地域がうらやましく思います。日射時間比較
 住宅の自然温度差というと暖房していない室温と屋外気温の差を言いますが、自然温度差は設備機器やキッチンなどから発生する生活熱と日射取得熱が熱源になっています。
 自然温度差が大きいほど暖房に要するエネルギーが少なくなります。

 室温 = 暖房 + 自然温度差 + 外気温

 外気温が8度で自然温度差が6度の場合、20度の室温を得るためには6度暖めれば良いことになりますし、室温を保つには屋外に逃げた熱を補う必要があります。

 室温 = 暖房 + 自然温度差 + 外気温 - 逃げる温度

 自然温度差(度) = 生活熱(W) + 日射取得熱(W) ÷ 総熱損失量(W)

 生活熱が900W、総熱損失量が300Wのわが家では、自然温度差は3度になります。
 計算には日射取得熱も入れるのですが富山の冬は晴れる日が少なく日射に期待できないので日射取得熱を省いた値を使っています。

 夏は何度も屋根や外壁の温度を測りましたが、寒い冬はどうなのか測ってみました。
 曇った日は外気温と屋根の温度に差はほとんどありませんが、晴れた日に測ってみると気温が8度でも日射が当たっている屋根は35度ぐらいありました。冬の日射と熱損失量

 今まで室温20度の室内から外気温8度の屋外に熱は逃げていくと考えていましたが、日射が当たっている面は室温よりも暖かいので様子がちょっと違うように思います。
 晴れていれば窓から日射が入ることで室内が暖められる効果に加えて、屋外に逃げる熱量も少なくなっていることが考えられます。

 以前太平洋側にお住まいの方から灯油の使用量について話しを聞いた時に思ったよりも消費量が少ないことや、わが家の温度データを見直してみると外気温が同じでも晴れた日は障子を閉めていても室温が高くなっていました。

 日射が当たっている面の温度が高くなることで屋外に逃げる熱が減ることで室温も下がりにくくなっているように思います。
 明日が晴れると分かれば暖房設定温度を下げられそうです。

 わが家の暖房はヒートポンプが熱源なので電気を使います。今年から午前10時から17時までの電気料金単価が高い時間帯の設定温度を2度程度下げて運転していますが、これに加えて晴れる日にはさらに設定温度を下げることができそうです。
 一手間かかりますが、暖房は消費電力が大きいので住まい手のちょっとした工夫で快適性を犠牲にすること無く費用削減ができます。

 我慢したり節約しているわけでは無く温度や日射という環境を観察することでそれに対応すれば結構大きな費用の削減ができますし、それがだいたいいくらになるのか分かるところが大切なところです。
 自宅の熱損失量を知ることは生活費の削減に大きく貢献します。新築の際には使い方も含めて是非知りたい値です。

TS伐採ツアー2015

2015.12.11.09:12

 伐採ツアーに行ってきました。
 何回か参加している伐採ツアーですが行くたびに新しい発見や気づきがあります。
 TS伐採ツアーは伐採現場の見学の他に林業家、建築士、大工さん、住まい手や建築の道に進もうとしている学生が懇談できる場でもあります。建築士と木
 それぞれ地域や環境、立場が違う方々が集まって交流ができる貴重な場です。

 私は富山の話しをすることが多いのですが、沖縄の台風とか太平洋側の冬の乾燥、冬でも日射に期待できる環境など富山では経験できない気候風土を日々の生活体験を通じて聞くことができます。
 富山では土壁の家はほとんど見られなくなりましたが、今でも当たり前に土壁の家が建てられている地域もあるし、土壁の家は寒いとか雨漏りの心配など私が勝手に思い込んでいたことも思い過ごしだと気がついたこともありました。

 土壁に対する勝手な思い込みによる偏った見方が無くなることで土壁への理解は深まりますが、それが富山の気候風土でどうなのかはまた別の話です。
 今はやろうと思えば北海道で生まれ育った方が北海道の普通の家を沖縄で建てることも可能だと思います。
 しかし、沖縄には沖縄の気候風土があって建てる場所にあった家の方が快適だろうと想像できます。
 他の地域を知ることで自分が気がついていない富山の気候風土を発見できるので楽しみにしています。

 さて、TSウッドハウスでは伐採した後、枝をつけたまま葉枯らし乾燥するのですが今回は伐採直後に枝払いして長さを決めて丸太を切り出すところまで見せてもらいました。
 高さ30メートルぐらいある杉のてっぺんはどうなっているのか以前から興味があったので近づいて見てみました。
 枝払いをして幹だけになった杉は名前の由来通り真っ直ぐな木です。
真っ直ぐな杉
 ところが林業家は見た目は真っ直ぐに見えるけど地面に転がしてみないと分からないと話してくれました。
 わが家には8寸角の太い柱が2本あります。今まで真っ直ぐなのは杉だから当たり前だと思っていましたが、2本ほしいから2本分伐採すればいいわけでは無いし、7メートルや8メートルの長さの丸太を自分たちが歩いてきた林道を運ぶだけでも大変です。
 あの急なカーブをどうやって長い木を乗せて曲がるのだろうといままで考えもしなかったことに気がつきます。

 伐採の場面では木が倒れていくときに音がします。音は耳で聞く物ですが現場では木が倒れていくときのバキバキという振動が音と共に体に伝わってきます。
 これまでも何度か伐採シーンを写真に撮ってきましたが、写真を見るたびに現場で体験した体全体で感じた場面を思い出します。

 また、伐採では作業中何度か倒す方向を確認する場面があります。
 下から見ているとよく分かりませんが伐採した木を上から見ると切り株や岩に当たらないように狙った場所に正確に倒していることも分かります。
 あと30㎝横にずれていたら切り株に当たってせっかく育てた木が途中で折れてしまうかもしれません。

 さらに、これまで葉枯らし乾燥すると色が綺麗になると聞いていましたが、葉枯らし乾燥していない木を見せてもらいました。
 徳島県の木は赤身が綺麗でピンク色しているのが産地の特徴なのかと思っていましたが葉枯らし乾燥していない木はどこか渋みがあるというかちょっと色が違います。
 どっちも天然乾燥材なので木の揮発成分は残っているのですが、どっちか選べと言われると葉枯らし材を選ぶと思います。

 今回は富山から建築士、大工さん、今年の夏から木の家に住み始めた住まい手も参加しました。
 わが家を造ってくれたみなさんが集う前で「私は木の家で生活して10年になりますが、木の家にして良かった。」とお礼を言うことができました。
 懇談の席でどんなところが良かったのか尋ねられました。
 「木の家は人と相性が良いので季節の変化に家の方が人に合わせてくれるから住まい手がちょっと工夫するだけで暑い夏などは勝手に過ぎていく。」と話しました。

 なんだか分かりにくい話ですが、相性の良い人と付き合っていると気持ちの負担は少ないと思います。
 優れた木を使うとか大工さんの腕が良いとかよく考えられた設計などどれも大切なことですが重要なのは大切なことがバランスよくかみ合うことだと思います。

 住み心地よい家はバランスが良いなどといきなり言っても何のことか分かりません。
 木の家で生活しながら伐採ツアーに参加したり建築士や大工さんから家の使い方を教えてもらう中で少しずつ学んできました。
 家は情熱が冷める頃に価値が見えてくると言いますが、10年経って木の家にして良かったと思えるようになったことがうれしいです。

続・消費電力を測る

2015.11.14.02:48

 電力量など測っても実益が少ないと言われることがあります。
 測定器を購入して電力量が分かったところで電気料金が目に見えて安くなるわけでは無いし、単に使っている電力量が分かっただけでおしまいというわけです。
電力量計測機器
 デスクトップパソコンはモニターの電源をOFFにするだけで消費電力が半分ぐらいになることもあるし、トイレの蓋を閉めるとか、冷蔵庫の扉を開閉に注意するなど測ってみると確かに効果はあります。

 ところが、電気料金は1kWh単位なので数ワット削減したところで電気料金に換算すると多くても月額1,000円ぐらいにしかならず、わざわざ測定器を購入して削減するほどの金額では無いという意見もうなずけます。

 私も中途半端に測ると測っただけでおしまいになると思ったので測定器に少しお金を出して電力量を把握することにしました。
 家全体で使っている電力を把握する機器、エコキュート用、床暖房ヒートポンプ用2台、ワットチェッカータイプが2台の全部で6台使います。
 併せて室内外の温度も測定しているのでヒートポンプの運転と温度の関係も掴むことができます。

 グラフは床暖房用ヒートポンプの1時間毎の消費電力です。ヒートポンプ消費電力11月
 2台のヒートポンプをそれぞれ別々に測定してみると設定温度が同じでも消費電力に違いがあったのでタイマーで8時から17時までの電気料金単価が高い時間帯だけ設定温度を下げて測ったデータです。

 日中は気温が上昇するので設定温度も下げられることは何となく分かりますが、それによってどれだけ消費電力が落ちるのか測ってみないと分かりません。

 また、測ることで削減分を費用に置き換えることもできます。
 今の時期はそれほど気温が下がらないのでヒートポンプの効率も高いのですがこうした運転を一月続けると3,000円ぐらいは電気料金が違ってきます。
 室温は寒くない温度を維持しているので快適性を犠牲にすること無く費用削減できた一例です。

 設定温度が高くなる17時の消費電力が心配でしたが朝8時に設定温度が下がったときの削減分と差し引きすると心配するほどのことは無いことも分かりました。
 11月のこの時期、ヒートポンプ運転時は2台で1kWhほど電力を消費していますが、運転ランプが消えていても温水ポンプが動いているので1台当たり120W程度の電力を消費していました。

 1kWhの電力量は17個の60W白熱電球を1時間ぐらい使った量です。
 暖房機器は消費電力も大きいのでちょっと工夫するだけで冷蔵庫の扉の開閉や便座の蓋、パソコンやテレビといった家電製品で節電するよりも大きな効果が期待できます。
 測ることでそれがいくらなのかはっきり分かりますから削減分は家計から切り離して積み立てましょう。

 何日かかけて測定している間、家内からこんなに機械を買って何やってるの!と言われました。
 「今年はチャラだけど来年から削減分の積立が増える。」と言ったら
 「それならいい!」だって・・・

 なんだか積立のために測っているような感じになってきましたが、日常生活の一部を測って観察するのは結構楽しいものです。


消費電力を測る

2015.11.10.08:52

 消費電力の単位はW(ワット)を使います。
 LED電球1個の消費電力は8W、液晶テレビは60W、ドライヤーは1000Wなどと表現されます。
 1,000Wのドライヤーを1時間使用すると1kWh(キロワットアワー)と表現します。

 ドライヤーは使い始めた瞬間に毎秒1,000Wの電力を消費しますが、電気料金はkWh単位なのでちょっとややこしい部分です。
 60Wのテレビを30分使うと30Wh、2時間使うと120Wh、1000Wのドライヤーを3分使うと50Whの消費電力量になります。
 また、玄関灯(白熱電球60W)を4時間毎日使うと一ヶ月で7200Wh(7.2kWh)となり1000Wのドライヤーを7時間連続使用した電力と同じぐらい消費していることになります。

 こうしたことが分かってくると消費電力が大きそうな家電よりも電球など毎日何時間も使っているものに注目したくなってきます。
 消費電力を測ってみると最近の家電製品は消費電力が小さいし、液晶テレビは画面の明るさを変えるだけで消費電力が半分ぐらいになることもあります。
 少ない電力で動いている家電製品と白熱電球を比べると白熱電球の消費電力が目立ちます。

 さて、コンセントから電気を取っている家電の消費電力を測るには市販のワットチェッカーが使えますが、家全体とか200V機器の消費電力を測るにはクランプメーターが便利です。
 また、機器がいつどれだけ電気を使っているかを調べるには記録型の測定器が必要になってきます。
 クランプメーターは電線に流れている電流を測定して皮相電力に換算して表示してくれます。

 皮相電力(VA) = 電圧(V)× 電流(A)

 クランプメーターは電流を測っているので交流の消費電力を測るには力率を調べなくてはいけません。
 冷蔵庫や洗濯機、LED電球などコイルやコンデンサーが使われている機器には無効電力があります。

 皮相電力  = 有効電力(消費電力)+ 無効電力
 消費電力  = 皮相電力 × 力率
 消費電力量 = 消費電力 × 時間

 皮相電力が92VAと表示される機器の力率が0.6の場合、消費電力は55W、無効電力が37Wとなります。
 電気料金は消費電力量にかかりますから55Wが請求対象ですが、クランプメーターでは92VAと表示します。
 クランプメーターで92VAと表示しているのを見てカタログ表示よりも多くの電力を使っていると勘違いしないようにしましょう。

 力率を知るには力率まで分かるワットチェッカーや機器の仕様書に記載が無ければメーカーに尋ねることになります。
 白熱電球など抵抗や電熱線を使った機器の力率は1、ヒートポンプは0.95ぐらいなのでこれも1と見ていいと思います。
 冷蔵庫や洗濯機などは0.6、LED電球は0.7ぐらいです。

 無効電力と聞くと無駄な電力と思ってしまいますが、コイルやコンデンサーが使われている交流機器には必ず発生する物ですし交流機器を動かすために必要な電力です。
 無効電力に料金請求はなされませんが、力率の小さい機器を同時に何台も起動するとブレーカーが落ちるかもしれません。

 消費電力を測ることで何がいつどれだけ電気を使っているのかが分かるようになるといろいろ対策が見えてきます。
 わが家では数も多い白熱電球の電力消費が大きいのでここから対策を始めました。
 LED電球の色の見え方とか電球価格の問題も最近改善されてきたのでやってみました。

 白熱電球が消費している電力量が分かっていますからこれをLED電球に替えることでいくら削減できるかが分かります。
 その後何もしなければ月額数千円電気料金が下がっただけで終わってしまうので削減額相当分は施設整備積立額の増額を行います。
 今まで電力会社に払っていたお金を自分の積立口座に振り分けるわけですが、費用削減分を家計から切り離して削減策が成功としています。

 最初はわずかだった施設整備積立金ですが少しずつ積立額を増やしてきました。
 積立金があることで白熱電球よりも高価なLED電球をまとめて購入できますし、それによって毎月の積立額が増えることで以前よりも多くの積立ができるようになります。
 積立はとても地味な行動ですが継続すると結構大きな力になります。

 これまでもいろいろ費用削減対策を行ってきましたが私一人でここまでできたわけではありません。
 温度や電力量など測ったデータを建築士に見せて相談できたことが大きいように思います。
 新築であれば最新の設備機器などが導入されますが、私のように10年も経てば当時の最新機器となってしまいます。

 北陸電力では使っている電化設備によって料金プランがいろいろ選べるようになっています。
 私は家の電力量を測ることはできますが、電力料金メニューのしくみや変更等測ることで付随して発生することまで把握できません。
 建築士はデータを見てこれならこんなプランが使えるとかこっちに変更するとこうなるなどいろいろアドバイスをしてくれます。

 今回私が自宅の電力量を測ることで削減できる電気料金は年間6万円を超えます。
 白熱電球をLED電球に替えるだけではこの半分も減りませんが、いろいろ対策を組み合わせることで今までと変わらない生活で費用を削減することができそうです。

 まとめて対策ができることで削減額も大きくなるし、それを見ると積立意欲も湧いてきますし、なによりわが家の実測値による対策というところでやる気が出ます。

 建築士の話にはお金を生む話しが多いと言うと言いすぎかもしれませんが、太陽光発電パネルに数百万円出すよりも理屈を理解した建築士に光熱費の相談する方が費用対効果は大きいように思います。

コールド・ドラフト対策

2015.10.14.10:45

窓の温度分布 コールド・ドラフトは窓などで冷やされた空気が室内に流れ込んでくる下降気流などを指します。
 室温は適温なのに足もとが寒いときはコールド・ドラフトが発生しているかもしれません
 これまでの観察や測定からコールド・ドラフト対策には窓に衝立を置くことが有効だと分かってきました。

 やってみると効果が実感できるのですが知人に話しても”ふぅ~ん”でおしまいです。
 費用対効果も高い衝立ですが今ひとつ反応が鈍いので何人かに聞いてみたところ、窓全体を覆うわけじゃ無いから冷たい空気は部屋に流れてくるという意見が多く聞かれました。
 なるほど私もコールド・ドラフトを観察するまでは同じことを考えていました。
コールド・ドラフト模式図
 しかし、測ってみると様子は少し違っていました。
 まず、窓は一様に温度が低いわけでは無く窓の上部は室温とさほど変わらない。
 窓の下に行くほど温度が低くなって最も冷たい空気が室内に流れ込んでいる。
 コールド・ドラフトは温度差があるほど強くなるので窓から流れ込んでくる下降気流の温度を上げてやることでコールド・ドラフトを軽減できることも分かってきました。

 これらのことから衝立で最も冷たい空気が部屋に流れてこないようにすることでコールド・ドラフトは緩和できると思うようになりました。
 屋外が0.3度、室温が19.5度の時の様子を模式図にしてみました。

 衝立を置かない場合7.5度の冷たい空気が部屋に下降気流として流れ込んできますが、衝立によって13.5度になっています。
 13.5度でも十分冷たい空気ですがコールド・ドラフトは温度差が小さくなると影響も小さいのですぐに室温近くになってしまい床上5㎝の温度を測っても室温とほとんど変わらなくなります。衝立を置いた窓

 コールド・ドラフトは窓だけじゃ無く階段から2階の冷たい空気が降りてくるとか玄関から冷たい空気が流れ込んでくるなどいろいろあります。
 わが家では窓にコールド・ドラフト対策をすることで室内で高さによる温度差がほとんど無く2階からの冷たい空気や玄関からの冷たい空気の流れ込みがほとんど気になりません。
 全室床暖房とか玄関ホールと居住室との境目など家の造り方に様々な工夫があることはずっと後から知りました。

 日射に期待できない富山の冬は暖房機器に頼ることになります。
 ほんの少し前までは作り手は冷暖房については断熱材は入れてあげるけど後は住まい手が機器を選んで下さいといった雰囲気でした。
 新築の家でも補助暖房として室内に大量の水蒸気を放出する石油ファンヒータを使っている家は意外に多いように思います。
 室温を上げれば窓際との温度差がさらに開いて強いコールド・ドラフトが室内に流れ込んで頭が温かいのに足は寒いことになってしまいます。

 住まい手が窓に衝立を置くことで必ず室内から寒さが取り除かれるわけではありませんが、温熱環境まで考えてある家では窓に衝立を置くだけで体感は大きく改善します。
 せっかく建てた家で寒い思いをしないためにも温熱環境まで考えてくれる建築士に家造りの相談をすることは大切なことだと思います。

一組の写真

2015.10.04.11:39

 木の家に住み始めてもうすぐ10年、木の家の住み心地ブログを書き始めてから5年になろうとしています。
 木の家については何となく良さそうだぐらいにしか捉えていなかった私が自宅を測ったり様々なことを教わったり体験したことをブログに書きながらここまで来ました。木の家

 振り返って見ると木の家は何となく良さそうだという漠然とした思いは誰かが木の家について語ったことが元になって自分でも多分そうだろうと考えていたように思います。
 今は住み始めた当初よりは木の家への理解や使い方についてちょっとは上手になっていると思います。

 木の家に興味のある方から木の家について尋ねられると様々なことを伝えたくなりますが、木の家は何となく良さそうだと捉えていた昔の私にいきなりいろんなことを言われてもきっと消化不良になると思うし、うまく伝えられないように思います。
 そんなことを象徴するような私のお気に入りの写真を2枚紹介します。

 1枚目は建築士が引渡直前に撮ってくれた写真です。
 同じ山の木を天然乾燥した色の揃った綺麗な木の家です。あれから10年経って今のわが家は新築当初の初々しさから少し落ち着きを見せてくれるようになりました。
 もう後10年ぐらいするとさらに色艶が深まって立体感が出てくるのでそれを楽しみにしています。

 2枚目の写真は去年行ってきた林業家の伐採ツアーの写真です。伐採ツアーにはこれまで何度か参加していますが行くたびに新しい発見や気がつくことがあります。2014TS伐採ツアー

 ブログでも伐採ツアー参加後に感想を書いてきました。最初の頃は木が倒れる様子を注目していましたが、林業は木を植えたり育てたりするだけじゃ無く林道を作る土木工事の要素もあることや木材は元々植物だということも伐採ツアーに参加して学びました。

 写真には木のほかに伐採するために作られた林道も写っています。
 林業家は大きな木、樹齢100年ぐらいの木を選んで伐採を見せてくれるのですが、写真をよく見ると太い木の近くに切り株が写っています。
 植林するときはもっと短い間隔で植えていきますし、切り株があると言うことは誰かがこれらの木を残すために世話をした証ということになります。

 私が家を建てる時に林業家は太い大黒柱に使える木は2,000本ぐらい伐採して10本あるかないかと話してくれたことがありました。
 今、わが家の大黒柱を見ると小さな苗が長い時間と手間をかけて製材され1%未満の中から選ばれてここに建っていると感じられます。

 2枚の写真は撮った時期も被写体も違いますが林業家と大工さん、建築士によってつながっている一組の写真です。
 私はこの写真がつながっていることに気がつくまでに10年かかりましたが、それに気がついたことがうれしいし、少しずつ子供たちにも伝えながらこの家を長く使っていこうと思います。

電気料金照会サービス

2015.09.10.11:29

 北陸電力では登録(無料)すると毎月の電気料金がWebで確認できるサービスがあります。
 毎月の電気料金は電気料金明細書で見ることができますがWebで見られるようになるとデータの整理や電気使用量の把握などいろいろ便利になります。

 検針は人の手によって行われていましたが、2015年7月からスマートメーター導入によって無線でデータ収集を行うので1時間毎の詳細なデータが見られるようになります。
 わが家でも1時間毎の電気使用量を記録していますが、スマートメーターであれば計測器などが無くても見られるようになります。

 スマートメーターは2015年から9年かけて全世帯に導入する予定ということだったので北陸電力に問い合わせてみたところ、新築住宅、電力計の交換が必要な場合を優先に計画的に設置していくそうです。
 スマートメーターが設置されると1時間毎の電力使用量が分かるようになりますが、リアルタイムに見るためには電柱に受信機が設置されている必要があります。(旧富山市内には概ね設置済)
 電柱に受信機が設置されていなくても検針後しばらく時間をおけば先月分のデータは見られるそうです。

 また、2016年4月から電力自由化の対象が家庭にも拡大されます。
 北陸電力でも2015年12月末には新しい電気料金メニューが発表になるそうですが、2016年8月以降は新しい料金メニューになります。
 現在の料金メニューは2016年8月以降も続けられますが、それ以降の新築や料金メニュー変更は新しいメニューしか選択が出来なくなります。

 電気料金照会サービスは2年間分見ることができますので登録しておけば新料金メニューが発表になる頃には役立つ情報になると思います。
 電気料金は長い期間払い続けるのでこの機会を見逃さないで、前の料金メニューの方が・・・ということにならないように今のうちに自宅の使用料を把握して準備しておきたいと思います。

湿度とカビ

2015.09.06.00:45

 「家の中でカビが生えますか?」と木の家に関心のある方から尋ねられることがあります。
 木の家はカビが生えにくいと言われているので木の家の住まい手に実際はどうなのか確かめたい気持ちが伝わってきます。

 住み始めて丸9年になりますが浴室を除けばカビの発生はほとんどありません。
 以前に脱衣室の窓枠角にわずかにカビが見られたことがありますが、風通しをよくした後はカビが生えなくなりました。
 木の家はカビが生えにくいというと木の家であればどのような間取りや使い方をしてもカビが生えにくいと誤解されそうなので少し説明します。

 カビが生えるには温度と水分や栄養、酸素が必要です。
 木の家でも温度と水分、栄養が揃えばカビは生えてきます。
 温度やホコリなどカビの栄養分になるものを排除することは難しいので住まい手のカビ対策は水分(湿気)対策になると思います。
 もう一つカビが生えるにはある程度の時間が必要です。

 これについてはカナダ保存研究所のMichalskiさんが相対湿度を保った環境で湿度の違いによって目に見えるカビが何日で発生するかまとめた資料があります。

 相対湿度を保った環境で調べたグラフを見ると湿度が100%の環境では2日もすれば目に見えるカビが発生します。
 また、湿度65%の環境でも1,000日程度続けばカビが発生します。
 木の家でも湿度が70%を超えることはありますが長く続かないことがカビの発生が少ない要因になっているように思います。

 さらにカビの発生には間取りや家の使い方も影響していることが分かってきました。
 細かく仕切ることで室内に温度差ができやすい間取りや室内で開放型の暖房(石油ファンヒーターなど)を使うとカビは生えやすくなります。
 逆に室内を大きく使って温度差を小さくしたり室内で発生する水蒸気を少なくすると室内で洗濯物を干してもよく乾きますし、カビの発生も目立たなくなります。

 木の家だからカビが生えないのでは無くて、木の家はカビが生える環境になりにくいので間取りや暖房方法などに注意すれば普通の生活でカビの心配をしなくても済みます。
 カビが生えないだけで住みやすい家になるわけではありませんが、木の家はカビが生えにくいというイメージだけで判断しないでカビのことも!考えてくれる建築士に相談してほしいと思います。

室内の相対湿度

2015.08.15.12:53

 相対湿度は飽和水蒸気量に対する実際の水蒸気量の割合と説明されます。
 言葉では分かりにくいのでペットボトルで説明すると飽和水蒸気量とはペットボトルの大きさ(容器)にあたります。ペットボトルの水
 普通の生活では容器が決まっていて後から水を入れますが、飽和水蒸気量は温度によって容積が変わります。

 温度が高いときは飽和水蒸気量も多いのですが温度が下がってくると飽和水蒸気量も減ってきます。
 温度が高いときは容器に収まっていたのに温度が下がってきて容器が小さくなることであふれてしまった水蒸気は気体から液体の水(結露)になります。

 ここに2本のペットボトルを用意しました。
 両方とも容器の半分(50%)の水が入っています。
 相対湿度で表現すると両方とも湿度50%です。
 ところが見たとおり容器の半分とは言え入っている水の量が違います。

 片方は2リットル容器の半分ですし、もう一方は0.5リットル容器の半分です。
 先ほど飽和水蒸気量は温度で変わると書きましたが、2リットル容器は夏、0.5リットル容器は冬の温度に例えることもできます。
 飽和水蒸気量が多い夏の湿度50%と冬の寒い時期の湿度50%では水蒸気の量が全く違います。
相対湿度グラフ
 ここまでは何となく分かっていたのですが住まい手としてはもう一つ疑問に思うことがありました。
 室内では天井付近の温度は室温よりも高いことが多くなりますが、室内という決まった容器の中で温度差がある場合湿度はどのようになっているのか調べてみることにしました。
 湿った空気は乾いた空気よりも軽いので天井付近は湿度が高くなると思っていましたが、測ってみると天井付近では温度は高くなっていますが、相対湿度は低くなっています。
水蒸気圧グラフ
 水蒸気圧で見てみると室内では水蒸気圧の違いは小さいことから水蒸気量は温度差による違いは小さいことになります。
 水蒸気量が変わらなくても温度の違いによって飽和水蒸気量が変わるので相対湿度が変化しているようです。
温度グラフ
 また、調べてみると湿った空気は乾いた空気よりも軽いことは確かですが、人が生活している環境では層になって分離することは無いそうです。
 さらに、空気は窒素78%酸素21%その他1%の混合気体ですが気体の重さによって分離していることは無いし上空50kmを超えても構成割合は変わらないそうです。

 一般的に室内では天井など高い場所に湿気が溜まりやすいと言われていますが、わが家や建築士のご自宅ではなぜか高いところの方が相対湿度が低いので不思議です。

 高い調湿性がある天然乾燥材をたくさん表に見えるように使うことで室内の湿度傾斜が小さくなると言うと林業家から注意されそうですが、室内の湿度が安定していることは住まい手にはありがたいことです。

暑い夏

2015.07.30.09:51

 木の家に住み始めた頃に屋外と室内の温度差が知りたくて温度計を設置してから9年が経ち最近は季節によって違う環境と木の家の住み心地についてテーマを決めていろいろ観察しています。偽装網で日射遮蔽
 これまでは木の家を測ることが中心でしたが、大壁仕様の家も継続して測ることで両者の違いを比べることにも挑戦しています。

 以前から大壁仕様の家の調湿性について気になっていましたが、高い調湿性がある木の家とどのような違いがあるのかなどいろいろ調べていきたいと思っています。

 さて、暑い夏がやってきました。
 これまでの観察から室内が暑くなる要因として窓から入る日射によって床や壁が暖められることで室温が上昇することが分かってきました。
 最近の家は断熱性能が高いので窓以外、天井や外壁から室内に入ってくる熱は以前よりも抑えられているので窓に注目するだけで結構室温上昇が抑えられます。

 窓から入ってくる夏の日射には1㎡あたり1000wのエネルギーがあります。つまり夏の室内で1kwの電気ストーブを連続使用するのと同じエネルギーになります。
 窓の大きさや日射が入る時間によって電気ストーブの台数や運転時間が変わります。
 室温上昇を抑えるには大きなエネルギーを持つ日射を遮蔽することがポイントになりそうです。
 その際カーテンやブラインドなど室内側に遮蔽物を設置すると遮蔽物が熱くなるので室温も上昇してしまいます。

 また、日射が入る時間にも注目です。わが家は軒やけらばの長さが1メートルぐらいあるので今の時期午前10時ぐらいには2階も含めて全ての室内が日陰に入ります。
 午後2時を過ぎた辺りから西側の窓に日射が当たるので、西側に風通しを損なわない日射遮蔽ということで偽装網を使っています。

 風は通るけど隙間だらけの網で日射遮蔽できるのか不安でしたが、やってみると結構効果があって室温上昇は遮蔽しない場合に比べて2度程度抑えられます。
 窓の外で日射遮蔽することで室内に熱くなる部分が無くなると熱い物から発せられる赤外線源が体の近くに無いので余計な暑さを感じなくて済みます。

 さらに、風が室内に入れば体から気化熱が奪われることで体感温度を下げることができるしこれが結構気持ちがいいのです。
 暑いのに気持ちがいいとはおかしな表現ですが、冷房が効いた部屋で涼しいのにだるいとか体が重いという感じはなくちょっと暑い方が体調は良いように感じます。

 ただ、室温が35度になると何をしても暑いのでエアコンを使います。わが家では室温33度か34度付近に暑さに対する境界線があって偽装網は境界線付近で活躍しているように思います。
 エアコンを使うような暑い日であっても朝からつけっぱなしと言うことは無く運転時間は短くて済みます。
 エアコンの掃除やカビの心配、電気代や機器の更新など夏を過ごすための条件が緩和されることはありがたいことです。

 昔と比べて最近の暑さは厳しくなっていると言われます。暑さが厳しくなったからエアコンで調節するのもいいですが、住まい手のちょっとした工夫で室内から暑さを取り除くことができる家であることは大切なことだと思います。

ウッドデッキ

2015.07.23.21:25

 ウッドデッキで家族と過ごすひとときにあこがれて新築時に取り入れようとする方は多いと思います。
 ところが注意して見てみると使われずに傷んだままのデッキを目にすることがあります。お金をかけてデッキを取り入れたのにどうして使うことも無く傷んだままの状態になってしまうのでしょうか。ウッドデッキ

 子どもが大きくなってデッキで家族と過ごす機会が減った。
 汚れたデッキに裸足で行き来することが無くなった。
 など使われなくなった理由はいろいろあると思いますが、富山では気候も関係しているように思います。

 写真にはデッキに出て日向で過ごす姿がありますが、真夏ではなさそうです。
 真夏にわざわざ炎天下で過ごす方は少ないと思います。
 富山の冬は積雪があるし、晴れることが少ないのでデッキで日向ぼっこができる機会も少なくなります。
 冬がダメ、梅雨や夏もダメとなると富山でデッキを使える時期は意外と短いように思います。

 また、ウッドデッキには水に強い木が使われますが木は寝かした状態よりも立てて使った方が水の切れも良く長持ちするそうです。
 積雪が無く冬の寒い朝でも日向は暖かい地域ではまだ暖まっていない室内からデッキに出て日に当たりながら過ごすひとときは気持ちが良いと思います。

 さらに、デッキで過ごす機会が増えることは掃除や手入れの機会も増えることになります。
 せっかく作ったデッキが使う機会に恵まれず、屋根からの落雪や強い雨がデッキで跳ね返り窓に直接当たるといったことや元々傷みやすい環境に置かれていることも加わって傷んだままになってしまうのかもしれません。

 家造りはあこがれを現実にできる絶好の機会です。
 しかし、地域によって家の使い方や気候風土は違うのであこがれが実際の生活を豊かにしてくれるとは限りません。

 私もウッドデッキは考えましたが、「本当に使いますか?」という建築士の一言に思いとどまった経緯があります。
 限られた予算を有効に活かすために家造りには「それ、本当に使いますか?」と言ってくれる建築士が頼りになります。

2015夏 チルチンびと

2015.07.06.11:12

 平成27年6月に発売された「季刊・チルチンびと」を読みました。
 木の家は空気がさらりとして気持ちが良いとかよく眠れるなど、体験として語られることが多いのですがこうした効能は科学的に検証されていないことが多いように思います。
チルチンびと
 本の中には木の家と健康を科学すると題して本物の木の家は人の心と体、子どもの5感にどのように働くのかについて専門家の実験などが紹介されていました。

 天然乾燥材を使った本物の木の家については色艶の美しさも付け加えたいてほしいところです。
 時間が経つほど色艶が深まるのは天然乾燥材の大きな特徴ですが、肌の色に近いことが美しく感じる要因になっているように思っています。

 木の家に関する本は新築時ついて書かれていることが多いように思いますが、住まい手としては木の家で生活を続けると何がいいのかについても知りたいところです。

 人間は暑さには強い動物ですが、寒さに弱い傾向があります。
 暑さに強いといっても汗をかく必要が無い環境で生活を続ければ体から排熱する仕組みが上手に機能しなくなります。

 ブログでも何度か風(気流)と湿度が体感温度に影響があると書いてきましたが、汗をかくことで体から排熱する仕組みに風と湿度が大きく関係していることが分かってきました。
 私が木の家に住み始めた頃は建築士が木の家はエアコンいらず!と言うからエアコンを設置していませんでした。
 数年生活してやっぱり暑いと言うことで4年後にエアコンを設置しましたが、2年ぐらい使って最近は年に数回使う程度になってしまいました。(冬はエアコンを使わない)

 室温が35度を超えてくるような日はエアコンを使います。
 しかし、風通しを損なわないで西側窓の外で日射遮蔽するようになってからは室温が33度を超えることは年間に数えるほどしか無く風が無い夜でも扇風機で十分過ごせるようになりました。

 この過ごせるようになった!というところが大事なところで最初からでは無いのです。
 本物の木の家で生活していると住まい手の体が暑さに対応してくれるようになります。
 でも、ある程度時間がかかるので木の家で生活を始めたらすぐにというわけではありません。
 また、暑さに対応できる環境には個人差があるし年齢にも違いがあると思いますが、ちょっと暑く感じる方が体調が良いように思います。

 建築士にこうした話しをすると「うん、うん・・・」と言うだけなのですが木の家で生活して7年以上経ってようやくちょっと暑い方が体調が良いと言えるようになりました。

 わが家が偶然うまくいった事例では無く技術の裏付けがあることがチルチンびとに紹介されています。
 健康は誰もが重要と捉えていると思います。これまでは健康のためにエアコンを使う捉え方でしたが、富山の夏に体が適応できるようになったらエアコンの使用頻度は少なくなっていきました。

 エアコンの掃除やカビなど余計な心配をすることも無く、窓を開けたり閉めたりしているだけで暑い夏が勝手に過ぎていきます。
 わが家では普通の夏の過ごし方になりましたが、現代の夏の過ごし方としては体が持っている仕組みと温湿度上昇を抑える技術や工夫がバランスよく機能しているように思います。

設計料の誤解

2015.06.30.09:55

 設計事務所で家造りをすると設計料がかかる。
 これは確かです。私も建築士に設計料を払いました。
 設計事務所は設計料がかかるので費用負担が大きくなると言われていますが、この話しには誤解があるように思います。

 一般的に価格には原価、人件費、管理費や利益などが含まれています。
 家を建てるには材料が必要ですし、大工さんや職人さんの人件費も必要です。
 設計事務所に支払う設計料も原価や人件費の中に入ります。

 管理費には直接家を建てるには関わらないが必要とされる費用、例えば営業や経理、住宅展示場の建設維持費用などが入ります。
 最後に会社の利益が入って私たちが支払う価格になります。

 最近はネットでハウスメーカーの決算を見ることができるようになり、おおよその原価、管理費、利益額を調べることができます。
 私の場合は複数社の入札をへて施工者が決まりました。
 入札の際は図面の家を施工するのにいくらで請け負うか競うことになります。

 各社の見積もりを見ると家本体にかかる費用はだいたい同じでした。
 同じ図面なわけですから材料費や人件費が大きく違うことは考えにくいことです。
 入札額の違いは管理費や利益といった家本体以外にかかる費用の違いのように思います。

 大手ハウスメーカーの決算書を見てみるとおおむね管理費と利益の占める割合は価格の25%ぐらいでした。
 家本体が2,000万円だとするとこの家の価格は2,500万円ぐらいになります。
 おおよその仕組みが分かってくると値引きの捉え方も少し変わってきます。

 管理費や利益を省くことはできないし、材料費は別の物に置き換えることはできますが値引きが難しい物です。
 残るは家本体と言うことになりますが、同じ図面を誰が施工しても同じような費用がかかる部分は大工さんや職人さんの人件費に関わるところですから施主にしてみれば最も落としたくない部分が値引きの対象になりやすいことになってしまいます。

 大工さんや職人さんは施主のために精一杯できることをしようとしてくれます。
 罪は無いにしても施主の価格を抑えようとする意識が大工さんや職人さんのやる気をそいでいることになっているとしたら残念なことです。

 ハウスメーカーは管理費や利益を得ることで便利で安心して家が建てられるようにしてくれます。
 一方、設計事務所ではハウスメーカーと同じ価格であれば家本体に使える金額が増えることに期待ができます。

 以前にハウスメーカー幹部の方と話す機会がありました。
 天然乾燥材や手刻みの特徴、調湿のこともよくご存じでしたが、値段設定の問題があると話してくれたことがありました。
 価格設定を2,500万円にするには家を2,000万円で作る必要があるわけですし、施主からクレームが出にくい作り方などメーカーとしての苦労話を聞くことができました。

 私はハウスメーカーや工務店、設計事務所のどれがいいとか悪いとかという話では無く施主がそれぞれの特徴を知って選べばそれで良いと思っています。
 設計事務所で家造りをすると設計料がかかるという言葉だけで判断しないで設計事務所では何をしているのか、ハウスメーカーと何が違うのかについても関心を持ってほしいと思います。

暑熱順化

2015.06.17.05:19

 暑熱順化とは少しずつ体を暑さに順応させることを言います。
 冬の20度と夏の20度では同じ気温でも体感は大きく違いますし、暑さに慣れた体とそうで無い体では体感も違います。

 木の家に住み始めて9年、最初の数年は建築士が木の家はエアコンいらずというのでエアコンは設置していませんでした。
 ところがやっぱり暑いと言うことでエアコンを設置したのですが、2年ほど使って後は年に数回使う程度でほとんど使わなくなってしまいました。
 節約のために無理をしてエアコンを控えているわけでは無く、扇風機で十分に過ごせるからエアコンの使用頻度が減っていきました。

 ところが知人にわが家の話しをするとこんな暑いときにエアコンを使わないなんて・・・そこまでして節電しなくてもいいんじゃないと言われてしまいます。
 暑さに順応した人がまだ順応していない人に体感温度について話をしてもうまく伝わらないように思います。

 ブログでは木の家の高い調湿性能や湿度と体感温度などについて書いてきました。
 高い調湿性能がある木の家では湿度が下がることで体感温度も低くなるとか、室内に風が通ることで体にまとわりついている水蒸気が振り払われることで体感温度が下がること。また、1㎡当たり1,000ワットのエネルギーがある夏の日射を室内に取り入れないことも室温上昇を抑えるには有効と言ったことなど実験や観察を通じて分かってきました。

 しかし、夏の暑さを乗り切る最も有効な方法は体が暑さに慣れることで湿度が下がるとか風が通るとか日射を取り込まないなどと言った方法は補助的なものに過ぎません。
 暑さに慣れろというと我慢と気合いで夏を乗り切れと聞こえるかもしれませんが、私たちの体にははじめから暑さに慣れる仕組みが備わっていますし、動物が夏毛に生え替わるように何もしなくても時期が来たら自然に暑熱順化が起きて夏の暑さに体が慣れようとしてくれます。

 暑い夏にはエアコンは当たり前だと思っていた私ですが、木の家で9年生活してみて暑熱順化した体と湿度が下がる木の家の高い調湿効果や窓の外での日射遮蔽と風通しを組み合わせることで暑い夏が勝手に過ぎていくように感じています。
 すばらしいの住まい手が何年もかかって気がつく前にわが家にははじめから暑い夏を乗り切るための仕組みが備わっていて、住まい手の暑熱順化を妨げていなかったことだと思っています。

 夏を涼しく過ごす話しはいろいろ言われますが、暑熱順化した体で暑い夏を迎えることは夏を健康に過ごす有効な手段だと思います。

そらまめ君

2015.06.07.11:23

 そらまめ君は環境省大気汚染物質広域監視システムのことで全国の大気汚染状況について24時間情報提供しているところです。そらまめ君
 PM2.5(微小粒子状物質)や光化学オキシダントなど7種類を風向風速、気温などと一緒に各地のデータが提供されています。
 富山でPM2.5についての注意喚起されることは少ないのですが、地域によってはPM2.5の値が高くなっていることもあります。

 中国の観測点を見てみると信じられない数字が年間を通じて出ています。
北京のPM2.5
 中国の大気汚染についてニュースを見ることはありますが、データを周囲と比較してみると深刻さが伝わってきます。

 富山のデータを見ていると年間を通じて低い値で推移しているのですが、高い値が出るときは季節や天気に関係しているように思います。
黄砂データ
 また、黄砂についても環境省から情報提供があります。
 黄砂と聞いて洗濯物や自家用車が汚れる程度にしか捉えていませんでしたが、小さな砂にいろいろな物がペタペタくっついているので汚染物質として捉えられているようです。

 ちょっと前まではこうした情報を見ても「へぇ~昨日は値が高かったんだぁ」ぐらいでしたが、最近は明日は値が高くなりそうだと何となく感じられるようになってきました。何となく感じたことをそらまめ君を見て確かめるといったことを繰り返すことでニュースに頼らなくても自ら感じられるようになってきたように思います。

 空気清浄機を連続運転するよりも汚染物質が高いときだけ窓を閉める生活の方が手軽だと思うのですが、盛り上がるのは機械の性能や使い方の話しです。
 測定値だけ見ていても生活は変わりませんが、日常生活と関連づけてデータを見ていれば生活が変わってきます。

 富山では西にすじ雲が流れていれば天気は下り坂傾向だと言われています。
 目に見えない汚染物質もそらまめ君などを使って観察を続ければ、明日の空気は汚れているかもなどと予想ができます。

 明日の空気は汚そうだと言った翌日、家内が出かける前の子供たちにマスクを手渡す場面がありました。
 中国の汚染に比べれば富山はずっと綺麗な方なのですが、空気が汚いという言葉に反応した母親の行動でした。

目からうろこ

2015.05.15.08:55

 目から鱗が落ちると言います。
 鱗で目がふさがれた状態で良く見えなかったものが鱗が落ちて鮮明に見えるようになった様子を指し、今までこんなものだと思っていたことがあることをきっかけに急に理解が深まった場面でよく使われるようです。2014TS伐採ツアー

 私たちが木の家は何となく良さそうだと思って木をキーワードにしている家を見学することがあります。
 木の家と言うくらいですから木が使われているし、調湿など木が持っている機能面も期待できそうです。

 わが家も木の家ですが普通に言われる木の家よりも見た目が大きく違います。
 最初に目に入るのは見える木の量の違いです。今まで見てきた住宅展示場とは表に出ている木の量が全く違うのでほとんどの方が感じるようです。

 木の量が多い家ではログハウスが思い浮かびます。
 わが家に見学こられたご夫妻の奥様がログハウスみたいに木がいっぱいだって言った横からご主人がログハウスとは全く違う家だとお話になっている場面がありました。
 木が使われている点ではログハウスと同じですが、ご主人がおっしゃるようにわが家は作り方が違うのでログハウスではありません。
 近所の大工さんはあんたの家は昔の家をモダン風にした家だと話してくれたこともありました。

 木の家には寒いイメージがありますが、昔とは作り方も違いますし屋根が焼け込んで2階が極端に暑くなる心配もありません。
 冬は寒いから暖房、夏は暑いから冷房と単純に考えますが、家の中に寒さを持ち込まない工夫や夏に暑さを取り込まない工夫については考えたこともありませんでした。
 何年も室内外の温熱環境を測ってみると費用を抑えながら健康で快適に過ごすには設備機器の選定以上に暑さ寒さを取り除く工夫が大切だと感じます。

 木の家を見て木がたくさん使われている家だと感じた後、建築士の話しを聞くと単に木の量が多いわけでは無くてそれぞれ役割や使う場所が違うこと、そもそもなぜ木の家を建てるのかなど今まで疑問にも思っていなかったことに興味が出てきます。
 でも設計事務所は設計料がかかるから・・・と言う人もいましたが、総額いくらかかるかが重要で設計料が無料となっていても建物本体以外にかかる管理料に含まれている場合もあります。
 どっちが安いか比べることはできませんが、設計事務所では設計料がかかるから費用が増えるというのはあまり意味の無い話に思えます。

 設計事務所では詳細な設計図書を作ってくれますが、この資料が後になってとても役に立ちます。
 壁に何かを打ち付けようとするときやちょっとした修理をするときなど設計図書には細かいことまで書かれているので重宝します。
 また、家の構造に興味が出てきて調べたいときも詳しい作り方が書いてあるのでとても便利な資料です。

 建築士の勧めで林業家のツアーに参加したときには今まで木材で家を建てることに何の疑問もありませんでしたが、目の前で100年経った木を伐採するシーンを体験して木は植物だと気がつきました。
 生物ですから自ら害虫や病気などから身を守る仕組みを持っています。

 こうしたことを知り尽くす林業家が世代を繋いで大切に育てた木を本来持っている機能や仕組みを家に活かして欲しいという話しは私たち住まい手にとっても大切な話しです。
 しかし、林業家と住まい手はなかなか接点がありません。建築士には住まい手と林業家や職人さんを繋いでくれる役割もあるように感じています。

 目から鱗の話しは新約聖書の中に出てくる話しです。建築士が手をかざすと住まい手の目から鱗が落ちたように木の家について理解が深まるわけではありませんが、木の家について詳しい建築士の話には目から鱗が落ちる話しが多いように思います。

消える節

2015.04.20.10:43

 大工さんの番付を見てきました。
 わが家の番付から10年経ちましたが、何度も見せてもらうと見方も変わってきます。
 大きな梁を寸法に合わせて両端を切り落とすための線が書かれています。ところが片方は端からギリギリなのにもう片方は余裕があるように見えました。切り落とす部分

 どうしてこんな墨付けをするのかしばらく見ていると、あっ、節だ!と気がつきました。
 緑の矢印は節の位置で、赤い線のところで切り落とします。
 もともとこの梁には2カ所しか節が無かったのですが、手前の節を切り落としてももう一つ残ります。

 2枚目の写真では節の辺りに墨付けされていますが、この部分には仕口が刻まれるのでこの節も見えなくなります。
 大工さんは大きな節には大きな力がかからないように配慮をしながら仕口と節が重なるように切り落とす場所を決めていたわけです。
仕口で隠れる節
 たくさんある柱のどれをどこにどの向きで使うか決める番付も見ることができました。
 節が少ない面を見栄えのする場所に向けているのかと思ったのですが、わが家で観察してみるとどうやら大工さんは乾燥割れが入りそうな面が室内に出ないように見ているように思います。

 真壁仕様では柱が表に出ているので、室内には柱の1面以上は見えていることになります。
 わが家に使われている芯持ちの柱には背割りはしていないので必ずどこかが割れているはずなのですが、室内に割れている面が見える柱が少ないのです。

 番付の時に割れやすい面を避けてくれなければ使われている4分の1の柱が割れている面を室内に向けていてもおかしくないのですが、わが家では少ないです。
 大工さんの番付では節を消したり、乾燥割れが表に出ないようになどいろいろ考えてくれていることが少し分かってきました。
柱を見る大工さん
 私が家を建てる時も建築士や大工さんは番付を見せてくれたし説明もしてくれましたが、初めて見る私は舞い上がって見ただけ・・・だったと思います。
 しかし、あの時見せてくれたおかげでこうして何度も番付を見ることで少しずつ大工さんの仕事が見えるようになってきました。
 番付は見栄えだけじゃなく適材を適所に使うとか仕口・継手加工などいろいろ目的があります。

 天然乾燥材を手刻みするなんて高価で手が出ないと私も思いました。
 建築士や林業家は「一部のお金持ちだけが建てられる木の家では意味が無い」と言います。
 天然乾燥材をうまく説明できない方や手刻みを面倒だと考えている作り手のやりたくない値段を見ると高価だと思ってしまいますが、それができる作り手は普通のサラリーマンでも手にできる家を建ててくれます。

 2枚目の写真をよく見ると節本体は仕口加工で見えなくなりますが、木目の流れから節があることが分かります。
 10年前、わが家の梁の節について何か聞いた覚えがあったのですが、家が建ってしまうと分からない部分なので今まで気にしていませんでした。

 わが家でも木目の流れからたぶんこの先にフシがあるはずが隠れて見えなくなっている部分が見つかりました。
 今までこの梁は節が少なくて綺麗だと思っていましたが、大工さんが節を消してくれたことに10年経ってようやく気がつきました。

エネルギー消費

2015.04.17.02:49

 わが家は11月から翌年4月下旬まで全室連続暖房です。
 トイレや脱衣室を含めて24時間暖房を続けて室温を21度ぐらいに保っています。
 全室連続暖房についてはブログに何度か書いていますが、寝ているときや誰もいない時間まで暖房するのはもったいないとよく言われます。
 本当に全室連続暖房は無駄が多いのか調べようにも世帯によって暖房方法や熱源が違うので簡単に比べることができませんでした。

 最近便利なものを見つけました。
 「Forward to 1985 energy life」

 電力やガス、灯油使用量の明細があればエネルギー量として計算して近隣地域の同じ世帯人数の標準的な使用量と比較することができます。
 早速、わが家のデータを入力してみると標準家庭の98%の年間消費量になりました。

 11月から翌年4月下旬まで全室連続暖房しているわが家が特別大きなエネルギー消費じゃ無いとすると部分間欠暖房(必要とする部屋に必要な時間暖房)でも結構エネルギーは使っていることになります。

 使っているエネルギーに大きな違いが無ければ起床時や帰宅時に室内が寒くないのはありがたいことです。
 全室連続暖房について話しをするといいのは分かっているけど、費用が・・・となることが多いのですが、熱が逃げにくい最近の家では暖房費用に大きな違いは無いようです。
 費用よりもどのような暖房をどのように使うかと言った暖房の質による住み心地の違いは大きいように感じています。

 室内の高さによる温度差ができやすい暖房だったり、床上5㎝辺りに冷気が流れ込むような環境と言ったあまり注目されていないところを工夫することで費用を抑えながら快適性を向上させることができるように思います。
 建物で決まることもあるし、住まい手のちょっとした工夫で改善できることもありますが、最初から温熱環境について考えられた家であることはとても大切だと思います。

 地域によって住宅の温熱環境の捉え方は違います。地域の気候風土にあった家を求めることは高価で優れた設備機器を手にすることよりも遙かに価値があります。
 家を建てようとしていた10年前は気候風土にあった家がいいんだぁ程度に捉えていましたが、今は富山の気候風土にあったわが家の基本性能の高さを自慢に思いますし、家を作ってくれた林業家や建築士、大工さんや職人さんへの感謝は住み始めた頃よりも深まっているように思います。

 普通の住まい手がエネルギー消費を考える時はまず自宅の消費量を把握することが大切だと思います。
 それが分かって目標ができて具体的な行動に進んでいきます。私の目標はわが家よりもエネルギー消費量が1割少ない建築士のご自宅です。

 住み始めて9年近くになるこれまでは居住性や快適性を犠牲にしない費用軽減策への取組でしたが、これからは費用もさることながら消費エネルギーに注目して少ないエネルギーで快適に過ごせるような工夫を積み重ねていきたいと思います。

静電気 2

2015.03.27.02:51

 空気が乾燥する時期は静電気で痛い思いをすることが多くなります。
 分かっていてもバチッとくるあの感触はイヤなものです。足裏センサー
 身近なところでは化学繊維の着衣の摩擦によって発生し、指先から火花放電することで痛みを感じるものや帯電によってホコリや塵を吸い寄せるためテレビやパソコンのコンセント周りなどにホコリが溜まりやすくなります。

 以前、木の家は掃除が楽だと書いたことがありました。
 木が調湿することでホコリも湿気を持ちにくいとか、帯電しにくい性質のおかげでクイックル・ワイパーで簡単に掃除ができます。
 その他に住まい手として気がついたことがあります。

 わが家ではあのバチッ!が無いのです。家族に聞いてみてもそういえば家の中では無いと言っていました。
 着衣を脱ぐ際にバチバチと音がすることはあっても指先で火花放電を感じることはありません。
 裸足の生活なので足が必ず床に接していることで火花放電するほど帯電する前に緩やかに足から逃げていくのでバチッ!が起きにくいのだろうと思っています。

 冬でも裸足の生活ができるのは早い吸湿と遅い熱伝導のバランスが良い杉床の特徴と床暖房のおかげですが、火花放電が起きにくいことに気がつきました。
 汚れや傷が付きにくい床は裸足では冷たいのでスリッパを使います。スリッパが絶縁体になって体に静電気が溜まっていきます。

 指先で金属など伝導体に触れると一気に放電してあのバチッ!となるわけですが、静電気がイヤだから裸足の生活をする人は少ないと思います。
 木の家で生活しているとこうした結果的に快適性の向上につながっていることはいろいろあります。
 冬でも洗濯物がよく乾く、掃除がしやすい、夏は扇風機の風が気持ちいいなどどれも日常の生活に関連することばかりです。

 ドアノブは鍵を一旦当ててから触れるなどいろいろ言われています。室内が乾くから加湿器を・・・ジメジメするから除湿機を・・・床に傷や汚れがつくからスリッパを・・・何か気になることがあってそれに対処することは当たり前のことです。
 逆に当たり前のことは気がつきにくく言われて初めてそういえば・・・ということが多いと思います。

 指先からの静電気放電は日常生活の中で木の家を感じ取られるきっかけになりました。

杉床

2015.03.23.14:05

 杉の床は裸足が気持ちいいとか汚れや傷が付きやすいと言われます。
 裸足が気持ちいいのは杉床の持つ早い吸湿と遅い熱伝導のおかげなのですが、それが傷が付きやすいことにつながっています。
 裸足が気持ちいい快適性を損なわずに汚れがつきにくい工夫として林業家は板に熱圧加工することで両者のいいとこ取りした床材を提供してくれます。

 裸足が気持ちよくて汚れもつきにくい熱圧加工床板ですが、水をこぼして放置すると水の跡が白く残ってしまいます。
 一方、熱圧加工していない床板では水の跡はつきにくいのですが汚れは熱圧加工板よりもつきやすくなります。
熱圧、非熱圧の境目
 写真は9年近く経ったわが家の階段(非熱圧材)と熱圧加工した板の境目を撮っています。
 まだ新しい杉板と比べても熱圧加工板は汚れがつきにくい様子が分かると思います。

 そんなややこしいことを言わずに傷にも強くて汚れもつきにくい床材なんてたくさんあるでしょ!と言われそうですが、裸足が気持ちいい特徴は外したくありません。

 傷に強いと言うことは硬いわけですから熱の伝わり方も早くなり触れたとき冷たく感じますし、汚れに強いと言うことは汚れが吸着しにくいと言うことですから足裏から水蒸気を吸わなくなることでベタベタした感触になります。

 杉床で生活している住まい手は水回りの床に薄い敷物を使っていらっしゃる方が多いようです。
 熱圧の有る無しにかかわらず敷物を使っているわけですからキッチンや洗面台周辺は水の跡が少ないです。
 水の跡が多いのは食卓とキッチン間など住まい手によって違いがあるにせよ、室内の一部に限られます。
 汚れについては家族が行き来するところは全部対象になりますし、行き来が多い部分は汚れやすくなります。

 おおざっぱに言えば一部分の水の跡が気になるか、床全体の汚れが気になるかのどちらを優先するかが目安になると思います。
 水回りは薄い敷物を使うので意外に水の跡はつきませんし、住まい方によって水の跡がつきやすい場所は限られてくるので対策が取りやすく、床が水の跡だらけになることは避けられそうです。

 私は汚れにくいことを優先して熱圧加工板を採用しましたが、どっちを選ぶかは住まい手の好みです。
 杉床は多少汚れが付くとか水の跡が残ることもありますが、家族が帰宅後一番最初に靴下を脱ぐ様子からも裸足の気持ちよさは最初からずっと変わりません。
 また、熱圧加工の有無にかかわらずどの住まい手も裸足の生活をしていらっしゃるので水の跡や汚れは快適性や居住性には影響が小さいのかもしれません。

 建築士は快適性や居住性に大きな影響を持つ裸足の気持ちよさについては導いてくれますが、好みの問題については施主が決めなくてはいけません。
 どっちを選んでも裸足の気持ちよさは変わりませんと言われても迷う気持ちはよぉ~く分かります。

温度差

2015.03.14.10:23

 富山の冬は日射が少ないので日射エネルギーを得る機会が少なく、自分で暖房エネルギーを調達して室温を保っています。
 最近は富山でもエアコンを主暖房として使う家が増えてきましたが、薪ストーブや床暖房など輻射熱暖房を取り入れる方も増えてきたように思います。
 代わりに石油ファンヒーターや石油ストーブなど室内に燃焼ガスを放出する暖房機器が減っているようです。

 最近のエアコンは1KWの電力で6KWぐらいの熱を出すタイプもあって効率が高いのですが、フィルターの掃除や冷房にも使うので機器内部にカビが発生することがあります。
 薪ストーブは強力な輻射熱で広い範囲を暖められるし炎には言葉で表現しにくい癒やし効果もありますが、薪の調達や煙突掃除などの手間がかかりますし、室内がほこりっぽくなる傾向があります。
 床暖房にしても室内が暖まるまで時間がかかるし床材によって床暖房の使い方に違いがあるとか設置にお金がかかります。

 さて、富山の冬は雲で覆われる日が多いので日射が少ないわけですが、そもそもなぜ雲に覆われるのでしょうか。
 富山には標高3,000メートル級の立山連峰があるから・・・では答えにならないので少し調べてみました。
 世界最速のコンピュータは軍用か気象に使われると言われるくらい気象には難しいイメージがありますが、理屈は意外と単純です。

 大気は温度と圧力が均衡するように移動する。
 相対的に暖かい大気は密度が小さく軽くなることで上昇するし、冷えた大気は密度が大きくなるので重くなって下降してきます。
 上昇するときには温度が下がるので飽和した水蒸気が凝結して雲ができます。
 たくさん水蒸気があればちょっと温度が下がっただけですぐに飽和して雲ができますが、水蒸気が少なければなかなか雲ができません。

 冬には低気圧に向かって大陸から冷たいけど乾いた風が日本海で水蒸気を得ながら日本列島に吹き付けてきます。もともと冷たい空気なのですぐに飽和して雲ができますが低い雲が多いそうです。
 低い雲が高い山にぶつかってせき止められることで曇りの日が多くなり、雨や雪を降らせて水蒸気が減って乾いた空気が太平洋側へと流れていきます。

 地形や水蒸気量などいろいろな要素があるにしても同じ圧力下では暖かい大気は上昇し冷たい大気は下降する基本は変わりません。
 室内でも冷たい空気と暖かい空気があれば必ず別れようとします。

 私は今まで室内で発生する温度差については暖かい空気を下ろせばいいと思っていました。
 ところが暖かい空気を下げる気流を作ると同時に暖かい空気が上昇する気流も発生するので打ち消し合って吹き抜けなど高さがある場所では思ったほど効果が出ません。

 さらに、温度差が小さければわずかの気流で撹拌できますが温度差が大きいほど安定するので、より暖かい空気は上層に貼り付き、より冷たい空気は下層に貼り付いてしまいます。
 暖かい空気のことだけを考えて、天井にファンを取り付けたり扇風機を天井に向けたりするわけですが、少しはマシになる程度で気流による体感温度のことを考えるとあまりいい方法じゃ無いように思います。

 暖かい空気は暖房機器から出てきますし、冷たい空気は隙間風やまだ冷たい壁や天井、窓などで冷やされることで発生します。
 室内の上下に温度差がある限り生活している下層は冷たい空気の溜まり場になるのですから自然の摂理に逆らって上層の暖かい空気を無理矢理下げるよりも、下層に冷たい空気を作らないとか取り入れない工夫の方が良さそうに思います。

 暖房というと暖房機器や暖房方法の話しが多くなりますが、建物の中に寒さを持ち込まない工夫は暖かいという室内環境には大切なのかもしれません。
 熱が逃げにくい家で連続暖房していると与える熱は小さくて済むし、壁や天井もやがて暖まるので設定温度は室温に近い温度になり、高さによる温度差も小さくなっていきます。

 加えて私の場合は窓に衝立を置いて窓で冷やされた下降気流(コールド・ドラフト)が室内に流れ込まないようにしています。
 富山では日射という自然エネルギーには期待できませんが、自然の摂理を取り入れて室内から寒さを取り除くことはできると思います。

 寒さが取り除かれた室内では暖かいと言うより寒さを忘れてしまうほど自然な環境で生活ができます。
 それが熱ストレスが少ない快適性や室内を広く使える居住性の向上につながっているように思います。

温熱環境と床暖房

2015.03.11.10:55

 私が新築を考え始めた頃は無垢の床材と床暖房は相性が悪いと言われていました。
 床暖房と無垢の床材の組み合わせでは床に大きな隙間が空いてしまうと言うのが主な理由だったと思います。

 確かに無垢材、特に天然乾燥材は急激な温度差に弱い傾向があり起床時や帰宅時に床暖房のスイッチを入れて急激に床の温度を上げる使い方は不向きなように思います。
 35度ぐらいの比較的低温の温水で床を暖めるタイプであれば問題は起きにくいと思いますし、むしろ無垢の床と床暖房の相性は良いとさえ感じます。

 床暖房を導入するにしてもリビングだけとか寝室やトイレは設置しないなど室内の一部だけと言う方も多いと思います。
 私も建築士から全室床暖房の提案をもらったとき、そこまでしなくても・・・と思いましたが、全室設置するのも一部だけにするのも費用に大きな違いは無かったし、建築士が言うのだから他に何かあるのかもしれないと思って全室床暖房を設置することになりました。

 今はあの時、建築士の提案を断らなくて良かったとしみじみ思いますが、当時の私には暖房についての知識は乏しく寒い部屋を暖める暖房機器としてストーブ、エアコン、床暖房のうちどれを選択するかといった感じで捉えていたように思います。
 床暖房は輻射熱で日だまりのような暖かさだと説明されても輻射熱ってナニ?という始末で建築士には随分苦労をかけたと思います。

 自宅の温熱環境を測り続ける中で建築士が何を伝えたかったのか最近少し分かるようになってきました。
 エアコンやストーブは熱源で空気を暖め寒い室内に吹き出したり、温度差による対流を利用して部屋を暖めます。
 これらの方法は室内に暖かい空気の層とまだ暖まってない空気の層ができます。
 しかも、暖かい空気は密度が小さくなることで軽くなって上に昇ってしまいます。

 暖められた空気はまだ暖まっていない壁や天井に熱を奪われることで温度が下がっていきます。
 温度が下がると空気の密度が大きくなるので重くなって下に降りてきます。
 住まい手にとって悩ましいのはいつまでたっても暖かい空気は上層にあって冷えが空気が下層にあるということです。
 下層にある空気で寒くない温度にしようとすれば上層は40度を超えることも珍しくないそうです。

 それじゃ天井にファンをつけて空気を撹拌すればいいと思いますが、密度の違いによって別れている安定した空気層を撹拌するのは容易ではなくファンを止めてしまえばすぐに戻るし、強く撹拌すれば気流によって体感温度を下げてしまいます。

 床暖房も床を暖めて室内を暖めるのかと思っていましたが、床から放射される遠赤外線(光)が壁、天井、家具や人に当たって分子を振動させて熱を発することで壁や天井などが暖かくなりそれに接している空気が熱伝導によって暖まる仕組みだと分かってきました。

 床暖房が室内の上下間で温度差が小さいのも壁や天井が空気よりも先に暖まるので空気の対流が起きにくくなることが関係しているようです。
 でも、床暖房は部屋の温度が安定するまでに数日を要しますし、エアコンやストーブの場合、普通は外出時や寝ているときは暖房しません。

 連続暖房なんて無駄だと言われそうですが、最近の家は熱が逃げにくいので連続暖房しても起床時や在宅時だけ暖房しても費用に大きな差はなく、起床時や帰宅時に暖まるまで待つことを考えれば体の負担は随分小さくなります。
 全室連続暖房は比較的小さい熱を連続的に与えることで室温を保つ方法ですから熱源を意識すること無く寒いと言うことを忘れてしまいます。

 寒く感じない家では室内を開放的に使えるしトイレや浴室も室温と同じなので風呂の入り方まで変わってきます。
 私は単純に冬でも暖かい家にしてほしいと言いましたが、建築士は一歩進んで室内から寒さを取り除き、室温を保てる環境を考えてくれていたように思います。

 部屋を暖めるだけならストーブやエアコンで良いわけですが、暖房費や住まい手の居住性や快適性まで考えると床暖房による全室連続暖房は富山の冬に合った暖房だと思えるようになってきました。
 熱源にヒートポンプが使えるようなったり、床暖房設置費用が安くなってきたことも追い風になっているように思います。

 富山では11月から翌年4月下旬までの5ヶ月間暖房します。暖房期間の居住性や快適性は住み心地に大きく影響します。
 私にはこうした知識が無く全て建築士が考えてくれたこと今になってやっと少しだけ分かってきてこうしたことを書いているわけですが、無垢の床材と床暖房は相性が悪いと誰かが言った一言であきらめないで技術者の話にも耳を傾けてほしいと思います。

手刻みの魅力

2015.02.28.12:07

 最近の柱や梁は数値制御工作機で加工することが多いそうです。
 わが家は大工さんが手刻みしてくれた家ですが、手刻みのどこがいいのか尋ねられると困ることがあります。
 職人さんの手仕事だから、ぬくもりがあるからなどと言われることもありますが、今ひとつ分かりにくい話です。
番付する大工さん
 私も最初は建築士が手刻みすると言うから手刻みになったということで、私が手刻みして欲しいと言ったわけではありません。
 もちろん当時の私に手刻みの魅力など分かるはずもないし、時々建築士に手刻みについて尋ねることはありましたが、うーん何となく分かったような・・・といった感じでした。

 手刻みでは大工さんがどの材料をどこにどの向きで使うか決めて印(番付)をつけていきます。
 番付された材料を大工さんが加工するので時間も手間もかかります。
 建築士は私たち施主を番付に参加させてくれます。

 何も書いてない何本もある大きな梁をどこに使おうかどっちの向きで使おうかなど相談しながら決めてくれます。
 私に決めろと言われても困ってしまいますが、こっちがお腹でこっちが背だから・・・などと説明を聞きながら決めていきます。

 初めて見る番付なので決めると言うよりは舞い上がっておぉ~そういうことかなどと感心しっぱなしなのですが、何とか数本の梁が決まります。
 私たちは初めて見た番付に感動して上棟日を待ちわびるわけですが、大工さんはこの後が大変です。
 わが家でも柱だけで100本ぐらいありますし、他の梁も含めて全部の材料について番付しないといけません。

 写真は大工さんが柱の位置を書いた図面を見ながら目の前にあるたくさんの柱をこれから番付しようとしているところです。
 場所によって柱の長さも違うし、周囲から良く見える場所もあれば押し入れに使われる柱もあります。
 一本ずつ柱や梁を見ながらどこにどの向きで使うかこの作業で決まります。

 完成見学会でリビングのフシが少ない綺麗な柱に目がとまったお客さまに大工さんが説明する場面がありました。
 「この柱はたまたま見つけたのでこの場所にしました。」
・・・説明終了・・・

 思わずもうちょっと番付の話しもしてほしいと思いましたが、建築士も大工さんも細かい話しはしないので私たちは本当にたまたま偶然見つけたと思ってしまいます。
 偶然じゃ無くて全部見てこの場所がふさわしいと選んだことを説明して欲しいのですが、大工さんが言うとたまたま見つけたになってしまいます。

 真壁仕様の場合柱や梁は表に見えます。見えるから選ぶわけですし、時間が経って施主が手刻みの魅力について少し分かってきた頃、押し入れや収納に隠れている柱や梁を見るとちゃんと使い分けられていることが分かるようになります。
 私は木の良し悪しはフシの有る無し、大きさによると思っていましたが、同じ等級であってもフシの大小、一本の柱にあるフシの数などいろいろです。

 バラツキが少ない均一の材料としてや強度など数字だけで捉えればやり方も変わってくるのかもしれませんが、木材を適材適所に使い分けるために番付は大切だと思いますし、手刻みしないとやがて番付はできなくなってしまいます。
 柱や梁を壁で覆ってしまう大壁仕様ではこうしたことはどうでも良い話しかもしれません。

 しかし、天然乾燥材は色艶が時間と共に深まる大きな特徴があります。
 最近、いい色になってきた・・・30年経つ林業家のご自宅のことですが杉を知り尽くした林業家でさえ目にとまる色艶は一部のお金持ちだけのものではありません。
 手刻みについては仕口・継ぎ手の種類や大きさなどいろいろあるようですが、住まい手としては見えるところには気を使ってほしいところです。

 私は最初、天然乾燥材を手刻みするなんて高価で手が出ないと思いました。
 家造りでは建築設計事務所で家造りをすると設計料がかかるので費用が高くなるとか、天然乾燥材を手刻みするなんて高くて手が出ないなど今にしてみれば勝手な思い込みによる誤解だったことがいろいろあります。

 住み始めて8年半が経ち少しずつ色艶が変わってきたわが家を眺めながら、手刻みは手間と時間がかかりますが天然乾燥材の特徴を活かせる最善の方法だと思えるようになりました。

お天気情報

2015.02.25.19:37

 天気は毎日の生活に欠かすことができない情報で、天気情報に触れない日はほとんどありません。
 ところが報道される天気情報は大まかな情報です。
 一時雨や時々雨といわれてもいつ雨が降るのか、いつやむのか、ところによってと言われてもどこで雨が降るのかなど事前に分かれば負担は大きく減ります。

 これまではこうした情報を得るには気象会社にお金を払わないと得ることができませんでしたが、最近少し変わってきました。
 私が使っている方法を少し紹介します。

 週間天気予報の信頼度
 1 気象庁のホームページへ行きます。
 2 天気予報を選び、知りたい地域を選択すると、今日、明日、明後日までの天気予報が表示されます。
 3 同じ画面にある 地域時系列予報へ を選択すれば3時間ごとの気温や風、天気の移り変わりなどを見ることができます。
 4 一つ前に戻って今日、明日、明後日までの天気予報画面で 週間天気予報へ を選択すれば週間天気予報が出てきます。

 週間天気予報には3段階の信頼度があって信頼度Aであれば明日の予報並みと信頼できますが、信頼度Cは翌日には予報が変わるかもしれない情報ですから翌日もチェックした方が良さそうです。

 解析雨量・降水短時間予報
 アメダスでは雨の量は分かりますが、観測地点には距離があるので観測点に隙間ができます。
 また、レーダーでは雨粒を捉えているので雨が降っている場所を面で捉えられますがアメダスのように測っているわけでは無いので精度が落ちます。

 この両者のいいとこ取りをしたのが解析雨量・降水短時間予報です。
 降水短時間予報では今後6時間の1時間ごとの降水量分布予報が見られます。
(見たい場所あたりをクリックすれば地図が拡大します)

 高解像度降水ナウキャスト
 降水短時間予報は降水量分布を1km四方で解析したものですが、高解像度降水ナウキャストは250m解像度で降水の短時間予報が見られます。
 予報は1時間後までと短いのですが、予報間隔が5分と短く解像度も高いので降水短時間予報(6時間)と組み合わせれば知りたい場所でいつどのくらいの雨がいつまで続くのかが分かります。
 Yahoo!地図が高解像度降水ナウキャストに対応しているので、Yahoo!地図で見た方が見やすいかもしれません。

 XバンドMPレーダ雨量情報
 ここは気象庁では無くて国土交通省が提供している情報ですが、更新間隔は1分です。 XバンドMPレーダ雨量情報を見ながら外の様子を見ていると雨の強弱、降り始めや止むタイミングが合っていてなかなかおもしろいです。

 天気が気になる日が近づいてきたらまず週間予報で信頼度をチェック、雨が降りそうだったら事前に準備します。
 当日に降水短時間予報を見ることで6時間後までの様子を掴みます。
 雨が強くなってきたら一時的かこのまま続くのかを高解像度降水ナウキャストやXバンドMPレーダなどをチェックします。

 こうした情報は屋外イベントの中止判断にも使えそうです。
 また、狭い場所で強い雨が何時間も続く場合、何か起きる前に水と電池ぐらいの買い物だったらできそうです。

 少し前まではこうした細かい情報はお金を払わないと知ることができませんでしたが、紹介した情報は全部タダです。
 結構使える情報がタダで提供されているので必要なとき使ってみると便利かもしれません。

気流を測る

2015.02.14.23:27

 先日、湿度30%でも気流が小さければ乾燥が気にならないと書きました。
 室内の気流は0.5m/sec以下が基準になっていますが、0.3m/secぐらいの気流があると肌で感じますし、注意していれば0.2m/secでも感じます。
 室内でどのくらいの気流があるのか調べてみることにしました。カタ温度計

 測定にはカタ温度計を使いました。
 気流値を出すまでにお湯の用意とか周囲の温度や温度が下がってくる時間を何度も測ったり、計算など面倒なところもありますが、わずかな気流でも測れて費用も安い方法です。

 測定日 2015/2/14
 屋外気温 3.5度
 室内気温 21.5度
 気流
  リビング 0.09m/sec
  階段 0.2m/sec

 階段はコールドドラフトが発生しやすい場所なのでもう少し気流があると思っていましたが5回測ってもほぼ同じ値になりました。
 床暖房は空気が乾燥すると言われますが、わが家ではコールドドラフト対策や連続暖房によって気流が小さくなることで湿度30%でも不快に感じること無く普通に生活しています。
感覚温度図表
 今回気流のことを調べているときに感覚温度図表を見つけました。
 温度、湿度と気流から感覚温度が分かる便利な表です。

 気流についてはコールドドラフトなど冷たい空気の流れをイメージしていましたが、同じ温湿度の環境でもわずかな気流によって感じ方が変わることが分かりました。
 特に寒いか寒くないかの境界付近での気流の影響は結構大きく、わずか1度の違いでも連続暖房していると費用は随分違ってきます。

 ただ、気流を小さくするために24間換気している家で換気を止めれば別の問題が起きるそうです。
 木の家の住まい手としては余計な心配をしないで快適で暖房費用が抑えられるのであれば冬の室内では気流は小さい方がいいみたいです。

節水

2015.02.08.03:33

 水道料金と言えば使った水の量に対してかかる料金ですが、下水道に接続していると下水道料金もかかってきます。
 富山市では上下水道料金の請求は二ヶ月に一度です。
 わが家も下水道に接続しているので水道と下水道の料金がかかってくるわけですが、4万円(二ヶ月分)を超えてくるときもあって負担になっていました。
節水シャワー
 下水道料金は水道使用量によって決まるので水道使用量を抑えればいいのは分かっているのですが、何にどれだけ使っているのか分からないし、余計なことを言えば夫婦げんかになるだけです。

 洗濯で節水すると汚れ落ちが悪くなるし、キッチンで水を使いすぎているのでは・・・といえばその影響は何倍にもなって私に跳ね返ってきそうです。
 トイレの水を節水しようと貯水タンクに物を沈めて節水する方法もあるみたいですが、ある程度の水を流さないとトイレが詰まる原因になるそうです。
 有効な対策が見つからないまま水道料金を払い続けていました。

 そんなある日、建築士から浴室シャワーヘッドに節水効果が期待できるものがあると教えてもらいました。
 シャワーヘッドを交換しただけで・・・と思いましたが、建築士が言うので期待できるかもと軽い気持ちで交換しました。
 節水シャワーヘッドの紹介と書きましたが、建築士はわが家のシャワーヘッドと交換出来る製品型番まで教えてくれました。

 値段は3,000円ぐらいだったと思います。
 節水と言うことは出湯量が減るわけですから家族から使用感が変わることで何か文句を言ってくるかと心配しましたが、交換前と使用感の違いは感じなかったようです。
 シャワーを撮影してみると空気が混じった水流がシャワー口を出てすぐに水玉になっている様子が分かります。

 シャワーヘッド交換から2ヶ月経って請求を見ると使用量は減っていましたが、季節要因やたまたまということもあるのでもう少し様子を見ることにしました。
 半年経って比べてみると確かに水道使用量は減っています。
 お湯の使用量(ほとんどシャワー分)は分かっているのでシャワーヘッド交換によってどれだけ節水したのか調べてみると30%節水していることが分かりました。

 全体の水道使用量 100立方メートル
 浴室でのお湯の使用量 45立方メートル
 45立方メートルを30%削減 32立法メートル
 節水シャワー交換後の水道使用量 87立方メートル(100-45+32=87)

 水道料金は使用量が多くなるほど単価が高くなる設定なので単価が変わるあたりで使用量を減らすと料金は随分違ってきます。
 そういえば設備屋さんが女性、とくに年頃の女性がいる家ではお湯の使用量が多いと話してくれたことがありました。
 シャワーヘッド交換による30%の節水によってわが家では年間4万円ぐらい水道料金が減りそうです。
 水道使用量は家々でバラバラなのでシャワーヘッド交換による水道料金削減額もそれぞれ違うと思います。

 私の持論みたいな話しですが、こうした費用削減策によって減った費用は家計から切り離すことが大切だと思っています。
 私はサラリーマンなので急に大きな出費を求められてもすぐには対応ができません。
 これまで何とか払ってきた費用が減ったわけですからその分を積立に振り替え、時間を味方につけて少しずつ準備するやり方で急な出費に備えようとしています。

 建築士は「メンテナンスフリーの家など存在しない」と言います。
 やがて必ず必要になるのが分かっている費用だったら早めに積立を始めた方が負担は小さくなります。
 節水で減った金額は家のメンテナンス費用になりそうです。

冬の乾燥

2015.02.05.23:46

 床暖房は室内が乾燥すると言われます。
 確かに床暖房は室内で灯油などの炭化水素を燃やさないので水蒸気は発生しません。

 わが家でも室内湿度が30%を下回ることもありますが、喉が乾くとか肌がカサカサになると言ったことも無く普通に生活しています。
 先日建築士がお客さまから事務所で30%を指している湿度計を見てこんな湿度だったら肌は乾燥するし目も乾くのに本当に30%なのかと言われたそうです。

 建築物環境衛生管理基準には相対湿度40%~70%が基準値になっています。
 この基準値は大勢の方が利用する建物についての衛生基準を示しているのですが、住宅においても広く使われています。
 相対湿度が30%は低すぎるんじゃ無いかと思っていましたが、わが家は何の不都合も無いし、建築士の事務所を訪れたお客さまもご自宅の感覚と違うとおっしゃるし、建築士のご家族も相対湿度30%で不都合を感じることは無いと話してくれました。

 測定値に関しては複数の湿度計を入れ替えてもそれぞれ同じ値を示しますし、私と建築士が使っている湿度計も同じ機種ですから測定器の個体差による値の違いは小さいと思われます。

 私の家族と建築士のご家族だけが偶然同じ体感だったというのは考えにくいのですが、どうしたらそれを調べられるか考えていました。
 ある日、エアコンの前で昼食を食べていた職場の同僚が「ここで食べると目が乾く」とぼやいていました。
 このシーンがきっかけになって室内の気流の影響を調べれば何か分かるかもしれないと思って調べてみることにしました。アスマン通風乾湿計

 アスマン通風乾湿計は2本ある温度計の片方に巻いてあるガーゼを濡らしてガーゼが乾く際に気化熱を奪うことで起こる温度差から湿度を求める湿度計です。
 普通は通風させて測るのですが今回は通風無しと通風させたときの様子を観察することにしました。

 室内の湿度計が32%の時、アスマン通風乾湿計は35%(通風あり)を示していましたが、通風無しの場合は45%になりました。
 つまり室内の気流が小さいと体感湿度は高くなることになります。

 床暖房は室内の高低差による温度差が小さく対流も起きにくい暖房ですし、わが家も建築士のご自宅もコールドドラフトを抑える工夫をしているので室内の気流は小さいと思います。
 体にまとわりついている高い湿度の空気が気流で剥がされにくい環境が相対湿度30%でも不快に感じない要因になっているように思います。

 さらに、高い調湿性がある木の家で全室連続暖房していると湿度計が壊れているのかと思うくらい湿度の変化が小さくなります。
 湿度が安定していることも体感に影響しているように思います。
 今回は一般に適度と言われている40%以上の相対湿度から低めに少し外れていても加湿器を使うこと無く普通に生活できる様子が観察できたと思います。

 ここ二日間富山には珍しく日差しが出ることが多く、屋外湿度も30%ぐらいでした。
 屋外の気温が7度で相対湿度が30%の空気を21度ある室内に取り込むと相対湿度は12%になってしまいます。
 閉め切って生活しているとはいえ室内は屋外の環境に影響を受けます。

 屋外の湿度が下がれば室内の湿度も下がります。洗濯物や生活からでる水蒸気で加湿することで室内は30%になっているわけですが、同じ湿度でも気流が小さい環境では湿度が高く感じられるようです。

壁内結露

2015.01.29.11:20

 床暖房は窓に結露しにくいと言われますが、寒い日に窓に結露することがあります。
 結露すると言っても窓の下など一部だけですし、日中は乾いてしまいます。
 わが家では窓の額縁に衝立を置いているので窓の下に低温の空気が溜まることから衝立が無いときに比べると窓に結露がしやすくなります。

 さて、家と結露の話になると壁の中で起きる壁内結露の話しが時々出てきます。
 壁内結露しないように気密をあげて水蒸気が壁の中に入らないようにするとか、室内で水蒸気の発生を抑えるなどいろいろ対策が考えられています。窓枠結露

 しかし、家が建ってしまうと壁の中がどうなっているのか調べるには壁を壊さないと見られないので住まい手としては室内の環境から壁の中を想像するしかありませんでした。
 建築士のご自宅では壁の中にセンサーを入れて継続して壁内の環境を測っています。

 ただ、露点温度は計算によって算出しているので測定値と窓枠に結露する様子を観察して確かめることにしました。
 窓の額縁に置いたセンサーで温湿度、アルミサッシ枠に貼り付けたセンサーで枠の温度を測ります。
 額縁の温湿度から露点温度を算出しアルミサッシ枠に結露する様子を観察しました。

 結果は算出した露点温度をアルミサッシ枠が下回った頃からうっすらと結露し始めたことで測定値と計算がだいたい合っていることが分かりました。
 建築士のご自宅で使われているセンサーと同じ物で観察したのでこの方法で壁内の環境を壁を剥がすこと無く継続して知ることができます。
結露と露点温度グラフ
 今回はアルミサッシ枠という金属表面での観察でしたが、耐力壁などは木材なので露点温度を下回ったらすぐに目に見える結露が発生するわけでは無いし、結露したとしても短時間であればすぐに乾いてしまいます。
 また、屋外は気象台が測っているデータが使えるし、室内の温湿度も測っているので壁の中の様子が分かることで屋外と壁内、室内における水蒸気の動きも分かります。

 冬は室内の水蒸気が屋外に向かうとか、夏は屋外の水蒸気が室内に入り込もうとすると言った話をデータを見ながら建築士が話してくれます。
 わが家では室内でたくさんの洗濯物を干しても室内湿度変化は小さく抑えられています。
 断熱材も調湿するものが使われているので屋外に急激な変化があっても壁の中の湿度変化は緩やかなものになっていました。

 私はちょっとやり過ぎですが、壁の中がどうなっているのか知ることができた今回の観察では結露以外のこともいろいろ学ぶことができました。
 百聞は一見にしかずと言われますが、これには続きがあって
 百見は一考にしかず
 百考は一行にしかず
 百行は一果にしかず
 聞くよりも見ること、見るよりも考えること、考えるよりも行動すること、行動して成果を出すことを説いた教えだと言われています。
 やってみることで得ることは失敗も含めていろいろあります。

 ご自宅を計測している建築士の話は他で見聞きするのとは説得力が違いますし、同じ作り方と暖房方法で生活している私たちには大きな安心があります。

洗濯物の室内干し

2015.01.26.00:00

 わが家では室内で洗濯物がよく乾きます。
 室内干しによるイヤな臭いもしないし、シーツなど大きな物でも半日ぐらいで乾いてくれるので助かっています。洗濯物干しスペース

 冬は室内が乾燥しやすくなるので浴室を使い終わったら換気扇を使わずに出入り口の戸を開けっ放しにしたり、室内で洗濯物を干すようにしています。
 以前、冬の室内湿度変化が小さいことが気になって測定間隔を1時間から1分にして湿度変化を調べたことがありました。

 測定間隔が1時間では見えなかった室内の湿度変化を捉えられて天然乾燥材の表面では早い速度で水蒸気のやり取りがあることが分かりました。
 前回は主に食事の用意などキッチン主体で湿度変化を観察したので、今回は洗濯物の室内干しによる湿度変化を調べてみることにしました。

 洗濯前に洗濯物の重さを測り、脱水後にもう一度測ると差分から水分量が分かります。
 湿度データといつどれだけ干したかを組み合わせてグラフにしてみました。
洗濯物とリビング湿度
 洗濯物を干せば湿度も上がっているように見えますが、相変わらず全体的な変化は小さいように思います。
 グラフでは朝までに洗濯物から1,800g程度放湿されているのですがリビングの湿度は4%ぐらいしか上昇していません。

 容積絶対湿度で見ると1立方メートルに水蒸気が0.8gしか増えていないことになります。
 洗濯物を干している場所は吹き抜けがあるリビングですが、他の部屋とはっきり別れていないので容積は300立方メートルぐらいです。
 室内に放湿したのが1,800gと分かっているのですから短時間でも湿度が50%を超えてもおかしくないのですが、湿度変化は小さく抑えられています。

 湿度上昇が抑えられた分全てを木が保持しているわけでは無いと思いますし、大きく気密が損なわれているわけでも無いと思いますが、調湿性の高い木の家で加湿器を使うのは効率が悪いようです。
 また、洗濯物が乾く際に気化熱を奪うので室温も下がるはずなのですが、干している場所の容積が大きいとほとんど変化しません。

 物干しスペースもあるのですが、干すのもたたむのも同じ場所でできる現在の場所に落ち着いています。
 物干しスペース(室内)ではシーツなど大きなものを干す場所として使っています。
 しかし、室内の湿度変化が小さいと言っても水蒸気はそれなりに出ているし、屋外は寒い時期なので壁内結露が心配になります。

 建築士のご自宅でも様々な計測が行われています。
 先日、壁内温度と湿度データを見せていただきました。
 私は室内の温湿度から露点温度を調べる程度ですが、建築士は壁の中の断熱材より屋外側、室内では最も温度が下がる場所の温湿度を測っています。

 同時に耐力壁の温度も測っているので、壁内の露点温度と耐力壁の温度をリアルタイムに測っていることになります。
 しかも測っている場所が家の中でも結露しやすい場所というこだわりぶりです。
 寒かった日のデータを見ても耐力壁は露点温度に達していませんでしたし、思っていたよりも余裕がありました。

 木の家では室内で洗濯物を干しても壁内結露の心配が無いというと林業家から注意されそうですが、わが家では壁内結露を心配すること無く毎日洗濯物を室内で干しています。
 今回は洗濯物と湿度変化に注目してみましたが、生活しているとキッチンや浴室、洗濯物や人の活動などいろいろ水蒸気の発生源はあります。
 壁内結露の話になると理屈ではこうなるはず・・・が多いのですが、壁の中はこんな環境ですとリアルタイムに見せていただけると安心します。

 家内に今回のデータを見せると室内で洗濯物を干すのは家には良くないと聞いていたので心配していたが、もっと干しても大丈夫みたいって言い出しました。
 だんだんリビングに洗濯物が増えて物干し場で生活することにならないか心配ですが、洗濯物が室内でよく乾くのはこの時期は特にありがたいです。

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